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interview with Goth-Trad

interview with Goth-Trad

真打ち登場

——ゴス・トラッド、超ロング・インタヴュー

野田 努    写真:小原泰広   Dec 30,2011 UP

ぶっちゃけ言うと「俺はこんなとこ住めねえな」と思うぐらい、ほんとやばいんじゃないかと疑うんですよ。だけど、同時に、そういう日本人の姿を見るとすごく勇気づけられる部分もあるんですよね。原発のことに関してもそうだけど、新しい世界を創り上げていけるんじゃないか、っていう


E王 Goth-Trad
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■じゃあ変な話、初めてダブステップを意識したアルバムを作ったという言い方もできるんだね。

GT:そうですね。

■それは面白い話だね。

GT:もしかしたらこれ、アメリカ人100人集めて「これジャンル何?」って言ったらダブステップっていうやつは10パーセントかもしれないですけど(笑)。

■まあそうかもね(笑)

GT:でもこれは、俺なりにダブステップを進化させた形ですっていうことで、敢えて違うテンポのものも入れなかったというか。

■ダブステップのオリジネイターのいち部の、それこそコード9とかローファみたいなひとなんかは、逆にブローステップ的なものから距離を置きたくて、新しい刺激としてジュークとかさ、ああいうのを取り入れてるじゃない? ああいうのはどう?

GT:面白いと思いますね。

■ああいうアグレッシヴな点っていう意味では、まさに初期のダブステップが持っていたものとちょっとやっぱり近いかなと。

GT:うーん、そうですね。あの感じは、自分が『マッド・レイヴァーズ縲怐xの後半で作ってたようなハーフステップのドラムンベースの感じにすっげー近いなと思う部分があって、面白いと思いますね。YouTubeに"アシッド・ステップス"って曲が上がってるんですけど、それのヒット数がめちゃくちゃ上がってるんですよね。それってやっぱりジュークだったりフットワークだったり、ああいう流れもあんのかなーと思ったり。
 俺は好きですけどね。だけどテンポ感っていうのが俺のなかではダブステップにすごくマッチしてて。ベースで作れるっていうか遊べるっていうか。ジュークはリズムの感じですごく遊べるんですけど。俺はダブステップのBPM140のあの感じっていうのに可能性はまだあると思ってて。もっと何か面白いことできるっていうか。もっと崩していけるんじゃないかっていうのがあって。

■それで『ニュー・エポック』っていうデカい言葉をアルバムのタイトルにしたんだ?

GT:まあそうですね。『ニュー・エポック』っていうのは、そういう音的な部分も含めつつ、日本の今年いろいろあったことっていうのも含めて。

■3.11のね。そのときは日本にいたの?

GT:いなかったんですよね。

■じゃあもう......。

GT:びっくりして。そのときはロンドンにいて。東京には家族がいたんで、すごくショックでした。パソコンで日本のテレビ見てたんですけど、もう動けなかったですね、テレビの前から、ずーっと。ほんとショックで。

■その後またさ、自然災害だけならまだしも、原発事故っていうのが重くのしかかってくるから。

GT:そうですね。それでやっぱり、デカい権力の恐ろしさっていうか。何パーセントかわからないですけど、そこの怖さを日本人は知れたんじゃないかっていうか、人のよい日本人が、そういうものを疑う知識を持ったんじゃないかっていうのはありますね。

■そうなってくれるとすごくいいなと思うんですけどね。でもなかなか......。自分はサッカーがすごく好きだからね、スカパーに入ってるんで、BBCにも入ってるんですよ。震災直後にBBCのニュースをよく見ててさ、海外メディアがどういう風に日本を扱ってるのかすごく気になってたから。で、早い話、「日本人はお人好しすぎる」ってことをイギリスのメディアのほうが言っていたでしょ。「なんでもっと怒らないんだ」っていう。

GT:いや、ほんとその通りだと思います。もしかして俺ひとりで生きてたら別に気にしてなかったのかもしんないですけど、子どもが1歳でとか、そういうことを考えるともっとそういうところに神経質になるから。食べ物とか。「がんばろう東北」じゃねえだろっていうね(笑)。もちろん国は東北の農家だったり漁師とかを保障しなきゃいけないし。そこ誤魔化して、金使わずにやるっていうのは。テレビもそうだし。どうすんだ? っていう。「テレビが大丈夫って言ってるから」ってなりますよね。だって20歳の若者ですら、俺の〈バック・トゥ・チル〉でやってる子たちに「食べ物とか気にしてんの?」って聞いたら「何が?」みたいな、そんなノリだし。これはまずいなとほんと思ったんですよね。

■ほんとに欧米との認識の温度差がすごいよね。

GT:ひとを見たら疑え、じゃないですか、けっこう海外って。でも日本のひとはほんとお人好しだから(笑)

■ほんとよくも悪くもっていうか、でも今回は悪いほうのお人好しだかもね(笑)。

GT:だから、けっこうたくさんの日本人がそういう部分に気づいたんじゃないかなと思うんですよね。

■それは今回のアルバムのなかでどういうような関係があるんですか?

GT:でも、日本人の良い部分なのかもしれないけど、勤勉で、「ここからスタートしていこう」っていう部分はあるじゃないですか。俺はぶっちゃけ言うと「俺はこんなとこ住めねえな」と思うぐらい、ほんとやばいんじゃないかと疑うんですよ。だけど、同時に、そういう日本人の姿を見ると勇気づけられる部分もあるんですよね。原発のことに関してもそうだけど、新しい世界を創り上げていけるんじゃないか、っていう希望をこめたタイトルというか。新しい世代というか。だからトラックの名前もそういうものがつけてあって。
 1曲目はとくに途方に暮れてる、自分もそうだし。うわべはみんなすごく頑張ってるけど、ほんとはそういう人間がいまの日本にたくさんいるはずなんだっていう思いもあって。それはほんとに震災後にできた曲で。断片のメロディとかだけは作ってたんですけど。そこから完成できてなかったんですけど、あれ以降にタイトルとアイディアができて完成した曲なんですね。

取材:野田 努(2011年12月30日)

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