「Nothing」と一致するもの

vol.135:レズビアンの結婚式 - ele-king

 2022年10月、友だちが結婚した。
 彼女(Kelsey、以下K)は、昔カフェで働いていたときの同僚で、英語があまり話せない私を、アメリカ文化にどっぷり浸らせ、私をアメリカ人に仕立て上げた人である。典型的アメリカ人のKは、フレンドリーでお洒落とお酒が大好きで、噂話も大好き。仕事が終わったら一緒にバーに行ってまだしゃべるまだしゃべる、という楽しい日々を過ごしていた。ファッション・デザイナーになるのが夢だというKは、よく自分のアイディアを話してくれたし、芸能人や友だちの洋服チェックは欠かさなかった。
 私たちは「サンディ・ファンディ」という日曜日に集まるグループを作り、毎週集まっていた。みんなで一緒にオスカーやグラミー賞などを見ると、Kは、まーうるさい。一人一人の洋服に「この方がいい」「この色はない」「洋服はいいけど、ヘアスタイルとあってない」「私ならこうする」など、手厳しい意見を連発する。そんなKはある日、自分の洋服ブランドを立ち上げると、ウエブサイトを見せてくれた。そこにはフリルのついた素敵なドレスや、シースルーのドレス、ラヴリーでKらしいデザインがたくさん載っていた。ただ、かなり凝ったデザインで、値段も普通の人には届かないお値段だった。作るのもプロモーションにもお金がかかるのでははいかと訊いたら、彼氏にお金を出してもらうと言った。そして、彼氏とは遠距離で、たまにNYに来るときに遊ぶと言った。そんなので寂しくないのかなと思ったが、Kは夢をかなえるため、まっしぐらに進んでいた。
 そうしているうちに働いていた仕事場がクローズし、Kと会う時間も少なくなった。ある日、失業保険をもらうためオフィスを訪ねたらKと会った。お互いの近況報告をすると、kは彼氏と別れたと言った。かなりのドタバタ劇だったようだ。さらに、Kはお酒をやめるとも言った。Kは、Kのスペシャル・ドリンク(通常の倍の量のジンを入れたジントニック)まであったほどに、お酒が大好きだった。それがどうしたことか。お酒を飲むと記憶がなくなり、クリエイティヴなことができなくなると、Kはじつにまっとうな意見を言った。それからサンディ・ファンディに来る頻度も少なくなって、来たとしてもクラブソーダをちびちび飲んでいて、昔のようにぶっちゃけた話もしなくなった。彼氏と別れてから、「彼氏より仕事」と言っていたし、Kは夢に向かっているんだなと私は尊敬していた。じっさいKは、『ヴォーグ』に載ったかと思うと、有名ミュージシャン(リゾ、ロード、ジャパニーズ・ブレックファースト、チャーリー・ブリス、クルアンビンのローラリーなど)の洋服のデザインを手がけるようになり、たくさんのメディアに登場するようにもなった。そんな忙しいなかでも私のバンドのミュージック・ヴィデオの洋服をスタイルしてくれる、友だちだち思いのKなのだった。

 コロナがはじまり、テキストで連絡する以外はKにまったく会えなくなり、彼女の活躍はインスタグラムで見るぐらいになった。たまには会いたいと思ったが、Kはお酒を飲まないし、そのうえKは、子宮がんで闘病している共通の友だちの世話をしていた。彼女の看病のためにKは誰にも会わないし、会えないと言った。
 Kの看病もむなしく彼女は亡くなり、お葬式で久しぶりにKと会った。「Yoko久しぶりー」と目に涙をためながら話してくるKは、隣の女性を「私の彼女」と紹介してくれた。「Kからたくさんあなたのこと聞いてるよ」と紹介されたPは、とても気さくで、どちらかと言えば男の子っぽい感じの人だった。いつの間に女の子と付き合うようになったんだろうと思ったが、Kはもともとバイで、男も女も好きだったようだ。隣に座るといつもすり寄って来るし、お別れするときは、とびきりのハグをしてくれる。
 Kの「彼女」PとはAA (アルコールに問題がある人達が集う集会)で出会い、ズタズタだったKを助けてくれたという。弱っているときに助けられると運命を感じますよね。数か月後、Kから「Save the date日程を開けておいてね」のポストカードが届いた。1年後の2022年10月に結婚式を挙げるという。
 
 ミレニアル世代のKの周りは、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーなど、自分に正直で伝統的でない人が多い。私の周りにもジェンダーを変更していた人がいて、久しぶりに会うと戸惑ったことがある。コロナ前は男だったのに、いまは名前も変わって、スカートを履き、メイクをし、「hi Yoko!」と何食わぬ顔で挨拶してくれる。彼女は、声はそのままだが仕草もメイクも女の子で、以前より輝いて見えた。
 かつての私の同僚にフランス人の女の子がいて、彼女はKの友だちと結婚していた。彼Tは、アメリカ人で彼氏がいる。私は、先にTの彼氏を紹介してもらっていて、仲良くなった後に彼女と会ったので「???」だったのだが、結局はビザの問題だったようだ(彼らはまだ離婚していない)。ちなみに、フランス人の彼女とTの結婚式の司式者がKだった。Kはそんなことも(人に結婚をさせてあげられるの)出来るのねーと驚いた。いままで私がアメリカで出席した3回の結婚式のうち2回がこのように友だちが立会人だった。結婚式で、さっきまで普通に話していた人が式になると牧師さんの格好に正装し、二人の間に立って指輪交換をさせる。そして、「あなたは、誰々を妻とすることを誓いますか」などと言う。それには免許が必要なのだそうだが、これを持っている人は意外と多い。「I can marry you」などと言われるので、「私と結婚したいの?」とドキマギしたこともあった。

 Kの結婚式の2022年10月。場所はアップステートの農場で、3泊あるので旅行気分で行った。
 まずは、メリーゴーランドのあるホテルでウエルカム・パーティ。彼女がお酒を飲まなくなってもう6年目で、キラキラのトップを着たKはとても幸せそうに見えた。その隣にはPがいる。彼女たちの衣装は、もちろんすべてKがデザインした洋服だ。「エルトン・ジョンとシェアが結婚式に出るとしたら」というテーマだそうで、彼女たちは大きいサングラスを掛け、キラキラの洋服を着て、羽をつけ、いまからコンサートに出るような恰好をしていた。
 以前会ったことのあるKの両親とも話せた。KのママもKに負けないくらいキラキラした洋服で、まぶしかった。Tも、Tのお姉さんも来ていて、家族ぐるみの付き合いなんだなと思った。
 女と女の結婚式なので、ウエディングドレスは二人で同時に着るのかと思えば、最初はKが豪華なフリルのついたウエディングドレスで、Pがネイビーの刺繡の入ったスーツ。そのあとに二人で白のミニドレスを合わせたり、カジュアルなドレスを着ていた。
 司式者はTだった。彼はこの日のために免許を取ったらしい。もうひとりKの友だちも司式を担当。二人の司会で二人をナビゲートし、指輪を交換させ、涙が出る感動的な結婚式をサポートした。最後に「NY州の法律に従い、二人を妻と妻として認めます」というところで「女と女の結婚式なんだ」と思ったががあまりにも自然すぎたし、この世でひとつだけの美しい結婚式だった。
 カクテル・パーティ、ディナー・パーティ、音楽演奏(彼女のためにオーストラリアから駆け付けた、有名インディ・バンド)、スピーチ、ダンス・パーティ、キャンプ・ファイアー、など、楽しい結婚式となった。久しぶりに会うサンディ・ファンディ仲間もいたし、子宮がんで亡くなった彼女の写真もパーティ会場に飾られ、彼女の両親も来ていた。
 彼女たちの両親は「PはKにピッタリ」などお互いを大絶賛。パーティを盛り上げるDJもノリノリで、両親もボスも踊った。コロナ以降こんなに汗だくになって踊ったのは初めてだ。Kはコロナに長いあいだ慎重になっていたが、最近になってようやくパーティ、イベントなどを企画しはじめている。ミセスKとしてまた新しい物語がはじまるのだろう。最高な結婚式をありがとう、心からおめでとう、K!

ele-king vol.30 - ele-king

 今年もあと残り1週間、年末の慌ただしいなかいきなりで恐縮ですが、このオンライン版を楽しんでくれている方で、エレキングの存続を希望し、税込み1650円を支払う余裕のある方は1年に2冊刊行している紙エレキングをドネーションだと思って買って欲しいと、せつに思う次第であります。12月27日に刊行される年末号の内容は、すでに告知している通りです。Phewさん表紙のvol.30を手にとって、2022年の年間ベストのリスト(年間30枚、ジャンル別、個人チャートなど)を楽しんでください。そして、今回の特集「エレクトロニック・ミュージックの新局面」に注目してもらえたら幸いです。

 早いもので、紙エレキングもいつの間にか30冊目です。ゼロ年代に雑誌の時代が終わってブログの時代がはじまり、2009年にスタートしたweb版エレキングも気が付いたら13年。ele-king booksをはじめたのがちょうど10年前とか、我ながら本当によくやっているなと思うのですが、これというのもいろんな人たちのサポートがあってのことです。web版でアルバムのレヴューを書き続けているライターおよび訳者諸氏にはとくに感謝したいと思います。あなたたち無しでエレキングは成り立たないのですから。
 音楽メディアというのは、簡単に言えば音楽好きのコミュニティであって、音楽を紹介しつつ、最終的には、その音楽が何を語りかけているのか、音楽と自分(リスナー)との関係を真剣に考える場であり、メディアというのは、音楽に関するできれば最良の文章(最終的な決定稿ではないが、それを書いた時点での物語)を届けるための拠点のようなものです。なんども書いてますが、我こそはという方はライター募集(info@ele-king.net)に応募しましょう。

 紙エレキングのvol.30で書き忘れましたが、2022年に発表された音楽の歌詞のなかで印象に残っているのは、ホット・チップのアレックス・テイラーによる以下のラインでした。「音楽はかつて逃避場だった。しかしいまのぼくには逃げ場がない。まるで世界に追い詰められた感じがする」
 彼の疲労感に共感も無くはないのですが、幸いなことにぼくにはいまでも音楽は逃避場です。と同時に自分の人生に深く関わっているものだということが、年を取れば取るほどしみじみと感じたりします。今年のクリスマスはサン・ラーの大好きなアルバム、『ナッシング・イズ....』と『マジック・シティ』、そしてパワフルなコズミック・ジャズ・ファンクの『アストロ・ブラック』を聴いて気持ちを上げました。いまから宣伝しておきますが、来年の1月末に待望のサン・ラー評伝、『宇宙こそ帰る場所──新訳サン・ラー伝』(ジョン・F・スウェッド著/鈴木孝弥訳)が刊行されます。これは20世紀のジャズ史/黒人史とも読める大著で、アフロ・フューチャリズムが生まれた歴史的な背景について詳述されている本です。ご期待ください。
 でもまずは、紙エレキングを、どうか、なにとぞよろしくお願い申し上げます。発売は明日27日です。(野田努)

Saint Jude - ele-king

 いつだって意志を持った小さな集団に心が惹かれてしまう。それはそんな強い言葉でくくる必要はなくてもっとカジュアルなものなのかもしれないけれど、好奇心を持ちただ自分たちが面白いと思ったことを積極的におこなう、スタートしたときの心をそのまま持ち続け活動しているそんな人たちに自然と心が吸い寄せられるのだ。
 サウス・ロンドンを拠点に活動するレーベル/イベント・オーガナイザー〈Slow Dance〉はまさにそんな集団で、そのはじまりはソーリーのメンバーで Glows(グロウズ)としても活動するマルコ・ピニが学生時代に友人と美術室でジンを作成したところからはじまる。「はじめは僕らのウィークリー・ユースクラブみたいな感じだったんだよね」。〈Slow Dance〉について以前そう語っていたマルコは今年、2022年にリリースしたグロウズの 1st ミックステープ『LA,1620』のインタヴューでその学生時代の思い出をこんな風に話していた。「みんな変なデモを作って SoundCloud にアップしててさ。で、翌日に『おぉ良い曲じゃん!』なんて感じのことをみんなで言ったりして。それでその曲をパーティーでかけたり、帰りのバスで聞いたりして、音源をシェアしてたんだよ」。おそらく、10代の頃のこの感覚/精神をそのまま持っていったものが現在も続く〈Slow Dance〉の年次コンピやあるいは『Slow Dance Presents Late Works: Of Noise』と名付けられリリースされたアルバムなのだろう。
 それぞれのバンドのメンバーとして活躍している友人たちの個人的でカジュアルな違う側面、それらはたとえば DJ Dairy ことブラック・ミディのベース、キャメロン・ピクトンが作ったビートの上でヴォーカル/ギターのジョーディ・グリープがラップするものだったり、ゴート・ガールのロッティの小さなデモ、ブラック・カントリー・ニュー・ロードのサックス奏者ルイス・エヴァンスが学生時代に組んでいたと思しきギルトホール・ミリタリー・オーケストラとして現れる。そこにあるのは自らが良いと思ったものを作り上げ行動するセンスと友人たちとの確かな繋がり、純粋な表現としての音楽で、その感覚の一端を垣間見られたような気分になって胸が高鳴るのだ。

 〈Slow Dance〉と志を同じくするセイント・ジュードがその名前で最初に姿を現したのがそんな〈Slow Dance〉の年次コンピ『Slow Dance’18』だった。サウス・ロンドンを拠点に活動するアーティスト、セイント・ジュードことジュード・ウッドヘッドは元々フォー・テットに影響されたようなクラブ向けのトラックを作っていた。だが10代後半に発症した耳鳴りに悩まされ大きな音が鳴り響く場所にいることができなくなり転換を迫られた。そうして彼はクラブを離れセイント・ジュードを名乗りベッドルームで新たな音楽を作りはじめたのだ。
 2019年にセルフタイトルのEPをリリースした際、ジュードは自らの音楽を「聞いてきたものの全ての中間点みたいなもの。様々なジャンルを寄せ集めたもので、きっとそのポイントは接続性にある」と表していたが、それは2022年現在もおそらく変わっていない。〈Slow Dance〉からリリースされたこの 1st アルバムは様々なジャンルを繋ぎ横断する。ダンス・ミュージックの要素を色濃く残し、そこに影響を公言しているビョークビッグ・シーフエイドリアン・レンカーから来た叙情性が加わったかと思えば、次の瞬間にはそれがUKガラージに変わり、ときたまアトモスフェリックな光が差し込む。根底にあるのは暗い夜のトーンと疎外されたような都市の冷たい空気で、ジュードのその少し硬い歌声はどの場面においても完全に溶け込むことなく悲しく響く。重くまとわりつく空気の中を手探りで進むような “Does”、自身に語りかけるように淡々と進む “Rosa”、エレクトロニクスのビートの上に漂うその違和は鈍く小さな痛みを与え心に静かな波を打つ。

 美しくメランコリックな “No Angels” の中でセイント・ジュードは都市に暮らす人びとの日々が積み重なってできた歴史とコミュニティについて唄う。ロックダウンで静まりかえった街を眺めその場所であった出来事の記憶を思い返す、それをメモしたものがこの曲の出発点になったとジュードは言う。シングルカットされた “No Angels” とともに彼は「コミュニティと連帯は最も重要なものであり、つねに資本と金の勢力に対抗するものである」というメッセージを出していたが、このアルバムを聞くとあるいはそれは自分以外の誰かの声として現れているのではないかとそんな考えも浮かんでくる。
 インタールード的に挿入される “Signal” という同じ名前の3つの曲(そして、この言葉はアルバムのタイトルとしても用いられている)からそれぞれ別の声が聞こえてきてアルバムの途中でこの世界に存在する不確かな他者の存在を感じさせるのだ。イースト・ロンドンのグライムMCトリム、サウス・ロンドンのラッパー、ルイス・カルチャー、そしてリーズ出身のシンガーソングライター/プロデューサー HALINA(ジュードは彼女のアルバムに共同プロデューサーという形で関わっている)、それぞれのシグナルがたまたま掴んだ海賊放送のラジオように流れていく(それは違う世界との接続だ)。あるいは最初の曲 “Does” の中に聞こえる〈Slow Dance〉のエクスペリメンタル・アーティスト Aga Ujma の小さな叫びや “Halfway”、“Feedback Song” のトラック全体を柔らかく印象づける陽光のようなサラ・ダウニー(ドラッグ・ストア・ロメオズ)の歌声、デラウェアのヒップホップ・アーティスト Zeke Ultra の声がセイント・ジュードの世界の中に異なった色彩を加えていく。

 街の記憶の中にはいつだって他者の存在があり、思い出の中に誰かの声が聞こえてくる。6人の仲間の声を借りて作り上げられたセイント・ジュードの 1st アルバムは孤独と憂鬱の抜け出せない世界の中に差し込んだ光を感じるようなそんな瞬間がある。それは遠くに見える街の灯であって、途切れた雲から覗く月であり、ゆらめくロウソクの火のようなものなのかもしれない。他者の存在は何かを照らす光になりうる、〈Slow Dance〉、そしてそこに所属するセイント・ジュードはロンドンのアンダーグラウンド・シーンの中で確かな土壌を作り上げ、それがいまここに広がっている。消えない光がそこにあり漏れ出た光がまた誰かを照らす、そんなコミュニティ、そして音楽に心が惹かれていく。

butasaku - ele-king

 butajiと荒井優作によるアンビエントR&Bユニット、butasakuが2022年リリースした、1stアルバム『forms』のリミックス盤『forms Remixes & Covers』が本日、bandcamp限定でリリース。tofubeatsによるリミックス楽曲のみ各社ストリーミングでも配信開始。
 Jim O'Rourke、Dove、tamanaramen、SUGAI KEN、Itsuki Doiのほか、韓国からはJoyul、ロシアからはKate NVが参加。かなり面白いメンツではないでしょうか。それにbutajiと荒井優作の2人によるセルフカヴァーおよびセルフリミックスも収録した全12曲。また、tofubeatsによる“silver lining (tofubeats Remix)”のみストリーミング各社でも配信開始。チェックしよう。

butasaku
forms Remixes & Covers
2022年12月23日(金)
Bandcamp限定リリース
https://butasaku.bandcamp.com/album/forms-remixes-covers

1. time (butaji Cover)
2. atatakai (Dove Cover)
3. silver lining (tofubeats Remix)
4. the city (tamanaramen Remix)
5. abstract (Yusaku Arai, this is not grey mix)
6. letyoudown (Joyul Remix)
7. picture (SUGAI KEN Remix)
8. forms (Itsuki Doi Cover)
9. the city (Kate NV Remix)
10. forms (Jim O'Rourke Remix)
11. echo (Itsuki Doi Remix)
12. picture (Yusaku Arai Remix)

butasaku

- butaji(Vocal)
- 荒井優作(Track)

Info:https://lit.link/butasaku
Bandcamp: https://butasaku.bandcamp.com/
Twitter:@butasaku_jp
Instagram:@butasaku.jp

Richard Dawson - ele-king

 洞察力の鋭いアーティストというのは往々にして預言的なものだが、それで言うと、ニューカッスルのストーリーテラーあるいはシンガーソングライターであるリチャード・ドーソンが『Peasant』(2017)で中世に注目したのは示唆的なことだったように思う。ここのところ、僕は気鋭監督による中世的な映画ばかり観ているような気がするのである。14世紀の作者不詳の詩を現代的な視座を加えて映像化したデヴィッド・ロウリー『グリーン・ナイト』、ヴァイキング伝説やスカンジナビアの神話をベースに10世紀を舞台にしたロバート・エガース『ノースマン』(ビョークが預言者役で出演)。少し前ではあるが大ヒットしたアリ・アスターの『ミッドサマー』だって、時代は現代でありながらも中世的な価値観の異世界に迷いこむ話だとも取れるわけで、それは何やら、テクノロジーやインターネットが隅々まで支配する現代社会からの逃避ないしは逸脱を志したものに感じられる。あるいは限られた者に富と権力がますます集中する社会が中世に巻き戻っているように思えるからかもしれないが……、ともかく、そこで音楽的に立ち上がるのがフォークロアである。デジタルのアーカイヴではなく、不特定の人間が伝承した歌や演奏だ。
 ドーソンの『Peasant』がなかでも興味深いのは、「小作人」とのタイトル通り、庶民的な生活やその悲喜こもごもを描くのにこだわったことだ。中世といっても英雄や神々を称えるのではない。泥にまみれ、飢えや権力者の都合で駆り出される争いに苦しみ、その辺で生きて死んだ者たちが、彼の風変りなフォーク音楽に乗せて歌われた。だから『2020』(2019)でタイトルが示すようにコンセプトを現代に移したときも、ドーソンは徹底して小市民を取り上げた。鬱やゼノフォビアなどモチーフはけっして軽いものではなかったものの、ペーソスのあるユーモアや、何よりもエキセントリックな音楽と歌でわたしたち一般市民の生をどこか愛おしいものとして浮かび上がらせたのだ。

 オルタナティヴ・メタル・バンドのサークルとのコラボレーション作を挟み、ドーソンのソロの新作『The Ruby Cord』は中世、現代ときて、どうやらSF的なヴィジョンも取り入れつつ未来を想像しようとしているようだ──わたしたち庶民の。ジャケットに描かれる人物像も何やら暗示的だが、ドーソンはここで本当に預言者に扮しているようなのである。
 1時間20分ある本作はふたつに分かれており、まず前半の “The Hermit(隠遁者)” の一曲で40分ある。断片的な弦やハープのフレーズ、ブラシで撫でられる太鼓がサイケデリックに淡い揺らぎを立ち上げていくと、11分を過ぎた辺りでようやくドーソンのあの素っ頓狂な歌が入ってくる。核心を迂回し続けるようにメロディはふらふらし、ときに楽器の演奏が一切なくなるなかで、ドーソンはまさに中世的な自然の風景をやたらに細かく描写する。が、突如としてそれがどうやらヴァーチャル・リアリティの世界のなかの出来事であったことを匂わせ、メタヴァースなのかオンライン・ゲームなのかわからないが、世界が近代化される以前の風景とロボットが同時に成立する「世界」の美しさに彼は陶然とする。後半で入ってくるコーラスが穏やかで温かなものであればあるほどそれはうら寂しく響き、ハープや弦がエレガントであればあるほど現実味を欠いていく。ここで近未来におけるフォークロアをドーソンはでっち上げているのである。その大作志向、寓話的で謎めいた語り、逸脱的なフォーク音楽といった要素から『Ys』(2006)の頃のジョアンナ・ニューサムを連想するが、彼女が異界の幻想性を豊穣に生み出していたのに対し、ここで彼は、テクノロジーに取りこまれた「世界」の空虚さと隠遁という名の孤立を叙情的なアンサンブルの移ろいで滲ませる。
 アルバム後半ではドーソンらしいバロック・ポップ、カンタベリー・ロック、トラッド・フォークのおかしなミックスを様々に聴くことができる。ただ、家族や愛犬、自分自身が気がついたら機械につながっているという話の “Thicker Than Water”、フットボールの観衆や気候変動を訴える群衆が展示されている未来の博物館を描いた “Museum”、滅亡後の世界を旅する “Horse and Rider” と、想像されるのは暗い光景ばかり。シンガーとしてのドーソンは半音が頻出するメロディを調子外れだからこそ人間味とともに歌えるタイプで、僕もそこに魅了されたひとりだが、本作では歌われる内容の痛ましさとのコントラストが際立っている。また、壮大なコーラスや弦の幻惑的な響きがかえって悲壮感を高めてもいるだろう。
 率直に言って、本作のコンセプトがドーソンの音楽的なスタイルと合致しているかは判断しづらい。彼のシュールだが人懐こいユーモアに欠けるところはあるかもしれないし、つねに市井に生きる者の側に立ってきたからこそ、悲観的な未来しか思い描けなかったのかもしれない。ただそれでも、ディストピックなヴィジョンを持ちながら電子的な要素ではなくあくまでユニークで人間臭いフォーク音楽を奏でようとする本作は、未来がどれだけ酷いものであろうと、わたしたちの生命や人生は伝承歌として語り継がれているだろという逆説的な希望を仄めかしてもいる。

素晴らしい本だ ──『ガーディアン』
魅惑的な……感動的な物語に満ちている ──『オブザーバー』

これは自転車の本であり、
これまで語られてこなかった歴史であり、
政治的な抵抗と命がけの冒険の書であり、
誰もが勇気づけられるであろう
ペダルを漕いだ素晴らしい女たちの物語

『ガーディアン』の2020年度のブック・オブ・ジ・イヤーに選ばれた名著

シモーヌ・ド・ボーヴォワールは、1940年代、恋人の自転車を借りてパリをサイクリングし、(事故で歯を失っても)その自由さにたちまち惚れ込んだ。
レスター出身の工場労働者アリス・ホーキンスは選挙権獲得のためにペダルをこいで闘い、自転車は女性たちを運動に参加させる礎となった。
ザハラは自転車に乗り、アフガニスタンの宗教的・文化的タブーに挑戦し、同じように乗ることを他の人に教えた。
ボストンに住む24歳のラトビア人移民だったアニー・コプチョフスキーは、1894年に女性として初めて自転車で世界一周を成し遂げた。

多くの女性たちが、自転車に乗れない、乗るべきでないと言われながら、とにかく自転車に乗った。
メダルを獲得しようが、女性に投票を呼びかけようが、彼女たちの物語はインスピレーションを与えてくれるだろう。
この華やかな祝典の中で、著者は、サイクリングの豊かで多様な歴史の一部である女性たちの素晴らしい物語を描いている。

目次

前書き 小さな女王

第一部 革命
1 自転車に夢中
2 手に負えない自転車女たち
3 そんな格好で外出はもってのほか
4 トランスミッション─知恵の伝達

第二部 抵抗と反抗
5 自転車に乗る権利をめぐる闘い
6 女たちよ、決起せよ!

第三部 開けた道へ
7 大脱走
8 どこまで遠くに行けるか
9 世界を回れ

第四部 トラック、ロード、マウンテン──各種レースの女王たち
10 競技は人生
11 女々しいサイクリング
12 やっと私たちのことが見えるようになりましたか?

後書き ペダルを漕ぎ続けよう

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club
mibon本の通販(未来屋書店)
DMM.com

P-VINE OFFICIAL SHOP
◇SPECIAL DELIVERY *

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三省堂書店
丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア
旭屋書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
未来屋書店/アシーネ

* 発売日以降にリンク先を追加予定。

MURO × VINYL GOES AROUND - ele-king

 VINYL GOES AROUNDが監修した別エレ・レアグルーヴ特集号(おかげさまで大好評!)で、巻頭インタヴューに応じてくれたMURO。両者のコラボ企画第三弾が発表されている。
 今回VGAがフォーカスするのは、1940年代バップ期から活躍しパーカーなどを支えたドラマーのロイ・ポーター。70年代には「ロイ・ポーター・サウンド・マシーン」として作品を発表、90年代以降はレアグルーヴの文脈で評価され、『Inner Feelings』(1975)所収の “Panama” はDJスピナがサンプリングしたことで注目を集めた。
 そんなポーターの代表作、『Jessica』(1971)と『Inner Feelings』をモティーフにしたTシャツが発売されることになった。どちらも、デラックス・エディションのヴァイナルを付属した豪華セットが用意されており、前者にはケニー・ドープのリミックス、後者にはMUROのリエディットを収録した7インチが付属する。
 今回も限定品なので、お早めに。

MUROとVINYL GOES AROUNDのコラボレーション、第三弾!
ロイ・ポーター・サウンド・マシーンのオリジナル・ロング・スリーヴ Tシャツが発売されます!

ビッグ・バンド、スウィング、ビ・バップ、ジャズファンク各カテゴリーで光り輝いたドラマー、ロイ・ポーター。90年代以降は上質なサンプリング・ブレイクを叩く一人としてもヒップホップやレアグルーヴ・シーンで人気を博しました。
VGAでは彼が率いるロイ・ポーター・サウンド・マシーンの代表的なアルバム2作品をモチーフにしたロング・スリーヴ Tシャツを発売します。今回も受注生産につき、色を選べるのは受注期間のみ。

またセットでロイ・ポーター・サウンド・マシーンのデラックス・エディション・ヴァイナル付きも販売。
デラックス・エディションはゲートフォールド・ジャケットの片側にカラー・ヴァイナルのLP、もう片側にはスペシャルな7インチが専用のボードに固定されて収納。7インチのそれぞれの収録曲は『Jessica』には “Jessica” のKenny Dopeによるリミックスと “Jessica Vocal Version”。『Inner Feelings』には “Panama” のMUROのリエディットと “Panama Vovcal Version” がカップリング。どちらもデラックス・エディションにふさわしいレアなアイテムです。

伝説的なドラマーのロンTとプレミアムなアイテムでもあるデラックス・エディションのヴァイナルをこの機会に是非。

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□VGA-1024
Jessica Original Long Sleeve T-Shirt

GOLD / BLACK / WHITE
S/M/L/XL/XXL

¥6,000
(With Tax ¥6,600)

□VGA-1030
Inner Feelings Original Long Sleeve T-Shirt

BLACK / WHITE
S/M/L/XL/XXL

¥6,000
(With Tax ¥6,600)

□VGA-1031
Jessica Original Long Sleeve T-Shirt
With Deluxe Edition Vinyl

GOLD / BLACK / WHITE
S/M/L/XL/XXL

¥11,000
(With Tax ¥12,100)

□VGA-1032
Inner Feelings Original Long Sleeve T-Shirt
With Deluxe Edition Vinyl

BLACK / WHITE
S/M/L/XL/XXL

¥11,000
(With Tax ¥12,100)

※期間限定受注生産(~2023年1月31日まで)
※商品の発送は 2023年2月下旬ごろを予定しています。
※Tシャツのボディはギルダン 2400 6.0オンス ウルトラコットン Tシャツになります。
※レコードは他店にて流通するアイテムとなります。
※限定品につき無くなり次第終了となりますのでご了承ください。

Maxine Funke - ele-king

 まるで何事もなかったかのように思えてくる。朝が来て、昼になり、そして黄昏時を向けていると夜のとばりがおりる。この場合、季節はいつだっていいが、いまは冬だから冬にしよう。単調で、なんの取り柄のない、静かな1日。マキシン・フンケの歌が聞こえる。彼女の音楽は、そんな慎ましい1日にも豊かな詩情があることをわからせる。慌ただしく、やかましいこの日常においてはつねに掻き消されていくそれを、ニュージーランドのフォーク歌手は大切にしまっている。
 ぼくが彼女を知ったのは〈Disciples〉が本作をリリースしたからで、このレーベルのA&Rのセンスをあらためて評価したいわけだが、Phewやスージー・アナログを出しながらこれかよと、決して意表を突かれたわけではない。やはりいま、時代はフォーク的なるものを欲しているのだ。ヴァシュティ・バニヤンを持ち出されながら紹介されている彼女の過去作品もこれを期に聴ける分だけ聴いてみたらほとんど良かった。
 フンケの音楽は、しかしレトロではない。ギターに関しても実験的アプローチがあって、また、グリッチや打ち込みドラムといったエレクトロニクスもほどよく使われ、これらを何もない1日の夢のような時間を表現するのに役立てている。おそらくはDIY録音で、彼女はこの10年コンスタントに作品を出しているが、BandcampやDiscogsを見ていると、既発作のアートワークも手作り感があって、もともと「インディ」と呼ばれた音楽作品ってこうだったよなと思い出した。(〈Disciples〉の、本をデザインしたレーベルのマークもぼくは好みで、70年代末や80年代前半の「インディ」には本好き(bookish)というニュアンスが包含されていたことは、当時のバンド名や曲名をみれば察していただけるだろう)

 本作『流木の欠片の数々(Pieces Of Driftwood)』は彼女の新作ではなく、これまでリリースしてきたアルバム未収録の楽曲を〈Disciples〉がまとめたものだが、入門編として充分に機能している。漫画でも思いつかないような狂気の沙汰の決勝戦、23歳の無敵の怪物への驚嘆、そして13歳で故郷アルゼンチンを離れた35歳のチャンピオンへの祝福をもって、およそ1か月におよぶスポーツの祭典、W杯は終わった。カタール開催は問題が多く、それが解決したわけではないのだが、皮肉にもけっこう面白かった。我々は熱狂のスタジアムをあとにして、4年後のために日常に戻らなければならない。人生のほとんどを占めるなんてことのない日々のなかに、マキシン・フンケの音楽はそっと入り込んでくるだろう。


Kokoroko - ele-king

 今年のW杯でのトピックのひとつに、モロッコがアフリカ勢として初のベスト4へ駒を進めたことがある。モロッコは大西洋と地中海に面した北アフリカに位置し、文化的にはアラブやヨーロッパからの影響が強く、アフリカ諸国のなかでも独自の文化を持つ国であるが、音楽的にはイスラム教の宗教歌を発祥とするグナワ音楽が有名で、現在はロックやファンク、ヒップホップなど西欧の音楽も根付いて発展を見せている。ひとくちにアフリカといっても様々な国があり、様々な民族音楽が受け継がれている。そして、そうしたアフリカからの移民や難民が世界中に散らばり、それぞれの国や地域でアフリカの音楽を広めている。今年もアフリカ以外の地で生まれた素晴らしいアフリカ音楽の作品があった。

 一枚目はココロコの『クゥド・ウィ・ビー・モア』である。ココロコはサウス・ロンドンを拠点とするアフロ・バンドで、サウス・ロンドン・シーンが注目を集めたころから活動している。リーダーはトランペットのシーラ・モーリス・グレイで、彼女が別に参加するネリヤやシード・アンサンブルのサックス奏者であるキャシー・キノシもメンバー、それからトロンボーンのリッチー・シーヴライトと女性が多いバンドである。彼女たちはアフリカ系で、ほかにベースのムタレ・チャシ、キーボードのヨハン・ケベデ、パーカッションのオノメ・エッジワースとアフリカ系、もしくはその血を引くミュージシャンが集まっている。
 彼らの作品が初めて登場したのはコンピの『ウィ・アウト・ヒア』(2018年)で、そのときはシンガー・ソングライターのオスカー・ジェロームがギターで参加し、作曲もおこなっていた。彼は2019年のデビューEP「ココロコ」にも参加しており、グループのなかで強い影響力を持つひとりであったのだが、ファースト・アルバム『クゥド・ウィ・ビー・モア』には参加しておらず、かわりにトビ・アデカイネ・ジョンソン(ギター)、デュアン・アザーレイ(ベース、シンセ、キーボード)が参加する。ドラムはエディ・ヒックがやっていたときもあったが、現在はアヨ・サラウが務めている。現在はメンバー全員がアフリカ系だ。

 ココロコの音楽はアフリカ音楽とジャズのミクスチャーで、アフリカ系やカリブ系ミュージシャンの多いサウス・ロンドンならではのものと言えるが、特にナイジェリアのフェラ・クティやトニー・アレン、ガーナのエボ・テイラーなど西アフリカの音楽に影響を受けている。2020年のシングル曲の “キャリー・ミー” や “ババ・アヨーラ” などはダンサブルなアフロビートで、キーボードなど楽器演奏はジャズ的というか西欧音楽的である。一方で『ウィ・アウト・ヒア』でやっていた “アブセイ・ジャンクション” は非常に素朴なフォーク・ミュージックで、アフリカ音楽と西洋音楽が結びついたハイライフやアフロビートなどに比べ、よりアフリカ民謡に近い音楽と言えよう。EPの「ココロコ」は、このココロコの動と静の魅力両面が詰まったものとなっていた。
 そして、『クゥド・ウィ・ビー・モア』は素朴さや大らかさ、アフリカ音楽の深みがより強まっていると感じる。“トジョ” はゆったりとしたグルーヴを持つアフロビートで、スペイシーなシンセとホーン・アンサンブルが印象的。アルバムのなかでは比較的ジャジーでミクスチャーな風味を感じさせる曲だ。アフロ・ジャズの “エワ・イヌ” もそうだが、フェラ・クティに代表される攻撃的で戦闘的なレベル・ミュージックのアフロビートではなく、雄大で懐の深いグルーヴを持つ作品となっている。アプローチとしてはファラオ・サンダース的と言えるだろう。
 メロウネスに満ちた “エイジ・オブ・アセント” の開放的な空気、優しいワードレス・コーラスを配した “ディデ・オー” の哀愁は、このアルバムでもっとも美しい景色を見せてくれる。ダンサブルなハイライフの “ソウル・サーチング” や “ウィ・ギヴ・サンクス” にしても温かみや優しさを感じさせ、“ドーズ・グッド・タイムズ” はラヴァーズ・ロックにも通じる極上のメロウなアフロ・ソウル。“ウォー・ダンス” が比較的アジテーショナルなアフロビートとなっているものの、内省的なフォーク・ソングの “ホーム” やメロウでコズミックなアレンジによるアフロ・フュージョン “サムシングズ・ゴーイング・オン” と、ピースフルで牧歌的な世界が『クゥド・ウィ・ビー・モア』には貫かれている。

 このココロコに割と近いテイストを持つのが、ジェンバ・グルーヴというドイツのユニットである。ガーナ生まれのエリック・オウス(ヴォーカル、パーカッション)とベルリン出身のヤニック・ノルティング(ベース)によるユニットで、演奏にはほかにベナン出身のババトゥンデ・アゴングロ(ギター)、イスラエル出身のメラヴ・ゴールドマン(フレンチ・ホルン)とニル・サバグ(ドラムス)、ポルトガル出身のゴンサロ・モルタグア(サックス)、ガーナ出身のモーゼス・ヨーフィー・ヴェスター(キーボード)が加わる。エリックはエボ・テイラーやパット・トーマスなどガーナの大御所ミュージシャンの作品に参加してきて、ジョニーというアフロ・ロック・バンドもやっているが、2020年にベルリンでヤニックと出会ってユニットが結成された。国籍が異なるふたりの共通項は、ガーナのハイライフや1970年代のソウル・ミュージックから影響を受けているという点で、ガーナのハイライフやアドワ、ギニア、マリ、コートジボワールなどで広まったワソルなど西アフリカの伝統音楽と、西欧の黒人音楽であるソウルを融合していく方向性でユニットは始まった。2021年から “バサ・バサ”、“アマレ”、“モコレ” とシングルを発表してきて、2022年に入ってファースト・アルバムの『ススマ』をリリースする。

 “アーウォヤ” はメロウでゆったりとしたグルーヴを持つアフロ・ソウルで、ココロコの音楽に非常に近い。ソウルと言っても都会的に洗練されたそれではなく、素朴で大地の匂いを感じさせるものだ。“スバン” もそうだが、エリックはアフリカの先住民族の言葉(おそらくアカン語か?)で歌っており、メロディ・ラインも含めて西欧音楽とは異なる独特の雰囲気を持つ。そのメロディは “アデサネ” や “モコレ” はじめ哀愁と牧歌性に富み、アフリカ特有のものである。いい意味での土臭さ、泥臭さがジェンバ・グルーヴの最大の魅力だろう。シングル・カットされた “バサ・バサ” はそんなジェンバ・グルーヴらしい楽曲で、“アマレ” は土着的なダンス・グルーヴとなっている。大らかでメロウネスに満ちた “K33・モミ” は、彼らの標榜するアフリカ音楽とソウルの融合が結実した作品。
 ココロコ、ジェンバ・グルーヴともに、アフリカ音楽のメロウで美しい側面を見事に表現するグループだ。

interview with Blue Lab Beats - ele-king

 サウス・ロンドンを中心に、若く新しいアーティストによって活況を呈するイギリスのジャズ・シーン。いろいろなタイプのアーティストが活動しているのだが、そうしたなかでもっともクラブ・ミュージックやストリート・サウンドとの連携を見せるひとつがブルー・ラブ・ビーツである。
 ブルー・ラブ・ビーツはプロデューサー/ビートメイカーの NK-OK ことナマリ・クワテンと、マルチ・インストゥルメンタル・プレイヤーのミスター・DM ことデヴィッド・ムラクポルがロンドンで2013年に結成したユニットで、2016年にEPの「ブルー・スカイズ」でデビュー。ヒップホップやR&B/ネオ・ソウル、ハウスやドラムンベース、ブロークンビーツなどのプログラミング・サウンドとジャズ・ミュージシャンたちによる生演奏を融合し、ラッパーやシンガーたちとのコラボを積極的におこなっている。アメリカにおけるロバート・グラスパーやサンダーキャットなどの新世代ジャズの影響を受けつつも、レゲエ/ダンスホールやグライムなどUKらしいクラブ・サウンドのエッセンスを取り入れているのが特徴である。ファースト・アルバム『クロスオーヴァー』(2018年)ではモーゼス・ボイドヌバイア・ガルシアアシュリー・ヘンリーネリヤらと共演するなど、サウス・ロンドンのジャズ・シーンとも深く関わりを見せ、セカンド・アルバムの『ヴォヤージ』(2019年)ではアフリカ、カリブ、ラテンなどのルーツ・ミュージック的なテイストを色濃く表して進化を見せた。

 2021年からは〈ブルーノート〉と契約を結び、今年は3年ぶりのニュー・アルバム『マザーランド・ジャーニー』をリリースした後、キャリア初のライヴ盤となる『ジャズトロニカ』を発表している。この『ジャズトロニカ』はクラシックなどの世界でも名高いロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでの録音で、JFエイブラハムが指揮するマルチ・ストーリー・オーケストラとの共演という、これまでのブルー・ラブ・ビーツの作品のなかでも異色のものとなっている。こうしてまた新たなチャレンジを試みたブルー・ラブ・ビーツが待望の初来日公演をおこなった。会場はブルーノート・ジャパンが手掛ける新業態のダイニング「BLUE NOTE PLACE」(東京・恵比寿)で、12/6~9と4日間に渡って日替わりでゲスト・ミュージシャンやDJも入り、マイケル・カネコら日本のアーティストとの共演もおこなわれた。このライヴの合間を縫って、初めて日本の地を踏んだ NK-OK とミスター・DM に話を訊いた。


向かって左がNK-OK(ナマリ・クワテン)、右がミスター・DM(デヴィッド・ムラクポル)

ライヴではみんなが即興でやれる自由を与えたい。自分の解釈でやってほしい。きっちりこのメロディ・ラインを吹かなきゃ、とか思わずにやってほしい。

日本は初めてですよね?

NK-OK(以下NK):ああ。

以前、日本のアーティスト Kan Sano さんと対談されていましたが、そのとき来日していたわけではないのですね。

NK:あれはZOOMでやったんだ。

日本の印象はどうですか?

NK:とても美しい。ロンドンより全然クリーンで(笑)。比べ物にならない。

ミスター・DM(以下DM):ヴィジュアル的に惹かれる。

NK:すべてにおいてスタンダードが高くて、感動するね。

気に入った場所とかあります?

NK:今朝、神社に行ったんだよ。このあたりの(と地図アプリを見せる。明治神宮のあたり)。少し歩いたよ。

まずは発売されたばかりのライヴEP「ジャズトロニカ」についてお伺いします。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールという由緒正しき会場で録音されていますね。普段あなたがたがやっているトータル・リフレッシュメント・センターやジャズ・リフレッシュドなどでのライヴとはかなり毛色が異なっていますが、この会場でやることになった経緯を教えてください。

NK:ロイヤル・アルバート・ホールと言っても、厳密にはエルガー・ルームなんだよ。だからチケットも12ポンド(約2,000円)と手頃な値段だ。

DM:テーブルと椅子もとっぱらった。

NK:そう、スタンディングで400人くらいだったかな。ソールド・アウトになってすごく盛り上がったよ。ここ(恵比寿BLUE NOTE PLACE)もそうだけど、インティメイトなギグだった。「ハイプ・マン!」で「イェー!イェー!イェー!」とみんなを煽るやつを、普段はお堅いロイヤル・アルバート・ホールでできたのが最高だったね。「みんなジャンプしろ!」ってね。しかもバックにはストリングスがいて……最高の気分だった。

エルガー・ルームというのは、ロイヤル・アルバート・ホールのなかにあるスペースのことですよね。

NK:ああ、普段は椅子があって150名くらい入るスペースで。新人のミュージシャンにしてみれば、そこでやっても「ロイヤル・アルバート・ホールでやった」と言えるということ。メインのホールよりはずっとハードルが低くて、チケットも手頃な金額になる。メインホールだと50ポンド(約8,300円)は越えるから。

WACは安い授業料で様々な音楽プログラムを提供するところなんだ。授業料は1時間で1ポンド(170円弱)くらいだったかな。そこでデヴィッドと会ったのさ。

JFエイブラハムが指揮するマルチ・ストーリー・オーケストラと一緒にやることになった経緯も教えてください。

NK:ロイヤル・アルバート・ホール/エルガー・ルームの方から、それでやらないかとコンタクトがあり、それでストリング・セクションを集め、ネイティヴ・インストルメンツ社、スピットファイアー・オーディオ社、YouTubeミュージック社、〈ブルーノート〉などに話を持ちかけ、協賛金を出してもらった。YouTubeが全部撮影をしたので、いまは4曲ほどだけアップされてるけど、年内には全曲分が公開予定だ。

ストリングスが入ることで、クラシック音楽との関連が見えましたが、おふたりはこれまでクラシック音楽を学んだことはありますか?

DM:まったくない。

NK:僕も。オーケストラにアレンジされたものを聴くのは好きだよ。J・ディラの……

DM:ミゲル・アトウッド・ファーガソン。

NK:そう、彼のJ・ディラのプロジェクトはよかった。

今回のストリングスのアレンジとか編成に関しては、誰が、どんなふうにされたんですか?

NK:基本のアレンジは僕らふたりがやって、それをデヴィットから作曲家、そして指揮者に渡して、三者のブレインを集結させ、やりとりの末に仕上げたんだ。一度リハーサルをやって、本番に臨んだ。

曲はおもに今年リリースしたアルバム『マザーランド・ジャーニー』からのものですが、オーケストラが加わることで大きく印象が変わっています。ライヴ用に新たにアレンジされたんですよね?

NK:ああ、そうだよ。

今夜(12月7日)の BLUE NOTE PLACE でのライヴはどんな感じになりそうですか? ストリングスはいないですよね。

NK:(笑)。ああ、いないね。僕がドラムマシンとコンピューターを使って、プログラミングですべての音を出し……

DM:そこに僕がキーボードとギターでライヴの要素を加える。

NK:さらにはゲストでサックス(中島朱葉)、トランペット(曽根麻央)、ラッパー(鈴木真海子)、シンガー(ナオ・ヨシオカ)を迎えるよ。

いつもイギリスでやるときのメンバーを全員連れてくるわけにはいかないと思いますが、今回のように現地のゲストを迎えることもよくあるのですか?

NK:ヨーロッパだったら、いつもやってるトランペットとサックス奏者を連れていけるけど、それより遠くだと予算を考えて、現地のプレイヤーを使うんだ。そうすることの楽しさももちろんあるよ。カナダのモントリオールでもそうだった。

マイケル・カネコ(前日の12月6日に共演)さんとはどうでした?

NK:連絡をもらって、音を聴いて「すごいドープなやつだな!」って思ったよ。

逆に、現地の方々とやることの難しさは?

NK:難しさは言葉の壁かな(笑)。それでも通訳を介して、なんとでもなる。

DM:僕らの音楽を、彼らがどう解釈してくれるか……それを聴くのが楽しいよ。

NK:ああ、それが聴けるっていうのがいちばん美しい部分だね。ライヴではみんなが即興でやれる自由を与えたい。自分の解釈でやってほしい、と。リハーサルでも、アレンジを知ってくれた上で自由にやってとお願いしたんだ。きっちりこのメロディ・ラインを吹かなきゃ、とか思わずにやってほしいと。昨夜もすごくいい感じだったよ。

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ひとつでいいから、自分たちの音楽のなかに初めて探索する部分がほしかった。やり慣れたエリアを離れて仕事をすることで、最終的には「メイク・センスするもの(意味が通じるもの)」ができたと思う。

あらためて、これまでの歩みについても伺いたく思います。あなたがたが登場してきた2010年代後半はちょうどサウス・ロンドンのジャズ・シーンに注目が集まり、トム・ミッシュやジョルジャ・スミスなどのシンガーが台頭してきた時期でした。ですのであなたがたのこともそのくくりで見てしまいがちですが、じっさいはロンドンの北部を拠点にしているのですよね?

DM:ああ、ノース・ロンドンだよ。

そこの大学で出会って、曲作りをはじめた?

NK:ベルサイズ・パークにあるウィークエンド・アーツ・カレッジ(WAC)で会ったんだ。僕は12歳くらいだった。一緒に音楽を作りはじめたときは13になってたよね。

DM:ああ。

12歳で大学生だったわけじゃないですよね?

NK:違う違う。僕が食堂でビートをプレイしてたところにデヴィッドが通りかかって、「ドープ! あっちでリハーサルやってるから来ないか?」って声をかけられて、リハーサル室に行ったら、次々と楽器を弾くんで「よし、こいつとやろう」と思ったんだ。

そのときデヴィッドはカレッジで勉強していた?

DM:2010年に入学して数年通ってたよ。

ナマリはなぜそのとき、WACにいたんですか?

NK:説明すると、WACは安い授業料で、ライヴ・ミュージックに関するクラスとか、プロダクション、ヴォーカル、演技、ダンス……と様々な音楽プログラムを提供するところなんだ〔訳注: 5~25歳の低所得家庭の若者が対象〕。授業料は1時間で1ポンド(170円弱)くらいだったかな。日本円なら数百円(笑)? そこは素晴らしい才能を輩出してるんだよ。そこでデヴィッドと会ったのさ。

ブルー・ラブ・ビーツの音楽にはジャズやR&B、ヒップホップ、クラブ・ミュージックなどいろいろな要素が混ざっています。ナマリのお父さんは、アシッド・ジャズの頃に活躍したDインフルエンスのメンバーですが、そこからの影響もありますか?

NK:ああ、それは間違いなくある。父だけでなく、DJだった母からの影響もね。家ではいつもいろんなジャンルの音楽がかかっていたから。

以前、アメリカのロバート・グラスパーからの影響を述べていたことがありますよね。じっさい『ブラック・レディオ』を意識した部分もあると思います。一方で BLB の音楽には、UKならではのグライムやダンスホール、ドラムンベース、ブロークンビーツの影響もあり、それらUSとUKの要素をうまくミックスしていると感じますが、本人としてはどう思いますか?

DM:うん、オープンでいることはいいことだと思う。自分たちにとって安全なゾーンを離れ、人が予想しないような音楽を聴くこともある。だから、僕らもそうなるんだと思う。

ファースト・アルバムの『クロスオーヴァー』にはモーゼス・ボイド、ヌバイア・ガルシア、ジョー・アーモン・ジョーンズ、アシュリー・ヘンリー、ダニエル・カシミール、エズラ・コレクティヴやココロコ、ネリヤのメンバーなど、サウス・ロンドンの面々が多く参加していました。現在のサウス・ロンドンのシーンについてはどう見ていますか?

NK:シーン? とても盛り上がってるよ。UKエキスペリメンタルというか、UKジャズというか……

DM:サブ・ジャンルを生みつつね。

NK:そう、たくさんのサブ・ジャンルがある。イースト・ロンドンも盛り上がっている。特にグライムかな。いや、グライムはノース・ロンドンでも盛り上がってるな。それを言えば、グライムはロンドン全部でだな。

セカンド・アルバム『ヴォヤージ』ではアフロやカリビアン、ラテンのテイストが際立っていて、今年の新作でもその傾向は強まっています。UKにはアフリカやカリブ、ラテン系のミュージシャンも多く、自身のルーツを意識して音楽づくりをする人も少なくないですが、それはあなたがたもそうですか?

NK:ああ、それはすごく大きいよ。さっきも言った「安全なゾーンを離れる」ということさ。特に『マザーランド・ジャーニー』はそれが顕著だったので、制作には2年半~3年近くかかった。何から何までというのではなく、ひとつでいいから、自分たちの音楽のなかに初めて探索する部分がほしかった。だからいつもの安全ゾーンから飛び出し、ゲットー・ボーイとコラボレーションしてみた。彼とはアンジェリーク・キジョーのグラミーを受賞したアルバム(『マザー・ネイチャー』)でも仕事をした。2年近くかかったけど、やり慣れたエリアを離れて仕事をすることで、最終的には「メイク・センスするもの(意味が通じるもの)」ができたと思う。

いま、シャバカ・ハッチングスとアルバムを作ってるんだ。まだエディット段階だけど、レコーディングは面白かったよ。そのロウなエネルギーといい、ヴァイブ感といい。

『マザーランド・ジャーニー』にはエゴ・エラ・メイ、エマヴィー、ジェローム・トーマスなどUKの新しいアーティストが参加していますが、「次は誰とコラボするのか?」といつも楽しみです。彼らとは日頃のセッションで交流を深めて、その結果アルバムに参加してもらっているのですか?

NK:ああ。ブルー・ラブ・スタジオに来てもらってセッションをするわけだけど、どんなときも、なるべくフリーなセッションにしようとしてる。特にこれ、という目的を設定するのでなくて、会話を交わすように音楽をつくる。それは毎回そう。1曲が終わってようやく「ああ、これはこんなふうだね」「もっとこういうふうにしようか」というように話をする。

スタジオに来てもらう前にも、一緒にやったことはあったんですか?

NK:いや、そのときが初めてだよ。

『マザーランド・ジャーニー』のセッションのなかで、特に「これはすごい」と思った相手、もしくは出来事はありました?

NK:フェラ・クティをサンプリングする機会をもらえたことかな。その機会だけでもすごいことだったから〔訳注:フェラ・クティの関係者側からのオファーだったとのこと〕。

DM:スピリチュアルだった。

NK:“ラベルズ” でコフィ・ストーンとやれたのも楽しかったよ。ティアナ・メジャー・ナインとは昔もやったことがあったけど、またやれて良かった。

キーファーともやっていますね。US西海岸の注目のアーティストで、素晴らしい楽器演奏技術とポップでメロディアスな作曲センスを両立させている人ですが、ブルー・ラブ・ビーツと共通点があるようにも思います。彼との共演はいかがでしたか?

DM:とても良かったよ。さっきも言ったように、他のミュージシャンが僕らの音楽をどう解釈するかという意味で、自分以外のピアノ奏者、しかも彼みたいに最高なピアノ奏者の解釈を聴くのは刺激的だった。

NK:特にイントロ部分がね。

DM:ああ。

NK:彼にはラフなアイディアを渡したんだけど、彼から返ってきたヴァージョン、特にイントロの部分はとてもおもしろかった。

今後の活動で何か考えていることはありますか?

NK:いま、シャバカ・ハッチングスとアルバムを作ってるんだ。まだエディット段階だけど、レコーディングは面白かったよ。そのロウなエネルギーといい、ヴァイブ感といい。彼からスタジオに遊びにおいでよ、と招かれて行ったときには、もしかしたら1曲くらい何かをやることになるのかな、とは思ってた。ところが彼から「君たちとアルバムを作りたいんだ」と言われて驚いた。「え、いま?」「そうそう!」「3日で?」「そうそう!」って(笑)。全部で8曲録ったよ。EPになるのかもしれないけど、どの曲も20分くらいやってそれを6分くらいにする、という感じ。そのうちの少なくとも1曲は10分の長さの曲だよ。

素晴らしいコラボだと思います。それは〈ブルーノート〉からリリース予定ですか?

NK:いや、シャバカのレーベルだ。

では〈インパルス〉ですかね。ちょうど先週、ザ・コメット・イズ・カミングが来日していたんですよ。素晴らしいショウでした。

NK:知ってるよ。彼が、なんだっけ……名前を忘れたけどあの楽器(尺八)を作るんだって、インスタに画像を上げてて(と尺八用の竹を手にしたシャバカの投稿写真を見せる)。完成品を受け取るために、来年また日本に来るらしい。レコーディングのときも尺八を持ってたよ。吹くのがすごく難しいから、まだまだ勉強中らしいけどね。彼が日本に来たときの話もたくさん聞いている。

コラボレーション、とても楽しみです。最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

NK:(一度キャンセルになっていたにもかかわらず)辛抱して待っていてくれてありがとう。ようやく日本で演奏することができたよ。来年、また必ず戻ってくる。日本のヴァイブ、すごく気に入ったんで……何もかもがクールだね!

DM:デビューの頃から、長いことサポートしてもらえたこと、感謝してるよ。

NK:2016年からだ。

DM:ああ、もう6年だ。

NK:最高だよ。

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