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NaBaBaの洋ゲー・レヴュー超教条主義

NaBaBaの洋ゲー・レヴュー超教条主義

vol.1 現代FPSの礎――『Half-Life 2』の衝撃

文:NaBaBa Aug 03,2012 UP

■『Half-Life 2』以後のゲーム

この『Half-Life 2』の登場以降、業界全体のグラフィックス技術の大幅な上昇により、技術向上の恩恵を受けやすいFPSの一大ブームとなり、没入感重視のゲームもいっきに増えました。

ゲームの発売には周期性があるのがおもしろいもので、だいたい1本のゲームを開発するには、現代では2年から4年ほどかかると言われています。だから04年に発売した『Half-Life 2』の影響を受けたゲームが世に登場するのはだいたい07年くらい。

実際その年には『Call of Duty 4: Modern Warfare』や『Bioshock』等といった、『Half-Life 2』のコンセプトを独自解釈・発展させたかのような作品が多数登場するにいたっています。これらの作品も、後々この連載で取り上げていくことになるかもしれません。

一方で『Half-Life 2』の後続への悪しき影響についても触れておきましょうか。「没入感」という点では非常に秀でたものを持っていた本作でしたが、ゲーム・システムそのものの完成度であるとか、駆け引きの面白さはいまひとつな出来となっています。

ひと言で表すなら散漫なんですね。各チャプターごとでステージごとのコンセプトがころころ変わる。そこまでは体験のバリエーションが多いってことなのでべつにいいのですが、おもしろさまでころころ変わって出来不出来の差が激しいのは問題。

純粋なゲーム性のおもしろさを求めた人からはこの点が不満としてあがりがちで、またそういう人たちにとっては本作の人間ドラマだ演出だってのは不要なものという意見も多かった。いいからはやく銃を撃たせろよ! ってことですね。そういった求めるもののちがいにより当時から賛否両論を招く作品でもありました。


ゲーム中2回登場する乗り物によるチェイス・シーンは退屈だとする意見が多い。

そしてこの『Half-Life 2』の登場以降、演出重視でゲーム性イマイチみたいな作品を見ることが多くなっていきましたね。作品として勝負する点が変わってしまったということです。

これは本作の影響のみならず、2006年末に発売されたPlayStation 3により口火を切ったいま世代の家庭用ゲーム機の登場、それによるゲームのより広いユーザーへの浸透や、そのなかでより遊んでもらうための訴求性の追求だとか、もっとマーケット全体の傾向からの結果でもあります。しかしその先駆けだったのは『Half-Life 2』。それはまちがいありません。

■まとめ

というわけで今回は『Half-Life 2』というゲームを、良きにつけ悪しきにつけ今日のFPSに多大な影響を与えた歴史的意義の深い作品として、連載第1回目にご紹介させていただきました。

今回初回ということもあり、概要の説明もまじえてかなり長文となってしまいましたが、みなさまいかがでしたでしょうか。『Half-Life 2』は今回取り上げた以外にもまだまだネタのつきない作品で、というよりも開発元の〈Valve〉自体がゲーム業界の異端児かつ先行者といった感じで、本当に話題に事欠きません。というよりもむしろ台風の目のようにつねに話題の中心にいるような会社です。

おそらく今後の連載でも何度もその名前を見ることになるでしょう。その意味でもそんな〈Valve〉の代表作の『Half-Life 2』はぜひ取り上げようと思いました。

さて次回は、視点を変えて今年発売された最新のゲームのなかからひとつ紹介させていただきたいと思います。最後までご拝読ありがとうございました。それではまた会いましょう。



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NaBaBaNaBaBa
CGイラストからアナログ絵画、パフォーマンスや文章執筆までマルチにこなす、本業は駆け出しのゲームデザイナー。三度の飯よりゲーム好き。座右の銘は高杉晋作の「おもしろき こともなき世に おもしろく」。

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