「R」と一致するもの

Autre Ne Veut - ele-king

 オート・ヌ・ヴの音楽、そして彼のR&Bの前に、性愛が肉体的なものか精神的なものかという問いはじつに粗暴に感じられる。アーサー・エイシンが歌いたいのは、肉の表面に宿る彼の心である。多くのレヴュワーが女性器ではないかと解釈した『ボディ』のアートワークを、それでも誰も単純なポルノグラフィとしてとらえなかったのは、それが肉体的なものであると同時に彼の心そのものの表現だと感じたからだろう。「圧倒的でグロテスク、しかしそれと同じだけ繊細で美しく、優しいもの」とエイシンは表現しているが、それはおそらく彼にとってのR&Bと同様のものだ。肉であり心、そのように聴くとき、エイシンの歌のエロティシズムは音楽というボディ自体の強度となる。そして今作『アンギザエティ』は、そのダイナミズムをシンプルに取り出すことに成功している。

 昨年のハウ・トゥ・ドレス・ウェルのセカンド・フル、今年に入ってすぐのトロ・イ・モワのサード・フル、そしてもうじき発表されるインクのファースト・フル。少なからずインディ・ミュージック・ファンには意識されていることだろうが、ポスト・チルウェイヴやその傍流にある音などの一部が、ストレートなR&B志向を強めている。挙げればもう少しあるが、アンダーグラウンド・シーンから誕生したシンガーたちによるポップス回帰の流れは、一種のノスタルジーを巻き込みながらも、確実に新しくリアルな息づかいを感じさせている。オート・ヌ・ヴによる本作も、まずは同種の傾向を深めている点を指摘しなければならないだろう。ティンバランドや、もしくはケシャやケイティ・ペリーを手がけるドクター・ルークなど、ヒットチャートを参照するかのようなリッチでクリアなプロダクションが手にされ、スムーズな手触りのソング・ライティングが行われ、アンダーグラウンドなムードを紙一重のところで抑えている。

 だがオート・ヌ・ヴは、そもそもはインディ・ロックとインディ・ダンス、シンセ・ポップなどの混交点に忽然と湧きあがり、チルウェイヴのムードと併走しながら思い思いにアンビエントやドローンやノイズ・ミュージックなどへと散開していった、2010年前後の大きな流れを背景に登場してきたアーティストである。2010年のデビュー・アルバムは〈オールド・イングリッシュ・スペリング・ビー〉から、2011年のEP『ボディ』は〈ヒッポス・イン・タンクス〉から、2011年には、〈ロー・レコーディングス〉主宰ジョン・タイが参加するバレアリック・デュオ、シーホークスとのスプリット・シングルを発表していることも記憶に新しく、今作は〈ソフトウェア〉だ。これらの名称からも彼が活動してきた文脈や背景がアンダーグラウンドなシーンに根ざしていることは明らかだろう。

 だから〈ソフトウェア〉からリリースされていることは、本作から彼らを聴きはじめる人にとっては最大の紛らわしさかもしれない。エイシンは、主宰のフォード&ロパーティンの片割れ、鬼才ダニエル・ロパーティン(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)とは大学時代のルーム・メイトであり、少なからぬ影響を受けているようである。だが、彼らのように硬質で冷たい批評性を光らせたエイティーズ・レトロスぺクティヴとエイシンのそれはまったく違う。そして今作のストレートなポップ志向も、ロパーティンらの諧謔とはまるで異なるものだ。それはもっと衝動的で、同時にそれを抑圧しようとするような奇妙な苦しさが漂っている。両者はともに知的な存在だが、ふたりの盟友の間のこの熱と冷気の対照には、思わずぐっときてしまう。

 ひりひりと胸をしめつけるようなエイシンの熱情(とその苦しさ)は、アルバムすべてを細く強い糸となって結んでいる。その糸の名を「アンギザエティ」と呼ぶことができるだろう。エイシンが慢性的なうつ病であるというだけでなく、このタイトルには彼がここ数年抱いてきた対人不安や家族不安、社会不安などが反映しているという。エイシンの音楽に暗さは感じられないが、彼のヴォーカルからはそのエモーションのありったけを受け取ることができるだろう。その過剰なエネルギーとエモーションが不安の裏返しであることは想像に難くない。緩急をつけながらも音数を少なくしていく後半の展開は、メロディの肉感的な美しさをむき出しにしていく。プリンスのようにウォーミーなシンセ・サウンドも健在だ。
 "エゴ・フリー・セックス・フリー"というタイトルにはまた彼の身体観がよく表れている。肉体を自由にすれば、精神も自由になる......通りすがりの男性が話していた言葉から拝借したということだが、それは肉と精神がほとんど不可分なものとして捉えられているということだ。この曲はきわめてエモーショナルでありながら激しいシンコペートによって身体的な吃音を揺さぶり出す、当世最高のボディ・ミュージックでもあるかもしれない。

 蛇足ながらアート・ワークについて。本来この額縁のなかにはエドゥアルト・ムンクの『叫び』が収められていた。サザビーでのオークションにかけられた模様を再現し、現代人の不安(=『叫び』そのもの)を取り出して、現代の資本家たちのフレームのなかに収めてしまえという意味をこめたものだそうだ。奇妙なところでとんちをきかせるのも彼らしい。
 それから、国内盤の価格はここまできている。価格の決定には努力だけではままならない事情が様々にあるとはいえ、1600円台には頭が下がる。

Felicity Live - ele-king

 七尾旅人や前野健太、やけのはらやドリアンなどのリリースで知られる〈フェリシティ〉主宰のイヴェントが3月6日、渋谷のwwwで開催される!!! その日、新作『NEWCLEAR』をリリースするアナログフィッシュ、3月18日に待望のセカンド・アルバム『SUNNY NEW LIFE』をリリースするやけのはら、そして、その日に雑誌『快速マガジン&東京ビデオ』を刊行する快速東京(いまもっとも好き嫌いが分かれているダンス・ロック・バンド)の3組が出演です。みなさん、新曲をひっさげてのライヴなので、要チェックですね。ちなみに横浜Fマリノスのゲームシャツを着て行くと割引が......ないそうですね、はい、お間違えなく。
 蛇足ですが、『快速マガジン』内では『ニュー速東京』という、くっだらない愚にもつかない企画ページを野田努+三田格が担当しています(採用されていればですが......)。ele-ingとしては、見るのが怖いです。しかし、快速東京のライヴは見たほうがいいでしょう。会場が踊ってばかりの国になります。新曲を聴きたいです。

 会場では快速東京、一ノ瀬雄太デザインによるTシャツも発売します。3月6日、会場は渋谷www。

3.W.3. Felicity Live At WWW, March 2013.
THREE IMAGINARY ACTS. フェリシティ、三月の発売記念スリーマンライヴ!

出: Analogfish 快速東京 やけのはら

日程:3/6(水)
会場:東京 shibuya www
開場 / 開演:18:00 / 19:00
料金:前売 ¥3,000(税込・1ドリンク別/整理番号付)

チケットぴあ(189-990 ):https://t.pia.jp/ 電話予約:0570-02-9999
ローソンチケット(74995):https://l-tike.com/ ※電話予約なし
e+:https://eplus.jp/

お問合せ:会場:03-5458-7685

企画制作:felicity / SPACE SHOWER NETWORKS INC.

新しい宇宙が見えるかもしれない - ele-king

 ジェフ・ミルズ×毛利衛。思えば意外な組み合わせではないのかもしれない。昨年ふたりは初めて対面し、お台場の日本科学未来館ではトーク・セッションも行われたが、ジェフが宇宙に寄せるあまりにも一途で純粋な思いは、彼の質問や、毛利の回答に目を輝かせる様子からもありありと伝わってきた。また一方で、毛利の宇宙観も近年では「ユニバソロジ」という科学者としてはいっぷう変わった概念へと結実していて、その広がりのなかに今回のようなコラボレーションが生まれたことは不思議ではない。

 トーク・セッションで印象に残った話のひとつに、光(闇)の体験談がある。それは「宇宙の黒を知っていますか」――言い回しに異同はあるかもしれないが――というような問いかけからはじまる。われわれが普段「黒」と認識している色は、光の反射によって認識されている「黒色」だ。ざっくりと言えば、光が黒いものに当たり、それが反射され、われわれの目に「黒」という色が映っている。だが宇宙の黒は違う。宇宙では光が返ってこない。光は行ったきり戻ってこず、そこに存在するのは、何の反射でもない、まさに無の光(闇)。あの真っ暗さは黒とは明らかに違うのだ......。
 『ホエア・ライト・エンズ』というタイトルからは、思わずこの話が思い出された。光が終わるところとは宇宙なのか、それとも。

 毛利衛によるオリジナル・ストーリーと、それをもとに制作されたというジェフ・ミルズの最新音源を収めた『ホエア・ライト・エンズ』。これは貴重なコラボレーションであるばかりでなく、新しい宇宙のイメージが歴史に書き重ねられる瞬間であるかもしれない。アルバム収録は初だというリミックス音源も期待される。

ジェフ・ミルズの新作『Where Light Ends』は日本科学未来館館長・宇宙飛行士 毛利衛氏とのコラボ!!

テクノシーンを代表するDJ/プロデューサーであるJEFF MILLS(ジェフミルズ)。伝説的なテクノ・ユニット、Underground Resistanceの一員として活動していた活動初期、そしてソロとして活動を開始してから現在に至るまで、“宇宙”というテーマにこだわり続け、多くの作品の中で表現し続けてきたアーティストだ。

昨年、自ら主宰する音楽レーベル〈Axis Records〉が創立20周年を迎え、その活動の集大成として20周年記念盤『SEQUENCE』をリリースし、同時に新章へと向けた展開を開始、その第一弾となる作品はなんと、1992年、スペースシャトル、エンデバーに日本人として初めて搭乗した毛利衛氏とのコラボ作品だ。

現在、日本科学未来館館長を務める毛利衛氏とJEFF MILLSは昨年2012年に初対面。様々な意見が交換されると同時に、毛利氏はJEFF MILLSに未来館の「Geo-Cosmos」(1000万画素を超える高解像度で、宇宙に輝く地球の姿を映し出す有機ELパネルを使った世界初の地球ディスプレイ。日本科学未来館のシンボル展示)が展示されるシンボルゾーンで流れる音楽の制作を依頼(これまでは坂本龍一氏によるオリジナル音楽が流れていた)、またJEFF MILLSは、エレクトロニック・ミュージックとスペーストラベルを毛利氏とミックスしていくというアイデアを提案、毛利氏が快諾したことにより、2つの音楽プロジェクトが始動することになった。

JEFF MILLSが音楽を製作するにあたり、実際に宇宙空間に身をおいた毛利氏の宇宙観を共有するため、毛利氏がオリジナル・ストーリーを作成、これを元にジェフ・ミルズは最新作『Where Light Ends』を制作したということで、2人の出会いによって誰も想像し得なかったコラボレーション作品が誕生することになる。

なお、この作品は2CDとなっており、DISC2には日本人リミキサー陣による作品が収録される予定。過去、JEFF MILLSの作品をリミックスしたのは、KEN ISHIIとBEN SIMSの2人のみで、これらの楽曲も数量限定の12インチアナログとして発売されたのみ。JEFF MILLSの楽曲のリミックス作品が収録されるのは今回が初めてとなるということなので、そのラインナップが気になるところだ。

JEFF MILLSの新作「Where Light Ends」は3月27日にU/M/A/Aより発売される。

【商品情報】
テクノシーンを代表するDJ/プロデューサー ジェフミルズと日本科学未来館館長・宇宙飛行士 毛利衛による最強宇宙コラボ!

JEFF MILLS
「Where Light Ends」

2013.3.27 release


Cat No.:UMA-1015-1016
価格:¥2,580 (税抜 ¥2,457)
仕様: 2CD / ブックレット / ジュエルケース

[DISC 1] "Where Light Ends" オリジナルアルバム
1. T-Minus And Holding
2. STS-47; Up Into The Beyond
3. Light Of Electric Energy
4. Black Cosmic Space
5. Earth And The Geo-Cosmos
6. Life Support
7. Centerless
8. The Inhabitants
9. Deadly Rays (Of A Hot White Sun)
10. Extra Solar Planets (WASP 17b)
11. Way Back

[DISC 2]リミックス集
日本人アーティスト達によるリミックス曲を収録。

[ブックレット]
毛利衛(日本科学未来館館長・宇宙飛行士) によるオリジナルストーリーを収録したブックレットを封入、Jeff Millsによる作品解説、各リミキサーによる作品解説収録予定。

interview with DIVORCE Music (Darcy Spidle) - ele-king

「モントリオールは不正な行政の不正な都市であり、多くの狂った計画と同時に、しかし、多くのマイナーな奇跡がある美しく腐った町だ」と、GY!BEは語っているが、その「多くのマイナーな奇跡」は、モントリオールからずっと東の小さな小さな町、日本人のほとんどが記憶にないであろう、ハリファックスでも起きている。その小さな小さな町からさら東に離れた、北大西洋沿いの小さな小さな小さな村のシェゼットコックには、20年以上も続いているレーベルがある。名前は〈ダイヴァース〉、昨年末リリースされたユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・へヴンのデビュー・アルバムが都内のレコード店で話題となったことで、ささやかながら注目を集めている。

 〈ダイヴァース〉のレコードを手にして、鼻を近づければ、潮のにおいがするかもしれない。いや、気のせいだろう。だが、レーベルを主宰するダーシー・スパイドルが、近場の海でサーフィンをやりながら、作品を出していることは本当だ。その合間に彼は、地元のライヴやフェスティヴァルに協力している。
 それにしても、ウェットスーツを着たごつい男が、ティム・ヘッカーやグルーパーを愛聴するというライフスタイルは、趣味の良い日本人からすると奇妙に見えるかもしれない。波に乗ったあと部屋に戻って、マイ・キャット・イズ・アン・エイリアンを聴くなんて。
 しかし、波の音とドローンはミックスされ、北海道よりも緯度が高い場所で暮らしながら、サーフボードはエレクトロニック・ミュージックの海を浮かび、レイドバック音楽を背後に、ピエール・バスタインやエイメン・デューンズを聴いている。それは、インターネットが普及したとんに、わざわざ限定のアナログ盤やカセットのリリースが拡大したこととも関連しているだろう。つまり、「多くのマイナーな奇跡」が起きたことで切り崩され、創出された。それがいま我々が接しているDIY文化、いわゆるアンダーグラウンド(インディではない)・シーンなのだ。

多くの、そして小さなレーベルがカナダにはある。それらレーベルはこの国に、強いシーンを育てようとしている。君が知っているようなカナダのアーティストは、最初はみんなカナダの小さなレーベルからデビューしている。この数年で、カナダの音楽シーンはとんでもない成長を遂げている。

あなたのバックボーンについて教えてください。

D:もともとは、自分の音楽を発表するために〈ダイヴァース〉をはじめた。僕はまだ若く、地元の音楽産業をちょっと経験したぐらいだった。でも、産業は僕のものではなかった。僕の求めているものではなかったんだ。そのとき、僕は、音楽ビジネスの怖さを覚えたと言っていい。
 僕は自分の作品を出して、それをひとりでやりたかった。最初はCDRのリリースからはじめた。初期のリリースは、まったくの手作りだった。リリースのスケジュールを守るために、ずいぶんと労力を要したものさ。
 やがて、僕はディストリビューターや製造業者と付き合うようになった。そして、自分以外のアーティストの作品のリリースもはじめる。だけど、基本は変わっていない。僕は、ブラック・フラッグの〈SST〉から大きな影響を受けている。80年代前半、アメリカのパンク・ロックは、北米におけるインディペンデント・レーベル文化の基礎を築いた。その流れで生まれたモンリオールの〈エイリアン8〉というレーベルからもインスピレーションを受けた。日本のメルツバウ、マゾンナ、中嶋昭文など、素晴らしい実験的な音楽をたくさん出していたからね。

レーベルは何故〈ダイヴァース〉(別離/離婚)と名付けられたのでしょう?

D:僕がメインストリームの音楽産業から離れたかったからだ。僕は、本当に産業を嫌悪した。〈ダイヴァース〉は、絶対的な「別離」の試みだった。レーベルをはじめたばかりの週末のことだった。僕は自分の住んでいる町のポストにこんなフライヤーを投函してまわった。「音楽はゴミだ。音楽と絶縁せよ(Music is Garbage.DIVORCE Music)」。ずいぶん愚だったけれど、それがそのときの僕だった。


シェゼットコックにあるこの家で暮らしながら、レーベルを続けている

この10年、カナダのアンダーグラウンド・シーンは他国との交流も盛んで、とてもたくさんの成果を生んでいると思います。

D:まさにその通り。この10年はカナダの音楽にとってとても重要な時期だった。大きな都市のシーンはそれぞれ特徴を持って発展している。また、インターネットによって、アンダーグラウンドの音楽家たちは10年前より自由な活動をなしえるようになった。また、ここカナダには、若干とはいえ、適切なアート資金提供プログラムがある。カナダの才能ある人がアーティストでいられることは現実的なオプションのひとつなんだ。
 といっても、それは簡単なことではない。ライヴ・シーンは、アンダーグラウンド・ミュージックをサポートするにはまだ小さい。本当に成功するためには、アメリカとヨーロッパに進出しなければならない。いくつかの実務業務と財政のため、それは多くのカナダのアーティストにとって大きなタスクとなっている。

あなたは、レーベル活動のため、音楽が盛んなモントリオールに引っ越しませんでしたよね?

D:モントリオールはたしかにカナダでもっとも栄えた音楽都市だ。多くの友人、バンド仲間もモントリオールに移住している。しかし、僕はモントリオールに行かなかった。ノヴァスコシアに留まって、ここを離れるつもりはない。

ハリファックスがもっとも近い地方都市ですが、そこには音楽シーンがありますか?

D:ハリファックスには、強い音楽シーンがつねにある。ホントに小さな町だけれど、そこには、何百ものバンドとアーティストがいる。アンビエント、エレクトロニック、それからハードコア・パンクまで、あらゆるジャンルがある。
 レーベルもいくつもある。たとえば〈Electric Voice〉〈Snapped in Half〉なんか。しかも、たくさんの国際的なフェスティヴァルもある。「Halifax Pop Explosion」、我々が関わっている「OBEY Convention」。いろいろある。
 僕たちの町は小さいから、カナダの大都市からもアメリカからも孤立しがちになる。そこからバンドを連れてくるのも難しい。だからこそ逆に、地元のオーディエンスとバンドは互いに深くインスピレーションを与え、支え合っていると言える。それが音楽コミュニティの形成に役立っているんだ。


USのフリー・ジャズ・ドラマー、Jerry Granelliも〈ダイヴァース〉から作品を出している。
ハリファックスでの演奏 (photo by Pierre Richardson)


アルバムを控えているJfm@OBEY Convention 5 in Halifax (photo by Pierre Richardson)


Darcy and Courtney@Electric Voice in Halifax

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大量生産の果てに生まれたCDは、いまや無限に複製されるデジタル音楽となっている。ゆえに、アナログ盤とカセットが限定盤(有限)としてリリースされることには意義がある。リスナーにとっても、100個しか作られないカセットのひとつを買うことは、急進的で、冒険的な行為なんだ。

グルーパー、USガールズ、ゲイリー・ウォーなどといった僕らの大好きな実験的なアーティストと〈ダイヴァース〉はとても友好的な関係にあるようですね。

D:僕はハリファックスでその人たちがやるときはいつもサポートしている。その人たちの演奏を聴いたときは、本当にぶっ飛ばされた。彼らはすでに世界的クラスのアーティストだった。
 僕が彼らの音楽を好きな理由は、音楽のなかで自分の本当の感情を伝えるために実験的な手法を取っているというところにある。進歩的な考えと感情との組み合わせが、僕は彼らの音楽のなかでもっとも惹きつけられる点だ。

いままでどのくらいリリースしているんですか?

D:正確な数はもう憶えていない。カタログ上では、いま52枚リリースしたことになっている。そこには、2~3のデジタル・リリース、アナログ盤、カセット、それからジンも含まれる。あともうすぐ発表される『Lowlife』という映画との関連作品もある。


映画『Lowlife』から

インターネットの普及がいろいろなものを破壊的なまでに変えてしまいました。カナダはいかがでしょうか?

D:カナダも日本と同じだと思う。ほとんどの音楽はネット上にある。音楽リスナーにとっては良い時代だと言えるだろう。アーティストにとっても自分の露出が増えたわけだから、ポジティヴな効果もあると言えばある。だが、供給は増え、需要は減少している。しかも、多くのリスナーは、アルバムが商品だった時代にくらべて、音楽にありがたみを感じていないかもしれない。
 とはいえ、こうしたなかで前向きな活路を見いだしているアーティストもいる。たとえばティム・ヘッカー。ツアーをして、限定盤を発表する。グルーパーもそういうタイプだ。彼らは実験的なやり方で生計を立てている。10年前、彼らのような規格外のアーティストが世界的な支持を得ていたとは思えない。これは、自分たちが本当に尊重したいアーティストとレーベルを自分たち自身でサポートするという、リスナーの純粋な気持ちがもたらしている事態だ。実際、多くのリスナーはその選択を選んでいるし、ますますそのようになると僕は思っている。

オンライン・マガジンの『Weird Canada』を見ると、多くのレーベルやアーティスト、たくさんのカセットのリリースも見つけることができます。カナダのアンダーグラウンド・シーンは健康な状態だと言えますか?

D:そう思う。多くの、そして小さなレーベルがカナダにはある。それらレーベルはこの国に、強いシーンを育てようとしている。君が知っているようなカナダのアーティストは、最初はみんなカナダの小さなレーベルからデビューしている。『Weird Canada』は、アンダーグラウンド・コミュニティを育て、そして繋ぐ役割をしている。この数年で、カナダの音楽シーンはとんでもない成長を遂げている。

今日、アンダーグラウンド・シーンでは、アナログ盤とカセットでのリリースが主流になっています。こうした傾向に対するあなたの意見を聞かせてください。

D:デジタルの飽和状態が続くなか、アナログ盤のリリースは有益だと思う。単純な話、音楽リスナーにとって本当に好きな盤であるなら、手元に置きたいと思うだろう。そして、アナログ盤があって欲しいと願うと思う。大量生産の果てに生まれたCDは、いまやデジタル音楽として無限に複製されている。ゆえに、アナログ盤とカセットが限定盤(有限)としてリリースされることには意義がある。リスナーにとっても、100個しか作られないカセットのひとつを買うことは、急進的で、冒険的な行為なんだ。
 作品とリスナーとの関与の仕方についても、こうしたリリースには考えさせられるものがあるんじゃないかな。デジタルに複製され、ばらまかれたものを「黙って買え」と言われるより、よほど身体的な関係性が生まれるわけだから。

あなたが昨年出したYou'll Never Get To Heavenのデビュー・アルバムがとても気に入りました。あなたは彼らのどこが好きなんですか?

D:YNGTHは、その実験性と感情へのアクセスがスムーズなところが良いと思う。実に珍しい混合の仕方をしている。初めて聴いたとき、瞬く間にその世界にハマってしまった。従来のポップス構造の範囲内で、彼らのような合成の仕方でアンビエントの組成物を利用することは、珍しいと思っているんだ。彼らは大きなバンドだと思っている。この先、将来、彼らといっしょに何かできると良いと思っている。

この先の予定について教えてください。

D:4月は、トロント電子音楽とヴィジュアル・アーティスト、JfmのためのLPを控えている。そして我々は、ベルリン/トロント作曲家エイダン・ベーカーによるとびきり重たいドローンのLPも出すよ。



最後に、あなたのオールタイム・トップ10を教えてください。

D:それはタフな質問だ。以下、大きな影響をもらった作品を挙げておく。これらの作品はつねに聴いている音楽ではない。しかし、明らかに自分が取り憑かれたように聴いた作品だ。僕に新しい世界の扉を開けてくれた作品なんだ。

Alice Coltrane - Journey in Satchidananda
Kraftwerk - Radio Activity
Ornette Coleman - The Shape of Jazz to Come
John Fahey - Days Have Gone By Vol. 6
Black Flag - In My Head
Pharoah Sanders - Karma
The Boredoms - Vision Creation Newsun
Merzbow - Pulse Demon
Discharge - Hear Nothing See Nothing Say Nothing
Peter Brötzmann - Machine Gun


ダーシー・スパイドル

Chart - JET SET 2013.02.18 - ele-king

Shop Chart


1

坂本慎太郎 - まともがわからない (Zelone)
1stソロ・アルバム『幻とのつきあい方』から約一年。坂本慎太郎待望の新作7インチがリリース。坂本慎太郎が劇中音楽を担当するテレビ東京ドラマ24「まほろ駅前番外地」のエンディング・テーマの為に書き下ろした新曲「まともがわからない」。そして、カップリングにも新曲「死者より」を収録!!

2

Med, Blu & Madlib - Burgundy Ep (Bang Ya Head)
Med、Blu、そしてMadlibという注目タレントのトライアングルが放つ全9トラック収録Epが、新興レーベルBang Ya Headからリリース! Georgia Anne MuldrowやDj Romesも参加した話題盤!

3

V.A. - Soul Spectrum Records Vol.1 (Jazzman)
既に廃盤となっている人気曲も多数収録。しかもAshley BeedleとTom Nobleによるリエディット収録でボーナス7"まで付いた超強力コンピ!!

4

Asphodells - Ruled By Passion, Destroyed By Lust (Rotters Golf Club)
クラブ・ミュージックとサイケデリック・ロックを誰よりも鋭く高次元で融合させたインディ・ダンス・オリジネイター、Andrew Weatherallの最新ユニットによる待望のニューアルバム!

5

Kh - The Track I've Been Playing That People Keep Asking About And That Joy Used In His Ra Mix And Daphni Played On Boiler Room (Text)
もちろん今回も即完売必至。凄まじく長いタイトルで届けられた、タイトル通りJiaolong主宰Daphniもプレイしまくりで話題のトライバル・ミニマル完全限定プロモがこちらです!!

6

Dj Fett Burger & Dj Grillo Wiener - Disco Tre & Disco Fire (Sex Tags Ufo)
Sony Norgから、Annieとのミックス作品をリリースすることでも知られる、Dj Fett Burgerと、Dj Grillo Wienerによるスプリットシングル!

7

V - 13th District Ep (Nuearth Kitchen)
シアトルを拠点とする先鋭レーベルNuearth Kitchenからの登場となるのは、ファンクやジャズへの傾倒著しいエクスぺリメンタルなハウス作品を披露するVakulaの新プロジェクト"V"名義でのフル・アルバムが待望の入荷!

8

Lucas Arruda - Sambadi (Favorite)
Azymthを彷彿とさせる超絶品。Favoriteからのメロウ・ブラジリアン・フュージョン・グルーヴ!ブラジル・リオ出身の新鋭クリエイター、Lucas Arruda。おなじみFavoriteから、Andre Solomko Meets Azymthなデビュー・7インチ!

9

Oh No - Disrupted Ads (Kashroc Entertainment)
『Ohnomite』,『Dr. No's Kali Tornado Funk』を経てリリースされるドス黒最新アルバム!ゲスト陣はBlu、Med、Gangreneといったお馴染の面々に加え、Chali2naとRoc 'c'によるコンビ=Ron ArtisteやGeorgia Anne Muldrow、Souls Of Mischief、9th Wonderの秘蔵っ娘Rapsodyらが参加!

10

Angeline Morrison - The Feeling Sublime Ep (Freestyle)
4曲とも凄いソウルフル・ポップ・ヴォーカル驚異の新人!Lack Of AfroやFrootfulの作品にフィーチャーされていた白人女性歌手Angeline Morrisonのソロ・デビュー7インチ!

Roberto Fonseca - ele-king

 キューバの新世代ジャズ・ピアニスト、ロベルト・フォンセカは、イギリスのDJジャイルス・ピーターソン(今回も2曲で共同制作)のプロジェクトや、そこから派生したMALAのアルバムに参加し、クラブ系の音楽のファンにも知られるようになってきた。彼は90年代末には、世界的な話題を呼んだキューバの長老ミュージシャンたちのプロジェクト、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにも関わっていた。しかしこの最新作は彼のこれまでの仕事とは大きく異なっている。

 アルバムはトライバルな打楽器類が鳴り響く中にジャズ/フュージョン的なピアノやオルガンやベースが合流してくるテンポの速い「80's」からはじまる。いささか国籍不明なこの曲に続く"ビビサ"はマリ共和国の歌姫ファトゥマタ・ジャワラの歌をフィーチャーした曲で、マリのマンデ系の音楽色が強い仕上がりだ。途中ひょうたんハープのコラの透明感のある演奏がフィーチャーされ、ロベルトのピアノもリズミカルなアルペジオのフレーズでそれを支える。しかもやたら抒情的なピアノ演奏で終わる。
 その後もアメリカ南部のゴスペル風のピアノやコーラスに地球環境に思いをはせた英語詩の朗読がのっかる"ミ・ネグラ・アベ・マリア"、マンデ系の演奏とキューバ風の演奏が並行したまま進んで行く"7ラジョス"、アルジェリア系フランス人歌手フォーデルがうたう変拍子の"チャバニ"、マンデ・ジャズ/フュージョンな演奏のなかでベースがモロッコの音楽グナワ風のフレーズを弾く"グナワ・ストップ"、ドラムンベースを意識したリズムにフュージョン的なキーボードがからまる"ラチェル"、キューバのグァヒーラのリズムにサンタナのようなひずんだギターが入る"JMF"、キューバ系のリズムに西アフリカ風の哀愁味のある歌がのっかる"キエン・ソイ・ジョ"......など、ロベルト・フォンセカはキューバの音楽と北・西アフリカの音楽のパッチワークに終りのない情熱を燃やしているように見える。いちばんスムーズなジャズ/フュージョンの"エル・ソニャドール..."ですら、キューバのコンガの隣で西アフリカのトーキング・ドラムが鳴っている。

 新大陸やカリブ海の音楽とアフリカの音楽の接点を探る動きは21世紀のジャズ/ワールド・ミュージックの潮流のひとつで、このアルバムもその歴史の流れに身を投じようとしたものだろう。模索の過程を作品化したような作品も多いが、豊富なアイデアが楽しめるし、完成は音楽にとっては袋小路に入ることでもあるから、この試行錯誤、行方を見守る価値は十分にある。

Pick Up -shrine.jp - ele-king



97年に設立され、ひとつの哲学のもとに独自のIDMを模索しつづける国内レーベル、〈シュラインドットジェイピー〉をele-kingの視点でご紹介しよう。注目するのは、2011年よりほぼ毎月のペースでリリースされてきた21タイトル。主宰である糸魚健一のブレない音響観やアート・ワーク、繚乱と展開される各アーティストのサウンド・デザインを楽しみたい。国産のエレクトロニカやIDMの水準をしっかりと感じ取ることができるだろう。

Conny Plank / Various - ele-king

 『TECHNO definitive』の文中に、結果、もっとも多く出てきた固有名がノイ!だったことは、何度か話したが、さらに言えば、結局のところこれは、テクノの誕生においてコニー・プランクがもっとも重要な人物であるという、当たり前にして当たり前な結論が導き出されたということでもある。クラウス・ディンガーが「誓って」言っているように、「コニーがいなければノイ!はありえなかった」のだ。
 言うまでもないことだが、コニー・プランクは、クラフトワークとクラスターという電子音楽宇宙の2大巨星の生みの親である。1963年からケルンのスタジオで働き、マレーネ・ディートリッヒやシュトックハウゼンの仕事を身近で見ながらフリーのサウンド・エンジニアとなった彼は、クラウトロックの音の創造の現場で能力を発揮したばかりではない。まだ若かったバンドの経済面の面倒まで見た。そして、彼の音への追求心は、初期のクラウトロック(クラフートワーク、ノイ!、ラ・デュッセルドルフ、クラスター、ミヒャエル・ローター、アシュ・ラ・テンペル、カン等々)やアンビエント(ブライアン・イーノ等々)からポスト・パンク(ウルトラヴォックス、DAF、ディーヴォ、Phew等々)まで素晴らしい成果を残している。コニー・プランクの名前を冠したコンピレーション盤が出るのは必然であり、喜ばしい限りである。

 この4枚組のボックスには、22曲のコニー・プランクのプロデュースによる楽曲、1枚のリミックス集、そして1枚のライヴ音源(クラスターのメビウスとの1986年のメキシコでの演奏)が収められている。僕が真っ先に聴いたのは、もちろんこのライヴ音源だ。プランク作品のファンにとって、メビウス&プランク名義の一連の作品は、もっとも高次な楽しみなのだが、そうした期待を裏切らないどころか、ふたりのテクノオヤジのホモルーデンスとしてのふざけっぷりに口元がゆるまずにはいられない。ドイツ語とスペイン語が飛び交うなか、ヨーデルの残響がこだましたかと思えば、腐敗した電子音とインダストリアル・ビートが飛び出す。録音が悪いのは仕方がないとはいえ、これは発表するに値する(ごくごく初期のDAFを彷彿させる)。

 2枚のプロデュース作品集は、あらためてコニー・プランクのスリルに満ちた電子サウンドを聴ける。いまや封印されているクラフトワークの初期の作品がここに入らなかったことは残念だが、ここには、ノイ!、ラ・デュッセルドルフ、ミヒャエル・ローター、DAF、Phew、ユーリズミックス、メビウス&プランク、イーノ/メビウス/レデウスといったお馴染みの名前から、なかなか手に入りづらい伝説のバンド、Ibliss(クラフトワークの前身のOrganisationのメンバーが在籍していたころで知られる)の音源、〈スカイ〉レーベル時代の音源でもなかなか手の届かないStreetmark、たった1枚の7インチしか残さなかったPsychotic Tanks、同じように、Fritz Müllerといったほとんど知られていないアーティストの音源が収録されている。〈ドラッグ・シティ〉から発表されたメイヨ・トンプソンとの共作も入っている。ポスト・パンクの感覚が強調されているように思うが、CD1の8曲目のメビウス&プランクの"Conditionierer"を楽しめない人は手を出さないほうがいい。
 逆に、"Conditionierer"のモータリック・サウンドがたまらなく気持ち良いと思える人にとっては、これは宝石箱である。ドイツで生まれたテクノの決定的なコンピレーション盤だ。CD3のリミックス集に関しては、リミキサーの名前だけ挙げておこう。Walls(コンパクトからの作品で知られる)、Automat (イタロ・ディスコ)、Justus Köhnke(コンパクトからの作品で知られる)、Fujiya & Miyagi、Eye、Crato(コンパクトからの作品で知られる)......、Eyeはノイ!の『2』の1曲目、Fujiya & Miyagiは"Conditionierer"、CratoはPhewの曲を手がけている。

 コニーズ・スタジオの貴重な写真で構成されたブックレットも素晴らしい。ドイツの田舎の当時のスタジオの雰囲気を垣間見れる。またブックレットには、ブライアン・イーノ、ホルガー・シューカイ、ミヒャエル・ローター、アニー・レノックスらが泣かせる文章を寄せている。とくに僕は、シューカイの文章がとても気に入った。彼は純粋な音楽バカだったコニー・プランクの人柄について書いている。デヴィッド・ボウイですらスタジオから追い返すほど、貨幣のためには動かなかった反商業主義的な一面を紹介して、深夜のラジオ番組でふたりで作った曲をかけたときのエピソードで話を結んでいる。あるリスナーがいますぐ気味の悪い音楽を止めて欲しいという苦情の電話してきたそうだ。シューカイはこう書いている。「だが、不安を感じているときこそ、もっとも音楽を楽しめるものだ。そうだろう、コニー?」
 しかし、いまさらこの音楽から不安を感じる人もいないだろう。むしろ、彼は人びとの悦びのためにやっていたとしか思えない。

interview with Unknown Mortal Orchestra - ele-king

 いったいいつからそこに洗いざらされていたのかわからない......何十年も風雨を凌いだようにも、またつい昨日そこに置かれたばかりのようにも感じられるUMOのサウンドは、タイムレスという表現ではなく、ロスト・タイムと形容するのがふさわしいかもしれない。
 オープンリール式のテープ・レコーダーやディクタフォンなどを用いながら、丹念に音を作っていくというルーバン・ニールセンは、アリエル・ピンクからえぐみをとったような、ヴィンテージだがトレンドを突いたローファイ感をトレード・マークに、サイケデリックなファンク・ロックを展開し10年代シーンに頭角を現した。今月リリースされたセカンド・アルバムでは、グラム・ロック風の楽曲などUKロック的なアプローチをさらに強め、ポップ・アルバムとしての幅を広げた印象だ。
 しかしUMOの音は、懐古趣味というにはあまりにいびつで、ニュー・スタイルだというにはあまりに時代掛かっている。どこに置いても少しずつ違和感を生んでしまうような、いつの時代からもロストされ、どの思い出にも安住できないような、微量の孤独を感じさせるところに筆者は無限の共感を抱くのだが、その心は実のところは如何ばかりか。

 今回、ホステス・クラブ・ウィークエンダーへの出演のため来日していたメンバーに話をきくことができた。中心人物であるルーバン・ニールセンと、ベースのジェイコブ・ポートレイト。ルーバンはよく知られるように、以前はニュージーランドの老舗インディ・レーベル〈フライング・ナン〉の重要バンド、ザ・ミント・チックスを率いて活躍していた人物でもある。場所をアメリカに移し、ひっそりとこのサイケ・プロジェクトをはじめていたわけだが、ルーバンのソングライティングの底にあるものは、自身が述べているように、どこにも属することなく渡り歩くブルースマンのそれに似通ったところがあるのかもしれない。古今東西の音が審級もなく膨大に蓄積されつづけるネットワークのなかを、静かな光を放ちながら漂泊するUMOの音楽に、そのイメージはいくばくか重なっている。われわれが惹きつけられ、共感を抱くのは、ルーバンのそのようなあり方に対してでもあるだろう。

古い機材にこだわっているわけでもないんだけど、いまの時代、きれいな音を出すほうが簡単だったりするからね。そうじゃないことをやろうとすると、やっぱり時間がかかるよ。でもそもそもそのままでおいしい肉がそこにあるのに、わざわざマヨネーズをつけたりいろいろな手を加えたりしてるだけかもしれないよね。

“ファニー・フレンズ”(ファースト・アルバム『アンノウン・モータル・オーケストラ』収録)が聴けて感激しましたよ。あの作品が出た頃はレコード屋で働いていたんですが、それはもう毎日店頭でかけて......

ルーバン:それは素敵だね!

はい(笑)。あの頃は〈ウッジスト〉とか〈メキシカン・サマー〉とかがまさに旬で、そのあたりと部分的に共振しながら、チルウェイヴというトレンドも爛熟期にありました。

ルーバン:そうだよね。

グレッグ:たしかに。

で、UMOのちょっとガレージーな感じ、ローファイな感じ、こもった感じ、リヴァービーな感じっていうのは、そうした当時のシーンの雰囲気ととてもシンクロしていた部分があると思うのですが、あなたがたのファンクネスは、ちょっとめずらしくて、際立っていました。UMOには、ミント・チックスの体験を引いている部分もあるかとは思うのですが、パンクからファンクへというリズムの変化があるのは、ミント・チックスやパンクに対するひとつの批評なのでしょうか?

ルーバン:基本的には、前のバンドのドラマーがあんまりファンクできる人じゃなかったんだよね(笑)。どっちかというとパワー・プレイが持ち味で。僕自身は、いまやっているような音に昔から興味があったし、父親がジャズ・ミュージシャンだったこともあって、馴染みもあったんだ。でもはじめたのはたまたまパンク・バンドだった。パンクのなかに徐々にファンキーな要素とかを入れていきたかったんだけど、なかなかああいうグルーヴは腕のある人じゃないと出せないんだよね。当時はまあ、無理だったんだ。だからバンドを離れてひとりで音楽を作ることになったときに、どうしてもちょっと古風なグルーヴを持ったものへと変わっちゃったんだよね。

なるほど、古風なグルーヴという認識なんですね。今作はちょっとグラムっぽいいうか、UKロック的な音楽性が特徴になってるかなと思います。〈ファット・ポッサム〉にはヤックとかロンドンのバンドもいますけど、アメリカでいまUKロックというのはどんなふうに聴かれているんですか?

ルーバン:ヤックとかはたしかに人気があるよね。バンドによると思うけど、「ブレイクした」って規模の話になると、アークティック・モンキーズくらいかな。

ジェイク:でも、イギリスのバンドがいまアメリカで人気を高めているかっていうと、それは疑問だね。いま「きてる」のは、やっぱりサンフランシスコのガレージ・ロック・シーンだと思うよ。ガールズとかタイ・セガールとか......。

ルーバン:アメリカでイギリスのバンドが成功するのは難しいよね。ビッグにはじけるのは、アデルとかエイミー・ワインハウスとかポップなものでさ。

そうですよね。ガールズやタイ・セガールなんかは、ちょっとヴィンテージな音づくりをしますね。UMOにも共通するところはあると思うんですが、そんなふうにレトロな音楽性に向かうのは、一種のノスタルジーからなんですか? それともいまの時代に疎外感のようなものがあったりするんでしょうか?

ルーバン:ノスタルジーっていうのはぜんぜんちがうかな。その昔を知っていないと感じられないものだからね。僕らがいま好きで聴いているサイケなものっていうのは、実際は僕らが知らない昔のものだ。ここ8年くらい、そういうものが気になってよく聴いてるんだ。僕にとってリアルにノスタルジックなのは、TLC、ブランディ(笑)、あのへんのR&Bだったら若い頃の思い出とともに懐かしむことができるよね。
 サイケデリックな音楽を聴き込めば聴き込むほど思うのは、たとえばピンク・フロイドの『夜明けの口笛吹き』とかが典型だけど、あれですべてが変わったなと思えるぐらいの衝撃度――新たなクオリティ、新たなスタンダードを設定したようなね――を伴っているところがすごいんだ。あの当時の作品のすばらしさはそこにあると思う。バンドとしての僕らのありかたは、機材だって新しいしモダンだと思うんだけど、好みのサウンドはたまたま60年代のものとかが多くなってしまうんだ。

なるほど。モダンだっていうのはすごくよくわかります。曲についてなんですが、前作も今作も、あなた(ルーバン)がとても優れたソングライターなのだなということがよくわかるのですが、プロダクションについてはどうなんでしょう? ローファイっぽさを大切にしながら、とてもこだわり抜かれた音作りがされていると思うんですね。実際のところどのくらいの時間をかけて、どんなふうにサウンド・メイキングを行っていらっしゃるんですか?

ルーバン:ドモ、アリガトウゴザイマス(笑)。すごく時間はかかるんだ。いっさい妥協しないから。古い機材にこだわっているわけでもないんだけど、いまの時代、きれいな音を出すほうが簡単だったりするからね。そうじゃないことをやろうとすると、やっぱり時間がかかるよ。そもそもそのままでおいしい肉がそこにあるのに、僕はわざわざマヨネーズをつけたりいろいろな手を加えたりしてるだけかもしれないよね。さらにはその料理の方法がすごくアナログだっていう。ローファイじゃなきゃいけないと思っているわけではないんだ。

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ゾンビーズの『オデッセイ・アンド・オラクル』はとっても好きなアルバムだけど、あれだとちょっとロックさが足りない。キャプテン・ビーフハートも好きだけど、そうするとちょっとプリティさが足りない。そのちょっとの足りなさを自分で補いながらアルバムを作っていくんだよ。

うーん、なるほどなあ。では曲についてなんですが、 “フェイデッド・イン・ザ・モーニング”などのブルージーなサイケ・ナンバーがある一方で、“ドーン”のようなシンセ・アンビエントが収録されていることは、この作品の持つサイケデリアが単純なものではないことを証明するようにも思います。“ドーン”はどのようにでき、どのような意図で収録されているのでしょうか?

ルーバン:いじりかけの曲を、すごくたくさんPCのフォルダにまとめてるんだけど“ドーン”はそのなかのひとつだったんだ。すごくいい感じにできてるから、もったいないし何かに使いたいって思ってた。今回はアルバムをぶっ通しで聴いてもらうんじゃなくて、何か箸休めというか、ブレイクがあるといいかなと考えてもいたんだよね。そんなときだよ、“フェイデッド・イン・ザ・モーニング”の詞のなかに「徹夜明けで日差しがまぶしい」って部分があるんだけど、あの時間で日がまぶしいってことは、その前に夜明けが来てなきゃおかしいよなって思って、いじりかけの曲に“ドーン”って名前をつけて、そこに入れることにしたんだ。ちょうどね(笑)。
 とにかく好きなレコードがたくさんあるから、それに触発されて作りたいと思った音を、自分のレコードのなかに落とし込んでいく、そういうやり方なんだ。ゾンビーズの『オデッセイ・アンド・オラクル』はとっても好きなアルバムだけど、あれだとちょっとロックさが足りない。キャプテン・ビーフハートも好きだけど、そうするとちょっとプリティさが足りない。そのちょっとの足りなさを自分で補いながらアルバムを作っていくんだよ。

ああー。プリティさは大事ですね。UMOにはありますよ。“ソー・グッド・アット・ビーイング・イン・トラブル”“ノー・ニード・フォー・ア・リーダー”などは、ダックテイルズやジェイムス・フェラーロなどともどこか共鳴するような、どろっとして白昼夢的な音作りがされていると思います。〈ウッジスト〉や〈ノット・ノット・ファン〉〈ヒッポス・イン・タンクス〉といったようなレーベルに共感する部分があったりしますか?

ルーバン:いやー、ほんとにいまは才能ある人々に囲まれている時代だなという気がして、いま言ってくれたようなレーベルとか、この時代の人たちといっしょに名前を語られるのはうれしいよ。ただ、新しく出るレコードをチェックしきれてない部分はあるから、ほんとに新しいものは追いきれてなかったりはするんだよ。で、ふと気がつくと友だちのレコードだったり。

友だちのレコード、教えてくださいよ。

ルーバン:ええとね、フォキシジェン(Foxygen)、彼らはレーベル・メイトでもあるけどね。あと、ワンパイア。ジェイクがプロデュースしたんだ。

ああ!

ジェイク:仲良しなんだよね。ポートランドのバンドなんだ。

うわあ、やっぱりポートランドはいいですね。

ルーバン:なんか力になれればなって思って、ツアーに連れて行ったりしてる。

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ある意味、自分のアイデンティティを目立たないように消していくのが、いまの僕のあり方なのかもしれないな......。でもアメリカに住むこともアメリカの音楽も大好きだから、問題はないよ。

ちょうどポートランドの話題が出ましたけど、ニュージーランドからポートランドに移住したというのは、日本人からすればまあけっこう大きな決断にも見えるんですが、実際のところなぜアメリカだったのか、そしてなぜポートランドだっだのか教えてもらえますか?

ルーバン:前のバンドのツアーで来たのがきっかけかな。たまたま叔父がポートランドに住んでたというのもあったんだけど、当時は例の『ポートランディア』っていうテレビ番組がはじまる前だったから、べつに有名でもなかったし、とくに何か特別な期待は抱いていなかったんだ。でも街を歩いてみるとみんな着ているものはオシャレだし、かっこいいし、バーに行けば好きなアルバムがかかっているし、ちょっとここに住んでみようかなって気持ちになったんだよね。ニュージーランドの友人たちからは「なんで?」って言われたよ、たしかに。ほんとにポートランドはいまみたいに有名じゃなかったんだもん。でも、いまはわかるんじゃないかな。

みんな住んでないけどよく知ってますよ。ニュージーランドのローカルな音楽シーンって、ポートランドのローカルなシーンと似てたりしますか?

ルーバン:まず、生活のペースは似てるかな。それから、ニュージーランド時代からインディ・シーンに興味があったから、ザ・クリーンとかザ・チルズとかはチェックしてたんだけど、彼らの雰囲気とこちらのインディ・シーンの感じも似ているといえば似ていると思う。〈K〉と〈フライング・ナン〉のノリとかね。ただ、ニュージーランドのほうが、バンド同士が競い合うムードが強かったと思う。ポートランドのほうが仲間意識やコミュニティ感覚が強いかな。

今作のように〈ジャグジャグウォー〉からリリースということになると、UMOも世界的にはUSインディの重要バンドとして認識されていくことになると思います。ご自身のアイデンティティの問題として、こうした点に何か思いはありますか? 

ルーバン:ある意味、自分のアイデンティティを目立たないように消していくのが、いまの僕のあり方なのかもしれないな......。でもアメリカに住むこともアメリカの音楽も大好きだから、問題はないよ。それがパーフェクトなあり方だとは思わないんだけどね。でも、アメリカはミュージシャンとしては活動しやすい国だし、そもそもニュージーランドは小さな国で、音楽をやっている人に限らず、いつかはそこを出ていくというのがカルチャーの一部としてあるんだよね。外に出ていろんなものを発見して、はじめて自国の良さにも気づくっていう(笑)。そういう、外側から国を見つめてその価値を再認識するという昔ながらのニュージーランドのやり方を、いま僕もやっているのかもしれないね。

なるほど、日本とは違いますね。UMOの曲って基本的にはすごくポップなんですけど、どことなく孤独とか諦念のようなものが漂うように感じます。暗いわけじゃないけど、けっしてハッピーというわけでもない。あなたには実際に「Swim and sleep like a shark does」(“スウィム・アンド・スリープ(ライク・ア・シャーク・ダズ)”)していた時期があるのでしょうか?

ルーバン:いまでもそういう気分になることがあるよ。でもそういう気持ちを曲に書くことでどうしたいかというと、みんなに「こういう思いをしている人が他にもいるんだよ」ってふうに共感してほしいってことなんだ。孤独や疎外感みたいなものを助長しようと思っているわけではなくてね。この気分にはまり込んでもらいたくはない。
昔からブルースのアーティストなんかが悩みを歌にしたりしているのは、悲しい音楽の役割として、悪い状況からの救いになる部分があるからだと思うんだ。同じような思いをしている人が他にいるってわかることで救われるというのが、悲しい音楽の役割のひとつだと僕は思っていて。基本的に、僕が曲を書く根本には音楽を通じてみんなとつながりたい、コミュニケートしたいという思いがあるんだ。ただ、自分の気持ちに正直であればあるほど、ダークなものが表に出てくる。けどそこで終わらずにどこか明るいところを見せたい、見てほしいって思ってるよ。

ああ、いいお話が聞けました。ありがとうございます。最後にひとつだけ、前作のジャケットの写真ってユーゴスラビアの建物なんですか?

ルーバン:あれはクロアチアだね。もともとああいうふうな写真をベルギーの写真家が撮っていて、いいなと思ってたんだ。だけどその写真を買わせてくれって言ったらあまりにも高い値段を提示されて(笑)。だから観光客の撮った写真をいくつか探して、それをフォトショップで作り直したんだ。もともとのものと似た感じのアングルにして、モニュメントの前に立ってる人間は、僕のまわりの人を撮って組み合わせたりしてね。

ムーンライズ・キングダム - ele-king

 ウェス・アンダーソンの新作『ムーンライズ・キングダム』の舞台の島を襲うハリケーンにはメイベリーンと名前がつけられていて、それはチャック・ベリーの"メイベリーン"であろうと、そのことに日本でもっとも反応していたのは僕の知る限り樋口泰人氏だが、とにかく、ウェスのほうのアンダーソン監督はつねにポップ・クラシックスへの憧憬を隠そうとしない。ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズ、それにキャット・スティーヴンスやザ・フェイシズ、ザ・フー......がスクリーンを満たすとき、物語もエモーションもそれらの曲と不可分となってしまう。『ダージリン急行』などはスローモーションでカメラがパンするなかザ・キンクスを流すためだけの映画だと言ってよく、彼らの"ディス・タイム・トゥモロウ"を語る旅が3兄弟の未熟なインド旅行そのものであった。「明日のこの時間、僕らはどこにいるんだろう」......そんな少年性を、ウェスは彼が愛する黄金期のポップ・ミュージックに託してきた。
 ロアルド・ダールへの幼少期からの愛と再会した前作『ファンタスティックMr.FOX』が結局のところ、隅から隅までウェス・アンダーソン映画でしかなかったことからも証明されているように、彼は同じ主題を反復させながら子ども還りしているように見える。「厄介な息子」と「出来損ないの父親」の和解。それはアメリカ映画のクラシックからの反復でもあるだろう。

 『ムーンライズ・キングダム』では初めて年齢的な意味での「子ども」を主役に置きながら、しかし実際のところ少年サムの初恋と冒険はこれまでのウェスの映画で主人公たちが繰り広げてきたそれとまったく同質のものであろう。けれども、時代を65年と明示して政治の季節直前の「思春期」としているように、これまででもっとも子どもであることを真っ直ぐに謳歌している作品ではある。なんてことのない、かつてのポップ・ミュージックに登場する少年少女のラヴ・ソングのように、甘くてノスタルジックな逃避行。ウェス映画の様式がここでは完成を遂げている。少年少女が森を分け入るときにはハンク・ウィリアムスが歌い、ふたりがビーチでダンスするときにはフランソワーズ・アルディが彼らをキスへと誘う。そのスウィートな感覚を、身体的に味わうための映画である。
 僕が本作で惹かれたのは父親の描き方であった。『ファンタスティックMr.FOX』のダメな父親ギツネをジョージ・クルーニーが演じたときの「おや」という感覚を、この映画のブルース・ウィリスにも感じたのだ。これまでジーン・ハックマンやビル・マーレイが演じてきた父親から、少し世代が降りたこととも関係しているかもしれない。ここでのブルース・ウィリスは最近『ダイハード』などでタフガイとして復活を遂げている彼ではなくて、ただの「悲しい(sad)」中年男である。しかしながら映画はウィリスのアクション・スターとしてのキャリアも踏まえながら、彼をヒーローへと変貌させ、そしてたとえ出来損ないであろうとも、たしかに少年のたったひとりの父親へとしていく。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』や『ライフ・アクアティック』のように、身勝手な父親をいくらかの諦念でもって赦すというものでもなく、『ダージリン急行』のように父親を喪うわけでもない。『ファンタスティック~』の父親ギツネがか弱いコミュニティをそれでもどうにか統べたように、頼りないヒーローであることをささやかながらも祝福するような。

 ウェス・アンダーソンにとって父親でありヒーローであるのは、チャック・ベリーでありハンク・ウィリアムスでありザ・キンクスでありザ・ビートルズでありザ・フーでありビーチ・ボーイズであり、彼らのポップ・ソング・コレクションそのものなのだろう。本作で言えば、フランソワーズ・アルディのナンバーだってそうだ。ウェスは自らの「子ども」の部分へとさらに立ち返っていくことで、自分を育てた父親たちへの愛を包み隠さなくなっているように思える。だから、フィルモグラフィを「チャーミング」「キュート」「スウィート」という形容で彩ってきたウェス・アンダーソンの作品群のなかでも『ムーンライズ・キングダム』がその度合いをもっとも高めているのだとすれば、それはわたしたちが音楽を聴いて心躍るあの感覚を「ポップ」としか名づけようのない不思議に、少年ウェスがまた近づいているということだ。

予告編


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