「P」と一致するもの

Headie One - ele-king

 北ロンドン出身のラッパー、Headie One の7枚目のミックステープ『Music x Road』が8月にリリースされた。5年間の活動の中で7枚のミックステープという多作ぶりもさることながら、『Psychodrama』で才能を開花させた Dave との共作“18 HUNNA”の大ヒットによって勢いを得た Headie One は、このミックステープでストリートのラップであることを全く譲らずに、トピック・音楽性の幅を広げている。

Headie One - 18HUNNA (ft. Dave)

Rusty のために1,800*
手にとってラグビーみたいにキックする
T-House にいたら塵まみれに戻る
ヌードで目を覚ます
バンドで4と半分、利益はいい感じ

18 hunna for the new rusty
Man grab it and kick it like rugby
I was in the T house, head back dusty
Still waking up to nudes in country
Four and a half in the bando Profit oh so lovely

* Rusty - 旧式ショットガン

“19 HUNNA (ft. Dave)”

 Headie One はこの1~2年でUK国内で大きなうねりとなっているジャンル、「UKドリル」のスターとして注目を集める存在だ。「UKドリル」については、Reeko Squeeze の『Child's Play 2』のアルバムレヴューで三田格さんが書かれている通り、アメリカのドリル・ミュージックがUKに派生して進化を遂げたジャンルである。UKサウンドの核のひとつである「シャッフルされたビート」がアメリカのドリル・ミュージックと融合し、縦ノリのラップ・ミュージックとしてさまざまな形に進化を遂げてきた。Headie One と RV の2018年のヒット・チューン“Know Better”は、全体のダークな雰囲気とそれを支える伸びるベースライン、表拍で打つハイハットやパーカッションを特徴とする。“Know Better”では、ワイリーが発明したクリック音も顔を覗かせる。

Headie One X RV - Know Better

 “18 HUNNA”や“Know Better”のように、UKドリルはリズム・パターンや音楽性が一貫していて、悪く言えばあまり「特徴のない」サウンドといえる。それはトラックが舞台装置の役割をしていて、ラッパーはその上でドラマを展開するためだ。また歌詞はリアルであることを追求し、“18 HUNNA”のようにフックが複雑で長い曲がヒットすることも多い。

 本作でも前作から一貫したラップに加えて、より音楽的なヴァリエーションを広げている。タイトル・トラックの 1. “Music × Road”でソウルフルなビートに合わせて内省的なテンションのラップを披露したかと思えば、Spotify では700万回以上再生されている 2. “Both”では、Ultra Nate の“Free”をサンプリングしたビートに合わせて、本アルバムのテーマである音楽とトラップ、ショーとドラッグ、ジュウェルとウィード、様々な欲望を対比させながら、Headie One は「両方」を手にいれるとラップしている。サンプリングの Ultra Nate の“Free”の原曲には、ソウルフルな歌にのせて「あなたはなんでもやりたいことができる、自由なのだから。あなたの人生を手に入れて、やりたいことをやりなさい」というメッセージがある。Headie One はそれを「ドリラー」として再解釈しているともいえる。

 4. “Rubbery Bandz”や 7. “All Day”、8. “Kettle Water”などは彼が呼ぶところの「T-House」(トラップハウス)でのビジネスを中心にした曲だが、“Interlude”を挟んで後半の 10. “Home”、12. “Chanel”では女性に対する真摯な姿を披露する。彼が他の多くのドリル・ラッパーと違って、いい意味で稀有な部分はここだ。女性をある種「利用」して自身の強さや横柄さを披露するのではなく、Headie One が女性を大切にしているところが伝わってくる。Stefflon Don と NAV を客演に迎えた 11. “Swerve”ではトラップ・ライフに対するネガティヴさも含めて彼なりの意見を表現している。『Music × Road』その両方を描写するコンセプトにふさわしく、彼の「強さ」や「賢さ」だけでなく、彼の苦悩や優しさも音楽の中で表現されている。一方で他のグループやエリアの脅し文句といった類は少なく、彼自身の成長を感じる。『Music × Road』は彼のトラップ・ライフの成功とその裏側にある苦悩や人間としての優しさが表現された1作であり、UKドリルという音楽の歴史を前に進めた作品だ。

WXAXRXP Sessions - ele-king

 きゃああっ。──失礼、あまりの驚きと喜びに声を漏らしてしまいました。ここしばらく続々と〈Warp〉30周年をめぐる動きが活発化していっていますが、新たなお知らせです。なななななんと、30周年を記念した特別12”シリーズ『WXAXRXP Sessions』の発売が決定しました! 往年の「Peel Session」を彷彿させるタイトルにもあらわれていますが、これがまたとてつもなくそそられるラインナップなのです。さて、腰を抜かす準備はいいですか? 参加しているのは……エイフェックスビビオボーズ・オブ・カナダフライング・ロータスケリー・モーラン、LFO(!!)、マウント・キンビーOPNプラッドシーフィールの10組です。詳細は下記をご確認いただきたいですが、すべて貴重な音源ばかりでめまいがします……なお、この秋開催される《WXAXRXP DJS》の会場では同シリーズが先行販売され、10作すべてを収納した限定ボックスセットも売られるとのこと。デザインもめちゃんこクールです。また、今回の発表にあわせBOCのレア音源“XYZ”も公開されています。テープの逆再生音とシューゲイジィなギターが織り成す、なんとも夢幻的なノスタルジア……間違いなくBOCですね。〈Warp〉30周年、アツすぎんよ!

[9月24日追記]
 本日、11月15日発売予定の『WXAXRXP Session』からビビオの“Lovers Carvings”が公開されました。ちょうど10年前、2009年の『Ambivalence Avenue』に収録されていた名曲の新ヴァージョンです。中盤、ヴォーカルが入ってくるところで鳥肌が立ってしまいました。ずるい、このアレンジはずるいって……(Apple Music / Spotify)。なお同時に、ビビオが最新作『Ribbons』収録の3曲を新たに演奏しなおしたセッション映像も公開されています(YouTube)。

[10月10日追記]
 BOCとビビオに続き、今度はマウント・キンビーの音源が公開されました。2017年の『Love What Survives』に収録されていた曲の新ヴァージョンで、6月のオンライン・フェスで放送された音源です。このセッションはステレオラブのアンディ・ラムゼイのスタジオで録音され、ミカチューも参加したとのこと。

[10月23日追記]
 続々と解禁が増えてきました。今回はシーフィールです。曲名は“Rough For Radio”。1994年、彼らがジョン・ピールの番組『Peel Session』に出演したときに録音されたものだそう。貴重!

[11月11日追記]
 一気に大盤振る舞いです。去る先週末、まもなくリリースとなる『WXAXRXP Sessions』から、10曲入りのサンプラーが配信されました。これまでに公開された3曲に加え、LFO、エイフェックス・ツイン、フライング・ロータス、OPN などのレア音源が解禁されています。発売は11月15日。試聴は下記リンクをご参照ください。なお、〈Warp〉30周年を特集した『別冊ele-king』最新号の情報はこちらから。

WXAXRXP Sessions Sampler
Apple Music: https://apple.co/2oXapD5
Spotify: https://spoti.fi/2WRTkHp

〈WARP RECORDS〉30周年記念作品
『WXAXRXP SESSIONS』発売決定!

Aphex Twin / Bibio / Boards of Canada / Flying Lotus /
Kelly Moran / LFO / Mount Kimbie / Oneohtrix Point Never /
Plaid / Seefeel

ボーズ・オブ・カナダの超貴重音源“XYZ”が公開!

先鋭的アーティストを数多く輩出し、クリエイティブかつ衝撃的なMVやアートワークの分野においても、音楽史に計り知れない功績を刻み続け、ついに今年30周年を迎えた〈WARP RECORDS〉。その偉大なる歴史を祝した30周年記念12"作品シリーズ『WXAXRXP SESSIONS』発売決定! 合わせてこれまで当時の放送でしか聴くことのできなかったボーズ・オブ・カナダの超貴重音源“XYZ”が今回公開された。

Boards Of Canada • ‘XYZ’
https://youtu.be/JZYnw3GBAlU

『WXAXRXP (ワープサーティー)』をキーワードに、様々なイベントが行われている2019年。いよいよ来週に迫ったフライング・ロータスの3Dライブ公演を皮切りに、10月30日よりスタートする!!!(チック・チック・チック)ツアー、それに続くバトルスのツアーに加え、スクエアプッシャー、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、ビビオが一堂に会するスペシャルDJツアー『WXAXRXP DJS (ワープサーティーディージェイズ)』の開催も発表され、盛り上がりを見せている。

今回発表された『WXAXRXP Sessions』は、BBCの伝説的DJ、ジョン・ピールの番組『Peel sessions』で放送されたスタジオ・セッション音源や、30周年特別企画の一つとして〈WARP〉が「NTS Radio」とコラボレートし、実に100時間以上に渡って貴重な音源をオンエアするという前代未聞のオンライン音楽フェス『WXAXRXP』で放送された貴重な音源などを収録した12"作品シリーズとなっている。

Aphex Twin
Peel Session 2

放送:1995.4.10
エイフェックス・ツインが披露した2つのラジオ・セッションのうちの1つ。すべてが当時のオリジナル音源で、披露された全音源がそのまま収録されている。アナログ盤でリリースされるのは今回が初めて。

Bibio
WXAXRXP Session

放送:2019.6.21
ビビオが、ブレイクのきっかけとなったアルバム『Ambivalence Avenue』に収録された3曲と、2016年の『A Mineral Love』収録の1曲を、ミニマルで美しいアコースティック・スタイルで再表現した4曲を収録。『WXAXRXP x NTS』の放送用にレコーディングされたもの。

Boards of Canada
Peel Session

放送:1998.7.21
ボーズ・オブ・カナダによる唯一のラジオ・セッションが、オリジナルの放送以来初めて完全版で収録。これまで当時の放送でしか聴くことのできなかった貴重な音源“XYZ”が今回公開された。
https://youtu.be/JZYnw3GBAlU

Flying Lotus Presents INFINITY “Infinitum”
Maida Vale Session

放送:2010.8.19
フライング・ロータスの出世作『Cosmogramma』リリース当時、『Maida Vale Session』にて披露されたライブ・セッション音源。サンダーキャット、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、そして従兄弟のラヴィ・コルトレーンらによる生演奏。ここ以外では聴くことのできない楽曲“Golden Axe”が収録されている。

Kelly Moran
WXAXRXP Session

放送:- / - / -
今回の『WXAXRXP Sessions』用にレコーディングされ、唯一過去放送もされていない超貴重音源。

LFO
Peel Session

放送:1990.10.20
デビュー・シングルを〈WARP〉からリリース直後に『Peel Session』に出演した際のパフォーマンスで、長年入手困難かつ、ここでしか聴くことのできない音源を収録。

Mount Kimbie
WXAXRXP Session

放送:2019.6.21
『WXAXRXP x NTS』企画で初披露されたパフォーマンスで、マウント・キンビーがライブを重ねる中で、どのように楽曲を進化させていくのかがわかるセッション音源。ミカ・レヴィもゲスト参加している。

Oneohtrix Point Never
KCRW Session

放送:2018.10.23
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)率いるバンド、Myriad Ensembleが『KCRW session』で披露したスタジオ・セッションから4曲を収録。OPN以外のメンバーは、ケリー・モーラン、イーライ・ケスラー、アーロン・デヴィッド・ロス。

Plaid
Peel Session 2

放送:1999.5.8
プラッドが『Peel Session』に出演した際に披露したパフォーマンスを収録。『Rest Proof Clockwork』リリース当時のオリジナル音源で、ライブで高い人気を誇る“Elide”も含まれる。

Seefeel
Peel Session

放送:1994.5.27
アルバム『Succour』リリース当時に『Peel Session』で披露されたセッション音源。ここ以外では聴くことのできない“Rough For Radio”と“Phazemaze”も収録。

なお11月に東京、京都、大阪で開催されるスペシャルDJツアー『WXAXRXP DJS』の会場では、一般発売に先駆け、『WXAXRXP Sessions』が先行発売され、全作品を収納した超限定ボックスセットも販売予定。

WARP30周年 WxAxRxP 特設サイトオープン!
〈WARP〉の30周年を記念した特設サイトが公開中! これまで国内ではオンライン販売されてこなかったエイフェックス・ツインのレアグッズや、大竹伸朗によるデザインTシャツを含む30周年記念グッズなどが好評販売中。その偉大なる歴史を祝し、アーティストや著名人など識者たちがそれぞれのテーマで〈WARP〉楽曲をセレクトした“MY WXAXRXP”プレイリスト企画がスタート!
WWW.BEATINK.COM/WXAXRXP/

!!! - WALLOP JAPAN TOUR -
前売りチケット絶賛販売中!

東京公演:2019年11月1日(金) O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00
前売 ¥6,500 (税込/別途1ドリンク代/スタンディング) ※未就学児童入場不可
主催:SHIBUYA TELEVISION
INFO:BEATINK 03-5768-1277 / www.beatink.com

京都公演:2019年10月30日(水) METRO
OPEN 19:00 / START 20:00
前売 ¥6,500 (税込/別途1ドリンク代/スタンディング) ※未就学児童入場不可
INFO:METRO 075-752-2787 / info@metro.ne.jp / www.metro.ne.jp

大阪公演:2019年10月31日(木) LIVE HOUSE ANIMA
OPEN 18:00 / START 19:00
前売 ¥6,500 (税込/別途1ドリンク代/スタンディング) ※未就学児童入場不可
INFO:SMASH WEST 06-6535-5569 / smash-jpn.com

[チケット詳細]

label: WARP RECORDS/BEAT RECORDS
artist: !!!
title: Wallop
release: 2019.08.30 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-608 ¥2,200+tax
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説・歌詞対訳冊子封入

[ご購入はこちら]

BATTLES - JAPAN TOUR 2019 -
SUPPORT ACT: TBC

前売 ¥6,800 (税込/別途1ドリンク代/スタンディング) ※未就学児童入場不可

東京公演:2019年11月4日(月・祝日) GARDEN HALL
OPEN 17:00 / START 18:00
主催:SHIBUYA TELEVISION
INFO:BEATINK 03-5768-1277

大阪公演:2019年11月5日(火) UMEDA CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
INFO:SMASH WEST 06-6535-5569 / smash-jpn.com

名古屋公演:2019年11月6日(水) NAGOYA CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
INFO:BEATINK 03-5768-1277

[チケット詳細]

label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: BATTLES
title: Juice B Crypts
release date: 2019.10.11 FRI ON SALE
日本先行リリース!

国内盤CD BRC-613 ¥2,200+tax
国内盤CD+Tシャツ BRC-613T ¥5,500+tax
ボーナストラック追加収録/解説・歌詞対訳冊子封入

輸入盤CD WARPCD301 ¥OPEN
輸入盤2LP カラー盤 WARPLP301X ¥OPEN
輸入盤2LP WARPLP301 ¥OPEN

[ご予約はこちら]


タイトル:
WXAXRXP DJS
ワープサーティーディージェイズ

出演:
SQUAREPUSHER (DJ Set), ONEOHTRIX POINT NEVER (DJ Set), BIBIO (DJ Set) and more

その他コンテンツ:
WXAXRXP POP-UP STORE, 30 YEAR VISUAL HISTORY OF WARP and more

東京
公演日:2019年11月1日(金)
会場:O-EAST / DUO

京都
公演日:2019年11月2日(土)
会場:CLUB METRO

大阪
公演日:2019年11月3日(日)
会場:SUNHALL

OPEN / START:23:00
料金:前売¥5,500(税込)
※20歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。写真付き身分証をご持参ください。

[チケット発売]

イープラス最速先行:
東京 [抽選] 9/17 (火) 正午12:00 〜 9/22 (日) 18:00
京都 [先着] 9/17 (火) 正午12:00 〜 9/22 (日) 18:00
大阪 [先着] 9/18 (水) 正午12:00 〜 9/22 (日) 18:00

一般発売:9/28 (土)〜
イープラス、ローソンチケット、チケットぴあ、BEATINK、iFLYER 他

Nkisi - ele-king

 チーノ・アモービエンジェル・ホらとともに〈NON〉の設立に関わったことで広くその存在が知られるようになった新世代テクノ・プロデューサーのキシ。その後〈MW〉や〈Arcola〉といった気鋭のレーベルから着実にリリースを重ね、ついに今年待望のファースト・アルバム『7 Directions』をリー・ギャンブルの〈UIQ〉から送り出したUKアンダーグランドの希望の星が、来る9月20日、ついにこの列島の地を踏む。その初来日を祝し、これまでの彼女の経歴に迫ったインタヴューをお届けしよう。

コンゴ民主共和国出身で、ベルギーで育ったそうですが、コンゴで過ごしたのは何歳くらいまでなのですか?

キシ(Nkisi、以下N):私はコンゴのキンシャサで生まれて赤ちゃんのときにベルギーに引っ越した。その後ルーヴェンに落ち着いて、そこで幼少時代を過ごしました。

どのような幼少期を送っていたのでしょう?

N:よく独りでいる子で、子どものころはよくいじめられていた。自分みたいな境遇の子たちは周りにそんなにいなかったから、ほとんど音楽に逃避していて、あまり目立たないようにしていた。

音楽に興味を持つようになったのはいつから? きっかけは?

N:音楽に興味を持ったのはとても若いときで、親が社交的だったからよくハウス・パーティをやっていて、コンゴのルンバ、ズーク、ドンボロ(Ndombolo)で一晩中踊っていたのをよく覚えている。それがきっかけでコンゴのギターのリフにのめり込んでいった。

とくに影響を受けたアーティストや作品を教えてください。

N:私の音楽のテイストはつねに人生のあらゆる場所で並行して進んでいて、それは感情的であってスピリチュアルであって、コンゴの偉大なギタリストのフランコにとても影響を受けてるし、オウテカの『Amber』は人生を変える瞬間だった。J・ディラ、スラム・ヴィレッジ、エリカ・バドゥにハマった時期もあるし、スリー・6・マフィア、ギャングスタ・ブー、ロード・インファマスを出している〈Hypnotize Minds〉もそうだし、Liza 'N' Eliaz、(ジョーンズ&スティーヴンソンの)「The First Rebirth」、(ブルー・アルファベットの)「CyberTrance」を出していた初期の〈Bonzai Records〉や、あと〈Thunderdome〉も。とくに『Thunderdome』の「I」と「II」のコンピレーションが好きで、パトリック・カーリー(Patrick Curley)を紹介してもらったのも人生の変わるひとつのポイントだった。あとは最近だと the Future、Gabber Modus Operandi、〈Nyege Nyege〉、Kilbourne、House of Kenzo、ツアーで出会ったアーティストからたくさんの希望と刺戟を受けてる。

ロンドンへ移った理由は?

N:ロンドンへ引っ越した理由は、その歴史とエナジーに惹かれたところかな。初めて来たときになんでもできるような自由を感じて、自分にとって音楽をやるのに居心地のいい唯一の場所だと思ってる。もう7年経つけど、そのサイクルもそろそろ終わりを感じていて、次の場所を見ているところ。

2014年にハンブルクの〈Doomcore Records〉からリリースされた『16』が、最初に世に出たあなたの作品という認識で合っていますか?

N:そう。〈Doomcore Records〉からデビューしてる。レジェンドのロウ・エントロピー(Low Entropy)がやってるハンブルクのレーベルです。

翌年には同レーベルから『21』も発表していますが、ドゥームコア/ハードコア・テクノに興味を持つようになったきっかけは?

N:私はいつもダークなヴァイブスとメランコリックなエモーションに惹かれるから、ドゥームコアがまさにそれね!

あなたの音楽には、90年代前半のジェフ・ミルズのハード・ミニマルを想起させる部分があります。彼の音楽には触れていましたか?

N:ジェフ・ミルズの作品は大好きだし、敬愛している。リズムを操るモンスターだと思う!

ウェイトレスでアンビエント的なシンセの使い方は、やはりデトロイト・テクノ由来なのでしょうか?

N:どうかな。これまでいろんなものを聴いてきたすべての音楽のハイブリッドなものから生まれていると思うけど。

2015年には〈NON〉が始動します。あなたはその共同設立者のひとりですが、チーノ・アモービやエンジェル・ホとはどのように知り合ったのでしょう?

N:チーノ・アモービには2014年の終わりに出会って、《Endless》ってパーティで一緒にプレイした。その流れでエンジェル・ホをすぐに紹介された。

〈NON〉をはじめた動機や意図、野心を教えてください。

N:〈NON〉はパーソナルなアンビションというよりコレクティヴなヴィジョンで、そのとき音楽や世界に感じていた変化を求めるヴィジョンがあって、私たちのような存在に世界や業界が期待するものを拒否することを示したパワフルなものだったと思う。

2016~2017年の『DJ KITOKO VOL.1』『DJ KITOYO VOL.2』にはどのようなコンセプトがあったのでしょう?

N:DJ Kitoko のプロジェクトは自分が音楽を作りはじめたときのオマージュで、より自由なプロジェクトとでもいうのか、とくに何かあるって感じでもない。

2017年には〈Rush Hour〉傘下の〈MW〉からEP「Kill」をリリース、昨年は〈Warp〉傘下の〈Arcola〉から「The Dark Orchestra」をリリースしています。それはどういう経緯で?

N:「Kill」はこれまでつくってきたトラックのコレクション的なもので、「The Dark Orchestra」はよりライヴ・セットからできあがった感じ。

そして今年はリー・ギャンブルの〈UIQ〉からアルバム『7 Directions』をリリースしています。これはどういう経緯で? 彼とはどのように出会ったのでしょう?

N:リー・ギャンブルは共通の友だち経由で知り合った。私のNTSのショウを聴いてくれたのがきっかけで、そのときちょうどつくっていたものがそのまま『7 Directions』のリリースになりました。

それらをリリースしていく過程で徐々に名が知られるようになっていったと思いますが、この5年ほどであなたの音楽活動をとりまく状況にはどのような変化がありましたか?

N:とても変わった。みんな自分の音楽を楽しんでくれてるし、音楽にたいしてもよりスピリチュアルでいられるし、音楽を信じている私にとってそうなることは最高で、ほかにやることもないしね! 最近はみんなダンス・フロアで速くて暗いものを求めてるからそれも最高!

DJをするときにもっとも心がけていることは?

N:つねにダンス・フロアをリズミックなトランスに持っていくことに集中してるし、同じ心臓の鼓動を一緒に感じていたい。

Nkisi(キシ)来日情報

未来へ向かう熱狂のアジア&アフロ・フューチャリズム! ハードに燃え盛る中国地下の先鋭 Tzusing とコンゴ生まれ、ベルギー・ハードコア/ガバ育ちのアフリカン・レイヴなロンドンの新鋭 Nkisi (UIQ)、同じくロンドンのゴス・ダンスホール等で話題となったディストピアン・ラッパー/シンガー GAIKA (WARP)、日本のアヴァンギャルドから己の身体をテクノロジーによって音や光に拡張する現代美術家/ホーメイ歌手 Fuyuki Yamakawa をゲストに迎え、ローカルから WWWβ のコア・メンバー Yousuke Yukimatsu、Mars89、Mari Sakurai、speedy lee genesis が一同に揃い、世界各地で沸き起こる “第3の力” をテーマとした WWW のシリーズ・パーティ《Local World》のアニヴァーサリーとして開催。

WWW & WWW X Anniversaries
Local X5 World - Third Force -
2019/09/20 fri at WWW X

OPEN / START 24:00
Early Bird ¥1,800 / ADV ¥2,300@RA | DOOR ¥3,000 | U23 ¥2,000

Tzusing [Shanghai / Taipei]
Nkisi [UIQ / Arcola / London] - LIVE
GAIKA [WARP / London] - LIVE
Fuyuki Yamakawa - LIVE
Yousuke Yukimatsu [TRNS-]
Mars89 [南蛮渡来]
Mari Sakurai [KRUE]
speedy lee genesis [Neoplasia]

※ You must be 20 or over with Photo ID to enter.

Ash Walker - ele-king

 近年ではクルアンビンの諸作をリリースすることで知られる〈ナイト・タイム・ストーリーズ〉。ほかにもUKダウンテンポ・ソウルのヴェテランのレイ&クリスチャンから、昨年はサウス・ロンドンの新世代ジャズの旗手と注目を集めたレイファー・ジェイムズなどをリリースしているが、その〈ナイト・タイム・ストーリーズ〉から『アクアマリーン』というアルバムをリリースしたのがアッシュ・ウォーカーというアーティストだ。
 ロンドンのDJ/プロデューサー/マルチ・ミュージシャンである彼は、ラスタファリのような風貌をしていて、アフリカもしくはカリビアン系の血筋を持つように思われる。2010年代半ばから活動をしていて、これまでに『オージメンティッド・セヴンス』(2015年)と『エコー・チェンバー』(2017年)という2枚のアルバムをリリースしている。彼が影響を受けたアーティストにはデューク・エリントン、クインシー・ジョーンズ、キング・タビー、ボー・ディドリー、4ヒーロー、Jディラ、ピート・ロック、カーティス・メイフィールド、フィリップ・グラス、スティーヴ・ライヒなどの名が挙がるが、最初に彼のサウンドを聴いて真っ先に思い起こしたのがナイトメアーズ・オン・ワックスだった。アシッド・ジャズとダブ、アフリカ音楽やエキゾティックな民族音楽、バレアリックなブレイクビーツが一緒になった印象を受けたわけだが、UKには伝統的にダブやダウンテンポの影響が残っているので、アッシュ・ウォーカーもその系譜を受け継ぐアーティストと言える。

 『アクアマリーン』のアルバム・ジャケットのアートワークは、ヤズ・アーメッドの『ラ・サボテューズ』や最近はサウス・ロンドンのジャズ勢が集結したシード・アンサンブルの『ドリフトグラス』のジャケットを手掛けたソフィー・ベースによるものだ。アッシュ・ウォーカーの深海を蠢くようなダビーなサウンドを的確に表現したエスニックなイラストだが、『アクアマリーン』にもその繋がりからかヤズ・アーメッドがフリューゲルホーンで参加。ほかにキザイア・ジョーンズやジュニア・ウォーカーらと共演するベーシストのマーク・シリル、この夏に〈アシッド・ジャズ〉からアルバム・デビューを果たし、ブラン・ニュー・ヘヴィーズの新作にもフィーチャーされているソウル・シンガーのラヴィルが参加している。

 そのヤズ・アーメッドの参加に象徴されるように、いままでのアルバムに比べてジャズ度が増している印象だ。たとえば“ブレイヴ・ニュー・ワールド”などはカマール・ウィリアムズを彷彿とさせるような曲だったりする。“ザ・ドラゴンズ・カシミア・ジャンパー”は複雑な変拍子を持つニュー・ジャズと言えるような曲で、ヤズ・アーメッドが演奏する“カム・ウィズ・アス”はヘヴィーなベースとドラムのコンビネーションによるジャズ・ファンク。一方でラヴィルが歌う“タイム”は6拍子の幻想的なジャズ・ロック、同じくラヴィルが歌う“アンダー・ザ・サン”や“フィニッシング・タッチ”はメロウなAORソウル。“エイント・ゴット・ユー”はアシッド・ジャズとバレアリックなハウスが合体したようなサウンドといった具合に、リズム・ヴァリエーションや曲調もいろいろと変化に富む。ただし、そうした様々な曲にダビーでサイケデリックな味付けを施していることで、アルバム全体として統一感が保たれている。タイトル曲の“アクアマリーン”や“アイ・ニード・マネー”は、ギターをはじめとした演奏がメロウネスとダビーな心地よさを運んでくる。そうした柔らか側面と、“ファット・キング・スモーク”に代表されるUKクラブ・サウンドならではのダークでドープな側面が、1枚のアルバムの中でうまく調和している印象だ。


Kelela & Asmara - ele-king

 近年巷ではやたらと穏やかで控えめなポップ・ミュージック、落ち着いてリラックスしたムードのソウルやジャズがウケていて、それは数字としてもたとえばトム・ミッシュの異例のヒットなどにあらわれているが、そしてそこにはますます悪化の一途をたどる世界や社会からの逃避願望が潜んでいるのだと思われるが、そういった音楽の傾向を指し示すときに、けっこうな頻度で「アンビエント」という語が用いられている。むろんそれはもともとの、多分に思想的な側面をはらんだアンビエントの概念からは離れた用法で、ようはなんとなく静かな雰囲気を捉えるために便宜的に使用されているにすぎない。ゆえに、より適切な名称として「クワイエット・ウェイヴ」なるタームが話題になったりもしたわけだけど、〈Night Slugs〉界隈から浮上してきたエチオピア系アメリカ人シンガーのケレラと、その盟友たるングズングズのアスマラことアスマ・マルーフのふたりは、この〈Warp〉30周年を祝うNTSのミックス音源で、比喩的にではなくじっさいに、アンビエントと現代R&B~ソウルとの接続に挑戦している。

 まず冒頭が小久保隆であるという点に、このミックスの独自性が宿っている。小久保はアリックスクンの『雲の向こう』や、それこそ『Kankyō Ongaku』にもとりあげられていた「環境音楽家」であるが、それをすぐさま横田進の『Sakura』(1999年)収録曲へとつなげてみせるところに、80年代以降の環境音楽と90年代、レイヴ以降のアンビエントとをおなじ角度から捉えようとする、彼女たちの批評精神があらわれている。
 レイヴ以降の感覚を担保しているのはオウテカエイフェックス・トゥインの二大巨頭で、前者は2008年の『Quaristice』から1曲目が、後者はまさに1994年の『SAW2』から、CDでいうと2枚目の8曲目が選ばれている。そのエイフェックスの叙情を引き継いだとも言えるカリーム・ロトフィの逸品“Fr3sh”を拾うあたりも気が利いているが(〈PAN〉による名アンビエント・コンピ『Mono No Aware』収録曲で、昨年カニエが『Ye』で無断使用したことも話題に)、その仲立ちをまだ素朴にアナログ機材と戯れていたころのOPNにやらせるというのもうまい(2009年の『Russian Mind』の2曲目)。
 今日性を担わされているのは現代ニューエイジの旗手たるヴィジブル・クロークス(『Reassemblage』冒頭)やジョニー・ナッシュ&スザンヌ・クラフト(『Passive Aggressive』3曲目)だが、他方で00年前後のエレクトロニカにたいする配慮と思しきレイラや(1998年の『Like Weather』の3曲目)、いわゆるインプロヴィゼイションの分野にたいする目配せと考えられるジャコ・パストリアス(とジョニ・ミッチェル)の異色のライヴ音源なんかもピックアップされており、いやはやなんとも抜け目がない。
 そして忘れてはならないのはもちろん、それら素晴らしいトラックたちのうえに、つややかで美しいケレラのヴォーカルが搭載されている点だ。彼女の声はバックトラックの魅力をかき消さないよう慎重に空間を泳ぎつつ、他方で今日におけるソウル=魂のありかを照らし出そうと懸命に奮闘してもいる。その合体こそが本作をただのミックスであることから遠ざけ、一級のクオリティを具えたオリジナル作品の域にまで引き上げている。これはある意味、ソランジュにたいするアンダーグラウンドからの回答とも言えるのではないか。

 ケレラとアスマラのふたりが実践するこの歴史的パッチワークと夢幻的ヴォーカルとの融合は、80年代以降の環境音楽~アンビエント~ニューエイジの地図に新たな線を引きなおす系譜学的な試みであると同時に、そこに現行の穏やかなR&B~ソウルのトレンドを合流させようとする、すぐれて批評的かつ独創的な試みである。

Bon Iver - ele-king

 これは嬉しいお知らせです。先日待望のニュー・アルバムを発売したばかりのボン・イヴェールが、4年ぶりに来日公演をおこないます! 少し先ですが、年が明けた2020年の1月21日(火)と22日(水)の2日にわたり、Zepp東京にて開催。前作『22, A Million』を出したときは来日がなかっただけに、今回新作が出たあとに観られるのは僥倖。見逃せません。

奇跡の初来日から4年……
ボン・イヴェール第1章を締めくくる来日公演が決定!

米国ウィスコンシン出身のシンガー・ソング・ライター、ジャスティン・ヴァーノンによるプロジェクト、「ボン・イヴェール」の来日公演が決定しました。2008年のデビュー・アルバム「For Emma, Forever Ago」を発表して以降、これまで3枚のアルバムをリリース。2ndアルバム『Bon Iver』は全米チャート2位/全英チャート4位を記録、また第54回グラミー(2012年)最優秀新人賞・最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞の2冠を達成するなど10年代のオルタナティブシーンを代表する最重要アーティストとなりました。

2016年2月に初来日公演を開催し東京公演がソールドアウト。先日発表された新作『i, i(アイ、アイ)』でひとつのサイクルを締めくくったボン・イヴェールが4年ぶりに日本に帰ってきます。10年代を代表するアーティストの新たなディケイドの始まりにふさわしい公演をお見逃しなく!

アーティスト:
ボン・イヴェール / Bon Iver

公演概要:
2020年1月21日 (火)・22日(水)Zepp東京
OPEN 18:00 / START 19:00
2階・指定席:¥9,600(別途1ドリンク代)
1階・スタンディング:¥8,600(別途1ドリンク代)

お問合せ:info@livenation.co.jp

※価格は全て税込み
※未就学児(6歳未満)入場不可

企画・制作・招聘: Live Nation Japan
協力: Big Nothing
公演リンク: www.livenation.co.jp/artist/bon-iver-tickets

BON IVER “ i, i ”

2019年を象徴する1枚。前作『22, A Million』から3年、現行のミュージック・シーンを牽引し、更新し続けるボン・イヴェール、待望のニューアルバムがリリース。

2019.8.28 ON SALE[日本先行発売]

■アーティスト:BON IVER(ボン・イヴェール)
■タイトル:i, i(アイ、アイ)
■品番:JAG350JCD
■定価:¥2,400+税
■その他:
 ①日本盤特殊仕様:日本オリジナル・アートワーク、ワイドケース、36Pブックレット(全ぺージ、ニス・コーティング)、投げ込み解説
 ②Laura Barton(ローラ・バートン)による解説、歌詞/対訳(中村明美)付
 ③日本先行発売(海外:2019年8月30日)
■発売元:ビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ
■収録曲目:
 01. Yi
 02. iMi
 03. We
 04. Holyfields
 05. Hey, Ma
 06. U (Man Like)
 07. Naeem
 08. Jelmore
 09. Faith
 10. Marion
 11. Salem
 12. Sh'Diah
 13. RABi

vol. 119:玄人インディ・ロック界の王子たち - ele-king

 ディアハンターとダーティ・プロジェクターズ、ブラッドフォード・コックスとデイヴ・ロングストレス、どちらも20年弱の経歴を誇る玄人インディ・ロック界の王子である。メンバーチャンジや音楽変化を経て、去年の夏、ダーティ・プロジェクターズは『Lamp Lit Prose』、この夏ディアハンターは、『Why Hasn’t Everything Already Disappeared?』をリリースした。どちらもよりマイルド路線だが、ストラグルしている不安定な「いま」を感じさせる作品だった。
 その2組が、7/17のロスアンジェルスから9/13のボストンまで(8月はお休み)、北アメリカ・ダブル・ヘッドラインツアーをしている。NYは9/10の1日から9/11が加わって2日間になった。1日目はディアハンターがオープン、2日目はダーティー・プロジェクターズがオープン。2018年からメンバーが一新したダーティ・プロジェクターズには、アヴァルナのフェリシアがバックコーラスで参加している。

 ダーティ・プロジェクターズは見逃してしまったが、ニュー・アルバムからの曲と、 “Impregnable Question”や“Socialites”などの定番曲を披露したということで、新曲では3人の女性ヴォーカルが際立っていたという。バルコニーで、フェリシアに会ったが、彼女はアロハシャツをタックインし、ビビッドなオレンジタータンチェックのパンツというアウトフィット。長身の彼女にとても似合っていた。「スタイリストに返さないとダメなのよね」と言っていた。

 ディアハンターは、安定の6ピース。真っ赤な革靴と黒のウインドブレーカー、バンダナ、シャツのブラッドフォード。“Cover me (slowly)”でスタート。最新アルバムからの曲と“Desire lines (Lockett!)”、“Revival”、“Take Care”などの古い定番曲をミックスした王道セット。会場のウェブスターホールにブラッドフォードはとても思い入れがあるらしかった。今夜ニューヨーカーにとって大きな意味のある9/11にプレイするのも何かの縁で、その日ブラッドフォードはとにかくダウンタウンを歩き回ったそうだ。

 今回は、ステージ・マネジャーとして、エミリオという男性がいた。とても働き者で、ブラッドフォードのマイクコードやマイクスタンドを直したり、ベースの音が出なかったらすぐにケーブルの繋ぎを確認したり、ギターのチューニングをしたり、ギターやベースを渡したり、最後はヴィオラで数曲参加していた。そんな彼は、ダーティ・プロジェクターズのマネージャーの旦那さんでもあった。

 NYは2日ともソールドアウトで、バルコニーから見ているとシンガロングがよく見える。あらためて、の2組の人気の強さを感じた。

Laraaji - ele-king

 もう二度とチャンスはないだろうと思っていた。それがまさかの再来日ツアー、決定である。しかも今回は、彼がブライアン・イーノと一緒につくりあげた出世作『Ambient 3: Day Of Radiance』のセットを本邦初披露とのことで、またも見逃すわけにはいかない公演になりそうだ。ゲスト陣もかなり豪華で、11/3 の静岡にはカルロス・ニーニョとサム・ゲンデルが、11/4 の東京には Takao と、まもなく発売される『和レアリック・ディスクガイド』にも参加した Chee Shimizu が、11/9 の大阪には ENITOKWA が、そして 11/10 の岡山には YoshimiO和泉希洋志のデュオが出演する。いやこれ、全部観に行きたいぞ……。
 なおララージの経歴についてはこちらを、彼が昨年来日したときのインタヴューはこちらを。

Aphex Twin - ele-king

 速攻で完売になったという。9月14日にロンドンで開催される《Red Bull Music Festival》への出演を控えるエイフェックスだけれど(彼がロンドンでライヴをするのは10年ぶりだそう)、なんとその模様が急遽ライヴ配信されることになった。例によって Weirdcore が頑張るようだ。日本時間では9月15日(日)の午前6時からスタート。早起きすべきか、いやむしろ夜更かしすべきか、じつに悩ましい時間帯ではあるが、リピート放送はないとのことなので、これは絶対に見逃せない(ちなみにリチャードの前にはカテリーナ・バルビエリと Nihiloxica が、彼の後にはアフロドイチェが出演する模様。そっちも配信しておくれ~)。

Aphex Twin
エイフェックス・ツインの即完プレミアショー、ライブ配信決定!
リピート放送なし! リアルタイムのライブ配信でしか観ることのできない最新A/Vライブはまさに必見!

今年設立30周年を迎えた〈WARP RECORDS〉の代表的アーティスト、エイフェックス・ツインの最新A/V(オーディオヴィジュアル)ライブセットが日本時間の9月15日(日)午前6:00からライヴ配信することが急遽決定した。会場は、今ロンドンで最も注目を浴びている、元印刷工場をリノベーションした巨大クラブ「Printworks」で、エイフェックス・ツインがロンドンのクラブでライブを披露するのは実に10年振りとなる。

今回のA/Vライブは、長年彼のヴィジュアルエフェクトを担当している Weirdcore が300枚以上のLEDパネルとレーザーを駆使して、この夜のためだけにフルカスタムした特別仕様のステージになるとのこと。

Red Bull Music によるライブ配信は、10台以上の定点カメラと観客の中を動き回るカメラを会場内に配置。視聴者にその場にいるような没入感を与え、エイフェックス・ツインのパフォーマンスを余す事なく楽しむことができる。

本公演は、現在ロンドンで行われているレッドブルの都市型フェス「Red Bull Music Festival」のフィナーレイベントで、チケットは発売後10分で即完。チケット争奪戦となったプレミアショーを Red Bull Music のチャンネルを通じて、世界中のファンに同時体験してもらうための取り組みとなっている。

リピート放送なし、リアルタイムのライブ配信でしか観ることのできない貴重な機会をお見逃しなく!

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ライブ配信詳細
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名 称:
RED BULL MUSIC FESTIVAL LONDON
APHEX TWIN LIVE STREAM

日 時:
日本時間 9月15日(日)午前6:00

視聴方法:
https://youtu.be/CQI3m8gefQk

オフィシャルサイト:
redbull.com/aphextwin

レッドブル・ミュージック・フェスティバルとは?
20年以上にわたって革新的な音楽フェスティバルやワークショップなどを行なってきたレッドブルの都市型音楽フェス「Red Bull Music Festival」。2017年の東京初開催を皮切りに、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、サンパウロ、トロント、イスタンブールなど現在では世界各都市に広がりをみせています。
https://twitter.com/redbullmusicjp

なお、エイフェックス・ツインなど先鋭的アーティストを輩出してきた〈WARP RECORDS〉の30周年を記念し、スクエアプッシャー、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、ビビオが一堂に会するスペシャルDJツアー『WXAXRXP DJS (ワープサーティーディージェイズ)』が、2019年11月に東京・京都・大阪で開催決定! 詳細は特設サイトをチェック!
https://www.beatink.com/user_data/wxaxrxp.php


タイトル:
WXAXRXP DJS
ワープサーティーディージェイズ

出演:
SQUAREPUSHER (DJ Set), ONEOHTRIX POINT NEVER (DJ Set), BIBIO (DJ Set) and more

その他コンテンツ:
WXAXRXP POP-UP STORE, 30 YEAR VISUAL HISTORY OF WARP and more

東京
公演日:2019年11月1日(金)
会場:O-EAST / DUO

京都
公演日:2019年11月2日(土)
会場:CLUB METRO

大阪
公演日:2019年11月3日(日)
会場:SUNHALL

OPEN/START:23:00
料金:前売¥5,500 (税込)
※20歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。写真付き身分証をご持参ください。

[チケット発売]
先行発売:
主催者WEB先行 9/14 (土) 0時~
BEATINK (e-ticket) https://beatink.zaiko.io/_buy/1kVr:Rx:ac436

9/17 (火) ~
イープラス最速先行:9/17 (火) 正午12:00 ~ 9/22 (日) 18:00

一般発売:9/28 (土)~
イープラス、ローソンチケット、チケットぴあ、BEATINK、iFLYER 他

WARP30周年 WxAxRxP 特設サイトオープン!
音楽史に計り知れない功績を刻み続ける偉大なる音楽レーベル〈WARP〉の30周年を記念した特設サイトが公開中! これまで国内ではオンライン販売されてこなかったエイフェックス・ツインのレアグッズや、大竹伸朗によるデザインTシャツを含む30周年記念グッズなどが好評販売中。完売のアイテムも出始めているため、この機会をぜひお見逃しなく!
https://www.beatink.com/user_data/wxaxrxp.php

interview with (Sandy) Alex G - ele-king

 ベッドルームにいるあなたはいまも混乱しているだろうか。もしそうならば、いま聴いてほしいのが(サンディー)・アレックス・Gの音楽だ。ここには何か、いまだ解決していない、ある純粋なエモーションの混沌が生々しく立ち現れているからだ。

 フィラデルフィア育ちのアレックス・ジアンナスコーリは、10代のころから bandcamp に多数の音源を発表している。エリオット・スミス直系のフラジャイルな弾き語りと、いくつかのハチャメチャなエレクトロニカのようなトラック。それは本当にベッドルームから繋がっていたもので、ジアンナスコーリはそうやって世界との回路を繋いでいく。
 そうしているうちに彼の繊細な歌たちは〈Domino〉に見出され、さらにはフランク・オーシャンにも発見されることとなる。カントリー的な意匠を大きく取り入れた『Rocket』(2017)でその評価を確実に高めると、歌い手、作曲家として熱い注目を集めつつ現代に至っている。エレキング読者のなかには、OPN による“Babylon”のアコースティック・ヴァージョンで歌っていた若者だと言えばピンとくるひとが多いかもしれない。

 もはや9作めとなる『House Of Sugar』には、様々な感触の音が詰まっている。オーヴァーダビングした音の重なりから「いつの日か 僕はあなたから離れよう/今日じゃなくて」とビターなメロディの繰り返しが聴こえてくる“Walk Away”、カントリー風のギターが爪弾かれる“Hope”、どこかジョン・ブライオンを彷彿させる室内楽風の“Southern Sky”、といったように。驚かされるのは中盤だ。2分台の曲がズラッと並び、声のエフェクト、サイケデリックなエレクトロニカ、スペース・ロック、大仰なオーケストラなど……が、次々に現れては消え去っていく。その震える声や管弦楽風のアレンジにスフィアン・スティーヴンスを思わせる瞬間もあるが、アレックス・Gの音楽はもっとまとまりがなく、解決しない感情の昂ぶり、あるいは憂鬱を、ところ構わず撒き散らしていくようだ。
 90年代ギター・ロック最良のメランコリーを遠景で眺めるような“In My Arms”、やはりエリオット・スミスが降りてくるかのように切ない“Cow”、かと思えば驚くほど甘い調べを持った“Crime”や“SugarHouse”……。それらはいまらしくジャンルが融解した歌だと言えるのかもしれないが、ベッドルーム・ミュージックと言えなくなった現在も、アレックス・Gの音楽は彼自身の内側からダイレクトに生まれているように感じられる。それはこんなにも複雑に、壊れそうに、ときおりしなやかに鳴っている。

僕が「シュガー」や「ソルト」といった言葉をよく使いがちなのは、それらの言葉が示唆に富んだ言葉だから。そのふたつは普遍的な意味を持っているし、世界中の誰もがその言葉から何かを連想できる。味覚的なものというより、誘惑に近いものの象徴かな。

新作『House Of Sugar』、ブレイクスルーとなった前作『Rocket』からさらにあなたの個性が深まった素晴らしい作品だと感じました。 ただ今回ははじめてのインタヴューなので、基本的なことからいくつか訊かせてください。
 ペンシルヴェニアのフィラデルフィアで育ったとのことですが、あなたから見てフィラデルフィアはどんな街で、あなたのパーソナリティにどのような影響を与えましたか?

アレックス・ジアンナスコーリ(Alex Giannascoli、以下AG):すごくいい街だよ。僕はツアーで訪れる以外はほかの街に行ったことがないから比べようがないけど、フィラデルフィアはすごく住みやすい。パーソナリティにはどう影響しているかわからないけど、フィラデルフィアには僕が10代のころからDIYやパンクのミュージック・シーンが存在していた。それがあったから僕が音楽にハマったというのはあると思うね。周りが皆そういうシーンにいたし、音楽に近づきやすい環境だったから。

4歳ごろから音楽をはじめたそうですが、そのなかでも、あなたが音楽をよりシリアスに捉えるようになったきっかけとなったミュージシャンや音楽はありますか?

AG:その4歳の情報ってウィキペディアじゃない(笑)? あれは、誰かが勝手に書いたデマ(笑)。音楽ははじめたのは14、15歳のとき。音楽にものすごく興味のある姉と、音楽の才能のある兄がいたから、家にはたくさん楽器があって、それを弾いてみたりしているうちにハマっていったんだ。周りにバンドをやっている友だちもたくさんいたし、そのグループの一員になりたかったんだよね。モデスト・マウスレディオヘッドは大好きで、よく聴いてコピーしていたよ。

すいません、ウィキペディアの情報を鵜呑みにしたらダメですね! 音楽以外のアート――文学、映画、美術といったもので強い影響を受けたものはありますか?

AG:映画、本、あらゆるものから影響を受けているから、何かをピックアップすることはできないな。最近だと、『アナイアレイション』(註:アレックス・ガーランドによるSF映画。Netflix で視聴可)っていう映画をみたんだけど、エイリアンが出てくる作品で、音楽がめちゃくちゃクールでヴィジュアルが素晴らしかったんだ。今回のアルバムは、そこに影響を受けている。オルタナティヴ系のものなら何でも影響されていたね。昔の僕は、ほかとは違う何か変わったものが好きな自分がクールだと思っていたし(笑)。

あなたは10代の間、つまり『Trick』(2012)まで、多くの作品を bandcamp を中心に発表しています。いまから振り返って、それほどの原動力は何だったと思いますか?

AG:ただ、気づかれるということが好きだったんだと思う。とくに意識的だったわけではなくて、自由時間にひたすら音楽を作って、それをひとが評価してくれること、ひとがそれをリスペクトしてくれることに無意識にハマっていたんじゃないかな。

当時のあなたの音楽はエリオット・スミスと比較されることが多いと思いますが、それはあなたにとってフェアなことですか? 実際、彼の音楽から影響を受けることはあったのでしょうか。

AG:エリオット・スミス! さっき音楽をシリアスに捉えるようなきっかけになったミュージシャンは? っていう質問のときに答えるのを忘れていたよ。彼の作品は若いときに散々聴いていた。インターネットで昔は彼も自分自身でレコーディングをしていたと読んだから、自分も彼みたいにレコーディングしようと思って彼の作品をたくさん聴いていたんだ。彼みたいにレコーディングしたければ、それが不可能なことではないとわかっていたからね。

通訳:そのなかでも、おもにどのような点で影響を受けたと思いますか?

AG:ヴォーカルやギターをダブル・トラックしていたと読んだから、僕も同じことをしていた。プロっぽくレコーディングすることよりも、彼に近づこうとしていたね。彼のテクニックを自分のレコーディングに取り入れたかったから、それをコピーしていたよ。

ほかに10代のころ影響を受けたソングライターはいますか?

AG:10代のころは、ふたつのまったく異なるタイプの音楽を作っていた。ヴォーカルの入った音楽と、超エクスペリメンタルなぶつ切りサウンド。後者のほうでは、エイフェックス・ツインにかなり影響を受けていた。彼みたいなめちゃくちゃ変な実験的サウンドを作るのが好きだったんだ。

ほかにあなたの音楽がよく比較されるのは、ペイヴメントやあなたとツアーも回ったビルト・トゥ・スピルといった90年代のインディ・ロック・バンドです。彼らと精神的に共感する部分はありますか?

AG:じつは、比べられる前は彼らの存在も知らなかったんだよね。だからわからない。自意識を持って音楽を作るという哲学は共通しているかもしれないけど。気取らずに素直なギターが好きという部分は同じかもしれない。

彼ら(90年代のインディ・ロック勢)の「ローファイ」という価値観についてはどうでしょう? あなたの音楽からは、荒さや未完成な部分を意図的に残すことで生々しさが感じられるので、何か通じるところがあるのではないかと思ったのですが。

AG:僕はあまりローファイには拘っていない。昔は好きだったけど、それはちゃんとした機材へのアクセスがなかったから。でもいまはちゃんとしたスタジオでいろいろな機材を使える機会がある。僕は、機会があるならそういうものを取り入れたい派だね。

パッと見るとわかりやすい感じなんだけど、見れば見るほど新たな面が見えてくる。一見アニメっぽくておバカっぽいんだけど、じつは深い。僕の音楽も同じで、シンプルそうで捻りがある。

あなたを有名にしたのは何と言ってもフランク・オーシャンの『Blonde』『Endless』への参加です。彼とのコラボレーションが実現したことに対してあなたはかつてその驚きを語っていますが、ただ、あなたのアングルではあなたの音楽とフランクの音楽のどのような部分が共鳴したのだと思いますか?

AG:わからない(笑)。あれは彼のアイデアで、彼の作品。僕はただ彼が流してくれた曲に合わせてギターを乗せただけだから(笑)。

前作『Rocket』ではとくに、カントリーの要素が見られました。あなたはルシンダ・ウィリアムスを好きなソングライターのひとりとして挙げているそうですが、カントリーというアメリカ的な音楽のどういったところに魅力を感じるのでしょうか?

AG:カントリーは、聴く作品すべてに内容がある。ほかのジャンルでは曲の内容が曖昧なものも多いけど、カントリーはそれが明確で、しっかりとしたコンテンツがある。サウンドだけではなく、曲に存在するキャラクターも加わるから、パフォーマンスがすごく濃いものになるのがカントリーの魅力だと思うね。

では『House Of Sugar』について訊きたいのですが、曲はいまも基本的にギターの弾き語りをベースにして作曲するのでしょうか?

AG:そう。ギターではじめることが多いよ。それかキーボード。

そのなかで、曲の音色はどのように決めていくのでしょうか? というのも、『House Of Sugar』でわたしがもっとも驚かされたのが、曲ごとの音のテクスチャーのヴァラエティの豊かさです。シンプルな弾き語りもあれば、室内楽のアレンジ、エレクトロニカもあり、声に極端にエフェクトがかけられたものもある。その曲に合った音の質感を決めるのは直感的なものなのか、それとも試行錯誤の末にたどり着くものなのか、どうなのでしょうか。

AG:自然の流れでできあがるんだ。ギターではじまり、メロディが決まってくると曲の基本の形ができあがる。それができあがってから数週間、ときには1ヶ月くらいいろいろ試していくうちにそれが進化して厚くなっていくんだ。「進化」という言葉が合っていると思う。

たとえば“Sugar”は壮大なオーケストラのアレンジとエフェクト・ヴォイスが重なる、アルバムでも異色の楽曲です。このトラックがアルバムにおいて果たしている役割は何でしょう?

AG:たしかに、アルバムのほかの曲とはちょっと違うよね。今回のアルバムは、前のアルバムと繋がったサウンドではじまり、中盤にいくにつれどんどんそれと離れていき、最後のトラックでまた地に足がつく、といった流れになっている。“Sugar”は、アルバムの中でもいちばんこれまでのサウンドとかけ離れた曲なんだ。

『Beach Music』には“Salt”という曲がありましたが、今回のアルバムでは、アルバム・タイトル『House Of Sugar』、曲としては“Sugar”や“Sugar House”、ほかにも“Taking”で砂糖(Sugar)が多く登場しますよね。あなたの音楽において、あるいは本作において、砂糖は何を象徴しているのでしょうか? 言い換えれば、「甘さ」はあなたの音楽において、なにかとても重要な要素に感じます。

AG:曲によって何を象徴するかは違うけど、僕が「シュガー」や「ソルト」といった言葉をよく使いがちなのは、それらの言葉が示唆に富んだ言葉だからだと思う。そのふたつは普遍的な意味を持っているし、世界中の誰もがその言葉から何かを連想できる。だからさ。味覚的なものというより、誘惑に近いものの象徴かな。

歌詞では多くで人間関係における複雑なエモーションや痛みが表現されているようですが、フィクションと詩が混ざり合ったような抽象度の高いものとなっています。直接的に感情を表すのではなく、比喩的な言葉づかいやアウトプットをするのはなぜですか?

AG:せっかく好きな言葉を使って自由に表現する機会があるんだから、それだったら自分が創り出したい世界を創り出したいと思う。でも毎回ではないよ。ときにはそのまま率直にストーリーを語る方がいいと思う。でも同時に、思いっきりエンターテイメントにしてもいいなと思うときもあるんだ。僕の歌詞は、僕の音楽と同じで進化する。だから、もっと直接的に仕上がるときもあれば、数週間から1ヶ月かけて広がっていくものもあるんだ。

たとえば、“In My Arms”の「良い音楽を聴くと悪い事がしたくなるんだ(good music makes me wanna do bad things)」というフレーズが非常に印象的ですが、ここでの「悪いこと」とは何を指しているのでしょうか?

AG:ははは(笑)。友だちといっしょに車に乗っていたときに、トゥルー・ウィドウ(True Widow)っていう友だちのバンドの曲をかけていたんだけど、「聴くと悪いことがしたくなる曲だぞ」って言いながら彼がその曲をプレイしはじめたのがおかしかったから、それを引用したんだ(笑)。

通訳:たとえばどんな悪いこと? 最近何か悪いことはしましたか(笑)?

AG:もしもしていたとしても、ここで言うわけないだろ(笑)?

そういったこととも関係しているかもしれませんが、あなたの音楽のエモーションは、あなたの世代――いまの若い世代をリプレゼントしていると感じることはありますか?

AG:それはわからない。自分自身をリプリゼントしているということしか確信は持てないな。それは、聴いているひとが決めることだと思う。

“Southern Sky”のミュージック・ヴィデオのイラストやこれまでの作品を担当してきたエリオット・ベックについて紹介してください。彼の作品のどういったところがあなたの音楽と共鳴するのでしょうか?

AG:彼は5年来の友人で、カズン・ブライアン(Cousin Brian)というバンドにいたんだけど、昔そのバンドといっしょにプレイしたことがあって、それで出会ったんだ。彼は素晴らしいヴィジュアル・アーティストでもあって、僕はヴィジュアル・アーティストとしての彼をすごくリスペクトしている。彼のアイデアはいつも新鮮で素晴らしい。彼のアートの魅力は、パッと見るとわかりやすい感じなんだけど、見れば見るほど新たな面が見えてくるところ。一見アニメっぽくておバカっぽいんだけど、じつは深い。僕の音楽も同じで、シンプルそうで捻りがある。そこが共通点だと思うね。

すでに多作なあなたですが、あなたにとって『House Of Sugar』がこれまでの作品ともっとも異なるのはどういうところでしょうか?

AG:つまらない答えだとはわかっているけど、いちばんの違いはサウンドのクオリティ。これまでのレコードではすべて同じマイクを使っていた。USBで直接コンピューターに使うタイプのやつ。でも今回は、インターフェイスにつなげるマイクを使ったんだ。今回のレコードでは機材がアップグレードされている。そこがいちばんの違いだね。もう前のマイクには戻れない(笑)。

通訳:ありがとうございました!

AG:ありがとう。いまのところ予定はないけど、日本でショウができることを願っているよ。

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