ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Smith & Mighty ——ブリストル・サウンドのオリジネイター、スミス&マイティが久しぶりにアナログ盤をリリース
  2. The Fall ——上村彰子著『ザ・フォールの素晴らしき世界』が刊行
  3. Eli Keszler and Alpha Maid ──〈MODE〉が贈る2026年最後のプログラム、イーライ・ケスラーとアルファ・メイドの来日公演
  4. Moodymann ──ムーディーマンの来日公演が決定、今年は東京と京都をツアー
  5. Arab Strap - Half-Told Tales | アラブ・ストラップ
  6. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  7. interview with Adrian Sherwood and Nightmares On Wax UKダブ・“トーク”・セッション | ――エイドリアン・シャーウッド×ナイトメアズ・オン・ワックス特別対談
  8. Eden Aurelius - Entre Nous / emer ft. Ugnė Uma - You and Me | エデン・オーレリウス、エメル、ウグネ・ウマ
  9. Columns #15:「すべてのロックンロールに反対してやる」 ──『UKインディ・ロック入門』刊行のお知らせ
  10. ジャパニーズ・ヒップホップ第二世代──あるDJの証言
  11. Protomartyr - Hotel Usona | プロトマーター
  12. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  13. ゲーセン波乱万丈の100年史
  14. interview with Actress UKテクノ界の奇才が語るみずからの哲学 | ──アクトレス、インタヴュー
  15. 三田 格
  16. Marcellus Pittman ──デトロイト・ハウス珠玉の逸材、マーセラス・ピットマンの来日ツアーが開催
  17. ポピュラー文化がラディカルな思想と出会うとき──マーク・フィッシャーとイギリス現代思想入門
  18. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  19. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  20. METHOD MOTEL - @名古屋・栄CENTRAL

Home >  Interviews > interview with Passepied - Jポップ・オブ・ポップ

interview with Passepied

interview with Passepied

Jポップ・オブ・ポップ

──パスピエ、インタヴュー

橋元優歩    Jun 18,2014 UP

アニメですか。わたし、アニメってぜんぜん観たことなくて。   (大胡田)

■女性ヴォーカルは絶対という感じですか。

成田:絶対というわけでもないんですが、バンドを組もうと思った2006年くらいの頃は、男性ヴォーカルのギター・バンドがすごく多かったんです。まあ、僕の知る範囲では。それからキーボードの入っているバンドもいまほど多くなかったと思います。それで、なんとなく、これからバンドを組むなら女性ヴォーカルを入れるほうがいいんじゃないかというようなことを考えました。

■歌唱力っていうと、大抵は声量が豊かなR&Bのシンガーなんかを暗に基準にしているところがあると思うんですけど、大胡田さんってそうじゃないですよね。太いわけじゃないけど、明確な子音とか、キーボードのようにぶれない波形、みたいな。ある意味で日本的というか。

野田:アニメの音楽の影響があったりというわけでもない?

大胡田:アニメですか。わたし、アニメってぜんぜん観たことなくて。よく訊かれるんですけど、アニメで好きな歌っていうとけっこう古いものになってしまうと思います(笑)。親が歌ってたから知ってる、とか。

成田:でも、絵も描いていたり、自分でマンガを描きたいって言っていたこともあるんですよ。だから、考え方が突飛というか、突然変異的なことが多くて。それこそ、ぜんぜんマンガを読んだことがなかったのにマンガ家になりたいって思ったりとか。僕が見るなかでは、何かにインスパイアされて表現が生まれるというよりは、自分が表現するための手段がそれだった、みたいなところがありますね。

■なるほど。アニメの音楽っていっても、Jポップの市場がぶらさがっているだけってところもありますしね。

野田:成田さんから見た大胡田さんのヴォーカルの魅力はどこなんですか?

成田:まず声質ですよね。話し声をはじめて聞いて、普通の声じゃないって。それはいまでも強みかもしれないです。あと、本人がどう思っているかはわからないですけど、曲によって変えようとしているのがおもしろいですね。「どんな曲がきてもわたしはわたしの歌い方で」っていうのではなくて、特異な声質を用いて、曲によって様変わりしていこうとしているスタンスが。

■ついアニメと比べてしまうような、ちょっと中性的というか、幼児性のあるような声質というのは、ニューウェイヴ的なものでもあると思いますけどね。

成田:そうですね。僕もアニメはぜんぜん観ないんですよ。ただ、当時のニューウェイヴの曲は、僕は素朴におもしろいと思って聴いていたんですけど、それが『うる星やつら』に使われていたとか、ゲームに使われていたというようなかたちで、思わぬところでそうしたカルチャーとつながることは多かったです。

それに対する僕らなりのポリシーとしては、同期ものをいっさい使わないところで表現をしていこうというところですかね。ハードで鳴らすことの意義はすごく重く考えています。

バンドの意義、ハードの重み

■ボカロはどうでした?

成田:僕はボカロも聴かなくて。ぜんぜん嫌いというわけではないんですけど、とくに感動できないということがあって。自分がピアノをやっていたときには、いかに一音で感動させるかというようなことにずっと取り組んでいたんですよ。ピアノには言葉がないから。ボカロとかも、ひとつの表現手段として、あるいはカルチャーとしておもしろいものだとは思うし、テクノロジーの進化ということで時代性もあると思うんです。けれども、作っている人間の感情を、発する音から求めたいと思うところがあるので……。

■ボカロといっても要素は生の人の声なわけで、大胡田さんの声で「あ」から「ん」まで録音したサンプルをつなぐのと同じですよね。でも、彼女の歌と、彼女のあいうえおを単組み合わせたものとは違うんだということですか?

成田:そうですね。そう思っているし、それに対する僕らなりのポリシーとしては、同期ものをいっさい使わないところで表現をしていこうというところですかね。ニューウェイヴだ、電子音だ、っていうところで、同期ものをつかわないの? とよく訊かれるんですが、たとえ波形で見れば同じことだとしても、ソフト音源を使ったりとか打ち込みってことをやったことがないんです。全部ハードで録っているんですよね。PC上でMIDIでつないで鳴らすってことではなくて、ハードで鳴らすことの意義はすごく重く考えています。

野田:そこもすごくニューウェイヴ的なアプローチだよね。フライング・リザーズが風呂場でドラムを録るようなさ。テクノロジーに支配されない、テクノロジーは使うものだ、っていうね。

成田:なるほど、そうですね。

野田:ポップスの歴史ってだいたいはアメリカなんですよね。だから大瀧詠一さんが世界史を分母にして……っていうときの「世界」はアメリカのことで、細野晴臣さんとか矢野顕子さんとか、あの世代まではみんなアメリカの音楽の影響を受けているわけ。でもニューウェイヴだけがヨーロッパの音楽なんですよ。小室哲也っていう例外はあるんだけどね。

成田:はい、はい。

取材:橋元優歩(2014年6月18日)

RELATED

パスピエ- 幕の内ISM ワーナーミュージック・ジャパン

Reviews

INTERVIEWS