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■5月7日(木)
トップバッターは、LUVHOTELS(ラブホテルズ)。SHE TALKS SILENCE 同様、高木完がブッキングした若手バンドで、NEKO という女性シンガーを中心とする4人組。エロ×パンクがコンセプトになっているようで、NEKO とベイシストの蒼兎一美のSM系ステージ衣装がなかなかデインジャラス。


2番手の Here is Eden は、P-モデルのオリジナル・メンバーにして一時期はリザードのモモヨともユニットを組んでいたベイシスト秋山勝彦が断続的に続けてきたユニットで、この日は、81/2 やハルメンズ、ヤプーズ、ヒカシューなどを渡り歩いてきたドラマー泉水敏朗とのデュオ。ファズがバリバリに効いたラウドなベイスとドラムだけなのだが、そのミニマムさを生かした弾丸のような演奏と歌は、70年代のオリジナル・パンクのようでもある。「サーヴィスしてやるぜ!」と言いながらやった 81/2 「シティー・ボーイ」やプラスチックス「コピー」のカヴァなども、余計なものはすべて削ぎ落した愚直なまでの轟音。2人とももうすぐ70代に突入するのだが、3日間の全プログラムの中で最もパンクだったかもしれない。


3番手の立花ハジメ+Hm はキーボードとドラムの女性2人にサックスの矢口博康を加えた4人編成で、立花はギターとサックスを持ち替えつつヴォーカルも。彼らは会場でたくさん見かけた往年のニューウェイヴ・ファンからは特に期待されていたはずだが、だからこそ、私はやや物足りなさを感じてしまった。アート/ファッション志向のいい意味でのノン・ミュージシャンという昔から一貫したスタンスはいいとしても、この日のパフォーマンスからはヒリヒリしたグルーヴやプレイヤーとしての喜びがあまり伝わってこなかった。全体に、虚ろというか希薄というか。サックスのデュエット曲など、楽曲自体の面白さがもっと生かされれば良かったのだが…。立花ハジメは相変わらず若々しくスタイリッシュだし、まだまだやってくれるはず。


そして最後、ニーノ・ロータの祝祭的メロディに導かれて登場したのは、81/2の仲間だった上野耕路と久保田慎吾が99年に結成した捏造と贋作。この日は女性の管楽器隊3人(トランペット、サックス、フルート)を含む計7人編成。上野ならではのメカニカルに構築されたメロディと電子音にふくよかなホーン・セクションが加わったアンサンブルは、20世紀ロシア前衛音楽風(プロコフィエフとか)のクラシカルな変態性にSF的エッジが加わったレトロ・フューチャリスティックな感じ。置物のように表情ひとつ変えずPCとキーボードに向かう上野、半ズボン姿でガナリたてる久保田のパンク老人的戯画性も相まって、なんともユーモラスかつシアトリカルだ。
途中、上野とシンセの城戸美有紀による新ユニット「イントナルモーリ」のパフォーマンスも。実はゲルニカの当初のバンド名でもあったというこの実験ユニットが繰り出すのは、イタリア未来派のルイージ・ルッソロによる「騒音もまた音楽」という100年前のコンセプトをエレクトロニクスによってアップデイトした騒音ポップスであり、ここにもまた「高度に構築された偽物(=捏造と贋作)」という半世紀にわたる上野の反芸術的眼差しが一貫している。全体を通して、ニヒルだけどポップ、高踏的だけどキュート、そんな知的かつ痛快なステージだった。



イントナルモーリ
■サブステージ
サブステージの写真はまとめてアップ。ライヴはつまみ食い程度にしか観られなかったが、昨年38年ぶりの新作を出したあけぼの印を母体とするリンゴリラのヒロエの年齢不詳なキュートさ、クラリネットの大道芸的ワンマン・パフォーマンスで笑いをとるシルエット近藤、DMBQの増子真二& Maki やデザイナー(ヒステリック・グラマー)の北村信彦などによる Aoizo のノイズ・オリエンティッドなアヴァン・エレクトロ・アンサンブルの精妙さ、そしてソロの弾き語りでキャリアの重みを実感させた kummy(元ボーイズ・ボーイズ)などが特に印象深かった。

リンゴリラ

シルエット近藤+ヒロエ+JON

Aoizo

kummy

コンクリーツ
文・写真=松山晋也