ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  2. Hajime Tachibana ——プラスチックス結成50周年、立花ハジメがニュー・アルバム『dad bb』、12インチ・シングル「ZOUNDS!」をリリース
  3. interview with Kneecap (Mo Chara and Móglaí Bap) パーティも政治も生きるのに必要不可欠 | ニーキャップ、インタヴュー
  4. Simon Reynolds ——レイヴ・カルチャーの本質にあるのは政治性ではない、どれだけぶっ飛べるかだ:サイモン・レイノルズ『未来マニア』刊行のお知らせ
  5. Columns Holy Tongue UKダブを更新するバンド、ホーリー・タンの初来日公演
  6. Massive Attack - Heligoland
  7. Seefeel - Sol.Hz | シーフィール
  8. 吉岡誠 - 江戸アケミ、四万十川から
  9. THE CROWD──ele-king presents HIP HOP JAPAN
  10. 未来マニア──エレクトロニック・ミュージック・ガイド
  11. FUNK OF AGES ──JBからヴルフペックまでを見わたすディスクガイド『ファンク超大全』が刊行
  12. KNEECAP/ニーキャップ -
  13. Aho Ssan - The Sun Turned Black | アホ・サン
  14. DADDY G(MASSIVE ATTACK) & DON LETTS ——パンキー・レゲエ・パーティのレジェンド、ドン・レッツとマッシヴ・アタックのダディ・Gが揃って来日ツアー
  15. Kamui - YC2.5
  16. Columns #16:ワールドカップ2026 ──時代は変わった(日本代表のことではない)
  17. R.I.P. Miru Shinoda 追悼:篠田ミル
  18. Columns Boards of Canada ボーズ・オブ・カナダの帰還  | ──その軌跡、その影響、そして13年ぶりの新作『Inferno』をめぐって
  19. Kneecap ——今年のグラストンベリーに大量のパレスチナの旗をはためかしたアイルランドのラップ・グループの情報、8月には映画も上映
  20. EACH STORY -THE CAMP- 2026 ──自然のなかで「深く聴く体験」を追求するイベントが今年も開催

Home >  Reviews > genseiichi- Hello my friends. It's me

genseiichi

genseiichi

Hello my friends. It's me

SRCD032 / shrine.jp

Amazon

野田 努 Feb 26,2013 UP

 92~93年のベッドルーム・テクノとも似た、いまでは珍しい楽天性と実験生の華麗な結実。思ってもいなかった人に出会ったような嬉しい驚きとでもいうか、温かい電子音は、フワフワと軽く、僕の心に忍び込み、微笑みをもって平穏を醸成する。このレーベルの作品全般に言えることだが、立体的な録音それ自体も心地よく、音のマッサージである。乾いたドラムマシンの音、ノイズ、合成音、すべてが愛おしい。

軽快さと歪みの共存。アヴァンポップに通じるような遊び心溢れる電子音楽作品。

genseiichiは京都在住のミュージシャン、舞台音響家。2006年に5人組インプロヴィゼーション・ユニットa snore.のメンバーとして音楽活動をスタート、2010年からソロ活動を開始した。これまでに京都の劇団夕暮れ社弱男ユニットや、同じく京都を中心に活動するダンサー倉田翠の作品にて音響を務めている。楽曲制作はすべてハードウェアのみで行っており、テープコンプなどのローファイな音響効果も採用している。 ファースト・アルバムとなる本作では、古くは旧西ドイツのNEU、近年ではフランスのJulien Locquet(a.k.a. Gel:)などのサウンドに聴くことのできる、軽快さと歪みの共存がアイデアの主軸となっている。全編を通してアヴァンポップ/トイポップに通じる、おもちゃ箱をひっくり返したようなイメージが渦巻く。 "funny game"や"agony of photographer"ではエフェクトによって極端なまでにトラックを破綻させることで、カオティックなイメージを作り出しており、"confused hop"では、目まぐるしく変化するエフェクトとポリリズムが奔放さを演出する。波の音、鳥の鳴き声など、ジャングルの奥地を想起させる環境音とドローンを組み合わせた"penhaligon's endymion"は、異世界に迷い込んだような不安と懐かしさを同時に感じさせる不思議なヴィジョンをもつ楽曲となっている。
(中本真生/UNGLOBAL STUDIO KYOTO)

野田 努