ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. 小山田米呂
  2. Loula Yorke - speak, thou vast and venerable head / Loula Yorke - Volta | ルーラ・ヨーク
  3. VINYL GOES AROUND PRESSING ──国内4か所目となるアナログ・レコード・プレス工場が本格稼働、受注・生産を開始
  4. interview with Martin Terefe (London Brew) 『ビッチェズ・ブリュー』50周年を祝福するセッション | シャバカ・ハッチングス、ヌバイア・ガルシアら12名による白熱の再解釈
  5. Natalie Beridze - Of Which One Knows | ナタリー・ベリツェ
  6. Actress - Statik | アクトレス
  7. Adrian Sherwood presents Dub Sessions 2024 いつまでも見れると思うな、御大ホレス・アンディと偉大なるクリエイション・レベル、エイドリアン・シャーウッドが集結するダブの最強ナイト
  8. interview with bar italia 謎めいたインディ・バンド、ついにヴェールを脱ぐ | バー・イタリア、来日特別インタヴュー
  9. Columns 6月のジャズ Jazz in June 2024
  10. What's in My Playlist 1
  11. interview with salute ハウス・ミュージックはどんどん大きくなる | サルート、インタヴュー
  12. Mighty Ryeders ──レアグルーヴ史に名高いマイティ・ライダース、オリジナル7インチの発売を記念したTシャツが登場
  13. 『ボレロ 永遠の旋律』 -
  14. Cornelius 30th Anniversary Set - @東京ガーデンシアター
  15. Brian Eno ──観るたびに変わるドキュメンタリー映画『ENO』のサウンドトラック収録曲のMVが公開、発掘された90年代イーノの姿
  16. Meitei ──延期となっていた冥丁のツアー日程が再決定、11都市を巡回
  17. Black Decelerant - Reflections Vol 2: Black Decelerant | ブラック・ディセレラント
  18. レコード蒐集家訪問記 第⼀回 ピンク・フロイド『夜明けの⼝笛吹き』を60枚以上持つ漢
  19. Andrea Parker Et Daz Quayle - Private Dreams And Public Nightmares - Daphne Oram Reworked And Re-Interpreted By Andrea Parker Et Daz Quayle  / Laurie Spiegel - The Expanding Universe | アンドリア・パーカー、ダフニー・オーラム
  20. Mica Levi ──ミカ・リーヴィが〈ハイパーダブ〉から新曲をリリース

Home >  Reviews >  Album Reviews > Various- Shangaan Electro - New Wave Danc…

Various

Various

Shangaan Electro - New Wave Dance Music From South Africa

Honest Jon's

Amazon iTunes

三田 格   Sep 29,2010 UP

 〈ウィアード・フォレスト〉とともに、いま、何をリリースするのかまったく見当がつかないレーベルからわかるといえばわかるけど、あー、やっぱりわからないかもーと思ってしまう「シャンガーン・エレクトロ」のコンピレイション。マルカム・マクラーレンのデビュー・アルバム『ダック・ロック』にはズールーとともにシャンガーンからのインスピレイションが重要な要素になっていることが記されていて、ワールド・ミュージックとヒップホップをストリートという共通項によって結び付けようとしたマクラーレンのアイディアがどこまで理解されたのか、いまさらのように悩ましく思えてきたりもするけれど、『ダック・ロック』や「バッファロー・ギャルズ」から徹底的に重さを取り除き、すべてのBPMを倍にしたものを想像してもらえれば「シャンガーン・エレクトロ」はもう聴こえてきたも同然でしょう。

 ワールド・カップに映画『第9地区』(ユーチューブで「YELLOW」をチェック!)と、2010年にはそれなりに注目を集めたヨハネスブルグの郊外で(同地に対してアンビヴァレントな気持ちを抱きながら)生まれたというシャンガーンはマクラーレンが影響を受けた当時からそうだったのかどうか、強くテクノロジーと結びついた音楽とされ、プロデューサーのNozinja(読めない)がライナーで記すにはヒップホップではなくディスコであり、いわゆるアフロ・ポップとも関係はなく、とにかく大事なのはテンポが速いこと。ユーチューブで確認できるダンスもたしかに動きが早い。全体的にBPM180以上で「疲れを知らず、1時間はそのスピードで彼らは踊れるんだよ」とか。

 コンピレイションにはプロデューサーの娘を含む6組のミュージシャンが参加しているけれど、現時点ではとても聴き分けられない。全部、同じに聴こえるのではなく、シャンガーンという音楽性が際立ちすぎて、これがシャンガーンかあ~と思っているうちに、全12曲がすぐに終わってしまうから。ギターやベースを一切使わないというのが一種のポリシーらしく、基本の楽器といえるマリンバやそれを模したらしきドラム・マシンの音がまずはとにかく軽い。コーラスはズールーと同じくイメージ通りアフリカのそれで、リード・ヴォーカルが入る曲もテンポが速すぎてコーラスがエコーしているようにしか聴こえない。ほかにはヴォイス・サンプルやオルガンが多用され、ありとあらゆる軋轢を避けるようにしてサラサラとすべては滑っていく。そう、音楽が「滑っていく」という表現がピッタリかも。フランスのDJにはこれをダブステップと混ぜてかける人もいるらしいけれど、どんな感じなのか、ぜんぜん想像もつかない。ラマダンマンやジェイムズ・ブレイクとはつながらないよなー(......ジョーならあるかな?)。

 コンパイルはマーク・エルネスタス(ベーシック・チャンネル/リズム&サウンド)による。

三田 格