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interview with Simi lab

interview with Simi lab

異邦人たちの夢

――噂のシミラボ、ロング・インタヴュー!

二木 信    photos by Yasuhiro Ohara   Jan 18,2011 UP

私が横須賀のクラブでディープライドをカッコイイなって思って逆ナンしたんですよ。でも、彼女がいたからそのときは諦めて。そのあと、私は1年ぐらいアメリカに行ってて、帰って来て久しぶりにディープライドと遊んだんです。「お前、まだ音楽やってるか? オレ、ヤバいヤツらと知り合ったんだよ」ってディープライドが言うから、いっしょにQNの家に遊びに行ったんです。


MARIA

さっきも少し話が出ましたけど、シミラボが結成された経緯を教えてもらえますか。


QN From SIMI LAB
THE SHELL

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オムスビーツ:やっぱりQNが中心でしょ。

マリア:まず私が横須賀のクラブでダン......、あ、ディープライドをカッコイイなって思って逆ナンしたんですよ。でも、彼女がいたからそのときは諦めて。そのあと、私は1年ぐらいアメリカに行ってて、日本に帰って来て久しぶりにディープライドと遊んだんです。「お前、まだ音楽やってるか? オレ、ヤバいヤツらと知り合ったんだよ」ってディープライドが言うから、いっしょにQNの家に遊びに行ったんです。そこではじめてみんなと会ったんだよね。

クラブとかで知り合ってじょじょに形成された感じだ。みんな同じ地元や学校ではない?

一同:ぜんぜん違います!

高校のころからクラブに遊びに行ってたんですね?

ディープライド:ぜんぜんしてましたね。

クラブのIDチェックとか厳しかったから大変だったんじゃない?

オムスビーツ:厳しかった。

QN:うん、厳しかったよ。

マリア:でも、六本木はぜんぜん厳しくなかったよ。

ディープライド:マリアは女だからだよ。

オムスビーツ:しかも、マリアは老けてるし。

マリア:うるせーよ!

ディープライド:女だと甘いよね。男だと目くじら立ててさ。「わかってんのかよ!」って怒られるけど、女の子だと入れる。

どんなところに遊びに行ってたんですか?

ディープライド:みんなけっこう違うんだよね。この3人(QN、オムスビーツ、ハイスペック)が軽くまとまってる感じで、このふたり(マリア、ディープライド)は遊んでた場所がまたちょっと違いますね。

QN:渋谷のクラブでDJするときも普通にIDチェックされて、顔が若いからライヴがあるのに入れないって言われたりしてた。

3人が遊んでたクラブとふたりが遊んでたクラブの違いはどういったところにあるの?

ディープライド:クラブやジャンルで違いをうまく説明できないけど、オレは当時ウェッサイどっぷりだったから、横浜が多くて、都内なら六本木でした。高校時代はずっと昔のウェッサイばっかり聴いてたから。それ以外は音楽として興味ないぐらい。イージー・E、アイス・キューブ、スヌープ・ドッグ、ほんと西ばっかりでしたね。20歳ぐらいになってから、ルーツ・レゲエとかウェッサイの元ネタになってるファンクやソウルを聴くようになりましたけど。

オムスビーツ:オレがはじめて会ったとき、ディープライドはアフロだったよね。

マリア:私がナンパしたときもアフロだった。

QN:そのときスティード乗ってたよね。あれでヘルメット被るんだって。

ディープライド:2年間もアフロをすきもしないで、伸ばし放題だったから。いまの髪の毛の7倍ぐらいあった。当時は地下への階段を転げ落ちるぐらい飲んで、綺麗なお姉さんと遊ぶことしか頭になかったです。というか、当時はそれが最高の現実逃避の処世術でしたね。

マリア:私は普段六本木なんですけど、友だちがすごく黒人が好きで米軍の近くの横須賀のクラブに行ったときがあったんです。そこで、「めっちゃイケメンじゃん」と思った人がいて、それがディープライドだった。あのときはまわりの女がみんな敵に見えましたね。

ハハハ。シミラボは気づいたら出来上がっていた感じなんだね。

マリア:ほんとそうだよね。

オムスビーツ:やっちゃおうよって。

マリア:"WALKMAN"のPVもノリで撮ったしね。QNが「このパソコンでPV作れるぜ」って言ってて、じゃあやろっかってなったんだよね。

"WALKMAN"が話題になったことについてはどう思ってる?

オムスビーツ:もういいかなって(笑)。"WALKMAN"のイメージが付いちゃってるとイヤだ。他にもいろんなこともできるのに。

QN:逆にイメージ付いてるからそれを壊したときのインパクトがあるよ。

あれはいつ作ったんですか?

QN:去年の冬だからもうすぐ1年経つよね。

マリア:もう1年経ったよ!

どんな反応がいちばん多かった?

QN:ポンっといきなりアップされたから、まずこの人たちは誰? みたいな反応ですよね。

マリア:具だくさんだしさ。わけわかんない色が集まってるから、何系みたいな? ヒップホップなのはわかるけど、こいつら日本語話せちゃうんだって反応もあった。

QN:感想で「日本語でラップするガイジンのPV」みたいのがあった。

一同:ハハハハハッ!

英語は話せるの?

マリア:私しかしゃべれない。

自分のネイティヴの言語は日本語?

ディープライド:そうです。ネイティヴって意味ではマリアもそうかもしれないし。

マリア:日本語ですね。

オムスビーツ:英語が嫌いになりそうだよ。

ディープライド:恨んだこともあるよ。

オムスビーツ:あるある。

それは「英語を話せるんだろ」って見られるから?

オムスビーツ:そうそうそう。ガイジンにも日本人にもそう思われるから。

いちいち説明しなくちゃいけないよね。

オムスビーツ:そう、とにかくめんどくさかったですね。

マリア:やっぱりハーフとして生まれると英語が話せないってほんとにコンプレックスだよね。私ももともとも聴くぐらいしかできなくて、アメリカに行ってはじめて話せるようになった。

QN:それは純日本人のオレが見ても感じたね。ディープライドはとくにそういうのを意識してる部分があるし。

ディープライド:意識し過ぎちゃいました(笑)。

オムスビーツ:オレはそれも通り過ぎて、どうでもよくなっちゃった。

QN:そういう意味では開き直ってるオムスビーツと先に知り合ってたから、マリアやダン(ディープライド)と知り合ったときにぜんぜん違和感なく入っていけた。

マリア:だからよかったのかもね。

QN:オムスビーツなんてうちにはじめて遊びに来たときに......

オムスビーツ:納豆食ったもんね!

一同:ワハハハハハッ!!

QN:旨そうに納豆食ってるから、「あ、こいつ日本人なんだ」って。

取材:二木 信(2011年1月18日)

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Profile

二木 信二木 信/Shin Futatsugi
1981年生まれ。音楽ライター。共編著に『素人の乱』、共著に『ゼロ年代の音楽』(共に河出書房新社)など。2013年、ゼロ年代以降の日本のヒップホップ/ラップをドキュメントした単行本『しくじるなよ、ルーディ』を刊行。漢 a.k.a. GAMI著『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社/2015年)の企画・構成を担当。

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