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School of Seven Bells

School of Seven Bells

Disconnect From Desire

Ghostly International/Artunion

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野田 努   Aug 30,2010 UP

 はい、彼女たちこそまさに"ウィッチ"系。アルバムの黒いケースのなかにはタロットカードまで入っている。なるほど、たしかにおっしゃるとおり。
 "ウィッチ"とは、そう、先日みんなで"ビッチ"について話していたら出てきたキーワードで、スクール・オブ・セヴン・ベルズはポップにおけるその代表格だと言えよう。アンダーグラウンドでは、以前レヴューしたフューネラル・フォークの妖星、シルヴェスター・アンファングがまさにそれだ。まあ、考えてみればビョークの『メダラ』もジョアンナ・ニューサムの『ハヴ・ワン・オン・ミー』も魔女的だっと言えなくもない。ヒップホップ/R&Bの"ビッチ"が幅を利かせるそのかたわらで、いつの間にか"ウィッチ"はやって来たのだ。
 
 伝説的な南米のスリ養成学校の名前をバンド名にしたスクール・オブ・セヴン・ベルズは、コクトー・ツインズとケヴィン・シールズのほうを向きながら、潔癖性的なエレクトロニカに片足を突っ込んでいる。シークレット・マシンのドラマーだったベンジャミン・カーティスとオン!エアー!ライブラリーのクラウディア&アレヤンドラの双子姉妹を中心に、2007年のニューヨークで誕生したこのバンドは、その年〈ワープ〉からリリースされたプレフューズ73のシングル「ザ・クラス・オブ・73ベルズ」にフィーチャーされたことで注目を集めているが、それはまるで......イースター島のモスラを目覚めさせるために歌うザ・ピーナッツのIDMヴァージョンだった!
 
 タロットカードが入った本作『ディスコネクト・フロム・デザイアー』は彼女たちのセカンド・アルバムで、ポップ・メロディへの挑戦作となっている。シューゲイズとエレクトロニカの撹拌は、水晶の上を軽やかに滑り、そして妖しい光を放ちながらエレガントに展開する。いまこそ魔女の時代、そう言わんばかりの迫力だ。シングル・カットされた1曲目の"ウィズダム"はキュートなポップ・ソングで、彼女たちは歌のなかで暴風や炎を夢想する。10曲目の"ザ・ウェイト"はエレクトロニカをバックに展開する優美なバラードだが、彼女たちは現実感の喪失をきまぐれな絶望感とともに歌う。収録曲のいくつかにはチルウェイヴとも共通するディスコ・ビートがあり、それもまた『ディスコネクト・フロム・デザイアー』を特徴づけている。
 
 魔女の時代は実は、1980年代にもあった。ザ・スリッツやザ・レインコーツのようなポスト・パンクの男女同権主義の熱が下がるのを待っていたかのように、黒い服を着た彼女たちはやって来た。僕のまわりにも多くの魔女がいたし、夜となく昼となくタロット占いをされたものだった......が、初めて心を揺さぶられたのはティム・バートンの『ビートル・ジュース』に登場する若きウィノナ・ライダーだった。

野田 努