ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. R.I.P.山本アキヲ (news)
  2. ベイビー・ブローカー - (review)
  3. Wilco - Cruel Country (review)
  4. interview with Huerco S. オウテカやベーシック・チャンネルからの影響は大きいね (interviews)
  5. 石若駿 - @山口情報芸術センター(YCAM) (review)
  6. Big Thief ──ビッグ・シーフの初来日公演が決定 (news)
  7. interview with Akio Yamamoto 都会の夜のタンツムジーク (interviews)
  8. interview with Kentaro Hayashi 大阪からダークサイドの憂鬱 (interviews)
  9. Merzbow & Lawrence English - Eternal Stalker (review)
  10. Columns R.I.P. フィリップ・シーモア・ホフマン Philip Seymour Hoffman (1967-2014) (columns)
  11. Mary Halvorson - Amaryllis & Belladonna (review)
  12. Whatever The Weather - Whatever The Weather (review)
  13. Shintaro Sakamoto ──坂本慎太郎、LIQUIDROOM 18周年を記念するワンマン・ライヴが決定 (news)
  14. interview with Shintaro Sakamoto 坂本慎太郎、新作『物語のように』について語る (interviews)
  15. Julian Sartorius & Matthew Herbert - Drum Solo (review)
  16. FESTIVAL FRUEZINHO 2022 ──坂本慎太郎、cero、折坂悠太、ブルーノ・ペルナーダス、サム・ゲンデルらが出演 (news)
  17. ギーク母さんの21世紀女児カルチャー観察記 ピンクに塗れ!~現代女児のキラデコ事情~ 第4回:馬に恋する女の子たち (columns)
  18. GemValleyMusiQ - Abu Wronq Wronq (review)
  19. FEBB ──幻の3rdアルバムがリリース (news)
  20. Flying Lotus ──フライング・ロータスがニュー・シングルをリリース (news)

Home >  Reviews >  Album Reviews > DiskJokke- Sagara

DiskJokke

DiskJokke

Sagara

Smalltown Supersound /カレンティート

Amazon iTunes

野田 努   Nov 16,2011 UP
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ディスク・ヨッケの3枚目のアルバム、ネットを見ると「ガムランにインスパイアされたアンビエント作品」なんて書かれているけれど、実際のところこのアルバム『サガラ』にはガムランと言われてすぐに思う浮かぶような、あのキラキラとした騒がしさはない。何の予備知識もなくこのアルバムを聴いて熱帯雨林気候を思う人はまずいないだろう。ノルウェーのオスロを拠点とするコズミック・ディスコの最高の作り手のひとり、ディスク・ヨッケがインドネシアのジャワやバリを旅して経験したガムランがこのアルバムに影響を与えているのは事実だが、アルバムはそうした非西欧文化圏の民族音楽のテクスチャーを前面に打ち出すことはなく、至極真っ当な、『ミュージック・フォー・エアポート』めいたアンビエントを展開している。新しさはないが、『サガラ』が自分にとって2011年のもっとも大切なアルバムだという人がいても驚かない。その穏やかさによってムードを変えるという点においては力のあるアンビエント・アルバムなのだ。

 この作品がディスク・ヨッケにとっての方向転換なのか、寄り道なのか、気まぐれなのか、あるいはコズミック・ディスコ・ブームの頂点が過ぎ去ったあとの静けさなのか......、まさかヨガ教室へのアプローチではないだろうけれど(すいません、冗談です)、まあ〈スモールタウン・スーパーサウンド〉らしい佇まいのアルバムだ。昔ながらのこのレーベルのファンなら、キム・ヨーソイの『ホープネス』(2004年)やラーシュ・ホーントヴェットの『プーカ』(2004年)のような作品を思い出すかもしれない。品が良く、潔癖性的で、こんじまりとしているがむしろそれを長所とするような、控えめであることを美徳としながら、そこには印象的なコードとメロディがある(ディスク・ヨッケはそれなりに修練を積んだヴァイオリニストでもあるらしい)。イーサリアル(エーテル系)的なぼやけ方という点では2011年という年のひとつのトレンドともリンクしているとも言えなくもないが、しかしこれはやはり癒しのための音楽、平穏をもたらすための理性的で抑制の効いた音楽と言えよう。嘆き、悲しみ、不機嫌、苛立ち、あるいは逃避......そういった今年際だっていた感情、あるいはマーク・マッガイアらの大いなるトリップとはまったく別種の趣がある。エキゾティズムやワールド・ミュージック的なテクスチャーを期待する作品ではなく、早い話、地味な音楽の良さ、スローであることの良さ、古典的なアンビエント・アルバムとしての魅惑的なムードを提供している。それまでのおよそ28分が、クローザー・トラックのための長いイントロであったとしても。

野田 努

RELATED

Diskjokke- En Fid Tid Smalltown Supersound

Reviews Amazon iTunes

Kelly Lee Owens- Kelly Lee Owens Smalltown Supersound/カレンティート

Reviews Amazon iTunes

Maria Minerva- Sacred & Profane Love 100% Silk

Reviews Amazon iTunes

Maria MinervaLindstrom - Six Cups Of RebelSmalltown Supersound/カレンティート

Reviews AmazoniTunes

Razika- Program 91 Smalltown Supersound/カレンティート

Reviews Amazon iTunes

Idjut Boys- Cellar Door Smalltown Supersound/カレンティート

Reviews Amazon iTunes

Bjorn Torske- Kokning Smalltown Supersound

Reviews Amazon iTunes

Lindstrom & Christabelle- Real Life Is No Cool Smalltown Supersound/P-Vine

Reviews Amazon iTunes