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Anti-Nuclear Demonstration in Japan

Anti-Nuclear Demonstration in Japan

野田 努 Apr 11,2011 UP

 日本の反原発デモもいよいよ活発化してきている。4月3日には京都でもデモがあって、デモのあとには紀平直樹が鴨川デルタのフリー・パーティでDJプレイ、最後の曲はキヨシローの"Love Me Tender"だったとの報告が編集部にも寄せられている。
 去る4月10日は、都内では芝公園から出発する「浜岡原発すぐ止めて! 4・10東京集会&デモ」と高円寺の素人の乱による「被災地支援義援金集め&原発いい加減にしろ! 超巨大反原発ロックフェスデモ」のふたつがあったが、僕が参加したのは前者のほう。コースは経済省前~東電~中電、シュプレヒコールは「浜岡」をはじめ、「もんじゅ」、「女川」、「六ヶ所村」、そして「未来」と「子供」をキーワードに繰り返されたが、さすがに東電前は盛りあがる。個人的にも東電のずさんな管理体制やちんたらした記者会見にもっとも腹が立っているのだけれど、路上からは「人殺しー!!」「社長出てこい!!」「水返せー!」「汚すナー」などといった声が容赦なく飛び交った。身近な話で言えば、外国人DJをメインにブックしているクラブやロック・バンドの呼び屋あるいはヴェニューも、来日キャンセルの理由はほぼ100%福島原発なのだから、かなりの実害を被っていると言えるのだ。
 実際に何人かの音楽関係者とも会った。DJもいたし、レコード会社の重役の方もいたし、筆者と同じ静岡出身の五十嵐や静岡おでんのアッコちゃんにも会った。子連れも多かったし、おそらく高円寺とは違った意味で若い人も多かった。初めてデモに参加した若い人も多かったようで、それだけ切実な問題意識が広がっているのだろう。そりゃあ、そうですよね、反原発という前に、僕はまずはとにかく福島どうにかしろよという気持ちが強い。そして浜岡だ、これはホントに恐い。温厚な静岡人といえども黙っているわけにはいかない。愛する故郷、愛するフットボール・クラブのためにも。

 僕の世代は、1980年代後半にも反原発運動を経験している。あのときはRCサクセションやブルー・ハーツのようなポップ・シーンの頂点にいるバンドまでもがいっしょになった。が、それでも原発は増設された。当時はチェルノブイリが契機となったが、今回の福島の切迫感はあのときとは比べものにならないくらいある。
 ......さて、家に帰ってからテレビを付けると選挙の結果が発表されている。いっきに暗澹たる気持ちになる......。しかしことはまだはじまったばかり。キヨシローもそう歌っていた、すべてはいま、はじまったばかりさ~。(それにしても、相変わらず外国のメディアの姿ばかりが目に付いた。なぜ日本のマスメディアはこうした市民運動をもっとレポートしないのだろう......)
 なお、4月16日には大阪の御堂筋でデモ、また、17日には浜岡原子力発電所のある御前崎市の市役所前でもあるようですよ!


 追記:高円寺のデモに行った水越真紀さんから以下のようなコメントをいただきました。

 交差点が見える。まっすぐ進むあたしたちの前をデモ隊が横切っていく。一周して来たデモ隊がもうその交差点に戻ってきているのだ。集合場所の小さな公園を出るまでに30分以上かかり、全体像は誰にも把握できていないだろうと思えるほどの反原発のデモ隊で高円寺の街が満たされていた。
「こんなことになって...」と、8年前の反戦デモで一緒に歩いた友達が苦い顔でつぶやいて、でもお互いに思わず笑ってしまう。こんなデモ、ほんと久しぶりだよ。こんな惨事が実際に起きて、それでもこんなに人が集まるとは行ってみるまで誰も思ってなかっただろう。
こんなデモ。言いにくいけれど、ほんと「幸せなデモ」だった。動員団体もいない、警官もほとんどいない(間に合ってない)、街に溢れた1万人以上の個人的な意思があり、指揮する人もいない長い長い行列で叫んで踊って鳴らして歌って、その意思の花火があちこちであがる。「なんにもできない」は「なにかしたい」につながってると改めて思ったのでした。

野田 努

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