「DJ DON」と一致するもの

interview with Swindle - ele-king

 スウィンドルが2013年に発表したデビュー・アルバム『Long Live The Jazz』に収録された“Do The Jazz”。ダブステップのビート感、レイヴなシンセ、そしてファンキーなリフをミックスしたこの曲は、彼のなかにある多様な音楽の生態系を1曲のなかに凝縮したような音だった。多くのラップトップ・ミュージシャンと同じように、ひとりで作曲・編曲をこなしミクスチャーな音を届けてくれたスウィンドルは、新作『No More Normal』でさらなる進化を遂げている。自己完結型の作曲・編曲だけでなく、共作するミュージシャンを集め、その「指揮者」となって、彼らの演奏からオリジナルなサウンド・言葉を引き出していったのだ。グライムMC、シンガー、ポエトリーリーディング、サックス奏者、ギタリストなど様々な才能の真ん中に立ち、彼らと制作している。僕が気になったのは、そうした制作手法の意味やコラボレーションのコツだ。どのようにして彼らと出会い、どんな関係を築いていくのか。どのような工夫をすれば有機的な時間を作り出していけるか。スウィンドルのアルバムを聴いたとき、こうした問いに彼がなにか答えをもっているのではないかと思った。

 制作・コラボの秘訣からはじまったインタヴューは、『No More Normal』の問いの意味をめぐる話につながっていった。2018年11月、アジア・ツアーを周り、代官山UNIT の DBS×BUTTERZ の出演を控えたスウィンドルが誠実に答えてくれた。

自分がダブステップを見つけたというよりは、ダブステップが自分を見つけたという感じ。それはグライムにおいても同じで、自分はずっとグライムの「アウトサイダー」なんだ。

前回ele-kingに登場いただいたのは2016年来日時のインタヴューでした。それから、編集盤『Trilogy In Funk』を2017年にリリース、プロデュースの仕事など様々な仕事をされてきましたが、今作『No More Normal』はどのくらいの制作期間だったんですか?

スウィンドル(Swindle、以下S):『Trilogy In Funk』 の後にこのアルバムのプロジェクトをはじめたというわけではなくて、コージェイ・ラディカル(Kojey Radical)と同時並行でいろいろ作っていたりするなかで、このアルバムが生まれたんだ。音楽は「日記」のように書き続けているから、音楽の仕事はすべてが繋がっているように感じているよ。

なるほど、『No More Normal』にはエヴァ・ラザルス(Eva Lazarus)、ライダー・シャフィーク(Rider Shafique)、コージェイ・ラディカル、マンスール・ブラウンといったジャンルやエリアを超えた多彩なアーティストが参加しています。アルバム制作のコラボレーションはどのように進んだのでしょうか。

S:ロンドンの郊外にある Real World Studio という素晴らしいスタジオを2週間貸し切って制作に入ったんだ。そこに自分が一緒に作りたいアーティストを招待した。じっさいにどういうふうに制作が進んだかというと、朝10時にはエヴァ・ラザルスがきて、12時にはべつの人が来てエヴァに加わったり、マンスール・ブラウンがギターで加わったりとか。だから何も強制せずにすべてが自然に起こったんだよね。 アーティストと一緒に制作するとき、いま取り組んでいることを止めてべつのことをやらせたりとか、「時間が無駄だからこれをやって」というように言ったりすることはしないんだ。夜9時になって、全体を見て「ひとつアイディアがあるんだけど、こういうことをやってみるのはどう?」と提案することはあるけど、やっぱりルールがあるわけじゃないし、プレッシャーもなかったよ。

それはすごく理想的な環境ですね。短い時間だけスタジオに入って作業すると、「この時間内に成果を出さなきゃ」というプレッシャーがあったりします。

S:そうだね。参加してくれたアーティストのなかにはロンドン以外を拠点に置いている人もいて、べつべつに作業することもあったけど、基本的なアイディアとしてはみんなで長い時間いて、その場所にいて制作するということ。これまでは、言ってくれたように2時間だけスタジオを借りて、そこでちゃちゃっと作っちゃうっていうことをしてきたけど、今回はそうじゃなくて、2週間という期間があったのがよかった。

このアルバムを聴いていて、じつは最初は「なんて生音のように素晴らしいシンセサイザーなんだ」ということを思ったんです。僕のミュージシャンの友だちはあなたのお気に入りの VST(作曲ソフト上で作動する音源ソフト)を知りたいみたいだったんだけど、そういうわけではないようですね。

S:VST は入ってないね。今回はサンプリングもいっさいしていない。808 の部分とピアノのいくつかは使っているけど、それ以外では MIDI も使っていない。ほんとうにそのスタジオで録った音しか収録されてないんだ。

アナログな手法が音の質感の変化にもつながっていますね。一方で『Trilogy In Funk』に引き続き、ゲッツ(Ghetts)やD・ダブル・E(D Double E)、他にもP・マニーといった第一線のグライムのMCが多く参加していますが、レコーディング中のエピソードはありますか。

S:ゲッツとの共作“Drill Work”を作っているときかな。ロンドンのスタジオで、初日はビートを作って、その次の日にヴァイオリン、その次の日にホーンというふうにレコーディングしていったけど、ゲッツはその音に対してノートも使わずにその場でビートをスピットしていったんだ。マイクの前に立って、ゲッツが「Been there, Done there, No Talk, Don chat」とスピットして、俺は「イェー」って感じ。そういうことが生まれるのもスタジオのいいところだね。まるでスタジオを「白いキャンバス」として使うようで好きなんだ。自分の音楽がほかの人をインスパイアして、それがさらに次に繋がっていって、一緒に作っているという感覚がある。

生の空気がそのまま制作につながっていくんですね、ヴァイブスの高さはゲッツらしい感じがします。ほかに一緒に参加したアーティストはどのように選んでいますか?

S:とにかくまずはその人の音楽が好きなこと、そして「正直」なことをやっている、音楽を感じられること。「真のアーティスト」であると感じられること、そして自分がつながりを感じられること。「人気がある」とかほかの瑣末なことは関係ないよ。スタジオでケミストリーが生まれるかどうかが大事だな。

誠実さというのがいちばんキーになるのはすごくおもしろいと思いました。少しむかしのことを振り返るような感じになりますが、スウィンドルが「スウィンドルになる前」についても聞かせてください。私は最初あなたの音楽を「ダブステップ」や「UKベース」の棚で見つけました。ご自身はダブステップのシーンが非常に勢いづいていたクロイドンで生まれ育っていますが、そこまでダブステップにハマっていたというわけではなかったんですね。

S:自分がダブステップを見つけたというよりは、ダブステップが自分を見つけたという感じ。クロイドン(*)が出身だけど、もともと作っていたものを外の人が聴いて、「こういうのやらない?」と誘われた感じだね。それはグライムにおいても同じで、自分はずっとグライムの「アウトサイダー」なんだ。たとえば、アラバマ出身でカントリー・ミュージックをやるっていうのは「ふつう」のことかもしれない。だけど、「ふつう」にはないようなユニークなことをやっている人が、お互いをサポートするためのシステムが〈Butterz〉だったりするんだ。たとえば僕が応援している ONJUICY が日本でグライムをやっているってことは、もうそれだけで「違うこと」をしているわけだよね。だから彼をすごく応援したいし、彼の立場に共感できるんだ。

オーセンティックになるためには「自分自身」でなければいけないと思うよ。ただそれは「何かから距離をとる」っていうことじゃなくて、あらゆるものにより近づくってことだと思う。

いまUKのジャズ・シーンにはすごく勢いがあって、おもしろい作品がたくさん生まれています。今回のアルバムにはヌバイア・ガルシア(Nubya Garcia)やマンスール・ブラウンが参加していますが、ジャズとの関わりはいかがでしょうか。

S:ヌバイア・ガルシアとはむかしからの仲で、僕のショーのサポートでも演奏してもらっている。彼らとのストーリーといえば、2013年に1st アルバム『Long Live The Jazz』をリリースしたときにいろいろな人から「ジャズというジャンルは人気じゃないし、そのジャンルに自分を並べることは今後の音楽活動に悪い影響がある」という話をされたんだよね。でも後から、アルバムに参加しているマンスール・ブラウンとかヌバイア・ガルシアや、ヘンリー・ウーユセフ・デイズ、エズラ・コレクティヴ、フェミ・コレオソ(Femi Koleoso)といったミュージシャンが僕を見てくれていて、僕が「ジャズ」という言葉を使ったことで、彼らが新しいムーヴメントを起こすときに後押しされたと言ってくれた。だからといって、べつに僕は「彼らの成功は自分のおかげだ」と言うことはまったくないけどね。僕はジャズという言葉を文字通りの意味以外の意味で使っていた部分もあるけど、僕がしてきたことで彼らを後押しできたことはとても素晴らしいことだと思っている。

非常におもしろい話ですね。そういったことを踏まえて、ジャズについてご自身はどのような立ち位置だと感じていますか? グライムやダブステップと同じようにやはり「アウトサイダー」でしょうか。

S:やっぱりアウトサイダーのような感じだね。ヌバイア・ガルシアと自分は同じアーティストとしてメッセージを発していて、彼女とは従兄弟のような感じかな。

そういう意味では影響を受けている音楽も含めて、あらゆる音楽から少し距離を置いているというか、言い方を変えれば「孤立」しているという感じでしょうか。そういういわゆる「オーセンティックなもの」からは……

S:だから「自分がオーセンティック」なんだよね。たとえば「オーセンティックなグライムをやる」っていうのは、他のオーセンティックな人に合わせるっていうことだと思う。そしたら、オリジナルの人はオーセンティックかもしれないけど、フォローする人はオーセンティックじゃないんだよね、オーセンティックになるためには「自分自身」でなければいけないと思うよ。ただそれは「何かから距離をとる」っていうことじゃなくて、あらゆるものにより近づくってことだと思う。(ジャズ・レジェンドの)ロニー・リストン・スミスとも仕事するし、(グライムMCの)D・ダブル・Eとも仕事してきた。ほかの人から、「そんないろんな人と仕事をしているのはスウィンドルだけだ」って話を聞いた。だから、オーセンティックになるためにダブステップやグライム、ジャズから距離を取るのではく、あらゆるものに近づいて、いろいろなものから影響を受けるっていうことだと思った。

でもそういう人と仕事をするのってけっこう大変なときもありませんか。「友だちになる」っていうこともコラボレーションのなかには入っているでしょうから。

S:でも何も強制することはないよ。自分はこれだけ音楽に浸ってきているので、ライヴとかショーとか、他のときに一緒にいたというきっかけで繋がって打ち解けることが多い。具体的に「どこで」出会ったかとかは忘れてしまっているけど、音楽に対して向き合う姿勢やリスペクトはすごく大事だね。

なるほど。少しネガティブな話になりますが、そうした音楽キャリアのなかで自分の成功やこれまでの評価が逆にプレッシャーになることはありませんか。

S:2013年に、ロンドンのクラブ Cable でDJしたときに、電源が止まって、音が止まってしまったんだ。そのときに満杯のお客さんに対してどうしたらいいかわからなくて。

それはある意味でプレッシャーですね(笑)。

S:そう、でもそのときに自分の口から「Long Live the Jazz」という言葉が出て、それでお客さんとコール・アンド・レスポンスしたんだ。そこからはじまった。いまは多いときは毎週5000人のお客さんに会うことになる、そんな生活はすごく恵まれていると思う。音楽キャリアのなかでいちばん大変なのは飛行機とか車で移動することだけど、音楽をやることはぜんぜんプレッシャーには感じてない。一方で、音楽で生計をたてていることには責任を持たなければいけないと思っているよ。なぜかというと、音楽をやって生活しているということは特権的な生活だから。そのためには、自分が好きな音楽だけをやってそれで自分がハッピーになって、周りの人にポジティヴなものを返す、与えるっていうことを大事にしているよ。

みんなが憧れるような人気DJやアーティストとして素晴らしい仕事をしていても、不幸になってしまう人もいますね。

S:そうだね、それはすごく気をつけなくちゃいけない。結局不幸せになるっていうのは「やりたくないことをやっている」からだよね。たとえば歌がうまくて歌手になったのに、着たくない衣装を「人気が出るから」という理由で着るとか. そういうことが不幸になってしまう最初の状態だったりする。家具職人が最初は手の込んだ家具を作っていたのに、「お金が儲かるから」とか「これが仕事だから」とか、そういう理由で組み立て家具ばかり作らされてしまうみたいなことだ。そうしたら、家具職人はむかしやっていた自分の好きなことが懐かしくなって、いまがすごく不幸に感じられてしまう。それはなぜかというと、「自分はなんでいまこれをやっているのか(Why are we doing what we do?)」っていうことに気を配ってないからなんだ。

まさにアルバムの最初のライダー・シャフィークのメッセージですね(**)。そういう話を聞くと一層メッセージが強く伝わってくる感じがします。アルバムのタイトルになっている「No More Normal」というメッセージはどのような意味がありますか。

S:自分はまずタイトルが決まってからアルバムを作りはじめるといった性なんだよね。3年前に自分が思いついて、いまは自分にとっては「連帯」やコラボレーションを通じて自分たちの未来を作り上げていくというような感じかな。ジャンルやバックグラウンドが違っても、「自分たちらしくある」ことで自分たちの未来を作り上げていくというメッセージを込めているんだ。

(*) クロイドンは南ロンドンの郊外にある地区。2000年代のUKダブステップの興隆の中心となった。
(**) “What We Do (Feat. Rider Shafique, P Money, D Double E & Daley)”『No More Normal』

Drone, Bengal Sound, Rocks FOE - ele-king

 ロンドンに「Keep Hush」という YouTube のライヴ配信チャンネルがある。UKガラージやグライムからハウス、テクノ、ディスコまで幅広いDJ、トラックメイカーがプレイする不定期番組で、Boiler Room や Dommune といった番組を思い浮かべてもらえればいいと思う。そういったライヴ配信チャンネルと異なるのは、彼らが「ロンドンの若手アーティスト」に焦点を当てている点と、毎回開催場所を変えて、秘密のロケーションでおこなわれる点だ。場所は開催直前に登録制のメールマガジンに配信される仕組みで、小さめの会場でおこなわれることもあいまってアットホームな空気が伝わってくる。また、配信時のザラついた質感は90年代のレイヴを意識しているのでは、と邪推したりした。

 そんな Keep Hush にて、〈Coyote Records〉が主催する夜には新鮮さと勢いを感じた。下の動画でプレイしているのは気鋭の若手アーティスト Drone だ。

Drone DJ Set | Keep Hush London: Coyote Records Presents

 Drone は自主作品のUSBに続き、2018年は〈Sector 7 Records〉から「Sapphire」をリリース、続いて〈Coyote Records〉から「Light Speed」をリリースした。

Drone - Light Speed
https://bit.ly/2P6ZlKx

 Keep Hush のプレイでもリワインドされた Drone の“East Coast”はサンプリングの声ネタ・金物が印象的で、組み合わせられるUKドリルを感じさせる、うねるようなキック・ベースにハイブリッドなセンスを感じる。

 さらに紹介したいのは、上にあげた Drone が何曲かプレイしている Bengal Sound。2018年にコンセプト作品『Culture Clash』をカセットでリリースしている。

Bengal Sound - Culture Clash

 全ての曲でボリウッド映画のサウンドトラックからサンプリングしており、ハイエナジーなベースラインにサンプリングされたローファイなホーンやパーカッションがとても自然にマッチしている。手法に関して言えば、Mala が『Mala in Cuba』でキューバ音楽を用いたのと比べることもできるが、こちらはよりローファイなカットアップ、ループ感はインストのヒップホップを思わせる。

 サンプリングという観点で最後に紹介したいのは、ラッパーでありトラックメイカーである Rocks FOE。ラッパーとしてもアルバムをリリースする傍ら、日本でも人気を集めるレーベル〈Black Acre〉から 140 bpm のインストゥルメンタル作品もリリースする。多くの作品でサンプリングを用いており(寡聞にしてそれぞれのサンプリング・ネタがわからないのだが……)、ホーンやディストーションされたシンバル、そして低く震えるラップは独自の怪しげな世界観を築いている。

2018年6月にリリースされた Rocks FOE のアルバム『Legion Lacuna』
https://rocksfoe.bandcamp.com/album/legion-lacuna

 こうしたザラザラとしたサンプリングをおこなったダブステップについては、2016年の Kahn, Gantz, Commodo による名盤『Vol.1』が思い起こされるが、その後のシーンについてはどうだろうか。〈Sector 7 Records〉を主催する Boofy はインタヴューでこのように述べている。「ダブステップには、(シーンを語る上で)欠かせない歴史もあるけど、いまお気に入りのアーティストはもうそういう「レイヴ・バンガーの公式」の教科書は気にしないでやりたいようにやっているよ」(Mixmag, Jan, 2019)

 近年のダブステップはサンプリングのセンス、音の組み合わせ方が新鮮さに満ちていて、常にインスピレーションを与えてくれる。

MUD - ele-king

 昨年ソロとしてのファースト・アルバム『Make U Dirty』を発表し話題を集めた KANDYTOWN 所属のMC、MUD。仙人掌『VOICE』などへの客演でもその存在感を見せつけてきた彼が、新作EP「VALUE THE PRESENT」を12月25日にリリースする。同クルーからはKEIJU、先日ソロ・デビュー・アルバムを発表した Gottz、MIKI らが参加。先行シングルとなった新曲“Rather Be”はこちらから。

KANDYTOWN所属のMUDがEP「VALUE THE PRESENT」リリース決定。
それに伴い新曲“Rather Be”が本日リリース

HIP HOPクルー、KANDYTOWNに所属し、そのルードなアティテュードと日本人離れしたフロウでクルー屈指の実力派との呼び声高い、ラッパーの MUD がEP「VALUE THE PRESENT」を12月25日にリリースすることが決定した。それに伴い、本日先行シングル「Rather Be」をリリース。

自身のソロ名義としては、2017年にリリースし各方面から高い評価を得た『Make U Dirty』以来、約1年半ぶりとなる今作。全7曲を収録し、ゲストには KANDYTOWN より KEIJU、Gottz、ビートメイカーの MIKI が参加。又、Blaise(KILLAH)、Pablo Blasta、楽曲提供として Fla$hBacks の Febb が参加している。

[リリース情報]

●先行シングル
タイトル:Rather Be
発売日:2018年12月7日(金)
URL:https://linkco.re/H6sXF3X2

●EP
タイトル:「VALUE THE PRESENT」
発売日:2018年12月25日(火)

収録曲:
1. Rather Be
2. No Cry (feat. KEIJU)
3. Sacred Muzik 作曲 febb
4. Vertex (feat. Dony Joint)
5. No Mercy (feat. BLAISE & Gottz)
6. Brotherhood (feat. Pablo Blasta)
7. Ex (Prod: MIKI)

[MUDプロフィール]

東京のHIP HOPクルー KANDYTOWN LIFE に所属。ルードなアティテュードと日本人離れしたフロウでクルーの中軸を担う実力派。2017年7月、ソロ・デビュー・アルバム『Make U Dirty』をリリースし、内外から非常に高い評価を得る。客演においても KANDYTOWN メンバー作品ではもちろん、仙人掌、DJ PMX、kojoe, mc tyson 等の作品に参加するなど、シーン内で幅広く支持を受けている。2018年12月にセルフ・プロデュースの1st EPをリリース予定。

Kode9 - ele-king

 名ミックスCDシリーズ「Fabric」の最終作をベリアルとともに担当して話題をかっさらったばかりのコード9が、なんと、年末に来日ツアーを敢行するとの情報が飛び込んでまいりました。昨年は日本のゲーム音楽にフォーカスしたコンピ『Diggin In The Carts』のリリース記念イベントのために来日していたコード9ですが、今回の12月29日の東京公演@CIRCUS TOKYOでは3時間のロング・セットを披露予定とのこと。12月30日の大阪公演@クリエイティブセンター大阪では《THE STAR FESTIVAL 2018 CLOSING》パーティに出演、そちらは Cassy、D.J.FULLTONO の追加出演も決定しています。年末年始へ向けてすでにさまざまなイベントの情報が出てきていますが、これまた見逃し厳禁な案件です!

〈Hyperdub〉のボス、KODE 9が年の瀬Asia tourを敢行!!

【東京公演】
TITLE: KODE 9 ASIA TOUR in TOKYO
DATE: 2018.12.29 (SAT)
OPEN: 23:00

LINE UP:
KODE9 (Hyperdub / UK) -3hours set-
Romy Mays (解体新書 / N.O.S.)
and more...

ADV: ¥2,500
DOOR: ¥3,000

プレイガイド:
【ローソンチケット: L-CODE (75574) / イープラス: https://eplus.jp / Peatix: https://hyperdubkode9.peatix.com/ / RA: https://jp.residentadvisor.net/events/1193428

VENUE: CIRCUS TOKYO
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-26-16
03-6419-7520
https://www.circus-tokyo.jp

【大阪公演】
TITLE: THE STAR FESTIVAL 2018 CLOSING
DATE: 2018.12.30 (SUN)
OPEN: 21:00~ ALL NIGHT

LINE UP:
Peter Van Hoesen (Time to express / Berlin)
Metrik (Hospital Records / UK)
Cassy (Kwench / UK) -NEW-
Kode9 (Hyperdub / UK) -NEW-
yahyel
EYヨ (Boredoms)
AOKI takamasa -live set-
BO NINGEN
環ROY
SEIHO -live set-
Tohji (and Mall Boyz)
D.J.FULLTONO -NEW-
YUMY

VJ: KOZEE
LIGHTING: SOLA

OPEN AIR BOOTH:
YASUHISA / KUNIMITSU / MONASHEE / KEIBUERGER / AKNL / MITSUYAS / DJ KENZ1 / 81BLEND / GT

ADV: ¥3,500
DOOR: ¥4,000
GROUP TICKET (4枚組): ¥12,000 (別途1ドリンク代金¥600必要)

プレイガイド:
【チケットぴあ: P-CODE (133-585) / ローソンチケット: L-CODE (54171) / イープラス https://eplus.jp / Peatix: https://tsfclosing.peatix.com/

VENUE: Creative center osaka (Studio partita & Black chamber & Red frame)
〒559-0011
大阪市住之江区北加賀屋4-1-55 名村造船旧大阪工場跡
06-4702-7085
https://www.namura.cc/

TOTAL INFO:
https://thestarfestival.com/

KODE9 (コードナイン)
コードナインは、ブリアルや、今は亡きDJ ラシャド、ほか多くのアーティストが所属するレーベルとして有名な〈ハイパーダブ〉の主宰者である。自身のレーベルからは、ザ・スペースエイプと共同で2枚のアルバム、10枚以上のシングルをリリースしており、さらに〈K7〉、〈リンス〉、〈オンユー・サウンド〉、〈ワープ〉、〈ドミノ〉、〈ゴーストリー〉、〈テンパ〉、〈リフレックス〉などのレーベルからもリリース、リミックス、DJコンピレーションを手掛けてきた。ヨーロッパ全域、北アメリカ、アジアなど広範囲においてDJをしてきた彼は、《ソナー》、《コアチェラ》、《グラストンベリー》、《ミューテック》、《アンサウンド》といった最先端のエレクトロニック・フェスティバルでパフォーマンスを披露。去年の夏、コードナインは最新EP「キリング・シーズン」を、2014 年に他界したザ・スペースエイプとともにリリースした。本名のスティーヴ・グッドマン名義では、2010 年に、著書『ソニック・ワーフェア』をMITプレスから出版。人工頭脳文化研究団(CCRU)の一員であった彼は、AUDINTという音波研究組織の一員でもあり、(トビー・ヘイズとともに)、北アメリカとヨーロッパでインスタレーションを作成し、2014 年には、「マーシャル・ホントロジー」プロジェクト(本/レコード/印刷物)を発表している。2015年にはともに制作をしてきたスペースエイプ、DJラシャドを失った喪失感から制作に取り組んだというソロ名義でのファースト・アルバム『ナッシング』をリリースした。そして、2018年にはコード9とブリアルが〈Fabric〉のミックス・シリーズ最終章に登場し大きな話題となった。
https://www.hyperdub.net/

▶〈Hyperdub〉を主宰するKODE 9と、レーベルを代表するアーティスト、BurialがミックスCDシリーズの頂点たるFABRICシリーズの最終章に登場!
Fabriclive 100 "Kode9 & Burial"
https://www.fabriclondon.com/store/FABRICLIVE-100-vinyl.html

Bliss Signal - ele-king

 今、音楽の先端はどこにあるのか。むろん、その問いには明確な答えはない。さまざまな聴き手の、それぞれの聴き方よって、「先端」の意味合いは異なるものだろうし、そもそも音楽じたいも現代では多様化を極めており、ひとつふたつの価値観ですべてを語ることができる時代でもない。
 だが、少なくともこれは「新しいのでは」と思えるという音楽形式がごく稀に同時代に存在する(こともある)。たしかに、その場合の「新しさ」とは、「歴史の終わり」以降特有の形式の組み合わせかもしれないし、音響の新奇性かもしれないが、ともあれ今というこの情報過多の時代において音楽を聴くことで得られる「新鮮な感覚」を多少なりとも感じられるのであれば、それは僥倖であり、得難い経験ではないかとも思う。
 聴覚と感覚が拡張したかのようなエクスペリエンスとの遭遇。例えば90年代から00年代初頭であれば、池田亮司、アルヴァ・ノト、フェネス、ピタなどの電子音響のグリッチ・ノイズから得た聴覚拡張感覚を思い出してしまうし、10年代であれば、アンディ・ストットやデムダイク・ステアによるインダストリアル/テクノのダークさに浸ってしまうかもしれないし、近年では今や大人気のワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの新作や音楽マニア騒然のイヴ・トゥモアの新作が、われわれの未知の知覚を刺激してくれもした。
 ここで問い直そう。ではワンオートリックス・ポイント・ネヴァーらの新譜においては何が「新しい」のか。私見を一言で言わせて頂ければ、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーもイヴ・トゥモアもノイズと音楽の融解と融合がそれぞれの方法で実践されている点が「新しい」のだ。ノイズによって音楽(の遺伝子?)を蘇生し、再生成すること。彼らのノイズは、旧来的な破壊のノイズではなく、変貌の音楽/ノイズなのである。そう、今現在、音楽とノイズは相反する存在ではない。
 その意味で、2018年においてインダストリアル/テクノとメタルが交錯することも必然であった。むろん過去にも似たような音楽はあったが、重要なことはインダストリアル/テクノ、ダブステップ、グライムの継承・発展として、「インダストリアル・ブラック・メタル」が浮上・表出してきたという点が重要なのである。ジャンルとシーンがある必然性をもって結びつくこと。それはとてもスリリングだ。

 ここでアイルランドのブラック・メタル・バンド、アルター・オブ・プレイグスのリーダーのジェイムス・ケリーと、UKインスト・グライムのプロデューサーのマムダンスによるインダストリアル・ブラック・メタル・ユニットのブリス・シグナルのファースト・アルバム『Bliss Signal』を召喚してみたい。彼らのサウンドもまた音楽の「先端」を象徴する1作ではなかろうか。いや、そもそも「Drift EP」をリリースした時点で凄かったのが、本アルバムはその「衝撃」を律儀に継承している作品といえよう。
 アルバムは、闇夜の光のような硬質なアンビエント・ドローンである“Slow Scan”、“N16 Drift”、“Endless Rush”、“Ambi Drift”と激烈なインダストリアル・メタル・サウンドの“Bliss Signal”、“Surge”、“Floodlight”、“Tranq”が交互に収録される構成になっており、非常にドラマチックな作品となっている。ちなみにリリースはエクストリーム・メタル専門レーベルの〈Profound Lore Records〉というのも納得である。なぜなら同レーベルはプルリエントの『Rainbow Mirror』をリリースしているのだから。
 メタル・トラックもアンビエント・トラックもともに、ジェイムス・ケリーの WIFE を思わせるエレクトロニックなトラックに、マムダンスの緻密かつ大胆な電子音がそこかしこに展開されるなど、ブラック・メタリズムとウェイトレスなポスト・グライムが融合した音楽/音響に仕上がっており、なかなか新鮮である。もしもこのアルバムが2016年に世に出ていたらポスト・エンプティ・セットとして電子音楽の歴史はまた変わっていたかもしれないが、むろん「今」の時代にしか出てこない音でもあることに違いはない。

 ロゴスとの『FFS/BMT』などでも聴くことができた脱臼と律動を同時に感じさせる無重力なビートを組み上げたマムダンスが、すべての音が高速に融解するような激しいメタル・ビートの連打へと行き着いたことは実に象徴的な事態に思えるのだ。これは00年代後半にクリック&グリッチな電子音響が、ドローン/アンビエントへと溶け合うように変化した状況に似ている。そう、複雑なビートはいずれ融解する。ただその「融解のさま」が00年代のように「静謐さ」の方には向かわず、激しくも激烈なノイズの方に向かいつつある点が異なっている。エモ/エクストリームの時代なのである。
 いずれにせよブリス・シグナルのサウンドを聴くことは、この種のエレクトロニックな音楽の現在地点を考える上で重要に違いない。彼らの横に Goth-Trad、Diesuck、Masayuki Imanishi による Eartaker のファースト・アルバム『Harmonics』などを並べてみても良いだろうし、DJ NOBU がキュレーションした ENDON の新作アルバム『BOY MEETS GIRL』と同時に聴いてみても良いだろう。
 今、この時代、電子音楽たちは、メタリックなノイズを希求し、ハードコアな冷たい/激しい衝動を欲しているのではないか。繰り返そう。ノイズと音楽は相反するものではなくなった。そうではなく、音楽との境界線を融解するために、ただそれらは「ある」のだ。それはこの不透明な世界に蔓延する傲慢な曖昧さを許さない激烈な闘争宣言でもあり、咆哮でもある。「今」、この現在を貫く音=強靭・強烈なノイズ/音楽の蠢きここにある。

Gottz - ele-king

 とどまるところを知らない KANDYTOWN からまた新たな一報です。同クルー内でもひときわ強烈なインパクトを放つMCの Gottz が、本日ソロ・デビュー・アルバムをリリースしました。MUD をフィーチャーした“+81”のMVも昨日公開済み。いやもうとにかく一度聴いてみてください。フックがあまりにも印象的で頭から離れなくなります。Neetz、Ryugo Ishida(ゆるふわギャング)、Yo-Sea、Hideyoshi(Tokyo Young Vision)らが参加した『SOUTHPARK』、これは要チェックです。

KANDYTOWNのラッパー、Gottz の MUD をフィーチャーした“+81”のMVが公開!
その MUD や Neetz、Ryugo Ishida(ゆるふわギャング)、Yo-Sea、Hideyoshi(Tokyo Young
Vision)らが参加した待望のソロ・デビュー・アルバム『SOUTHPARK』がいよいよ本日リリース!

 KEIJU as YOUNG JUJUやDIAN、MIKI、DJ WEELOWらとともに結成したグループ、YaBasta として活動し、IO や Ryohu らを擁するグループ、BANKROLL と合流して KANDYTOWN を結成。16年リリースのメジャー・デビュー・アルバム『KANDYTOWN』でも“The Man Who Knew Too Much”や“Ain't No Holding Back”、“Feelz”といったライブでも定番な楽曲で猛々しいラップを披露して注目を集め、グループとしての最新曲“Few Colors”でもラップを担当。また IO や YOUNG JUJU、DONY JOINT、MUD といったメンバーのソロ作品にも立て続けに参加し、大きなインパクトを残してきたラッパー、Gottz(ゴッツ)! KANDYTOWN 内でも一際目立つアイコン的な存在でもあり、ラッパーとしてだけでなくモデルとしても活躍し、BlackEyePatch のコレクションやパーティに出演したことも話題に!
 その幅広い活動からソロ・リリースの待たれていた Gottz の正に待望と言えるソロ・デビュー・アルバム、その名も『SOUTHPARK』から KANDYTOWN の仲間でもある MUD が参加し、自己名義アルバムのリリースも話題な KM がプロデュースした先行曲“+81”のミュージック・ビデオが公開! Reebok CLASSICがサポートしており、BAD HOP や YDIZZY、Weny Dacillo らの映像作品にも関与してきた KEN HARAKI が監督を担当している。
 そしてその MUD や Ryugo Ishida(ゆるふわギャング)、Yo-Sea、Hideyoshi(Tokyo Young Vision)が客演として、KANDYTOWN の Neetz や FEBB as YOUNG MASON、Lil’Yukichi、KM がプロデューサーとして参加した『SOUTHPARK』がいよいよ本日リリース!

Gottz "+81" feat. MUD (Official Video)
https://youtu.be/Y15eBPsYL5g


[アルバム情報]
アーティスト: Gottz (ゴッツ)
タイトル: SOUTHPARK (サウスパーク)
レーベル: P-VINE / KANDYTOWN LIFE
品番: PCD-27039
発売日: 2018年10月17日(水)
税抜販売価格: 2,700円
https://smarturl.it/gottz-southpark

[トラックリスト]
1. +81 feat. MUD
Prod by KM
2. Makka Na Mekkara
Prod by Lil’Yukichi
3. Don't Talk
Prod by Lil’Yukichi
4. Count It Up (PC2)
Prod by Lil’Yukichi
5. Kamuy
Prod by KM
6. Move! feat. Hideyoshi
Prod by KM
7. Summertime Freestyle
Prod by YOUNG MASON
8. Raindrop
Prod by KM
9. The Lights feat. Ryugo Ishida, MUD
Prod by Neetz
10. Neon Step - Gottz, Yo-Sea & Neetz
Prod by Neetz
Guitar : hanna
* all songs mixed by RYUSEI

[Gottz プロフィール]
同世代の KEIJU as YOUNG JUJU や DIAN、MIKI、DJ WEELOW らとともに結成したグループ、YaBasta のメンバーとして本格的に活動を開始し、IO や Ryohu らを擁するグループ、BANKROLL と合流して KANDYTOWN を結成。15年にソロ作『Hell's Kitchen』をフリーダウンロードで発表し、16年にはKANDYTOWNとして〈ワーナー・ミュージック〉よりメジャー・デビュー・アルバム『KANDYTOWN』をリリース。

 今年も、筆者の暮らすメキシコの「死者の日」が近づいてきた。「死者の日」とは毎年10月31日~11月2日の3日間祝われるお盆のこと。メキシコじゅうがカラフルな切り紙の旗、ガイコツの砂糖菓子や、鮮やかなオレンジのマリーゴールドの花で彩られる。数千年前から受け継がれる先住民の風習と、スペイン侵略後のカトリック信仰が混合された独特な祭礼で、故人と生きている者たちが交流する期間だ。お盆にしては、華やかであり、まるで死ぬのも、そんなに悪くはないと語っているようだし、身近に感じさせる。
 そもそも、メキシコの暮らしは、死と隣り合わせである。2018年上半期だけでも1万6000に及ぶ殺人事件数があり、ここ10年以内に起こった女性殺人は2万3800件と増加傾向で、毎日7人の女性が殺されていることになる。1か月前には、うちの近所のメキシコシティ中心部ガリバルディ音楽広場で、マリアッチ楽団の衣装を着た殺し屋たちが、麻薬倉庫前に現れ、ロバート・ロドリゲスの映画みたいな銃撃戦が起こった。ここまで暴力が近いと、命がいくらあっても足りない。怒りと恐怖を抱くと同時に、どうせ儚い人生、濃く生きてやると腹をくくらせる。
 2018年12月から、「左派」大統領の新政権がうまれ、変化が期待されるメキシコではあるが、筆者のような働く移民にとって、光はあるだろうか? 2002年に元メキシコシティ市長は、元ニューヨーク市長ジュリアーニをメキシコシティ中心部の再開発指導者として呼び寄せ、ジェントリフィケーションの波を起こしたが、その元メキシコ市長オブラドールこそが、私たちの新大統領なのだから。筆者が夫と営む、吹けば飛ぶよな小さなアジア食堂は、開発が進む、ダウンタウンの一角にあり、年々値上がりする家賃と、工事を名目に突然断たれる電気や水道の供給と、チンピラども(警察を含む)との駆け引きの合間で戦々恐々としている。 それでも、ここで踏ん張ろうと思うのは、市井の人々は温かく、いちいち空気を読む必要なんてないし、失敗も恥ずかしくない。自分のリズムで呼吸でき、何度でも生き返られる場所だからだ。

 そうは言っても、へこみそうな時に、食堂で店内音楽としてCDでよくかけるのがエル・ハル・クロイの音楽だ(当食堂のBGMはCDだ。メキシコではスポッティファイが音楽を聴くためのメインメディアになりつつあるが、あえて抵抗している)。
 スペイン語の定冠詞「EL」に、「黒い春」という日本語をミックスした名を持つこのバンドは、メキシコ系米国人=チカーノたちが多く暮らす、イースト・ロサンゼルス出身。哀感あるギターと可憐なヴォーカルのエディカ、ジャジーなベースのマイケル、変拍子を巧みに取り入れたドラムのドミニクから成るトリオだ。2007年にアルバム『サブン』でデビューし、今までに『カンタ・ガジョ』(2013年)、『192192192』(2016年)の、3枚のアルバムを発表。2016年には日本ツアーも行った。彼らの音には、60年代後半、ブラジルの軍事政権に抵抗して起こった音楽ムーヴメント、トロピカリアや、メキシコやキューバで古くから歌い継がれているボレロ、ラテン各国で鳴り響くクンビア、アフロペルー音楽、ジャズ、そしてパンクやロックの影響を受けているが、ミクスチャーではない。伝統と前衛が同居したエル・ハル・クロイとしか言いようがない世界で、その魂の底から立ち上るようなブルースに労われる。甘美でありながら、生ぬるい癒し音楽ではない。

 そんなエル・ハル・クロイが、なんと、日本でメキシコの死者の日を祝うイヴェントに参加し、ツアーも行うという。そこで、ヴォーカルのエディカにメールでインタビューした。

 エル・ハル・クロイの3人は、イースト・ロサンゼルスのパサデナにある音楽学校の同期生により生まれた、アーケストラ・クランデスティーナというアフロファンクや、フリージャズを演奏する楽団のメンバーとして出会った。エディカは当時、打楽器と歌を担当していた。

「楽団の解散後、地元図書館のメキシコ独立記念イヴェントでスペイン語曲を歌うバイトのためにエル・ハル・クロイの前身ともいえるトリオを結成した。それが成功し、本格的に活動を始めた。最初は、アコースティック編成で、スペイン語で歌うグループだったけれど、のちにポルトガル語曲も加えるようになった。私にとって、英語よりも自分の第一言語であるスペイン語で表現するのが自然だった。ポルトガル語は、父がたくさんのブラジル音楽を聴いたり、演奏したりするので、身近だった。ブラジル音楽のリズミカルな歌が大好きで、スペイン語で、それを再現したりもした。でも、本格的に勉強したくて、UCLAの語学コースや、ブラジルのバイーアでも勉強した」

 音楽家になろうと思ったのには、父親の影響が大きいと語る。

「父の一家は、音楽を生業としているので、私が幼い頃から、周囲に音楽があふれていた。父は、ギター、ベース、ピアノを演奏し、歌手でもあった。私は、5歳から父と歌い、思春期にはギターを演奏しはじめた。その時から自分の曲を演奏するのにやりがいを見つけた」

メキシコ人の両親が、メキシコシティからイースト・ロサンゼルスのボイルハイツに移住してから、エディカは生まれたのだが、「自分はメキシコ人だ」という。

「母は私を妊娠しながら国境を超えたので、メキシコ仕込みと言えるでしょ(笑)。両親はロサンゼルスで英語を学んだけど、家庭ではいつもスペイン語で会話したし、私をメキシコ人として育てた。10代までは、父の仕事の都合で、メキシコで過ごすことが多かった。幼少期には南部のオアハカやベラクルス、思春期にはメキシコシティや、グアナファトで数年暮らした。私の両親は、1960年代の公民権運動などのチカーノ・ムーヴメントの頃に、米国にはいなかったし、私はチカーノとして育っていない。エル・ハル・クロイは、 「イースト・ロサンゼルス出身の米国とメキシコにルーツを持つグループ」と言える。ただ、他の2人のメンバー(マイケルとドミニク)の両親は米国で生まれ、チカーノとして位置付けられる。でも、私たちの音楽は位置付けを必要としないし、カテゴライズは、表現を制限させる」

 メキシコとラテンアメリカの文化は、彼女のインスピレーションの源泉だが、ロサンゼルスも、音楽やアートを学び、大切な仲間たちと出会い、人生の転機となった、重要な場所であるのには変わりない。そんなロサンゼルスを舞台にした『ELLA(彼女)』という曲(2018年10月にEPとして発売)では、夜明けとともに自宅を出て、日中は遠くの高級住宅でハウスキーパーとして働き、夜更け前に帰宅して、ようやく、自分の子どもと過ごせる母親の日常を美しく歌い上げている。

「私が幼かった頃、母はビバリーヒルズの富裕層の家の清掃や、その家の子どもたちの面倒を見る仕事をしていた。週末に私をその家に連れて行くこともあったんだけど、そこで、彼らと私たちとの経済格差に気づいた。大人になって、イースト・ロサンゼルスからUCLAへへ向かう路線バスで、多くのラテン系の女性たちと乗り合わせた。彼女たちの多くは、ビバリー・ヒルズで降車した。そんな姿を見て、私の幼少期に母が同じような仕事をしていたのを思い出した。そこで、社会で不可視の存在とされている彼女たちに捧げる曲を作った」

 エル・ハル・クロイの曲の数々は、厳しい現実をまっすぐ受け止めながらも、あまりに詩的だ。それは、過酷な日々から一瞬でも解放させてくれるような、優しく強い音楽でもある。エディカは、ほどんどの曲の歌詞を担うが、どうやってこのスタイルに行き着いたのか。

「私はいつでも詩を書いていて、そこから曲が生まれることが多い。音楽以外には、ビジュアル・アートの勉強をしていたので、その一環でイースト・ロサンゼルスの美術学校で、浮世絵の北斎や広重、メキシコのグアダルーペ・ポサダのような古来からの方式で木版画を教えるクラスがあり、習得した。版画のモノトーンから表現する世界は、私の音楽にも影響を与えている。言葉のイメージを膨らませて絵を描くことも好き。私の夢の一つは、自らが描いた絵をアニメーションにして、エル・ハル・クロイの3作目のアルバム『192192192』に収録された日本語とポルトガル語の曲、「YAGATE」のプロモビデオを作ること。誰か日本のアニメーション作家とコラボレーションできたらと思っている。でも、曲を映像化することよりも、その曲じたいが、聴き手の想像力を掻き立て、それを視覚化できるのが大事だと思う」

 現在、4枚目にあたるエル・ハル・クロイの新作を制作中で、人間の眠っている能力や直感についてをテーマにし、リインカーネーションについての曲も含まれるという。

「音楽で表現したいのは、貧困層への不公平さ、差別、私のような移民の子どもたちに起こる、不特定の土地を移動しながら暮らす体験、人生と死、愛、そして亡くなった愛する人たちを思い出すこと」と語るエディカ。今回、日本で死者の日を祝うイベントに出演し、ツアーを行う(11月2日から代官山・晴れ豆を皮切りに全国6カ所を回る)ことについては、こう語っている。

「再び大好きな日本へ行けることが嬉しいし、興奮している。このことを謙虚に受け止めて、私たちの音楽や伝統文化を、日本のみんなと少しでも共有したい。音楽を作り、何年もグループを続けていくのには、とても努力を強いることだったので、報われる思い。この繋がりが続くといいな」

 エル・ハル・クロイの演奏は、日本へメキシコ、ロサンゼルス、ラテンアメリカの美しい空気を運ぶことだろう。その美しさは、わかりやすいものではないかもしれないが、暗闇の中の一筋の光のように、ひときわ強く輝いているのだ。(文:長屋美保)

■エル・ハル・クロイ「死者の日」ジャパン・ツアー

☆エル・ハル・クロイカリフォルニア州ロサンゼルスから登場した3人組音楽グループ。今やロサンゼルスの人口の半分を占める所謂ラティーノと呼ばれる中南米系住人の文化・社会的拠点であるイースト・ロサンゼルスの出身。現在まで3枚のアルバムを発表。ランチェーラと呼ばれる伝統のメキシコ音楽、クンビアというコロンビア発祥で中南米中に伝播したダンス音楽、またブラジル音楽、さらにアメリカの前衛音楽やジャズなどにも大きく影響を受け、今までのチカーノ・ロックやミクスチャー・ロックとは異なる独創性の高い音楽を奏でる。また、不法滞在、暴力、貧困などのコミュニティが抱える問題への高い意識、メキシコから国境を超えて伝わった伝統とアメリカ文化が融合・発展を遂げてきた豊穣なチカーノ文化・社会への誇り、ラティーノだけでなくアジア系など多様化するロサンゼルスの現在の空気感も巧みに混ぜ合わせ、その独創性高いサウンドのなかに、複雑なテーマ性も内包し独特の魅力を漂わせている。大熱演となった2016年のツアー以来、第2回目の来日。

メンバー
エディカ・オルガニスタ(Gt. Vo)
マイケル・イバーラ(Ba)
ドミニク・ロドリゲス(Dr. Vo)

11月2日(金)代官山 晴れたら空に豆まいて
Open:18:30/Start:19:00
予約\3,900 / 当日\4,400(+1ドリンク別途)
Live:Shoko & The Akilla、Los Tequila Cokes
DJs: Trasmondo DJs、星野智幸、Shin Miyata
Tacos: Taqueria Abefusai、Octa
Shop: Barrio Gold Records
詳細・予約:https://mameromantic.com/?p=60288


11月3日(土・祝)金沢 FUNCTION SPACE
Open:20:00/Start:21:30
予約\3,500 / 当日\4,000(1ドリンク付)
DJs: U-1、ハンサム泥棒(KYOSHO & YASTAK)、中村一子(Record Jungle)
Tacos: Ricos Tacos
Shop: Barrio Gold Records
後援:北國新聞社、北陸中日新聞、エフエム石川、HAB北陸朝日放送、テレビ金沢、
北陸放送
詳細・予約: https://mameromantic.com/?p=60305


11月4日(日)大阪 do with cafe
Open:18:30/Start:19:00
予約\3,500 / 当日\4,000(+1ドリンク別途)
Live: Conjunto J、カオリーニョ藤原
DJs: TZ(EL TOPO)、Shin Miyata
Tacos: Cantina Rima
Shop: PAD、Barrio Gold Records
詳細・予約: https://mameromantic.com/?p=60309


11月5日(月)高知 五台山・竹林寺
Open:17:30/Start:19:00
予約\3,000 / 当日\3,500
Tacos: Masacasa Tacos
Shop: Masacasa Music
Supported by Masacasa Music、 竹林寺、Bar a Boucherie 松原ミート、Mushroom
record
予約:Masacasa Music(9/27以降)担当:都筑 080-9832-6081 /
masacasamusic@gmail.com

11月6日(火)徳島 Amusement BAR Fly
Open:19:00/Start:19:30
予約\3,000 / 当日\3,500(+1ドリンク別途)
Live: 越路姉妹
Shop: Barrio Gold Records
詳細・予約: https://mameromantic.com/?p=60315


11月8日(水) 横浜 B.B. Street
Open:18:30/Start:19:30
予約\3,000 / 当日\3,500(+1ドリンク別途)
Live: gnkosaiBAND .
Shop: Barrio Gold Records
https://www.bbstreet.com/


■■公演予約方法■■
11/5高知公演、11/8横浜公演以外の公演については下記で承ります。
電話:晴れたら空に豆まいて:03-5456-8880(14:30-23:00)
MUSIC CAMP, Inc. TEL: 042-498-7531 e-mail:ehk@m-camp.net
※件名を「エル・ハル・クロイ予約」として、本文に公演日、お名前、人数、ご連絡
先電話番号を明記ください。

総合サイト⇒ https://www.m-camp.net/ehk2018.html

招聘・制作:晴れ豆インターナショナル / BARRIO GOLD RECORDS / MUSIC CAMP,Inc.

また文中に出て来る関連動画は以下です。
☆DIA DE LOS MUERTOS
https://www.youtube.com/watch?v=2luTdONIFfQ

☆ELLA
https://www.youtube.com/watch?v=3UbkD_3pVFs

J Dilla - ele-king

 『Ruff Draft』。ラフなドラフト。この「ラフ」には二重の意味がある。まずはここに収録されているビートたちが、Jディラのアイディアを、それが生まれた瞬間の鮮度はそのままにスケッチとして書き留められたような「ラフな」ものであるという意味。そしてもうひとつは、そのサウンド、特にビートの質感が非常に「ラフな」ものであるということだ。
 前者について考えてみるとすぐさま直面する疑問がある。つまり、このビート集がラフなスケッチ=未完成品の集積なのだとすれば、ビートの完成形とは、あるいはアルバムという作品の完成形とは一体なにを指すのかということだ。たとえばディラのようにMPCシリーズのサンプラーでビート制作する場合、キックやスネア、ベースラインやウワネタ自体を選択し、延々とビートをループさせつつそれらの打ち方のタイミングを微調整する。あるいは、各トラックの音色を微調整し、最良のミックスを探る。そうして形作った個々のピースを、一枚絵のパズルを組み上げるように、最適な順番に整列し、イントロやアウトロ、曲間のインタールードやスキットをあつらえ、ひとつの作品集として固有名を付す。
 これらの作業に、果たして終わりはあるのだろうか。もちろん、終わりはある。どこかで終わりがあったからこそ、作品としてリリースされている。それを僕たちが、聴いているのだから。そしてディラのビート制作について良く知られている特徴は、どのビートも10分やそこらで、組み上げてしまうということだ。それらを考え合わせれば、ことディラにとっては、自身の作品に「完成」というステータスを付与するのは、決して難しいことでなかったように思われる。
 しかし本当にそうだろうか。『Ruff Draft』は、三度、微妙に異なる固有名を与えられた。最初にオリジナル版の『Ruff Draft EP』がディラの自主レーベルである〈Mummy Records〉からリリースされたのは2003年のことだった。それから4年後、彼が亡くなった翌年の2007年に〈Stones Throw〉からリリースされたのが、オリジナルのEPにボーナス・トラックを追加した『Ruff Draft』。
 さらにそこから11年の歳月を経て、今回取り上げる『Ruff Draft (Dilla's Mix)』がリリースされた。そしてここには、2003年のオリジナル版に忠実なミックスと、ディラによる「あり得たかもしれない」オルタネイト・ヴァージョンが収録されている。
 このことは一体何を意味しているのか。

 ひとつのアルバムが「完成」を見るためには、当然収録される個々の楽曲が「完成」に至るだけでなく、それらのシークエンス、つまり収録の順番やそれぞれの楽曲のレングスがフィックスされなければならない。それでは『Ruff Draft』のふたつのヴァージョンにおいては、今回新たに追加収録された「Dilla's Mix」というあり得たヴァージョンの方が理想の形だったのだろうか。だが事実として「Original Mix」は、ディラの生前、当然の本人の納得の末にリリースされたのだ。だから少なくとも当時はこれがディラの理想の形だったはずだ。

 そのことを踏まえ、「Dilla's Mix」の中身を見てみよう。「Original Mix」において、冒頭のステートメントは非常に重要な役割を担っていた。ビートメイカーが自身の作品中にアカペラでステートメントを発信するというのは、DJプレミアのような例外を除けば、基本的には稀な態度と言えるだろう。ディラの肉声。彼の主張はこうだ。『Ruff Draft』という音源は、「ホンモノの生の」「カセットテープから直接の」サウンドである。
 一方「Dilla's Mix」の新しいイントロ“Interlude”では、BPMを抑えレイドバックした叙情的なビートをバックに、ディラは口火を切る。「長い間待たせたけど、俺は戻ってきたぜ」「偽物が蔓延ってるけど、俺らが取り戻すぜ。ベースメントに」「生のシット」「とてもダーティな」ビートを。
 そうだ。当時のディラを突き動かしていた情念は一体なんだったか。『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』にも詳細が綴られている通り、当時のディラはメジャー・レーベル/シーンでの活動に嫌気がさし、それまでとは違った方法で、好き勝手に自分の音楽を制作し発信したいという強いモチベーションに突き動かされていた。そのアウトプットのひとつは自主レーベルからのリリースという方法であり、そしてもうひとつはこのEPの持つラフで自由な雰囲気なのだ。 
 そのことを最も体現しているのが、イントロ開けのオープナー“Wild”だろう。これは元々2003年にリリースされたEPには収録されておらず、2007年の再発盤に追加収録された楽曲だった。タイトル通り、当時それまでのディラの代名詞だったどちらかと言えばジャジーでスムースという印象をぶち壊すような、奇抜なリズム感覚が支配する一曲だ。コメディアンでもあるニール・イネスによる得意のコミック・ソングからのサンプリング・ネタには、彼の幼い息子によるシャウトや、遊びで叩いているようなリズムの合っていないドラムの乱打に溢れている。子供が音楽に接する態度を抽出したような、文字通り初期衝動的なワイルドさをそのまま形にしたような一曲なのだ。
 その意味でディラによる「あり得たかもしれない」ヴァージョンで“Wild”が冒頭に置かれているのは象徴的だ。ディラはいつでも子供のように、自由にビートメイクをしたがっていた。彼は次から次へとスタイルを更新しながらも、自分が見よう見まねで始めたビートメイキングの初期衝動に、常に従っていたいと思っていたのかもしれない。

 冒頭で示したふたつの「ラフさ」のうちの後者、サウンド面のラフさはそこかしこに散見される。「Original Mix」と同様、“Nothing Like This”のスナッピーが外されたタムのような叩きつけられるスネア・サウンドやディラのディストーションがかった歌声、“The $”の歪みながら疾走するブレイクビーツ、“Make'em NV”のネタはメロウながら耳をつんざく M.O.P によるフックはここでも健在だ。
 しかし実は最も注目したいのは、この「Dilla's Mix」の両極、つまり冒頭の“Interlude”と最後を〆る“Rock On”の二曲だ。前者は先ほども言及した通り、「Original Mix」ではアカペラだったディラのステートメントの別ヴァージョンだが、背後を支えるビートは極めてレイドバックした、しかしこれから放出されるラフネスを奥に秘めたような情感的なものなのだ。
 そしてラストの“Rock On”は地元のクルーやATCQ、コモンやピート・ロックにシャウトを送るアウトロだが、これも「Original Mix」のヴァージョンと比較すると、ラフなブレイクビーツを中心に据えながらも、遥かに余韻を残すようなベースラインとシンセサウンドによるウワネタが印象的だ。
 これらに挟まれた「あり得たかもしれない」ヴァージョンとは一体どういうことなのか。
 “Interlude” “Rock On”の二曲に挟まれた構造から分かるのは、「Dilla's Mix」とは、「Original Mix」と比較すると、ビートが想起させる空間性、あるいは余白といったものに貫かれていることだ。と言うと、単なる印象論に聞こえるだろうか。これは「あり得たかもしれない」という前提がもたらす、言い換えれば「想像力」がもたらす幻想にすぎないのだろうか。

 ここで先ほどの問い――『Ruff Draft』が二度も生まれ変わっていることは何を意味しているのか――に立ち返ろう。結局のところ、この疑問の答えは『Ruff Draft』を『Donuts』と対にして考えると、見えてくるものかもしれない。元々原型はミックステープだった『Donuts』はしかし、全篇を貫くサイレン音などのサウンドや綿密な曲同士のつなぎを含む編集作業により、確固たる「完成」したアルバムとして屹立している。個別の曲を異なるポジションにリレイアウトすることは不可能だし、それぞれを単体で抜き出して聞くだけでも、どこか違和感が残る。それほどにアルバムでのリスニングに特化した、いわば31曲で42分の長さの一曲ともいうべき作品なのだ。それが見せてくれるのは、めくるめく一代絵巻であり、生と死を巡るジャーニーだった。
 一方で『Ruff Draft』は、ラフで未完成なスケッチの集積だ。それぞれの楽曲は配置転換が可能で、その並び方に、リスナーは新しい景色を見てとることができる。未完成がゆえに自由に開かれ、そしてその自由には際限がない。
 それだけではない。僕たちの眼前には『The King Of Beats』や『Jay Dee's Ma Dukes Collection』などに収録された大量のビートの海が広がっている。僕たちもまた、「あり得たかもしれない」ディラのアルバムに想像力を馳せ、その音世界を遊泳する自由を、手にしているのだ。

Brainfeeder X - ele-king

 こんにちは。ロス・フロム・フレンズにドリアン・コンセプトにブランドン・コールマンにルイス・コールにジョージア・アン・マルドロウにと、最近〈Brainfeeder〉関係のお知らせが続いていますが、ついに決定的なニュースが舞い込んできました。設立10周年ということでここ数ヶ月さまざまなアクションを起こしてきた同レーベルが、アニヴァーサリー・コンピレーションをリリースします。詳細は下記をご確認いただきたく思いますが、錚々たる面子が参加しています。CDは2枚組で、ディスク1はこれまでの〈Brainfeeder〉の作品から選りすぐったレーベルの歴史を紐解くような内容、そしてディスク2は新曲や蔵出し音源を詰め込んだレアトラック集となっています。現在、そのディスク1からフライング・ロータスによるブランドン・コールマンのリミックスが先行公開中です。リリースは11月16日。しっかりお財布をマネージしておきましょう。

BRAINFEEDER 10周年記念コンピレーション・アルバムが登場!
フライング・ロータスやサンダーキャットなどの初出し音源が22曲!
レア曲も満載!
全36曲を収録し、豪華パッケージで11月16日(金)リリース!
フライング・ロータスによるブランドン・コールマンのリミックスが解禁!

設立10周年を迎え、怒涛のリリースラッシュ、ソニックマニアでのステージまるごとジャック、売り切れグッズ続出のポップアップショップなど、凄まじい勢いを見せているフライング・ロータス主宰レーベル〈Brainfeeder〉が、輝かしい10年の歴史の集大成としてコアなファンはもちろん、すべての音楽ファンを魅了する超豪華コンピレーションのリリースを発表! レーベルの歴史を彩る代表曲に加え、フライング・ロータスやサンダーキャットなど初出し音源が実に22曲! さらに初めて公式リリースされるレア曲も加えた必聴コンピ『Brainfeeder X』は11月16日(金)リリース! 今回の発表に合わせて、フライング・ロータスによるブランドン・コールマンのリミックスが解禁された。

Brandon Coleman - Walk Free (Flying Lotus Remix)
https://www.youtube.com/watch?v=VhkoMyG1v2c

ジャズ、ヒップホップ、ファンク、ソウル、ハウス、アンビエント、テクノ、フットワーク……あらゆるスタイルのDNAを再編成し、類まれな審美眼を持って、真のグッド・ミュージックを送り出し続けてきた〈Brainfeeder〉。時代が時代なら、サン・ラとも契約を果たしただろうし、アリス・コルトレーンの神秘的かつ霊妙な魂を宿した唯一無二のレーベルと言っても過言ではないだろう。ジョージ・クリントンは、そのほとんどの作品を〈Casablanca Records〉から発表しているが、〈Brainfeeder〉との契約は、ファンクの神にとっても至極当然の展開として、幅広い音楽ファンが喜びをもって支持した。そしてこれは〈Brainfeeder〉以外のレーベルでは全くもって想像できないことである。

LAに端を発したビート・ミュージック・シーンの勃興の中で産声をあげた〈Brainfeeder〉の世に放つ作品には、レディオヘッドからJ・ディラ、エイフェックス・ツイン、DJシャドウ、ボーズ・オブ・カナダ、ドクター・ドレー、ジョン・コルトレーンとその妻のアリス・コルトレーン、ポーティスヘッドなどからの影響が見受けられつつ、そこには必ず刺激的な革新性が存在している。

代表曲を中心に過去〜現在をまとめたDISC 1
ディスク1は、サンダーキャットやテイラー・マクファーリンといった新世代ジャズのキーマン達、先鋭的ヒップホップで注目を集めたジェレマイア・ジェイ、ベース・ミュージックにテクノやハウスを融合させたオランダ人プロデューサー、マーティン、フットワーク/ジュークの最高峰レーベル〈TEKLIFE〉のクルー、DJペイパル、そしてレーベル設立当初からフライング・ロータスと共にビート・ミュージック・シーンを盛り上げたティーブスやデイデラス、トキモンスタら、ジャンルやバックグラウンドを問わず、秀でた才能を発掘し、世に送り出してきたレーベルの懐の深さが味わえる。サンダーキャットの人気曲“Friend Zone”のロス・フロム・フレンズによるリミックスや、フライング・ロータスによるブランドン・コールマンのリミックスもディスク1の最後に聴くことができる。

DISC 2には初出し音源やレア曲が満載!
ディスク2は、フライング・ロータスもプロデューサーとして参加し、バッドバッドノットグッドをゲストに迎えたサンダーキャットの新曲“King of the Hill”が冒頭を飾る。ラパラックス、ロス・フロム・フレンズ、ドリアン・コンセプト、ジョージア・アン・マルドロウら新曲も数多く収録される他、フライング・ロータスとサンダーキャット、シャバズ・パラセズから成るウォークが、ジョージ・クリントンをフィーチャーして発表した“The Lavishments of Light Looking”が初めての公式リリースという形で収録され、先日ついに日本でも公開され話題を呼んだ、フライング・ロータス初長編映画『KUSO』のサウンドトラックからは、バスドライバーをフィーチャーした“Ain't No Coming Back”など、フライング・ロータス関連のレア曲も収録。またPBDY(ピーボディ)、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、リトル・スネイク、テイラー・グレイヴスら、これまでもレーベルに貢献しつつ、今後リリース作品が期待される注目アーティストもここで紹介されている。参加アーティストの一人、ストレンジループは、今現在フライング・ロータスの革新的なライヴ・パフォーマンスのヴィジュアルを担当している知る人ぞ知る存在。そしてロカスト・トイボックス名義でフィーチャーされているデヴィッド・ファースは、俳優、声優、映画監督、ビデオアーティストなど、様々な顔を持ち、フライング・ロータスとはミュージックビデオや映画『KUSO』でもコラボレートしている鬼才だ。

全フォーマット、趣向を凝らしたパッケージ
今作のアートワークは、〈Brainfeeder〉の印象的なオリジナル・ロゴを手がけたチャールズ・ムンカが担当。4枚組LPボックスセットは、ディスク一枚一枚がデザインの異なるインナースリーヴに収納され、10周年記念ロゴが型抜きされたハードケース入り。国内盤CDは、解説書が封入され、数量限定の初回盤は、LPボックスセットのデザインを踏襲した特殊スリーヴケース付きの豪華仕様となっている。なお輸入盤CDのフロントジャケットは、4種類のカラー展開で発売される。

〈Brainfeeder〉の輝かしい功績と“今”、そして未来を詰め込んだ超豪華コンピレーション・アルバム『Brainfeeder X』は11月16日(金)世界同時リリース! 今作は、〈Brainfeeder〉10周年キャンペーン対象商品となり、国内盤CDには、初回盤、通常盤ともに10周年記念ロゴ・ステッカー(3種ランダム)が封入される。

label: BRAINFEEDER / BEAT RECORDS
artist: Various Artists
title: Brainfeeder X

限定国内盤2CD BRC-586LTD ¥2,800+税
特殊スリーヴケース付き/解説書封入

通常国内盤2CD BRC-586 ¥2,500+税
解説書封入

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9868

[TRACKLISTING]

DISC 01
01. Teebs - Why Like This?
02. Jeremiah Jae - $easons
03. Lapalux - Without You (feat. Kerry Leatham)
04. Iglooghost - Bug Thief
05. TOKiMONSTA - Fallen Arches
06. Miguel Baptista Benedict - Phemy
07. Matthewdavid - Group Tea (feat. Flying Lotus)
08. Martyn - Masks
09. Mr. Oizo - Ham
10. Daedelus - Order Of The Golden Dawn
11. Jameszoo - Flake
12. Taylor McFerrin - Place In My Heart (feat. RYAT)
13. MONO/POLY - Needs Deodorant
14. Thundercat - Them Changes
15. DJ Paypal - Slim Trak VIP
16. Thundercat - Friend Zone (Ross from Friends Remix)
17. Brandon Coleman - Walk Free (Flying Lotus Remix)

DISC 02
01. Thundercat - King of the Hill (feat. BADBADNOTGOOD)
02. Lapalux - Opilio
03. Ross from Friends - Squaz
04. Georgia Anne Muldrow - Myrrh Song
05. Dorian Concept - Eigendynamik
06. Louis Cole - Thinking
07. Iglooghost - Yellow Gum
08. WOKE - The Lavishments of Light Looking (feat. George Clinton)
09. PBDY - Bring Me Down (feat. Salami Rose Joe Louis)
10. Jeremiah Jae - Black Salt
11. Flying Lotus - Ain't No Coming Back (feat. BUSDRIVER)
12. Miguel Atwood-Ferguson - Kazaru
13. Taylor Graves - Goku
14. Little Snake - Delusions
15. Strangeloop - Beautiful Undertow
16. MONO/POLY - Funkzilla (feat. Seven Davis Jr)
17. Teebs - Birthday Beat
18. Moiré - Lisbon
19. Locust Toybox - Otravine

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応募方法:
対象商品の帯に記載されている応募マークを3枚集めて、必要事項をご記入の上、官製ハガキにて応募〆切日までにご応募ください。

キャンペーン対象商品

キャンペーン詳細はこちら↓
https://www.beatink.com/user_data/brainfeederx.php

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『Brainfeeder X』にもフィーチャーされているハイパー・マルチスペック・アーティスト、ルイス・コールが12月に来日!

TOKYO: 2018/12/13 (THU) @WWW X
OPEN 19:00 / START 19:30

KYOTO: 2018/12/14 (FRI) @METRO
OPEN 18:30 / START 19:00

前売 ¥5,800(税込)
別途1ドリンク代 / ※未就学児童入場不可

チケット詳細

[東京公演]
イープラス
●ローソンチケット 0570-084-003 (Lコード:74741)
チケットぴあ 0570-02-9999
Beatink
Clubberia
iFLYER

INFORMATION: BEATINK 03-5768-1277 / www.beatink.com

[京都公演]
イープラス
●ローソン (Lコード:56266)
ぴあ

INFORMATION:METRO 075-752-2787 / info@metro.ne.jp

”DBS 22ND x BUTTERZ 8TH” Birthday Bash!!! - ele-king

 最近都内で盛り上がっているパーティってなんだろうって訊くと、グライムやジャングルっていうんですよ。若い世代がそっちいってるんですって。若い連中は気が付いたら吸収するのが早いからね。とくにSWINDLEの人気はすごいっていうんですけど、まさに良いタイミングで来日することになりました。今年で22周年目を迎えるDBSは、UKのストリートの生のヴァイブがそのまま詰め込まれたかのようなレーベル、〈BUTTERZ〉との合同パーティです。
 SWINDLEをはじめ、レーベル主宰者のELIJAH & SKILLIAM、ベース・ミュージックの女王と呼ばれるFLAVA D、UKガラージのベテランののDJ QやグライムのトップDJとして活躍するROYAL-T……という豪華メンツに加えて、日本からもいま勢いに乗っている連中から成熟したベテランまでが集結。ダブル・クラッパーズもDBS初登場? いずれにせよ、これは熱い夜になること必至。

UNIT
SWINDLE
FLAVA D
DJ Q
ROYAL-T
ELIJAH & SKILLIAM
TQD

Host MC: ONJUICY
Vj: SO IN THE HOUSE

SALOON
ANDREW
DJ DON
DJ MIYU
DOUBLE CLAPPERZ
HALU
HARA (HYPERJUICE)
NATURAL VYBZ ft. MANISH-T
PART2STYLE SOUND
PRETTYBWOY
SHINTARO
TETSUJI TANAKA

Live Paint: THE SPILT INK

【会場】:東京: 代官山 UNIT & SALOON
【日時】:11/10 (土)open/start: 23:30
【料金】:前売: 3,000yen 当日: 3,500yen

【チケット】
▼PIA (0570-02-9999/P-code:128-077)
 https://t.pia.jp
▼ LAWSON (L-code:72435)
 https://l-tike.com
▼e+
 https://eplus.jp/sys/main.jsp
 ※(UNIT携帯サイトから購入できます)
▼RA
 https://jp.residentadvisor.net/events/1154526
▼iFLYER
 https://admin.iflyer.tv/apex/eticket/?id=306445
▼clubberia
 https://clubberia.com/ja/events/280981-DBS22ND-x-BUTTERZ8TH-Birthday-Bash/

▼下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)
▼渋谷/TECHNIQUE(5458-4143)
…………………………………………………………………………………………………
info.
▼UNIT
info. 03.5459.8630
UNIT >>> www.unit-tokyo.com
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO

※再入場不可/No re-entry
※20歳未満入場不可。要写真付身分証/Must be 20 or over with Photo ID to enter.

★SWINDLE
グライム/ダブステップ・シーンの若きマエストロ、SWINDLEは幼少からピアノ等を習得、レゲエ、ジャズ、ソウルから影響を受ける。16才でスタジオワークに着手し、インストのMIX CDを制作。07年にグライムMCをフィーチャーした『THE 140 MIXTAPE』がラジオDJから支持され、注目を集める。09年には自己のSwindle Productionsからインストアルバム『CURRICULUM VITAE』を発表。その後はPlanet Mu、Butterz等からUKG、グライム、ダブステップ、エレクトロニカ等を自在に行き交う個性的なトラックを連発、12年にはMALAのDeep Mediから"Do The Jazz"、"Forest Funk"を連発、ジャジー、ディープ&ファンキーなサウンドで評価を決定づける。13年のDeep Mediからのアルバム『LONG LIVE THE JAZZ』は話題を独占し、初来日も果たす。またフュージョン界の巨匠、LONNIE LISTON SMITHとの共演、自身のライヴパフォーマンスも大反響を呼ぶ。14年、GILLES PETERSONのレーベル、Brownswoodから発表されたシングル"Walter's Call"ではジャズ/ファンク/ダブベースの真骨頂を発揮。15年には過去2年間にツアーした世界各地に触発されたアルバム『PEACE,LOVE & MUSIC』をButterzから発表、新世代のブラック・ミュージックを提示する。そして17年にはブラジリアン、Pファンク~本家のドープなグライムまで、ボーダーレスなサウンドとデザインが描く一大絵巻『TRILOGY IN FUNK』をリリース。そして18年も新作のリリースが予定されている。"Mr.Music"と呼ぶべきSWINDLEの快進撃は止まらない!
https://www.youtube.com/watch?v=D1JxUYNw7fI

★FLAVA D
UKガラージ、グライムを始めとする現在のUKベースミュージックシーンの最重要プロデューサー/女王DJ FLAVA D。幼少からカシオキーボードで遊び、14才からレコード店で働き、16才から独学でプロデュースを開始。当時在住の英国南部ボーンマスでは地元の海賊放送Fire FMやUKガラージの大御所、DJ EZの『PURE GARAGE』を愛聴、NASやPETE ROCKにも傾倒した。09年以降、彼女の作ったリディムはWILEYを始め、多くのグライムMCに使用され、数々のコンピに名を残す。12年には重鎮DJ、SUR SPYROのPitch Controllerから自己名義初の"Strawberry EP"を発表、13年からは自身のBandcampから精力的なリリースを開始。やがてDJ EZがプレイした彼女の"Hold On"を聴いたELIJAがアプローチし、Butterzと契約。"Hold On/Home"のリリースを皮切りにROYAL-Tとのコラボ"On My Mind"、またROYAL-T、DJ Qとのトリオユニット、TQDによる"Day & Night"等のリリースで評価を高め、UKハウス、ガラージ、グライム、ベースライン等を自在に行き交うプロダクションと独創的なDJプレイで一気にブレイク。16年のMIX CD『FABRICLIVE88』を経て17年5月にTQDのデビューアルバム『UKG』をリリース、そして18年にはTQDでBBC Radio 1のレジデントDJに抜擢れた他、ロンドンの人気クラブ”XOYO”で13週に渡りレジデンシーを務める等、UKベースクイーンとして世界に君臨している。16年から3年連続の来日!

★DJ Q
2000年代前半にシェフィールドのクラブ"Nicheから胎動した"BASSLINE"は英国北部を中心にしたアンダーグラウンドな"ゲットー・ダンスミュージック"から現在、ベースミュージックの最前線として世界各地に広まっている。そんなベースライン界の中心的存在がDJ Qである。85年北部のハダースフィールドに生まれた彼は12歳でUKガラージシーンに参入、15歳で地元パーティーでプレイを始める。着実にスキルアップし、04年にはBBCラジオ 1Xtraに抜擢され、"UKG Mix Show"を開始、また第1作"Love Like This"を発表し、台頭するベースラインにフォーカスする。その後も数々のインディーレーベルからコンスタントにリリースを重ね、07年に自己のQ Recordingsから発表したMC BONESと共作曲"You Wot"は名門Ministry Of Soundのサブレーベルから再発され、08年にUK TOP50に入る大ヒットとなる。12年に8年間務めた1Xtraを勇退、制作は加速し、初のMIX CD『ENTERS THE UNKNOWN』、ダブプレート集大成『THE ARCHIVE』で飽くなき創造力を示し、2ステップ回帰の"Brandy & Coke"、ルーツレゲエの新解釈となる"Dibby Dibby Sound"がヒット。100作以上のプロデュースワークと平行してDJ活動も多忙を極め、17年の"All Night, All Week"と題するUKの9都市を巡るツアーはトータル50時間を超すロングセットとなる。そして18年1月、同ツアーのショーケースアルバム『ALL NIGHT』を発表、高揚するソウルフルなグルーヴで圧倒的なDJ Qの世界を創っている。そして満を持して『FABRICLIVE99』に登場、今ノリに乗る中、待望の初来日を果たす!

★ROYAL-T
次世代のグライム/UKガラージDJ、プロデューサーとして彗星のごとく現れ、トップに君臨するROYAL-T。90年サウサンプトンに生まれた彼はカレッジ時代、グライムにハマり、ELIJAH & SKILLIAMが主宰する"grime forum"の常連となる。ZINCの"138 Trek"、2ステップのOXIDE & NEUTRINO、そしてJME、SKEPTA、WILEYらグライムアクトの影響下、ビートメイクを続け、08年のデビュー作"The Royalistic EP"を経て09年の"1 Up"がELIJAHの助言でP MONEYのヴォーカルが乗リ10年に大ヒット、11年にはButterzから"Orangeade EP"をリリース、シーンに頭角を現す。またRinse FMで2時間のレギュラーを務め、12年にP MONEY、TERROR DANJAH、ROSKAらをフィーチャーした1st.アルバム『RINSE PRESENTS ROYAL-T』をRinse Recordingsから発表。その後も"I Know You Want Me"、FLAVA Dとのコラボレーション"On My Mind"、P MONEYをフィーチャーした"Shotta" 等々、UKガラージ、グライムのビッグチューンを連発、15年にはFLAVA D、DJ Qとのドリームチーム、TQDもスタートし、シングル"Day & Night"、"Only One / Ghosts"のリリースを経て17年3月、アルバム『ukg』を発表、まさにUKガラージの金字塔を打ち建てる。OUTLOOK FESTIVAL 2014 JAPAN LAUNCH PARTYでP MONEYと初来日、今年5月のVISIONでの公演に続く3度目の来日。

TQD(Royal-T, DJ Q, FlavaD) :
https://www.youtube.com/watch?v=bgawMsc4m6E

★ELIJAH & SKILLIAM
UK発祥グライムの新時代を牽引するレーベル/アーティストコレクティヴ、Butterzを主宰するELIJAH & SKILLIAM。東ロンドン出身の二人は05年、ハートフォードシャーの大学で出会いグライムで意気投合、学内のラジオやブログを始め、08年にグライムシーンの情報交換の場となる"grimeforum.com"を立ち上げる。また同年グライムDJとしてRinse FMでレギュラー番組を始め、知名度を確立。10年には自分達のレーベル、Butterzを設立しTERROR DANJAHの"Bipolar"でリリースを開始。11年Rinse RecordingsからELIJAH & SKILLIAM名義のMIX CD『RINSE:17』を発表、グライムの新時代を提示する。その後ButterzはROYAL-T、SWINDLE、CHAMPION等と契約、インストゥルメンタルグライムを全面に打ち出し、シーンに新風を吹き込む。その後ロンドンのトップヴェニュー"Fabric"のレギュラーを務め、14年には初来日、そしてトップDJの証となるMIX CD『FABRICLIVE 75』がリリースされる。その後も同時代にフォーカスしたMIX CD『GRIME2015』、『GRIME2016』、『GRIME2017』をButterzから発表、フィーチャリングのトップMC'Sは勿論、シーンの内外から絶大な支持とリスペクトを受けている。
https://www.youtube.com/watch?v=DyQpq128wO0


【大阪公演】
11.09(fri)
Swindle×Flava D
open 23:00
adv:\2500+1drink door:\3000+1drink
at
Circus-Osaka
https://circus-osaka.com/event/swindlexflava-d/

info.
Circus-Osaka
https://circus-osaka.com/

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