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interview with Goth-Trad

interview with Goth-Trad

真打ち登場

——ゴス・トラッド、超ロング・インタヴュー

野田 努    写真:小原泰広   Dec 30,2011 UP

秋葉原まで行って、で、自分でネットで回路図を探して、全部書き出して----ぜんぜん知識はないんですけど(笑)----そういうエフェクター工作本みたいなものをオークションで5000円とか出して買ったりとか(笑)。ネットで海外のサイトでのリングモジュレイターのまったく同じ回路を見つけたり。

■そもそもどうやってシーンとの接点っていうものができていったんですか?

GT:『士魂』っていう渋谷FMのコンピレーションに1曲だけ参加してたんですよ。ケンセイさんがちょうどアブストラクトのアプローチをはじめたときに、彼にデモテープを渡してたんですよね。一発目渡して、二発目渡すときにケンセイさんが「すごく前の良かったから楽しみにしてた」って言ってくれて、「じゃあ聴いてください!」って渡したら、連絡あって、「いま企画してるから参加してほしい」って言われて。もうその時に10数曲できてたんです。それが2000年ぐらいです。だからトラック作りはじめて1年半ぐらいで、家にずっと籠もってサンプルいじりまくって10数曲作ったんですよ。それをケンセイさんに渡したら、「1曲コンピレーションに参加してほしい」って誘われて、それが12インチで出たんです。それがきっかけで「GOTH-TRAD」という名前ではじめたんですよね。

■なんで「GOTH-TRAD」ってつけたの?

GT:いや、「ゴスだね」ってよく言われてたんですよ、なぜか(笑)。作るトラックが。

■それはでも、そう言ってるひとの感性が正しいよね(笑)

GT:(笑)それは、自分が好きでよく使うサンプルが----中古レコード屋とかでクラシックのレコードをすごくよく買ってて----。

■へえー。クラシックをネタにしてたんだ?

GT:そうですね。だからストリングスの使えるネタをカットして、それをキーボードで弾き直すっていう作業が自分にすごくハマって。で、なんかこう、ストリングスの音というのが自分のなかでフィットするというか、メロディ浮かびやすかったりフレーズが作りやすかったりで。そういうのをやっていると、「ゴスな音だね」ってよく言われるようになりましたね。「あー、そうかゴシックか」と思って辞書なんかでいろいろ調べると、元々のゴシックのカルチャーっていうのはヨーロッパにセンセーショナルな風を吹かせたっていうのがあって、それはすごくいい意味だなっと。それでその言葉を選んだんですよね。

■広い意味だからね。

GT:そうですね。

■トラッドは?

GT:トラッドは、トラディショナルっていう部分は大事にしたいっていうか、それはどっちかって言うとルーツっていう部分なんですけど。

■なるほどね(笑)。紙『エレキング』に年間チャートをくれたじゃないですか。で、あのなかにキャスパのリミックスとか、あとオプティモっていう名詞があるのがすごく意外だったんだけど、実を言うとね。なんかいまのゴス・トラッドのイメージからするとね、やっぱデジタル・ミスティックズとか、ああいうごりごりに硬派なものかなと思ってたんだけれども。いまの話を聞いて、僕が思っていたよりもずっと幅広いんだなと思いました。まあ、でもその、「トラディショナルを大切にしたい」っていうのはいまひとつわかってないですけどね(笑)。まあ、いつかわかるかもしれないけど。

GT:はははは。

■10年前のケンセイくんなんかはクラッシュさんフォロワーの第一人者みたいな感じで当時やってたから、やっぱりその辺の流れとかも合流してるってことなんだね。

GT:そうですね。でその後、バクくんとのコラボっていうか。

■バクくんにもクラッシュさんの流れがあったよね。

GT:バクのDJ用に"Kaikoo TracK"という曲を作ってあげて、で、そこでリリースもあって。※2001年にリリースされた「DJ Baku 対 Goth-Trad」に収録。

■じゃあ、〈ドラムンベース・セッション〉にDJデビューしたり、秋本(武士)くんに出会うっていうのは?

GT:"Kaikoo TracK"のリリースとかがあって、神波さんから声がかかったのかと。だからバクくんと俺と、同じステージでDJやったんですよ。

■新宿リキッドルームね、バーの横の。

GT:はい、そうです。まあ、DJ全然できなかったんですけどね(笑)。家にはまだターンテーブル1台しかなかったんで(笑)。

■スーサイドはどこから来てたの?

GT:スーサイドは......。

■当時はバクくんなんかも、ノイズとか、いわゆるヒップホップの文脈から逸脱したようなサウンドを積極的にアプローチしていた時期だったよね。

GT:そうですね。その当時は逆に俺はバンドを聴いてなかったんですよ。生楽器の音楽を。それが好きじゃなかったんですよね。でもそのことに対してすごく悔しかったんです、なぜか。バンドの音楽って打ち込みの音楽よりも大きいシーンがあるし。ハードコアだったり。19縲鰀20歳のときに「その辺も聴いてみよう」と思って音を聴きはじめたんですよ。そのきっかけはまずテクノ・アニマルの片割れ、ケヴィン・マーティンの片割れのジャスティン・ブロードリックがハードコア・バンドのゴッドフレッシュっていうのをやってたんですよね。打ち込みと、キター、ベース、ヴォーカルなので、そこから聴きはじめて。
 で、それをどんどん辿っていったところで〈イヤーエイク〉っていうレーベルから出してたんで、そこからナパーム・デスとか、ピッチシフターとか、そういうハードコアものを聴きはじめたんですよ。それプラス、打ち込みのドラムをやってるって部分で、生のドラムも研究するんですよね、バンドと対バンするときとか観に行ったときに。生のドラマーってどういう打ち方してるんだろうな、とか。ハットがどうあってシンバルはどういう風に使ってて、オープン・ハイハットはこういう風に使ってて、とか、キックの打ち方とか、そういうのを目で見て研究するようになって。で、バンドとかも聴くようになったんですよね。そういう感じでいろいろ聴いてて、スーサイドなんかに出会った。

■......でもあれだね、ここまで話を聞いただけでも、ずーっと音楽なんだね。

GT:そうですね、ほんとに好きだったんです。でもまだ自己満足でしたね。
 上京した頃にちょうどインターネットも普及しはじめて、自分も大学入ってからインターネットはじめたんで、知りたいことをたくさん知れるっていうか、英語で難しいけど何とかわかるから「こういう音源あんだ!」とか、「このひとソロでやってんだ」とか「このドラムのひとこっちでもやってんだ」とか、「どうやって買えばいいんだろう」とか、そういう、「誰もこんなこと知らねーだろ」っていうようなことを調べるのにものめりこんでいって。面白いことを探して、そしてまた探してっていう。で、「自分もこういう音作りたいな」とか、「でもこれと同じものは作れないから、これ1枚に何かレイヤーさせたものを作ろうかな」とか、そういうアイディアを考えてましたね、当時は(笑)。

■ホントに音楽ばっかというか......今日は本物の音楽キチガイに会ったって気がする(笑)。

GT:はははは! でもそれがほんとに楽しかったですね、当時は。

■四六時中作ってたって感じなんですか?

GT:そうですね。家から出なかったですね(笑)。いまとつい10数年前ってほんと大違いじゃないですか。音の作り方が。アカイの3200XLっていうのを中古で買ったんですけど。それ30万ぐらいしたんですよ。バイトして。

■わかりますわかります。

GT:32メガなんですよね。で----。

■俺なんてエンソニックですよ(笑)。

GT:エンソニックもありましたね。音がちょっとね(笑)。

■フロッピーが2DDですよ、しかも。

GT:フロッピー・ディスクをこうね、1.4メガの。だから〈レベル・ファミリア〉の初期のライヴで、フロッピー・ディスク20枚全部ロードしたんです(笑)。

■はははは! じゃあロードしながら?

GT:いや、はじまる30分前ぐらいにロードして「絶対電源落とさないでください!」って言って(笑)

■なるほど(笑)。

GT:それでいいキックを探すために八王子のレコ屋で100円とか50円とかのをとりあえず買ってみて、聴いて、「これ使えるな」とか。そこでみんなが「あのソウルのブレイクいいよ」って言うようなやつは絶対使いたくなくて(笑)。

■なるほどね。それであの特殊な音色なんだね。

GT:そういうのを繰り返して。当時の曲の作り方っていうか、展開のつけ方っていう感覚はあんまり変わってないですね。

取材:野田 努(2011年12月30日)

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