ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. R.I.P. Gabi Delgado(ガビ・デルガド) (news)
  2. Columns Playlists During This Crisis この非常事態下における家聴きプレイリスト (columns)
  3. Politics コロナ恐慌を機に高まった「政府は金を出せ」の声 (columns)
  4. ダニエル・ミラーからのメッセージ ──CDやレコードをレコード店のオンラインで買いましょう!! (news)
  5. DJ Mitsu the Beats - ALL THIS LOVE (review)
  6. Columns 当世ハウス事情 ──2010年代も終わりを迎えた現在、ハウスのシーンはどうなっているのか? (columns)
  7. Columns Pandenic Diary (1) パンデミック・ダイアリー (1) (columns)
  8. interview with Little Dragon (Yukimi Nagano) 世界を魅了した歌声、北欧エレクトロニック・ポップのさらなるきらめき (interviews)
  9. R.I.P. McCoy Tyner 追悼 マッコイ・タイナー (news)
  10. Zebra Katz - Less is Moor (review)
  11. Hiroshi Yoshimura ──入手困難だった吉村弘の1986年作『Green』がリイシュー (news)
  12. R.I.P. Manu Dibango 追悼 マヌ・ディバンゴ (news)
  13. Caribou - Suddenly (review)
  14. Battles ──バトルスがオンライン・リミックス・コンテストを開催 (news)
  15. 『Zero - Bristol × Tokyo』 ──下北沢Disc Shop Zeroの故・飯島直樹さんを追悼するコンピレーションのリリースが決定 (news)
  16. interview with Kassa Overall 世界よ、後塵を拝せ。驚異のバックパック・プロデューサー登場 (interviews)
  17. Moses Boyd - Dark Matter (review)
  18. Random Access N.Y. VOl.123 NYシャットダウン (columns)
  19. KANDYTOWN ──キャンディタウンが2020年最初の新曲をリリース (news)
  20. Squid ──ブライトンのポストパンク・バンドが〈Warp〉と契約 (news)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Paul White- Paul White & The Purple Brai…

Paul White

Paul White

Paul White & The Purple Brain

Now Again

Amazon iTunes

三田 格   Jul 26,2010 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 09年にワン・ハンディッドから2枚のアルバム(『サウンズ・フロム・ザ・スカイライツ』『ザ・ストレンジ・ドリームス・オブ・ポール・ホワイト』)をリリースした後、ヘリオセントリクスやナチュラル・ヨーグルト・バンドなどを抱える〈ストーンズ・スロウ〉のサブ・レーベルに移って3作目。とりあえずジャケット・オブ・ジ・イヤーでしょう。アナログで買えばよかった......(ちなみにアナログは、やはり〈ストーンズ・スロウ〉からギルティ・シンプスンのヴォーカルをフィーチャーした「アンシエント・トレジャー」の12インチがプラスされた3枚組仕様)。

 急にサイケデリック色が濃くなった......といいたいところだけど、60~70年代のソウル及びファンクの再発レーベルでもある〈ナウ-アゲイン〉の趣旨に沿って「セイント・ミカエルの音源にシンセサイザーとパーカッション、そして、ヴォーカルをプラスした」という説明がインナーには記してあり、とはいえ、〈サブリミナル・サウンズ〉からリリースされたセイント・ミカエル『マインド・オブ・ファイアー』をネットで試聴してみると(http://www.discogs.com/St-Mikael-Mind-Of-Fire/release/1892583)、オリジナルはけっこう凄まじいロック演奏なので、どこがどうしてこうなるのか......(仕上がりはいわゆるモンド調ヒップホップになりまくり)。そう、適度な間合いで奇妙な音がこれでもかと盛り込まれ、初期ピンク・フロイドや13thフロアー・エレヴェイターズをヒップホップ・サウンドで聴いているような磁場にあっさりと引き込まれる。あるいは"マーセン・シグナルズ"でも"ダンス・シーン"でも変わった音が楽しいなーという範疇なのに"フライ・ウイズ・ミー"になってくるとリズムだけでどうかしてくるし、"オルガン・セラピー"はテリー・ライリーをヒップホップにしてしまったようだし......。先行シングル「マイ・ギター・ホエールズ」は意外に地味な感じながら、前作も前々作ももっとストレートな音作りだったので、きっとドラッグを覚えたに......いや。

 ドクター・アクタゴンがデ・ラ・ソウル『3フィート・ハイ・アンド・ライジング』をリミックスしたような......といえば、このアルバムもヒップ・ホップの文脈で捕まえることはけして不可能ではないだろうけれど、やはり僕としてはエメラルズエリアル・ピンクのシット・アンド・ギグルズなど、ここのところのサイケデリック・カルチャーの潮流のなかにグサッと位置づけたい(ま、ヒップホップ・ファンが聴くわけもないか)。

三田 格