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Clear Soul Forces

Hip Hop

Clear Soul Forces

ForcesWithYou

Fat Beats

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大前至   Apr 30,2020 UP

 2012年リリースのアルバム『Detroit Revolution(s)』によってデビューし、これまで 2nd 『Gold PP7s』、3rd 『Fab Five』を経て、昨年(2019年)には4年ぶりのアルバム『Still』をリリースした、デトロイトを拠点とする4人組のヒップホップ・グループ、Clear Soul Forces。ゴールデンエイジとも呼ばれる90年代のヒップホップから強い影響を受けた、いわゆるブーンバップ・ヒップホップの流れにあり、アメリカ国内だけでなく、ヨーロッパにも根強いファンを持っている彼らであるが、今回リリースされたこのアルバム『ForcesWithYou』をもって、グループとしての活動に終止符を打つという。

 グループのメンバーでもあるメイン・プロデューサーである Ilajide に加えて、7曲目 “Watch Ya Mouth” にもクレジットされている Radio Galaxy が2曲プロデュースを手がける本作だが、Clear Soul Forces のトラックの肝となっているのは、やはりビート(=ドラム)の部分だ。以前、筆者が彼らのアルバム『Fab Five』のライナーノーツを書いた際に、Ilajide のサウンドに関して「A Tribe Called Quest の後期の作品などにも繋がるような、’90年代後半の空気を強く感じる」と表現したのだが、シンプルでありながらも非常に練られたドラムの音色とパターンに、シンセを多用したシンプルな上ネタ、そしてベースのコンビネーションによって極上のファンクネスが生み出されている。同じくデトロイト出身である故 J Dilla からの強い影響を受けているのは、彼らの過去のインタヴューなどからも明らかであるが、さらに4MCによる巧みなマイクリレーが乗ることで Clear Soul Forces にしか出しえないグルーヴが完成している。

 アルバムの幕開けを飾るバトル・チューン “Gimme the Mic” やオリエンタルな雰囲気漂うキャッチーな “Chinese Funk”、PVも公開されているリード曲の “Chip$” など、アルバムの軸となっている曲はいくつかあるが、全体的にはミディアム・テンポが貫かれ、一定のトーンで進んでいくのが実に心地良い。全体のテンションもアゲすぎたり、また極端にレイドバックしたりということもなく、個々のフロウの変化でコントラストをつけながら、彼らの好きなゲームやSF、アニメの世界観が見え隠れし、それと同時にヒップホップへの愛というものがストレートに感じ取れる。

 すでに個々にソロでの作品リリースや客演などを展開しており、今後はソロ活動がますます盛んになっていくであろう彼らであるが、いずれまたリユニオンを果たして、4人での新作を出してくれそうな気がしてならない。そんな思いの残る、まだまだ何かが続きそうな Clear Soul Forces のファイナル・アルバムである。

大前至