ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. interview with Larry Heard 社会にはつねに問題がある、だから私は音楽に美を吹き込む | ラリー・ハード、来日直前インタヴュー
  2. interview with Shabaka シャバカ・ハッチングス、フルートと尺八に活路を開く
  3. Beyoncé - Cowboy Carter | ビヨンセ
  4. interview with Keiji Haino 灰野敬二 インタヴュー抜粋シリーズ 第2回
  5. interview with Martin Terefe (London Brew) 『ビッチェズ・ブリュー』50周年を祝福するセッション | シャバカ・ハッチングス、ヌバイア・ガルシアら12名による白熱の再解釈
  6. The Jesus And Mary Chain - Glasgow Eyes | ジーザス・アンド・メリー・チェイン
  7. interview with Keiji Haino 灰野敬二 インタヴュー抜粋シリーズ 第1回  | 「エレクトリック・ピュアランドと水谷孝」そして「ダムハウス」について
  8. Columns ♯5:いまブルース・スプリングスティーンを聴く
  9. claire rousay ──近年のアンビエントにおける注目株のひとり、クレア・ラウジーの新作は〈スリル・ジョッキー〉から
  10. Free Soul ──コンピ・シリーズ30周年を記念し30種類のTシャツが発売
  11. tofubeats ──ハウスに振り切ったEP「NOBODY」がリリース
  12. 壊れかけのテープレコーダーズ - 楽園から遠く離れて | HALF-BROKEN TAPERECORDS
  13. まだ名前のない、日本のポスト・クラウド・ラップの現在地 -
  14. Rafael Toral - Spectral Evolution | ラファエル・トラル
  15. 『成功したオタク』 -
  16. Bobby Gillespie on CAN ──ボビー・ギレスピー、CANについて語る
  17. Larry Heard ——シカゴ・ディープ・ハウスの伝説、ラリー・ハード13年ぶりに来日
  18. Bingo Fury - Bats Feet For A Widow | ビンゴ・フューリー
  19. ソルトバーン -
  20. Claire Rousay - a softer focus  | クレア・ラウジー

Home >  Reviews > plan+e- sound-thinking

plan+e

plan+e

sound-thinking

SRCD038 / shrine.jp

Amazon

三田 格 Feb 26,2013 UP

 レーベルを主催するサイセクス(PsysEx)とアームチェアー・リフレクションによるアティック・プランに萩野真也が加わって名義が短縮され、さらにE(Ekram)こと古舘健をフィーチャーした即興ユニットの1作目。前半はムーヴ・Dのディープ・スペース・ネットワークを思わせつつ、音数を減らしていないラスター・ノートンというか、ドイツ産にはない情感が随所から滲み出してくる。あるいはマッシヴ・アタックをグリッチ化したような泥臭さをそこはかとなく漂わせ、無機質な音だけで構成されているとは思えない豊穣なニュアンスへと導かれるとも(闇のなかを手探りで進んでいるのに、どこか安心感があるというか)。後半は発想の源がさっぱりわからない"cycloid"や、雅楽(?)にジャズを持ち込んだ"bon sens"など意外な展開が目白押し(後者は今西玲子を琴でフィーチャーし、法然院で録音)。全9曲、似たようなパターンはまったくなく、アンビエント係 数の高い"thinking reed"や"cosmology"にしてもなかなか一筋縄ではいかないややこしさに満ちている。つーか、またしてもピッチフォークあたりに「日本人はなんでオウテカばっかり聴いて、自分の国の......」とか嫌味を書かれそうな予感も? 

97年に設立され、ひとつの哲学のもとに独自のIDMを模索しつづける国内レーベル、〈シュラインドットジェイピー〉の特集記事はこちらから!

https://www.ele-king.net/special/shrine.php

三田 格