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王舟の7インチをレコード・バッグに追加すべし!

王舟の7インチをレコード・バッグに追加すべし!

王舟 - Ward/虹

Felicity

Tower Amazon

矢野利裕   Nov 20,2014 UP

 今年の夏に出たアルバム『Wang』も記憶に新しい王舟が、新曲7インチ「Ward/虹」をリリースした。A面B面ともに、期待を裏切らない内容だ。

 A面「Ward」は、繊細なアコースティック・サウンドと透明感のある歌声を中心に温かいアンサンブルを聴かせてくれる、王舟ならではのポップなSSW曲。個人的にフルートが好きなので、温かみのある演奏のなかで、mmmのフルートが寂しげな印象を差し込むのもたまらなく良い。ちなみに、僕はオールジャンルのDJ(アナログ)でもあるのだが、この曲が7インチ化されたのはうれしい。というのも、DJ目線で見ると「Ward」は、イントロのドラムブレイクがとてもミックス欲を掻き立てるからである。少し変わったドラム・パターンだが、それも良いアクセントになりそうだ。アコースティック・スウィングやジャングル・ビートを使ったオールディーズなどの合間にかけたくなる。あるいは、ダン・ヒックスなどどうか、少しアクが強いか。想像が膨らむ。いずれにせよ、アフター・アワーズに最適なグッド・ミュージックだと思う。DJ諸氏、レコード・バッグに追加すべし。

 B面は、ライヴで恒例だという電気グルーヴのカヴァー。メロディだけ取り出すと、原曲のことを忘れてしまうくらいのハマり具合で驚いた。もともと抒情的な曲だと思っていたが、このようなアコースティックな響きを獲得するとは。あと、やはり注目すべきはアレンジで、全体的にエコーを聴かせて、かなりサイケデリックに仕上げている。フィルターがかったベースとパーカッションも聴いているうちに中毒性を帯びてくる。「くり返す、くり返す……」というつぶやくようなヴォーカルがフェイド・アウトすると、後奏では、エコーとリヴァーブがかかったシンバルが鳴り響く。これも、美しくサイケデリックである。「虹」という曲の新たな面を見せてくれるようだ。

 一貫した音楽世界のなかで、多様な引き出しを見せつけられた気分である。

矢野利裕