Home > Interviews > interview with LOVE ME TENDER - 奥渋谷系のロマンス
今回はしませんよ。もう卒業しました。(高木壮太)
うちのバンドは合法ドラッグ・覚醒剤は禁止ですから。(アラタ)
はい、そうですね。悪いものはちょっとやめていこうか。(マキ)
LOVE ME TENDER SWEET Pヴァイン |
■ああー、なるほどなるほど。じゃあ、みなさんは自分たちのリスナー像っていうのは見えてる部分ってあるんですか?
壮太:オタクが聴いてるっていうのはあるんですけど――。
■えっオタク聴いてる!?
壮太:オタクは聴いてると思いますよ。
テッペイ:俺のイメージは、ヒップホップとか何かを20代前半で飽きたひとが寄り道して聴いてる感じがするかな。
壮太:フュージョン・ファンとかシティ・ポップ・ファンは聴いてないと思います。
マキ:怒られるよ、だって。
壮太:なんちゃってシティ・ポップ、なんちゃってフュージョンだから。本格派のひとは聴かないと思いますよ。聴くひとは変わったバンドと思って聴いてるんじゃないですか。
■いまの壮太くんのなかで、とくに問題意識みたいなものがあったら教えてください。
壮太:社会的にですか? やっぱりシリアスになりすぎてるくせに、すごくカジュアルになってて、インテリが迫害されているし、かと言って冗談も通じないし、窮屈になるいっぽうですね。
■ああ、なるほどね。たしかに。
壮太:俺とか完全に知性のひとなんですけど。キャラクターはフクロウみたいな感じなんですけど。ぜんぜんそういうのは受け入れられなくなってるなあと。尊敬されない。
■ははははは!
壮太:もの知ってるとバカにされるっていう。
アラタ:いやそれ、日ごろの行いなんじゃないでしょうか(笑)?
壮太:そのくせ冗談が通じない。戦争コメディとかがぜんぜん作られなくなった。昔はあったでしょ。『M★A★S★H』ぐらいまではあったじゃないですか。朝鮮戦争ぐらいまでの戦争パロディは。湾岸戦争とかを舞台にした戦争コメディとか全然ないじゃないですか。アフガニスタンを舞台にしたものとか。
■ああ、でもイギリスはありそうだよね。
アラタ:アメリカも『ヤギと男と男と壁と』っていうやつは、あれはイラク戦争だよね。あれはけっこう面白かったけどね、脱力してて。
アッキー:なんかあったよね、湾岸戦争でコメディ。アイス・キューブが出てたやつだと思うけど(注:デヴィッド・O・ラッセル『スリー・キングス』だと思われます)。
壮太:アメリカ大統領選もわけのわからない泡沫候補が出なくなった。昔はスパイダーマンの格好したやつとか、出てたのにいつも。キャプテン・アメリカの格好したやつとか。
アラタ:日本もね、参議院選でUFO党がどうとかあったよね。
壮太:そういうのがなくなってきてると思います。
■息の詰まりそうな場面っていうのはどんなときに思いますか? 日々?
壮太:日々。
■なるほど。じゃあ......。
壮太:自分がいま大恋愛をしているからかも。街を歩くとみんなうつ病に見える。
■ははははは! 自分は楽しいのにっていう。アラタくんも恋愛中だっけ? 恋をしているほうがテッペイくん?
マキ:そうです。
■じゃあアッキー、ほかに言い足りないことがあれば言ってください。脱法ハーブについてでも何でも。
アッキー:うーん......合法はやめたほうがいいですよね。
マキ:やめたほうがいいですね。
壮太:仕組みはわからないけど、これだけバッドな症例がいっぱい報告されるってことはやっぱ統計学的にもおかしい。
アッキー:若いひとが死ぬってニュースを聞くのはやっぱイヤですよね。
■また脱法ハーブっていう言い方もイヤだよね。
アラタ:存在自体が姑息。法の抜け穴でっていうのが何か。存在してる過程自体が姑息だし、やだなあって。キマり方が孤独に陥るキマり方だし。
■それで儲けてるひともいるわけだからね。
アッキー:DJバーはぜんぶ、合法ハーブを店で吸うのを禁止にしたほうがいいですよ。
■DJバーで吸ってる?
アッキー:うーん、吸ってるひともいる。
アラタ:合法だからね、堂々と吸える。
■とにかく、合法には手を出すなと。
アッキー:そういうプロパガンダをしてもいいんじゃないですか、DJバーが。
アラタ:身近でもね、20年覚醒剤をやってたひとが、最後は合法に手を出して死にましたからね。
■ああ、危険なんですね。
アラタ:覚醒剤もすごく危険なドラッグなのに、それをちゃんと20年コントロールしてやってられるようなひとですら。キングギドラだっけ? そういう銘柄があるらしくて。
■それはどういうやつなの?
壮太:バス・ソルトとして売ってるんですよ。
■奇妙な世のなかだよね。
アッキー:ねじれがすごいですよね。
壮太:ラボの技術が法律を制定する速度を上回ったって、ただそれだけしょう。新薬を作る速度のほうが、法律を制定する速度より速くなったからこの現象が起こってて。そのいたちごっこはいままでもあったけど。ちょっとだけ化学式を変えて、新薬だっていうのは。この先はどうなるか予測がつかないです。
■なるほどね。わかりました。今日はいろいろ話を聞きましたが、ラヴ・ミー・テンダーは基本的には、すごくロマンティックな音楽だと思ってるから。
マキ:ありがとうございます。
テッペイ:ラヴです、ラヴ。
壮太:化学式はやりません。
■言い方は悪いですけど、すごくバカなことをやってるでしょう、この歌詞にしても(笑)。敢えてバカなことをやっているのはなにゆえなんでしょう?
壮太:計算してやってるわけじゃなくて、ほんとにイノセント感の表れだと思ってます。
テッペイ:冗談が好きなんですよ、ただただみんなほんとに。へへへ。
■なるほど、わかりました。そんなところでしょうか。
アッキー:最後に一言。
■お、なんですか?
アッキー:脱法には愛がない。これ、壮太くんが言った名言だと思ってます。
壮太:言ってたっけ、俺?
■いいですね。バンド名がラヴ・ミー・テンダーってぐらいだからね。本質はあくまでそっちにあるってことですね。ではどもありがとうございました!
一同:ありがとうございました!
LOVE ME TENDER "SWEET" RELEASE PARTY ~また逢う日まで~
2012.11.28 (WED) SHIBUYA WWW
OPEN 18:00 / START 19:00
LIVE: LOVE ME TENDER / ホテルニュートーキョー / LUVRAW & BTB
DJ: 二見裕志
ADV 2,500 yen (+ drink fee) / DOOR 3,000 yen (+ drink fee)
TICKET: e+ / LAWSON [L: 70179] / WWW
INFO: WWW 03-5458-7685 http://www-shibuya.jp
LOVE ME TENDER http://lovemetender.mond.jp
取材:野田 努(2012年11月22日)