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interview with The xx  part.2

interview with The xx  part.2

ポップ・ミュージックの魅力輝く

──ザ・エックス・エックス(ロミー)、インタヴュー

取材:木津毅+野田努    通訳:原口美穂   Jan 26,2017 UP

前のアルバムを作ったときは22歳だったけど、今回は27歳だから、その間の成長ってすごく大きいんだと思うんだよね。それがダイレクトに表れたんじゃないかな。

■ザ・エックス・エックスの歌詞で特徴的なのは、三人称がほとんど出てこなくて、かつあなたとオリヴァーでヴォーカルを取っているので、ジェンダーレスなラヴ・ソングになっていることだと思うんですね。それはバンドにとって重要なことなんでしょうか?

ロミー:ええ、ええ。それはすごく意識的にやってる。そうすることによって男性であっても女性であっても、年齢がいくつであっても、すべてのひとが音楽に繋がりを感じることができると思うから、歌の物語を決めつけずに、緩さを設けるようにしているんだよ。

■なるほど。『アイ・シー・ユー』はそのなかで、これまで描いてきた感情とは異なるものを捉えようとしたのか、あるいは深めようとしたのか、どちらに近いと思いますか?

ロミー:つねにより良ものにしようとトライしているんだけど、より複雑な感情をよりシンプルな方法で表現しようとしているんだよね。今回もそのことを追求したね。

■「シンプル」、という部分をもう少し説明していただけますか?

ロミー:言葉をダラダラと並べて表現するのではなくて、より少ない言葉を使うようにしているかな。シンプルで、美しい言葉だね。

■なるほど。僕が今回『アイ・シー・ユー』の言葉に感じたのは、“デンジャラス”にしても“ブレイヴ・フォー・ユー”にしても、「勇敢さ」というモチーフが前に出てることだったんです。

ロミー:ええ、そのことに気づいてもらえて嬉しいな。年齢を重ねたことによって自信がついたということもあるし、そのことによっていい意味でリスクを冒すということに繋がっていくと思えるんだよね。自分たちが大人になっているということがそのまま表現されていると思う。今回、自分たちが心地よいと感じるところから抜け出しんだよね。レコーディングの環境を変えたこともそのひとつだしね。ロンドンはやっぱり自分たちにとって心地いいけれど、いろいろなところで曲を制作したし、ライヴでもさっき言ったみたいにルールを設けず、あまり考えずに組み立てていったし。あと歌詞も、メールじゃなくてオリヴァーと同じ部屋で作ったっていうのも新しいこと、リスクを冒すことのひとつだったね。

■「勇敢さ」というモチーフに今回僕が惹かれたのは、これまでは儚さや脆さみたいなもののほうによりフォーカスされていたと思うからなんですよ。

ロミー:そうだね。

■その変化って、ザ・エックス・エックスというバンドのキャリアとシンクロしているのかなと思って。たった3人ですごくビッグな存在になって、この間のライヴもそうでしたけど、そのプレッシャーをはねのけて前に進んでいるというか。

ロミー:ええ、わたしもそう思うな。

■そのことを表現したいという想いはありましたか?

ロミー:それを敢えて表現しようとしたわけではないよね。もっと勇敢であろうとか、もっとオープンであろうとかいう風にね。それは時間とともに自然と起こった変化で、それがそのまま表現されていると思う。前のアルバムを作ったときは22歳だったけど、今回は27歳だから、その間の成長ってすごく大きいんだと思うんだよね。それがダイレクトに表れたんじゃないかな。

■なるほど、すごくよく分かります。もうひとつザ・エックス・エックスらしさでいうと、“オン・ホールド”のヴィデオがすごくいいなと思ったんですよね。さっき「友情」って言葉も出ましたが、バンド3人の親密さがよく表れていて。あれはどうやって出来たものなんですか?

ロミー:ありがとう(笑)。まず、レコーディングした場所に戻って撮りたいっていうのがあって、テキサスのマーファっていう本当に小さい町に行ったんだけど。フォトグラファーのアラスデア・マクレランが監督してくれて、温かさや若さといったような、これまでのザ・エックス・エックスからは連想できないテーマを引き出してくれた。そうやってできたヴィデオだね。いままではミュージック・ヴィデオに関してもっと神経質になってたんだけど、今回は誰かに任せてしまおうと思って、自分たちの親密さと温かさ、光と若さ、それからマーファの地元のひとたちを取り入れてほしいということだけフォトグラファーにお願いして、あとは本当に彼に任せちゃったんだ。

“On Hold”

■ただ、ヴィデオがいまおっしゃたように光や明るさが表現されているのに対して、“オン・ホールド”の曲そのものはビターなラヴ・ソングですよね。これは言葉と音のどちらが先でしたか?

ロミー:言葉が先だったね。あの曲に関してはすごくいろんなヴァージョンがあって……ありすぎるぐらい(笑)。なかなかしっくり来なかったんだけど、ジェイミーがサンプルを取り入れたことでムードがガラッと変わって、息を吹き込んでくれたんだよね。

■ほんとそうですよね。“オン・ホールド”はシングルらしいダンサブルでポップな曲ですけど、切ないラヴ・ソングが明るい曲調になっていることでどのような効果があると思いますか?

ロミー:ポップ・ミュージックのいいところってまさにそこだと思う。クラブに行くとすごく踊れて楽しめるんだけど、ちょっと止まって集中して聴いてみると悲しい失恋の曲だったりするよね。その二面性を楽しめることができることが魅力だなと思う。

取材:木津毅+野田努(2017年1月26日)

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