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interview with Goth-Trad

interview with Goth-Trad

真打ち登場

——ゴス・トラッド、超ロング・インタヴュー

野田 努    写真:小原泰広   Dec 30,2011 UP

俺はもっとエクスペリメンタルな、プログレッシヴな音楽としてダブステップを捉えてたので、そういうものはむしろぜんぜん気に しなかったですね。つまんねーなっていう(笑)。まあ俺がやる音楽じゃねーなと。それもダブステップなんだろうけど、俺は俺のダブステップをやるっていう。


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■そういうシーンのなかで体験したことがゴス・トラッドにどのように影響を与えていったの? たぶん今回のアルバムにもそれがすごく繋がっていくと思うんだけども。

GT:自分のなかではやっぱり〈ワードサウンド〉とか、そういう面白い音楽、新しい音楽を作るっていう意味では同じスタンスだと思うんですよ。さらにダブステップ・シーンが----たとえばディスタンスがメタルやってたとか、マーラはテクノも聴いてたしレゲエも聴いてるしヒップホップもやってたとか、ローファはヒップホップをやってたとか、みんないろんなところから集まってる。BPM140周辺、ベースがすごいあって......っていう共通点でひとつのステージに集まってるっていうところが、お互いが新鮮っていうか。お互いがかける曲も新鮮だし。テンションは同じなんですよ。そういうやつらが集結してるから、興奮するしかないっていうね。で、共通する部分はみんな持ってるから。「こんなん作ってんだ、お前!」みたいな。それのやり合いみたいな、それが止まんないみたいな。その当時はほんとに。

■なるほどね。

GT:で、それに対して、すげーディープな音でも客からそういう(熱い)レスポンスが来るから、こっちもそういうレスポンスでいっちゃって、みたいな。どんどんテンションがいい具合で上がり合うっていうか。そういうのはつねにパーティでは感じましたね。

■たぶん、最初のピークだったんだろうね。2007年以降っていうのはさらにどんどん大きくなっていくって感じだったかな?

GT:その部分もあるし、やっぱりシーンの流れはちょっと変わりましたよね。2008年後半か、まあ2009年ぐらいから、ちょっとつまんなくなりましたね。リリースされるものが、すごく。まあダブステップってキーワードも大きくなったし、ダブステップっていうルールができちゃったし。新しいアーティストでダブステップを聴いてダブステップを作ってるのがたくさん出てきたし。ドラムの音色も似ててベースの音色も似てて、そういうものが2008年、09年......まあ09年10年特にいっぱい出て、ほんとつまんないリリースが続いて。

■じゃあ、初めて「つまんない」っていうのを感じはじめたのがその頃なんだ。

GT:うーん、まあでも、リリースはつまんないと思ってたんですけど、結局自分が聴いたりかけたりするものっていうのはダブプレートで、自分の信頼してるアーティストだったり、そういうとこはそういうとこで回ってるんで、関係ないですよね。ダブステップ・ファンが、まあメディアもそうだけど、「ダブステップ」って言ってるものが「これダブステップじゃねーよ」って思っちゃったりするぐらいの、まさにハイプになってるっていうか(笑)。そういう意味で。それはひとつのダブステップだから、そのなかの何個かは俺も好きだけど、形式ができちゃったっていうのは絶対あると思うんですよ。

■音楽の約束事みたいな?

GT:そう、約束事が。とくにアメリカのシーンでは顕著に現れてると思うし。ほんと全部同じだし。

■アメリカはまあすごいって言うよね、レイヴ・ミュージックとして。

GT:俺はもっとエクスペリメンタルな、プログレッシヴな音楽としてダブステップを捉えてたので、そういうものはむしろぜんぜん気にしなかったですね。つまんねーなっていう(笑)。まあ俺がやる音楽じゃねーなと。それもダブステップなんだろうけど、俺は俺のダブステップをやるっていう。だから一時期「ダブステップって言うのも何かなー」と思ったりしてたときもあったけど、だけどいまは敢えてこれが俺の打ち出すダブステップっていうことを言いたいとは思ってるんですけど。

■ゴス・トラッドがいまそれを言うのは大事だよね。

GT:ダブステップという言葉であるとかそのイメージが、この2縲怩R年ですごく大きくなったと思うんですよ。で、4年縲怩T年経つといち巡してきて、ファンも少しずつ入れ替わってるじゃないですか。この2年でダブステップ好きになったひともたくさんいると思うし。

■日本は2011年がいちばん売れたっていうけどね。

GT:あ、そうですか。俺は日本の流れはすごくいいと思うんですよね。

■ほんとにー!?(笑) 

GT:いや、ハイプになりきらないじゃないですか。

■ああ、そういう意味でね。

GT:たとえばアメリカ的になって、アメリカのああいうダブステップって呼ばれるものが、ガーンと来てたらガーンと下がって終わっちゃうと思うんですよ。

■いやいや、でも、ああいうのがどんどん入ってきて、どんどんハイプになったほうがいいとも思うけどね。軟派なものもふくめて、どんどんこっちに入って来て欲しい。

GT:あー。

■たしかにさ、現場で当事者として作ってる側だから、あんなのといっしょにされちゃたまらないよ、って気持ちはわかるんだけど。でもそれだけダブステップって音楽にポテンシャルがあったってことだよ。

GT:まあそうですね、そう思います。

■オリジネイターたちに話を訊くと最初は20人ぐらいからはじまったわけでしょ。20人でやってた実験が、何百万とかいう人たちの耳を楽しませるぐらいのポテンシャルがあったってことは、すごいことだからさ。

GT:そうですね。まあダブステップっていうすごく大きな括りのひとつのダイレクションだと思うんですよね。

■もちろん作品性とは別の問題だけどね。

GT:そうですね。だから自分的には別に全部ヘイトしてるわけではないし。好きなものもあるし。ただ、アーティストとしてそういうのを見たときに、つまんないものが多いなっていうのがあって(笑)。まあ......でもそういう意味で自分の方向性もすごく見えやすくなるっていうか。俺はこういうアプローチで音を出していきたいっていう。

■なるほどなるほど。

GT:だから〈ディープ・メディ〉っていうレーベルはそこに関して自分に合ってるレーベルだと思うし。〈ディープ・メディ〉自体は俺のノイズの音源とかも気に入ってるっていう、そのぐらいプログレッシヴな感じだから。

■何て言うか、拡張されてるんだね。

GT:そこを理解してもらわないと、俺はちょっと納得いかないんで。

■ゴス・トラッドの音源がノイズのレーベルから出るよりは、〈ディープ・メディ〉から出るほうが面白いのはたしかだよね。マーラとも音楽性が違うからね。

GT:そうですね。

■今回の『ニュー・エポック』が出るまでは4年ぐらいのブランクがあるじゃないですか。これはどういう理由なんですか?

GT:それはたぶん、自分のなかにアルバムっていうひとつのものにまとめるっていうイメージが沸いてなかったんですよね。トラックの量はあったんですけどね、それをひとつにまとめたからといってアルバムとして出したいかっていうとそうじゃなかったので。やっぱりアルバムに必要な曲っていうのが集まったから出したいっていうことですね。

■ダブステップがどんどん盛り上がっていったから、もうちょっと早く出したいって気持ちはなかった?

GT:焦りは全然なかったですね。

■シングルを出してるっていうのもあったから?

GT:シングルも出してるし、焦って出すつもりもなかったので。もちろんヨーロッパを回っててもブッキングに影響する部分もあったりとかもあるんですけど、自分にはそこまで影響はなかったんですよ。4年間で1枚しか出してないですけど、それは引き続き現場でプレイをしてプロモーションをしてやってこれた部分はあるので。

■年々DJの本数は増えてったって感じ?

GT:DJの本数は増えましたね、はい。

■しょっちゅう海外ばっかり行ってるっていうのは聞いてたんだけれども、それこそドミューンで頼もうと俺がいろいろ連絡してた頃も「いまいないんで」とかって言われたりしたからね。相当海外に行ってるんだろうなとは思ってたんだけれども。1年のうちほとんど海外?

GT:いやいやそんなことないですよ。今年とかは4ヶ月ぐらいだと思います。でもヨーロッパ4回行ってるんですよね。フェスが夏、6月と9月に入ったので、それ2週間ずつとか。春と秋は1ヶ月ずつ行って、今日から2週間ぐらいアジア・ツアー行って。でもその前の年は3ヶ月ぐらいだったから。そういう感じですね。ツアーやりながらも制作するんですけど、やっぱり家やスタジオでやんなきゃっていうのもあるんで。

取材:野田 努(2011年12月30日)

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