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Foot Village

Foot Village

Anti-Magic

Upset The Rhythm

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三田 格   Dec 23,2009 UP
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 ギターやサンプリングとしか思えない音が入る瞬間もあるけれど、基本的にはアンプを通さないドラムスが4人という構成のロック・バンドが昨年に続いて早くもサード・オリジナル(全員がヴォーカルも)。元ディス・ヒートのチャールズ・ヘイワードが結成したドラムス3人組=レ・バッテリーのように役割を分担して高度なリズムを編み出す......という面も皆無ではないけれど、ここで重視されているのはむしろインパクトの派手さや喧しさ、あるいは物を叩いて音が出ることの面白さ。いまさら新鮮味のあるアヴァンギャルドのスタイルを構築してしまったことにはとにかく驚かされるし、想像を超える展開は最後まで続く。とはいえ、デビュー当初に比べるとだいぶフォーマットが整ってきていて、型にはまっていく直前の一番いい段階がいまだといえるかも。そういう意味ではギャング・ギャング・ダンス(GGD)が現在のスタイルに変化していった過程を想起させるものもあるし、アウト・ハッドがやぶれかぶれで乱れ打ちになったとも。アウト・ハッドやGGD、もしくはボアドラムが菊地成孔のいう微分的なリズムに着地したとしたら、この4人はあくまでも積分的なそれを貫いていて、身体的な感覚だけをいったら疲れることこの上なし。もしくは、積分的なリズムでまだこんなにユニークな音楽がつくれるんだという驚きともいえるけれど、DJカルチャー以降でもガバ同様、ラクなリズムの取り方をしないことの価値がゼロではないことの証明のようなものになっている(そのひとつには、不思議なことに4人そろってBPMがずれていくことにはどことなく快楽性があり、どうして息の合ったアンサンブルにはそういうことが可能なのかということでもあります)。

 タイトル通り、ジャケット・デザインは魔法使いがミサイルで攻撃されているというもので、インナー・スリーヴではそのヴァリエイションが大パノラマで繰り広げられている。これは一体何の喩えなのか(...つーか、喩えであって欲しい)。前作でもそうだったけど、メンバーがいつも裸体でいるのは単純に素朴でいたいとか、そういうことなんだろうか(アンプを使ってないのもそれか)。わかりません。ヴィジュアル面はまったくのナゾです。グレイス・リーのシャープなヴォーカルとは対照的に、誰の声かわからないけれど、ドラムを叩きすぎてふらふらになっているような発声は現代美術にも通じるものがあるような気が...(いつの間にか現代美術はバカなことをやるジャンルになっているような...)。

三田 格