「DJ DON」と一致するもの

Shop Chart


1

DJ FUNNEL

DJ FUNNEL AMBIENT PARK VOL.1 melting folk mix MOIRE / JPN »COMMENT GET MUSIC
美麗なメロディーラインの楽曲~トリップ感満載のサイケデリックサウンドを、おなじみのFUNNEL独特のMIXで、時間軸を穏やかに狂わし安住の地へと導いていく。ジャケットは、彼が日常の生活で訪れた場所で何気なく撮られた写真の画像やコーヒーの匂いが薄っすらと染みる1点1点異なる仕様で、すべてハンドメイドで制作された限定MIXCD!!

2

COMMIX

COMMIX Re:Call To Mind METALHEADZ / UK »COMMENT GET MUSIC
COMMIX最高傑作アルバム「Call To Mind」が豪華メンバーによってリミックスを施され再リリース! DUBSTEPからは、NON PLUSのINSTRA:MENTAL、EXITのD BRIDGE、HESSLE AUDIOのPANGAEA、HYPER DUBのBURIAL、HOTFLUSHのSIGHA、そして2562の変名A MADE UP SOUNDが参加。またデトロイトを代表するUNDERGROUND RESISTANCE、さらにベルリンシーンを代表するMARCEL DETTMAN、WORKSHOP/MIKRODISCOのKASSEM MOSSE等、普通では考えられない各シーンを代表するプロデューサー陣が参加したプレミアムなリミックス・アルバム!

3

MICHEL CLEIS

MICHEL CLEIS Un Dolce CADENZA / GER »COMMENT GET MUSIC
La Mezclaのヒットが記憶に新しいMICHEL CLEIS の12"が同じく『CADENZA』からリリース。完全にジャンルを横断した早くもクラシック入り決定のキラー盤。A-1"Litoral (Original Mix)"はQUANTEC & HIS COMBO BARBARO 「Un Canto A Mi Tierra」ネタ使い。B-1には、すでに現場でスピンされまくっているというキラートラックB-1"Don Fiore (Original Mix)"を収録。

4

EMMANUEL JAL

EMMANUEL JAL Kuar EP INNERVISIONS / GER »COMMENT GET MUSIC
Henrik Schwarz リミックス!!!!ケニアのシンガーEMMANUEL JAL の楽曲をHenrik Schwarz と 北欧エレクトロ・ユニット THE KNIFE のメンバー Olof Dreijer のリミックスを収録した1枚。A-1はHenrik Schwarz。自身もすでにプレイ中というさすがのリミックス。B-2 Olof Dreijer はオリジナルを自身の色、ダーク・エレクトロ・ハウスに昇華。

5

WESTBAM

WESTBAM A Love Story 89-10 KONTOR / GER »COMMENT GET MUSIC
今年でついに21年という長い歴史に終止符を打つ事となったこのテクノ・ミュージック最大のフェスティバルに第1回目から参加し、またLOVE PARADEのアンセムも数多く手がける等非常に深い関わりを持つジャーマン・テクノの首領、WESTBAMによる"LOVE PARADEに捧げる"スペシャル・コンピレーション/ミックスCD!!

6

PACIFIC HORIZONS

PACIFIC HORIZONS Forest Electric/Jack Parsons' Laboratory PACIFIC WIZARD FOUNDATION / US »COMMENT GET MUSIC
1stシングルがDJ Harveyの強力サポートの元大ヒットを記録したUS発のPacific Horizonsの第2弾シングルが到着!前作の流れを踏襲したエモーショナルなギターを鳴らすAサイドは温かみのあるコードと生ドラムな鳴りが魅力。Bサイド"Jack Parsons' Laboratory"では様々な要素を絶妙にミックス、ドープかつドラマティックに展開する楽曲性の高いトラック!

7

ROBERT OWENS

ROBERT OWENS Art COMPOST / GER »COMMENT GET MUSIC
Larry Heard他、豪華プロデューサー陣のバックアップの元、レジェンドRobert Owens、3年振りとなる2枚組フルアルバム完成。ディープかつリズミカルに、時にクラシカルなアシッドに、エモーショナルなダンストラックを披露。黒くそのウェットな歌声を存分に引き出し絶妙な温度感が心地良いヴォーカル・アルバムへと仕上がった。

8

LEVON VINCENT

LEVON VINCENT Recorded Lived@Club Eleven UNDERGROUND QUALITY / US »COMMENT GET MUSIC
USアンダーグラウンドハウスの要注意人物、JUS-EDと共に、実力と知名度を徐々に上げているキーマンLEVON VINCENT。9月に来日した際、西麻布ELEVENにてプレイした音源をCD-R化!自身の作品のような、インダストリアル+アシッド感は幾分抑え目に、NYに始まる東海岸のHOUSE MUSICの地下っぽさを抽出した骨太なMIX音源!

9

DJ SLUGO

DJ SLUGO Chicago Old School Mix Vol.1 SUBTERRANEAN / US »COMMENT GET MUSIC
かつてDance Maniaから数々のシングルをリリースしてきたGhetto DJ Sligoが80年代のシカゴハウス・クラシックにスポットを当てミックスしたローカルリリース・オンリーの1枚。全30トラックと聴き応え十分の内容!

10

DJ ROC & DJ D-BLOCK

DJ ROC & DJ D-BLOCK Juke City 3 VIOLATOR / US »COMMENT GET MUSIC
80年代にうまれたシカゴハウス、そして90年代のDance Maniaを中心としたGhetto House / Bootyと枝分かれシカゴのローカルのみで独自の進化を遂げ、デトロイトの「Jit」と共に発展してきたストリートミュージック「Juke」。今回ディスクユニオンではローカルのみで販売されているJuke~Ghetto House~Chicago House ClassicsのミックスCDRを入手、ぜひこの機会にチェックしてみてください!

Chart by JETSET 2010.09.27 - ele-king

Shop Chart


1

COS/MES

COS/MES GOZMEZ LAND »COMMENT GET MUSIC
話題沸騰のCos/Mesシングル2枚同時リリース、こちらはTBDリミックス収録!!TBD(Lee Douglas & Justin Van Der Volgen)によるこれでもかと狂い咲くロング・ブレイクが強烈過ぎるリミックス、めちゃくちゃ気合の入った傑作リミックスです。大推薦!!

2

ACKKY

ACKKY COMPOSITION EP »COMMENT GET MUSIC
待望の1stアルバム「Composition」から先行シングルカット!ソロ作品のリリースを待たれてたアーティストの一人、Ackkyが満を持して送るオリジナル作品からの選りすぐりのフロア・ユース・トラック4曲を収録!

3

JOHN LEGEND & THE ROOTS

JOHN LEGEND & THE ROOTS WAKE UP! »COMMENT GET MUSIC
John LegendとThe Rootsが送る珠玉のソウル・カヴァー・アルバム!CommonやMelanie Fiona、更にCL Smooth(!)等HipHop/R&Bアーティストも参加した、70'sソウルの名曲が現代に伝えるメッセージに溢れた一枚!

4

SHORTSTUFF

SHORTSTUFF SUMMER OF SHORTSTUFF PART 3 »COMMENT GET MUSIC
☆大推薦☆当店大ヒットの箱庭チャーミング・ダブステップ10"シリーズ第3弾!!BracklesやGeiomらとのタッグ・リリースでもお馴染みの天才Shortstuff。カラフル電子音とタイトなステッピー・ビーツ、断片ヴォイスが交差するキラーB1を搭載です!!

5

DIPLO & LIL JON

DIPLO & LIL JON U DON'T LIKE ME »COMMENT GET MUSIC

6

CRUE-L GRAND ORCHESTRA

CRUE-L GRAND ORCHESTRA BARBARELLA »COMMENT GET MUSIC
これは!!ジェーン・フォンダ主演の古典お色気カルトSF映画『Barbarella』カヴァー。絶対マストです!!衝撃の新曲はお洒落サントラ・クラシック『Barbarella』テーマのカヴァー!! あの究極のサバーバン・ソフト・ロッキン・サウンドを超極上のバレアリック・ハウスに。高揚感で銀河を駆け巡る至福の仕上がり!!c/wには"Candy Mountain~"のEddie C Remixを2Ver.収録。

7

ONRA

ONRA THE ONE FEAT. T3 & WAAJEED »COMMENT GET MUSIC
Waajeedリミックスを収録したあの一枚が、今度はジャケ付きで登場しました!目玉は何と言ってもWaajeedによるリミックス(しかも2Ver.)でしょう! フランスとデトロイトを繋いだ最高峰の一枚です。

8

AEREA NEGROT

AEREA NEGROT ALL I WANNA DO »COMMENT GET MUSIC
☆大推薦☆大人気の音響ミニマリストEfdeminによるシカゴ印リミックスも搭載!!女帝Ellen Allien率いる名門ビチコンより、オペラを愛する'80年生まれの才媛Aerea Negrotがデビュー。Hard Tonから戸川純ファンまで、確実にチェックを!!

9

EDWYN COLLINS

EDWYN COLLINS LOSING SLEEP »COMMENT GET MUSIC
これぞネオアコ魂!!復活後初レコーディング・アルバムが遂にリリースされました。ネオアコこそが本当に熱い男の音楽。それが理解したければ、ゴッドEdwyn Collinsを聴くべし!!Franz、Cribs、Drumsなど錚々たるメンツが共演・共作した感動の復活アルバム!!

10

DJ SPRINKLES PRESENTS KAMI-SAKUNOBE HOUSE EXPLOSION

DJ SPRINKLES PRESENTS KAMI-SAKUNOBE HOUSE EXPLOSION HOUSE EXPLOSION 1 »COMMENT GET MUSIC
DJ Sprinkles a.k.a. Terre ThaemlitzのSkylax第2弾リリース。'06のK.S.H.E.(Kami-Sakunobe House Explosion)名義アルバム『Routes Not Roots』からの抜粋。日本流通のComatonse版12"(3種)には未収録でアナログ化は今回初となる"Double Secret"(A-2)が目玉トラック。

tomad - ele-king

DJ Shibata - ele-king

夏を惜しんでパーティが続くテンションで選びました


1
Mijangos - Music & Soul - Junior London

2
Sare Havlicek - Dreams In Light(Ray Mang Dub) - Nang

3
El Chavo - Hola Muneca - Vinyl Vibes

4
Unknown - Dri - Ricardo And Luciano

5
Coyote - Moving feat.Nesreen Shah - International Feel

6
Dreamhouse feat.Ceasar - Jump & Prance - White Label Recordings

7
Nelue - Pierced Heart(LSB Remix) - Lovemonk

8
Martyn - Minilub - Ostgut Ton

9
Sparkling Experiences - Hardswing Vision - Basenotic Records

10
Diesel & Jarvis - Maringa - Moton

Kazuhiro Tanabe(mokmal sound, orbit) - ele-king

最近のお気に入りです


1
Erykah Badu - Out My Mind, Just In Time - universalmotown

2
Daniel Mehihart - Deep Crazy Synth (Minilogues Dismantling The Storm Remix) - WIR

3
Abultnapper - Almost Nothing (Patrick Chardronnet Remix) - Audiomatique Recordings

4
Julia Biel, Stimming, Ben Watt - Bright Star (Sunset Mix) - Buzzin' Fly Records

5
Cio D'or - Goldbrokat - Prologue

6
Peter Van Hoesen, Donato Dozzy - Talis - Curie Recordings

7
Bird Show - Two Organs & Dumbek - Kranky

8
Kuniyuki Takahashi - Ocean Waves (Minilogue Pulsating The 3rd Remix) - mule electronic

9
Mirko Violi - Pelican (Yakine Remix) - Catwash Records

10
DENPUN - Mirage Land - dplab.

DJ SATOSHI (IZMICAL / NNNF) - ele-king

秋にしっぽりどっぷり


1
Don Cherry - Relativity suite - Jcoa

2
Kip Hanrahan - Coup de tete - American crave

3
J Dilla - Donuts - Stones throw

4
Andrea Daltro - Kiua - Estudio De Inrencoes

5
Egberto Gismonti&Academia De Dancas - Feixe De Luz - Emi

6
Pat Metheny Group - Still Life(Talking) - Geffen

7
Ashra - Correlations - Virgin

8
Common - Electric Circus - Mca

9
The Parachute Club - The Parachute Club - Current Wavez

10
Sbb - Follow My Dream - Egg

CHANGYUU (DOWNNORTHCAMP) - ele-king

普遍の反逆チューンズ


1
The Clash - The Guns Of Brixton - CBS

2
Kiddus I - Too Fat - Shepherd

3
DOWNNORTHCAMP - Lazy Days - Dogear Records

4
EKD & Pachucabras - Babylon City - Sun Shot

5
Cypress Hill - Dr. Greenthumb - Ruffhouse Records

6
Bad Brains - Leaving Babylon - ROIR

7
Don Drummond, Ernest Ranglin, Tommy McCook, etc - Jazz Jamaica From Workshop (Album) - Studio One

8
Jackie Mittoo - Macka Fat (Album) - Studio One

9
Soul Vendors - Drum Song - Studio One

10
Vivian "Yabby U" Jackson & The Prophets - Judgement On The Land - Vivian Jackson

#7:DIY主義者たちの小さな革命 - ele-king

 ほんのわずかだが、この1~2年で変化を感じている。例を挙げてみよう。

 Julian Lynch - Mare (Olde English Spelling Bee)
 Donovan Quinn & The 13th Month - Your Wicked Man (Soft Abuse)
 High Wolf - Ascension (Not Not Fun Records)
 Candy Claws - Hidden Lands (Twosyllable Records)
 The Samps - The Samps (Mexican Summer)

 以上はこの8月に買ったレコードのいちぶで、音楽性はそれぞれフォーク・ロック、チルウェイヴ、エクスペリメンタル/アンビエント、サイケデリック......バラバラだが、この5枚には興味深い共通点がある。
 1. すべてが12インチのヴァイナルであること。2. すべてがUSインディの比較的若い世代であること。3. 〈ノット・ノット・ファン〉を除く4枚のレコードにはmp3の無料ダウンロードのコードカードが挿入されていること。〈ノット・ノット・ファン〉はずいぶん前からレーベルとしてCDのリリースをしていない。また、いま人気の〈メキシカン・サマー〉にいったては最初にヴァイナルのみを限定リリースし、CDはその数ヶ月後になってからリリースする。いずれにせよ、フィジカル・メディアはヴァイナルであることが優先されている。彼ら・彼女らにおいてCDは......いわば格下で妥協案、ま、そんな風に思える。
 
 渋谷のHMVが閉店して、いよいよCDが売れなくなっているとTVのニュース番組で特集されたらしい。数年前に、音楽関係の専門学校の講師をしている知り合いが生徒に訊いたところ、金を出してCDを買っているのはクラスの数人ほどで、多くが違法ダウンロードで音楽を聴いていたという。オバマが大統領に当選したときに、アメリカの音楽産業の上層部は違法ダウンロードの問題の解決を音楽好きな大統領に期待している。イギリスでは昨年、エルトン・ジョンやリリー・アレンが違法ダウンロードの取り締まりを支持する団体を結成して、話題になった。リリー・アレンは「ファイル共有は災害」とまで言っている。彼・彼女らは音楽文化の産業としての未来をシリアスに案じているのである。
 
 こうした問題がより深刻なのは、それが違法だろうが合法だろうが、こと若い世代においてCDよりもダウンロードのほうがいまやスマートだからだろう。6~7年以上前の話だが、remixという雑誌の編集部にいた頃、新しく入ってきたKという大学を出たばかりの男は、自分のiPodに実にたくさんの、いろいろなジャンルの音源を大量に詰め込んで(彼の名誉のために言うと、もちろん合法の音源だが)、ちょっと聴いてはまた他の曲を聴いたりとか、そんなことを何度も何度も繰り返しているのを目の当たりにして、僕にはそれが"新しい聴き方"に思えたものだった。実際の話、それはよりスマートでよりモダンな、より"格好いい聴き方"なのだ。レコード会社の方々には頭の痛い話だが、若い世代が、携帯オーディオのなかの自分のデータを蒐集し、編集しながら聴いている姿を見ていると、「こうしてCDの存在価値はなくなっていくのか」と納得する。〈マルチネ・レコーズ〉の「MP3 Klilled the CD Star?」という問いかけは、ある意味真実とも言える。
 
 mp3という圧縮音声ファイルフォーマットには関しても諸説がある。もっとも頻繁に議論されるのは音質の問題だが、これに関しては他に譲ろう。僕はmp3の使用者のひとりで否定者ではないが、さすがにiPhoneやiPodをDJミキサーにぶち込んだりはしないし、家ではレコードかCDで聴く。
 先日のWIREで知り合った20歳の青年の話によれば、彼の世代のほとんどはYouTubeで満足してしまうそうで、何故なら彼ら・彼女らは"音"を聴いているのではなく"言葉"を聴いているからだという。これは"音"を楽しむ行為とはまた別の話になってくる。
 

 音楽に限らずだが、映画でも何でも、デジタルに関する問題のひとつは、それがネット上にアップできる点にある。それは諸刃の剣だ。より民主的にもなりうるが、同時に違法ダウンロードの氾濫も可能にしている。レディオヘッドが『イン・レインボウズ』でこの問題に立ち向かったとき、彼らはリスナーに音楽の値段を決めさせた。問題提起としては面白かったが、スーパー・バンドの高慢なやり方とも思える。名前が大きくなければできないし、違法ダウンロードは小さなレーベルにとって死活問題だ。ましてやデトロイトのように、ヴァイナルが地域産業(カッティング技師、プレス工場等々)として成り立っている場所にとってはよりゆゆしき問題である。ムーディーマンは、2007年に「テクノロジー・ストール・マイ・ヴァイナル」というタイトルの12インチ・シングルを発表しても言い足りなかった。ヴァイナル主義者で有名なこのハウス・プロデューサーは、2009年の『アナザ・ブラック・サンデー』のインナーにおいてさらに毒づいている。「お前が俺の音楽をダウンロードして悦に入っているあいだ、お前のフリーキーな彼女は俺の12インチをプレイしている」と記し、そのメッセージの背景にはヴァイナル・レコードを手にしながらセックスしている男女の写真を載せている。

 ところが......ムーディーマンの憤怒とは別のところで、ここ2~3年、USインディのシーンにおいてヴァイナルの量が増えつつある。それなりに経済力のあるインディ・レーベルはCDも出しているが、より小さなレーベルのDIY主義者たちはヴァイナル・オンリーに移行しつつある。OPNやエメラルズのようなアンビエント系はCDも出しているが、同時にヴァイナルも作っている。そしてヴァイナルと比例するように、カセットテープによる超限定リリースも増えている。今年に入ってからこの傾向はより顕著になっている。これをアメリカのジャーナリストは新たな「時代精神」の象徴として"テープ・シーン"と呼んでいる。いわば手作りの文化である。最近のジン文化の盛り上がりにも同じことが言えるかもしれない。小さな場面での出来事かもしれないが、少なくともデジタルの大衆性に対して疑問が突きつけられているのだ。
 
 デジタルに関する問題のもうひとつは、mp3の捉え方にある。冒頭で書いたように、USインディの彼ら・彼女らのヴァイナルのなかにはたいていmp3の無料ダウンロードのコードカードが封入されている。デジタルは配信用として考えるか、もしくはmp3程度の音質でよければ無料で提供する、そのレヴェルでの割り切りが彼ら・彼女らにはある。そして、例えばキャンディ・クロウズのコードカードに記された「Long live physical media」という言葉が表すように、若い彼ら・彼女らは、フィジカル・メディアが生き残る道はヴァイナルであると結論づけているようなのだ。それはダウンロードによってより多くの人に聴いてもらいたいというデジタル時代の楽天性からだいぶ軌道修正された、現代のDIY主義者の思いの表れでもある。
 
 さらにもうひとつ面白いのは、これらUSインディのDIY主義者たちの作品の収録時間が、45分以下になっている点である。CD全盛の90年代にもヴァイナル文化はあったが、それはなかば記念物としての、おおよそコレクターズ・アイテムとしての、CD作品のヴァイナル化に過ぎなかった。が、アメリカのヴァイナル主義者たちは収録時間も伝統的なLPフォーマットに戻している。
 
 それが違法ダウンロードに歯止めをかけるとは思えない(データ化してしまえば同じだし)。が、USインディにおけるDIY主義者たちのこうした動きは、インディペンデント・レーベルの将来に向けての重要な試みのように思える。ヴァイナル文化への強い憧憬が、現実を動かしただけのことかもしれない。あるいはダウンロードが一般化し過ぎたあまり、もはやそれはがスマートな聴き方ではなくなっているということなのかもしれない。まあ、どんな理由があるにせよ、USインディをメインに仕入れているレコード店からはCDが減りつつある。CDを作らないレーベルが増えている。小さなレーベルになればなるほど、こうした傾向は強まっている。デジタルを拒否しているのではない。CDというメディアによる作品の発表に価値を見出せなくなっているのだ。
 
 プレス工場を持たない日本でUSインディと同じ展開を期待するのは非現実的だろう。しかし、7インチ・シングルやカセットテープなら手の届く範疇にある。実際、日本でもここ数年で7インチ・シングルをリリースするレーベルが出てきている。デジタルと違ってより多くの人が自由にアクセスできるわけではない。枚数は限定され、それなりの労を要するだろう。が、求めている人のより深いところに届く可能性はこちらのほうがより高い......と僕は思うのだが。

Shitaraba - ele-king

クソガキチャート


1
Ntrld - White Chains -Simplify Recordings

2
Ntrld - Satan -Play Me Recordings

3
Big Dope P - Kazfara Juke -Moveltraxx

4
DJ Rashad - Took It Doggy Style -Juke Trax

5
Mochipet - Ghetto Puddin Pet (Jacob London Remix) -Daly City Records

6
Radiokillaz - Gona B Fire feat. MC Cobra -Radiokillaz Recordings

7
DJ Rashad - Lick On The Dick -Juke Trax

8
Kill Frenzy - Uuuh! -Juke Trax

9
Feadz - Subiu, Desceu feat. MC Wesley (Vocal Mix) -Man Recordings

10
Robot Koch, Cerebral Vortex - Vortex Cookies (fLako Omegaman Remix) -Up My Alley

白石隆之 - ele-king

LOUNGE CHART


1
Ry Cooder - Paris,Texas - Warner Bros

2
This Heat - Sleep - Piano

3
Isophonic - Crystal Motions -EM

4
Terry Riley - A Rainbow In A Curved Air - Columbia

5
Joni Mitchell - Jericho -Asylum

6
Franco Battiato - No U Turn -Island

7
Max Roach - Troubled Waters - Atlantic

8
Don Cherry - Brown Rice - A&M

9
Fripp & Eno - Wind on Water - Island

10
Robert Wyatt - At Last I Am Free - Rough Trade
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44