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UK Afrobeats & UK Rap

UK Afrobeats & UK Rap

──「今」のUKラップを彩るプロデューサー3組

米澤慎太朗 Sep 13,2018 UP

 イギリス独特のサウンド文化はこの20年以上でジャングル、ドラムンベース、ガラージ、グライムと進化・深化してきた。こうしたジャンルは常にジャマイカやアメリカの音楽の影響を受け、「ラップ」が挑戦的な音楽に受けて立ち音楽性を拡張してきたといえるだろう。そして、UKのサウンド・カルチャーの新たな1ページに「UKアフロビーツ」や「UKラップ」と呼ばれるラップ・ミュージックがある。UKアフロビーツはユーチューブ等ストリーミング・サービスで広く聴かれ、ポップ・ミュージックとして認知されている。このシーンのアンダーグラウンドな盛り上がりを知りたければ、2017年に〈MOVES Recordings〉からリリースされた『MOVES : The Sound of UK Afrobeats』(Spotify)は最適な1枚だ。

 UKラップは「トラップ」や「ドリル」といったUSのトレンドのラップ・ミュージックの影響を強くうけ、若者に人気のジャンルだ。UKアフロビーツは、BPM 90~110前後のリズム、アフリカの音楽やダンスホール・レゲエを取り入れたビート・パターンを基調としている。今のUKラップ・ミュージックが音楽的に面白いのは、ラップ・ミュージックのプロデューサーがUKサウンド、USヒップホップ、レゲエ、アフリカ音楽と多様な音楽をマッシュアップし、新たなUKサウンドを作り上げていることだ。

 ラッパーに比べるとスポットライトが当たることは少ないが、プロデューサーからお気に入りのサウンドを探すのもなかなか面白い。


■ JAE5 (w/ J Hus, NSG...)

 東ロンドンのプロデューサー、ジェーファイヴ(JAE5)は、2015年に出所したばかりのラッパー J・ハス(J Hus)にビートを提供し、J・ハスのアルバム『Common Sense』(Spotify)をフル・プロデュースしたことで一気に知られるようになった。

J Hus - Did You See

 マリンバやギターなど、生楽器の音の重ね方や差し引きは素晴らしく、J・ハスのギャングスタ・ラップをポップに彩っている。ジェーファイヴは昔からダブステップにのめり込んでいたという。音はどちらかといえばヒップホップやダンスホール寄りだが、彼のビートの精緻な組み方は彼が“昔ハマっていた”というダブステップにもどこか通じている部分がある。

Jae5 - Against The Clock
https://www.youtube.com/watch?v=uNdQYMmeBpg
※ジェーファイヴが10分でビートを作り上げる、英メディアFACTの番組。


■ Nyge (w/ Section Boyz, AJ Tracey, Lancey Foux...)

 セクション・ボーイズのヒット曲“Lock Arff”のプロデュースで一躍知られるようになったナイジ(Nyge)は、エージェー・トレーシー(AJ Tracey)やランシー・フォックス(Lancey Foux)といった気鋭のラッパーのプロデュースで名を馳せてきた。

Section Boyz - Lock Arff

AJ Tracey - Butterflies (ft. Not3s)

 浮遊感のあるパッドとシャープなドラムはナイジのプロダクションの持ち味になっていて、彼がプロデュースした Renz “Flexing”は2017年に〈XL Recordings〉からリリースされた『NEW GEN』(Spotify)にも収録されている。

Nyge : Studio Sessions Ep 1


■ God Colony (w/ Flohio, Kojey Radical...)

 Wikipediaによれば、ゴッド・コロニー(God Colony)はロンドンを拠点に活動する2人組のデュオとのことだが、あまり情報がない。それでも彼らのことが気になるのは、彼らのプロダクションは1曲に色々なアイディアが詰まっていて面白いからだ。UK Funky や Gqom のサウンドを昇華したクラブ・トラックをロンドンのMC・フロヒオ(Flohio)に提供したかと思えば、コージェイ・ラディカル(Kojey Radical)にはエクスペリメンタルなR&Bを提供するなど、作風の幅も広い。

GOD COLONY "SE16" feat. FLOHIO

God Colony - Howling feat Kojey Radical & Ebi Pamere


米澤慎太朗