MOST READ

  1. Gabby & Lopez - Sweet Thing (review)
  2. ダーク・ドゥルーズ - アンドリュー・カルプ 著 大山載吉 訳 (review)
  3. Kurt Rosenwinkel - Caipi (review)
  4. Ulapton(CAT BOYS)なつかしの90年代HIP HOP (chart)
  5. interview with YURUFUWA GANGゆるふわギャングがぶっ壊しにキタ! (interviews)
  6. スカート - 静かな夜がいい (review)
  7. Kendrick Lamar──ケンドリック・ラマーが新曲をリリース (news)
  8. Shobaleader One──スクエアプッシャー率いる覆面バンドがアルバムをリリース、来日公演も決定 (news)
  9. Cornelius──11年ぶりのシングルを発表するコーネリアス (news)
  10. RAINBOW DISCO CLUB 2017──いよいよ開催間近、レインボー・ディスコ・クラブの魅力とは!? (news)
  11. yahyel - ──この一風変わった名前のバンドをきみはもう知っているか? ヤイエルが500枚限定の初CD作品をリリース (news)
  12. Shobaleader One──スクエアプッシャー率いる覆面バンドがボイラー・ルームにてライヴを披露 (news)
  13. 水曜日のカンパネラ - SUPERMAN (review)
  14. Syd - Fin / Matt Martians - The Drum Chord Theory / Steve Lacy - Steve Lacy’s Demo - EP (review)
  15. Nuno Canavarro──ヌーノ・カナヴァーロの名作がリ・リイシュー (news)
  16. 高木壮太 (CATBOYS) - 狂おしくも美しい曲を訪ねて (chart)
  17. interview with SHOBALERDER ONE音楽を破壊すべし (interviews)
  18. Ryuichi Sakamoto──坂本龍一が8年ぶりのソロ・アルバム『async』をリリース (news)
  19. interview with Sherwood & Pinchダブ最強コンビ、最新成果と機材話 (interviews)
  20. interview with IO - KoolBoyの美学 (interviews)

Home >  Reviews >  Sound Patrol > Zamzam Sounds- ダブの枠組みを拡張する7インチ5選

Sound Patrol

Zamzam Sounds

Zamzam Sounds

ダブの枠組みを拡張する7インチ5選

文:Yusaku Shigeyasu   Sep 23,2016 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 ワールド・ミュージックの名作を再発する〈ミシシッピ・レコーズ〉や、アフリカ音楽の名門〈サヘル・サウンズ〉といったレーベルが拠点とするアメリカ北西部の都市ポートランド。多様で豊かな音楽的土壌を備えた同市で2012年から運営されている〈ザムザム・サウンズ〉は、ひとつのスタイルに捕らわれることなくダブの可能性を拡張してきた。その運営を手掛けるのはレーベルの前身〈BSIレコーズ〉の創立メンバーだったふたり、エズラ・エレクソンと彼の公私にわたるパートナーであるトレイシー・ハリソンだ。
 発足以来、〈ザムザム・サウンズ〉は7インチに特化したリリースを展開している。世界中から届けられるデモの中から、その製作者だけにしか成しえない個性を持ったものだけが選りすぐられ、ルーツ・レゲエ、ステッパーズ、ダブテクノ、ダブステップなどの少し斜め上に位置づけられるような異質で新鮮なサウンドが世に送り出されている。
 今回は、これまでに発表された40を超えるタイトルの中から、レーベルがカヴァーする領域の広さを感じ取れる5枚を選んだ。その多様な音楽スタイルもさることながら、ファインアートの学位を取得しているハリソンが手作業でシルクスクリーン・プリントを施すジャケット・デザインも同様に味わい深い。


RSD - World Hungry / Dub Pride (ZamZam Sounds)

開放感のあるステッパーズ“ワールド・ハングリー”と、エコーとリバーブによってさらなるうねりがグルーヴに加わる“ダブ・プライド”を収録。ロブ・スミス節炸裂のベースラインとブレイクビーツによるトラックは、まさに彼だけにしか成しえない個性に満ちている。

Deadbeat feat. Gregory Isaacs - Claudette (ZamZam Sounds)

以前からダンスホールとテクノを融合させたトラックを制作しているデッドビート。テクスチャーを豊かに加工したスネアや明瞭なミックス処理によって、これまでにない印象を生むダンスホールが実現している。このようなトラックをリリースするあたりにザムザム・サウンズらしさを感じる。

Beat Pharmacy - Beach Dub / Bowling Dub (ZamZam Sounds)

ダウンビートに乗せてダビーなエフェクトがセッションしているかのように絡み合う“ボーリング・ダブ”が面白い。近年のビート・ファーマシーは以前に増して特異なダブ・サウンドを探求するようになっている。

Compa - Shaka's Truth / Atha Dub (ZamZam Sounds)

ダブステップの総本山〈ディープ・メディ〉からもリリースしているコンパが超強力デジタル・ステッパーズをドロップ。ズシリと打ち込まれるキックと、擦り付けたように少し歪ませたハットによって堅牢なビートが構築され、フロアを熱く盛り上げる。

Hieronymus - Silk Road / Pound of Pepper (ZamZam Sounds)

ミニマルダブを制作していたころのキット・クレイトやポールがもっとルーツに接近していたら、こんなトラックになっていたのでは? と思わせられる多様な要素を含んだスローステッパーズ2曲を収録。エレクソンとハリソンの懐の深さがうかがえる1枚だ。

文:Yusaku Shigeyasu