ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Keita Sano - LOVE HATE LOVE THINK (review)
  2. µ-Ziq - Magic Pony Ride (review)
  3. Hudson Mohawke ──ハドソン・モホーク、7年ぶりのニュー・アルバムがリリース (news)
  4. Red Snapper - Everybody Is Somebody (review)
  5. Moment Joon feat. あっこゴリラ, 鎮座DOPENESS, HUNGER (GAGLE), ACE COOL & Jinmenusagi ──ECDへのリスペクトを込めた楽曲 “BAKA” の新ヴァージョンが公開 (news)
  6. Les DeMerle ──レアグルーヴ・ファンから支持を集めるドラマー、レス・デマールのライヴ盤2作がクリア・ヴァイナルでリリース (news)
  7. R.I.P.山本アキヲ (news)
  8. ベイビー・ブローカー - (review)
  9. Big Thief ──ビッグ・シーフの初来日公演が決定 (news)
  10. Wilco - Cruel Country (review)
  11. interview with Akio Yamamoto 都会の夜のタンツムジーク (interviews)
  12. µ-Ziq ——マイケル・パラディナスの名作の1枚、『Lunatic Harness』の25周年記念盤 (news)
  13. interview with Shintaro Sakamoto 坂本慎太郎、新作『物語のように』について語る (interviews)
  14. interview with Huerco S. オウテカやベーシック・チャンネルからの影響は大きいね (interviews)
  15. FEBB ──幻の3rdアルバムがリリース (news)
  16. Mary Halvorson - Amaryllis & Belladonna (review)
  17. Merzbow & Lawrence English - Eternal Stalker (review)
  18. FEBB AS YOUNG MASON ──ファースト『THE SEASON』のカセットが発売、パーカー&Tシャツも (news)
  19. 石若駿 - @山口情報芸術センター(YCAM) (review)
  20. interview with Kentaro Hayashi 大阪からダークサイドの憂鬱 (interviews)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Spoek Mathambo- Mshini Wam

Spoek Mathambo

Spoek Mathambo

Mshini Wam

BBE

Amazon iTunes

三田 格   Oct 27,2010 UP
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 南アフリカからゲットー・エレクトロの1作目。サイモン・リングローズと組んだプレイドーの名義ではすでに数枚のEPやミニ・アルバムをリリースしているMCのンサロ・ジェイムズ・モンド・モクガタ(とお読みするんでしょうか=Nthato James Monde Mokgata)がひと足先にソロ・アルバムとして完成させたもので、スパンク・ロック風のダンスホールから南アならではのクワイトなど思わず腿に力が入る全14曲。ドンガドンガラ......と、トライバル調でスタートし、タイトル曲はグライムやダブステップをアフロ・ビートと融合させた見事なミクスチャー・エレクトロ("パート2"はそのビートを銃声に置き換えたバイリ・ファンキへのアンサー・ダブ?)。全体にシャッフルの効いたエレクトロのヴァリエイションが、前半は重力からの解放を約束してくれ、どう聴いてもジョイ・ディヴィジョン"シーズ・ロスト・コントロール"のカヴァーから後半は反対に地の底まで沈められる。"ウォー・オン・ワーズ"は本当に重い......(新作が〈プラネット・ミュー〉からリリースされたジュークのDJラシャドをはじめとするフル・リミックス・アルバムも配信のみでリリースされている)。

 いま、中国の評判はアフリカでもとても悪く、中国からの投資が上手くいっていないコンゴをはじめ中途半端なやり方に怒り心頭な国が少なからず、そのツケをアメリカが引き受けることによって、アメリカの経済的な進出がかつてないほど歓迎を受けているという(ソマリアでのアルカイダ掃討作戦など政治的な進出はもちろんその限りではない)。失業率90%のジンバブエが最大のチャンスになるというリチャード・ブランスンには戸惑っている経済人も多いようだけれど、インドへの投資には失敗したドイツのBBE(本社はイギリス)がこのアルバムのリリース元となっており、そのせいか、とてもアフリカの音楽とは思えないジャケット・デザインになったといえる(フェラ・クチのデザインだって、もっとダイナミックな感性を貴重としていた)。それが、しかし、コーラス・ワークなどは典型的なアフリカ調でありながらも、それだけではない重さを内包したこの音楽をパッケージするには最適だったという気もしないではない。ゴールド・パンダソラー・ベアーズによってチルウェイヴとの境すら曖昧になったポスト・ダブステップに対して、ダブステップの闇を南アが引き継いだか......。

三田 格