「Nothing」と一致するもの

Oscar Jerome - ele-king

 サウス・ロンドンのジャズ・シーンでは、ジャズだけでなく他の分野のミュージシャンとの交流もいろいろあり、たとえばシンガー・ソングライターやラッパーとのコラボも頻繁におこなわれる。今年リリースされたトム・ミッシュとユセフ・デイズのアルバム『ワット・カインダ・ミュージック』などが代表例だが、オスカー・ジェロームもそうしたジャズと他分野の境界線にいるアーティストだ。オスカー・ジェロームはギタリストであり、アフロ・バンドのココロコのメンバーとして知られる。ジョー・アーモン・ジョーンズとは学生時代からの友人で、『イディオム』(2017年)や『スターティング・トゥデイ』(2018年)などの作品でも演奏している。サウス・ロンドンのギタリストではマンスール・ブラウンやシャーリー・テテなどもいるが、テクニカルなプレイでギターの可能性を追求するマンスール・ブラウンに対し、オスカー・ジェロームはシンガー・ソングライターとしての立ち位置に重きを置くギタリストであり、どちらかと言えばトム・ミッシュに近いスタンスかもしれない。

 最初にオスカーがソロEPをリリースしたのは2016年のことで、ジョー・アーモン・ジョーンズ、ヌバイア(ヌビア)・ガルシアモーゼス・ボイドらと共演するものの、“ギヴ・バック・ワット・ユー・ストール・フロム・ミー” のようなヒップホップ・ソウルも披露していた。ギル・スコット・ヘロンとモス・デフを足して2で割ったような印象で、トム・ミッシュやロイル・カーナーなど同世代のアーティストに通じる作品だった。2018年の “ホエア・アー・ユー・ブランチズ?” はさらにアコースティックな要素が強く、アフリカ音楽の要素を感じさせる点は彼の参加するココロコにも通じるところだった。この曲が収録されたEPではウー・ルー(最近ではザラ・マクファーレンのアルバム『ソングス・オブ・アンノウン・タン』をプロデュースしていた)をプロデューサーに迎え、ポッピー・アジュダーなどさらに多彩な面々と共演している。そのほかではヒドゥン・スフィアーズのディープ・ハウス系トラックにも参加するなど、いろいろ幅広い活躍を見せていた。

 アルバムとしては2019年に『ライヴ・イン・アムステルダム』を発表し、これは文字通りオランダでのライヴ録音で、“ギヴ・バック・ワット・ユー・ストール・フロム・ミー” や “ドゥ・ユー・リアリー”など、これまでシングルやEPで発表してきた曲を演奏していた。そしてこの度リリースした『ブレス・ディープ』は、初めてのスタジオ・アルバムとなる。ミュージシャンにはジョー・アーモン・ジョーンズなどこれまでのEPやライヴ盤でも演奏してきた面々に加え、ココロコのメンバーからディラン・ジョーンズ、トム・スキナー、トム・ドライスラー、ファーガス・アイルランド、サム・ジョーンズ、ベン・ハウク、ブラザー・ポートレイトらサウス・ロンドン勢、さらに先日ニュー・アルバムをリリースしたばかりのシンガー・ソングライターのリアン・ラ・ハヴァスまで参加する。リアンのアルバムにはブルーノ・メジャーも参加していたが、プロデューサーのベニ・ジャイルズとエンジニアのロバート・ウィルクスがオスカーのアルバムとも共通していて、いろいろな繋がりが見えてくる。

 収録曲は “ギヴ・バック・ワット・ユー・ストール・フロム・ミー” をテンポ・アップして再演し、“グラヴィテイト” は『ライヴ・イン・アムステルダム』でもやっていたナンバーだが、ほかは全て新曲となっている。“サン・フォー・サムワン” はファンク調のトラックだが、レゲエやダブから来たレイド・バックしたフィーリングと風変わりなリズムがアクセントとなっている。オスカーの歌もちょっとスティングを感じさせるところがある。“ユア・セイント” はアコースティック・ギターの弾き語りではじまり、やや調子外れの歌はキング・クルールやプーマ・ブルーを彷彿とさせる。途中からリズム・セクションが入ってくるが、演奏はココロコのメンバーが中心となっていて、アフリカ音楽からの影響も感じさせる曲だ。“コイ・ムーン” にもムビラやカリンバ(親指ピアノ)のような音色が流れ、アフリカ的なムードを感じさせる。こうしたムードは、ほかのR&Bアーティストやシンガー・ソングライターにはないオスカー独自のテイストと言える。

 ジャズ・ファンクとブロークンビーツが混ざったような “グラヴィテイト” はベン・ハウクとの共作で、いまのサウス・ロンドンらしいクロスオーヴァーな魅力に溢れたクラブ・トラック。インストの “ファッキン・ハッピー・デイズン・ザット” はギタリストとしてのオスカーを映し、ジャズとファンクとブルースとカリプソが一緒になったような曲になっている。そしてリアン・ラ・ハヴァスとのデュエットで聴かせるオーガニック・ソウルの “タイムレス”、バックはファーガス・アイルランドのベースのみというシンプルなギターの弾き語り曲 “ジョイ・イズ・ユー” と、アルバムの最後はフォーク・シンガーとしてのオスカーの魅力が詰まった曲で締めくくられる。ジャズ、ソウル、フォーク、アフロなどの中間点に位置するシンガー・ソングライター、それがオスカー・ジェロームである。

みぃなとルーチ - ele-king

 みぃなとルーチの初めてのアルバム『Long time no sea』は、ギター~バンドサウンドを軸としたフォーキーな雰囲気に仕上げられている。“Wild is the wind” や “Tonight is the night” のささやかな祝祭感は聴き手を朗らかな気分にさせるかもしれないが、プロデューサーのクロネコは今回、みぃなの魅力を最大限引き出すべく、ムームやヨ・ラ・テンゴを参照したという。ソロ名義ということでみぃな本人が作曲しているからだろう、聴きやすさはそのままに、曲の構成やメロディの進行などはバンド時代よりも自由度が高まっている。

 みぃなは2011年にさよならポニーテールのメイン・ヴォーカリストとしてデビューしている。同バンドはネット~SNSでの活動に軸足を置くポップ・グループで、ギターポップからディスコまでさまざまなスタイルにチャレンジ。耳なじみのあるメロディと学園生活のノスタルジーに満ちた歌詞で人気を博してきた。甘酸っぱかったりさわやかだったり、一聴する限りでは無難な音楽に聞こえてしまうかもしれないが、注意深く聴くといろんな要素が意図的に仕込まれていることがわかる。
 この深読みにも対応した音楽、キャラクターの設定やネットを前提とした活動のあり方などは、かつて「ポストYouTube」を掲げ、「メタ」や「フラット」といったタームの飛び交う時代に擡頭してきた、相対性理論の文脈に連なるものとも考えられるかもしれない。ただし、決定的に異なっている点もある。相対性理論は表に姿をあらわしているが、さよならポニーテールは全員が顔を出していない。各人の素性も伏せられており、メンバー同士でさえ互いのことを知らないという。
 この匿名性こそがさよポニ最大の特徴だろう。彼らが正体を明かさないのは、クロネコによれば、純粋に作品世界を堪能してほしいのに加え、現実の消費のスピードとは異なる時間軸で作品をつくりたい、との理由による。スター性が発揮される場で勝負をしたくないがゆえに、いっさいライヴもやらない。そのスタンスは、今回のみぃなのソロ・アルバムにも引き継がれている。たとえば、ぎりぎりまで感情を抑えた歌唱法。これもきっとスター性を回避するために編み出された手法なのだろう。

 今回は作詞を本人が手がけているところもポイントで、弾き語りスタイルの “Joy and Jubilee” を筆頭に、先行配信曲 “Sea song” や “More you becomes you” では、(最新作『来るべき世界』以前の)さよポニを特徴づけていた「失われた青春」や「かつての恋」とは対照的に、「忘れること」(ないしは「思い出すこと」と「忘れること」との葛藤)が随所に織り込まれている。
 各曲のタイトルはすべて彼女の好きなアーティストの曲名からとられているので、気になる方は調べてみることをおすすめするが、都会と自然が対比される “Amelia” や兵士についての弾き語り “Arms dealer” (初回限定盤のみ収録)なんかも独特の余韻を与えてくれて味わい深く、みぃな(というキャラクター)が新たな段階へと進んでいることを教えてくれる。

 匿名性にこだわる彼らの音楽は、おなじSNS文化でも、視覚的主張の激しいインスタではなく、ツイッターとの親和性が高い音楽と言えるだろう。もし、SNSはやっているけれどセルフィーでナルシーなタイムラインにはどうにもなじめないというひとがいたら、ぜひこのみぃなのアルバムを聴いてみてほしい。フォーキーなアレンジとフラットな歌声が、ネット回覧中のいらいらや複雑な感情、日常の不安などを、かわりに引き受けてくれるような感覚を味わうことができるかもしれないから。

New Order - ele-king

 UKはマンチェスターのロック・バンド、ニュー・オーダーがライブ盤以来の作品を発表、スタジオ録音の曲としては2015年の『ミュージック・コンプリート』以来となる新曲「Be a Rebel」を本日9月8日リリースするそうだ。
 ニュー・オーダーの往年の名曲“ラヴ・ヴィジランティス”を彷彿させるメロウなギター・ポップ・サウンドで、しかもニュー・オーダーにしては珍しく直球な、「反逆者になろう」と繰り返される歌詞には、ますます厳しくなっていくこの時代へのメッセージが歌われている。所属する〈ミュート〉のツイッターによると、UK時間の7:45am - 8am(日本時間の15時45分~)からBBCRadio2でお披露目があるとのこと。ぜひぜひチェックを。なお、フィジカルのリリースは11月になる。

BES & ISSUGI - ele-king

 1曲目 “Welcome 2 PurpleSide” のリリックにある「我らブーンバップの猛者」というラインが物語るように、日本のブーンバップ・ヒップホップ代表格とも言える、BES と ISSUGI によるジョイント・アルバム第二弾。SCARS および SWANKY SWIPE としての活躍でも知られる BES と、片や MONJU、SICK TEAM として数々の作品を残してきた ISSUGI のふたりは、それぞれソロでもアルバムをリリースし、さらに ISSUGI に関しては 16FLIP の名でプロデューサーとしても活躍するなど、いま現在の東京のヒップホップ・シーンのなかで大きな存在感を示している。ちなみにブーンバップ・ヒップホップとは、主に80年代、90年代のNYヒップホップの基盤となっているサウンドであるが、そこに2000年以降の東京のストリートの空気感をリリックとサウンドに注入して作り上げられるのが、彼ら流の東京ブーンバップのスタイルだ。

 本作には、NYを拠点に D.I.T.C. 関連の作品も手がける Gwop Sullivan を筆頭に、前作『VIRIDIAN SHOOT』から引き続き、DJ Scratch NiceGradis Nice、16FLIP がトラックを手がけ、加えて Fitz Ambro$e、Endrun、ベイエリアから DJ Fresh と、日米から多彩なメンツがプロデューサーとして参加。音の流れとしては前作と地続きであるが、感覚的にはより広がりのある厚みのあるトラックが揃い、シンプルに言って凄まじく格好良い。そこに乗る BES と ISSUGI のコンビネーションも鉄壁の安定感で、力強くグルーヴを引っ張る BES と、変幻自在にフロウを変化させてグルーヴを操る ISSUGI と、実に対照的なスタイルで交互にマイクを回し、ヒリヒリした極上の刺激を与えてくれる。

 アルバム・タイトルにある「Purple」の意味はオフィシャルでは明らかにはされていないが、リリックのなかに時おり出てくるいくつかのワードから想像することは可能だろう。ストリートで展開されるノンフィクションとフィクションが入り混じった彼らのリリックの世界観は、ブーンバップのオリジネイターである90年前後のNYヒップホップで描かれていた世界観とも強くリンクする。例えば、アルバム後半部分の非常にインパクトの強い “Skit” から “Inner Trial” の流れのなかにある不穏な空気や、MONJU の仙人掌、Mr.PUG をゲストに迎えた “Trap to Trap” でのネガティヴな出来事も、彼らの高いスキルによって極上のエンターテイメントに仕上げられ、ヒップホップだからこそのアートが表現されている。曲の流れやスキットやインタールードの使い方も実に巧みで、ラストの “BoomBap pt2” もしっかりと続編を期待させてくれる。良い意味で、日本のヒップホップ・シーンの正統な進化を感じさせてくれる傑作だ。

ギャングスタ・ラップの常識が満載!

世界中で最も聴かれ、影響力のある音楽
ギャングスタ・ラップの主要アーティストとヒット曲、定番アルバムがひと目でわかる、唯一の専門ディスクガイド本。

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600曲・600枚、オールカラーで紹介!

著者は『シティ・ソウル ディスクガイド』の小渕晃。

小渕 晃 (こぶち あきら)
TOWER RECORDS アルバイト、CISCO 勤務を経て、1996年から2010年まで月刊誌『bmr (ブラック・ミュージック・リヴュー)』編集、後に編集長。現在はフリーのライター、編集者。
著書
HIP HOP definitive 1974-2017』(ele-king books)
『シティ・ソウル ディスクガイド』(DU BOOKS)

Contents

はじめに

Chapter 1
Birth of Gangsta Rap ギャングスタ・ラップのはじまり

シングル・ジャケット・ギャラリー vol 1

Chapter 2
Westside アメリカ西海岸のギャングスタ・ラップ

Part 1 1987-1992 ギャングスタ・ラップの台頭
Part 2 1992-1998 Gファンクのブーム
Part 3 1999-2011 ウェッサイ・ファンクの進化
Part 4 2012- 西海岸ギャングスタ・ラップの新時代

コラム
ギャングスタ・ラップの生まれる大きな要因となった、ブラックパンサー党の話。~ゲットーにおける自衛と、地域主義、助け合いのはじまり~ (文・野田努)

Chapter 3
South アメリカ南部のギャングスタ・ラップ

Part 1 1989-1992 サウス・シーンの勃興
Part 2 1992-1996 Gファンク時代のサウス・シーン
Part 3 1996-2011 バウンス、クランク、そしてトラップの時代へ
Part 4 2004-2009 Hタウン・ファンクのブーム
Part 5 2012- サウス・シーンの新時代

シングル・ジャケット・ギャラリー vol 2

Chapter 4
Midwest アメリカ中西部のギャングスタ・ラップ

Part 1 1991-2011 ミッドウェスト・シーンのはじまりと発展
Part 2 2012- ドリルと、90年代スタイルの継承

シングル・ジャケット・ギャラリー vol 3

Chapter 5
Eastcoast アメリカ東海岸のギャングスタ・ラップ

featuring Nate Dogg ネイト・ドッグ客演曲リスト

インデックス

おわりに

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧

amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club
mibon本の通販(未来屋書店)

全国実店舗の在庫状況

紀伊國屋書店
丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア

Vol.130:閉店するバー、開店するレストラン - ele-king

 NYでは COVID-19の検査を無料で受けることができるので、私はアンチボディを1回、PCR検査を3回受けた。最初に受けたPCRは陽性と出たと前回のこのコラムで書いたが、その2日後に受けた検査では陰性と出た。
 こういったミスはよくあるという。私のまわりでも、症状のあった人が陰性で、まったく症状はないが陽性と出た人がいる。抗体も3ヶ月で消えるとのことなので、頻繁に受ける方がいいらしいが……

 仕事も再開されないので、8月は日本に行った。日本の空港では乗客すべてに唾液検査があり、テスト結果が出るまで空港を出られない。公共交通機関は使えないし、結果が陰性でも、2週間の自粛生活を強いされる。毎日電話で体調や家族に具合の悪い人は出ていないかをチェックされる。NYに戻ってきたときは、空港では検査どころか税関検査もされなかった。何事もなくNYに入れる。もちろん2週間の自粛生活もなし。8/31のNY州の死者は1人、NY市は6人と、COVID19の死者数は減り、感染者数はNY州は656人、NY市は268人。かなり減ってはいるが空港がこんな対処ではまた増えそうだ。

 いままで後ろのドアから乗っていたバスが、前からの乗車になり、料金も取りはじめた。まだ在宅ワークが多いので、地下鉄はいつもの50%ぐらいの乗車率。レストラン、バーなどでハングアウトしていても、人々はマスクをしている。
 NYのバーは、7/17からドリンクオーダーの際には食べ物も一緒にオーダーしなければならないルールができた。サラダ、ウィング、ホットドッグなどは大丈夫で、チップス、キャンディ、ナッツはだめ。ブルックリンではキッチン装備のバーが少ない。先日、シークレット・プロジェクト・ロボットがやっているバー、ハッピーファン・ハイダウェイに行ったらマルちゃんのインスタントラーメンが一袋出てきた(どうやって食べろ、と)。レベッカズに行くと食パンにチーズを挟んだ冷たいチーズサンドが出てきた。ほかにもカップラーメン、ポップタート、餃子など、お腹がすいていなくてもドリンクを頼むとフードがもれなくついてくる。その辺をうろうろしないで椅子に座らせようという意図なのだが……。
https://bushwickdaily.com/



 以前は朝の5時までオープンしていたバーが11時に閉まるので、NYの夜は早く終了するのかと思えばテイクアウトして公園などでたむろする人が増えている。女子にとってはトイレ問題と蚊が多いのが難点。
 8/21にはブルックリンを代表をするクィアーバーのハウス・オブ・イエスがリカーライセンスを取り上げられクローズした。近くのシスターレストランのファラフェル・レストランからフードをオーダーするシステムを取っていたからである。早く問題を解決して、再オープンしてほしい。

 パンデミックでクローズしたレストラン、バーは数知れない。そのなかのひとつ、レズビアン・カップルがやっているウィリアムスバーグのトロフィーバーが、8/30に13年の歴史に幕を閉じた。ブルックリンのヒップスターたち、クリエイティヴな人たちが集まるバーで、ここで出会ったカップルは数知れない。フレンドリーなバーで、フードも美味しく値段もリーズナブルだった。いまどきチーズバーガー+フライが$8だ。最後の日には、懐かしいたくさんの人が別れをいうためにやってきた。オハイオから10時間かけてやってきたファンもいた。最後はスタッフ全員にドリンク、ピザ、そして最後のバースデーケーキを振る舞い、別れを惜しみながら、エアハグでなく本当のハグをした。https://trophybar.com

 チャイナタウンには、このパンダミックのなかカラオケレストランがオープンした。で、行ってみたらすでにカラオケは市に取り上げられたらしい。そりゃそうですよね。料理はオーナーの出身地、北海道を代表するメニューで、ジンギスカンが食べられるのはNYでもここしかないかも。ドリンクには酎ハイ、ウーロンハイ、ハイボールなど日本の居酒屋で見られるメニューがずらりと並んでいた。https://www.drclarkhouse.com/

 こんな感じで、音楽ショーはまだまだだがアウトドアダイニング事情は工夫を凝らして、楽しみを作っている。今年はサマーフェスも祭りも野外映画もない。9月に入れば学校もオープンする。パンデミックのなか、この先の毎日の生活はどう変わるのだろうか。

Walearic - ele-king

 大好評の『和レアリック・ディスクガイド』から井上鑑の『カルサヴィーナ』がリイシューされましたが、和レアリックの再発、さらに続きます。
 この度あらたに再発されるのは、トゥデイズ・ラテン・プロジェクトによる同名アルバム。これもまたディガーたちに発掘された名盤の1枚であります。

 ニューウェイヴ末期の、1983年にリリースされた『トゥデイズ・ラテン・プロジェクト』は、あまりにも先駆的であったがゆえ当時は時代となかなかリンクしませんでしたが、しかしそこに記録されている音楽は、時代や国境を超越したラテン音楽でした。
 戦後からラテン音楽を紹介してきた重鎮、東京キューバン・ボーイズの見砂直照、そして70年代からラテン音楽の魅力を伝え続けている竹村淳の2人がプロデュースを手掛け、また、世界的な再評価の著しい清水靖晃、SHOGUNの大谷和夫といった実力者が参加、最高に優れたメンツで制作された珠玉のエレクトロニック・ラテン・ジャズ・サウンドなのです。スリリングかつ心地良い、ダンサブルかつチルな1枚、中古でも1~2万はするので、この機会を逃さないようお願いします。

プロデュース:見砂直照 / 竹村淳
アレンジ:大谷和夫 / 植原路雄 / 清水靖晃

TODAY’S LATIN PROJECT / トゥデイズ・ラテン・プロジェクト
Today's Latin Project / トゥデイズ・ラテン・プロジェクト
P-VINE
2020年11月4日(水)発売
監修・解説:松本章太郎

East Man - ele-king

 順序が逆になってしまったけれど、7月に入って聴いたアルバムで後半期のトップを飾ると思ったのがイースト・マンのセカンド・アルバムだった。1ヶ月以上経ってもそのインパクトは揺るがない。ザ・フォールの曲名からつけたというアルバム・タイトル「プロレタリアによるアートの脅威」は労働階級出身のマーク・E・スミスが独学であれだけの言語感覚を身につけたことに敬意を表したものらしい。日本と違って芸能界から労働階級がいなくなってしまったと言われるイギリスで(役者でいうとジャック・オコンネルが久しぶりに現れたワーキング・クラス・ヒーロー)、労働階級が文化的な表現で脅威になると宣言することはザ・フォールが活躍できた80年代とも違う意味を持つ。アントニー・ハートは自分が起用したMCたちの言葉によほど感銘を受け、自信を持ったのだろう。

 イースト・マンことアントニー・ハートについてはこれまで当サイトでは何度も触れられている。そのほとんどは米澤慎太郎のレヴューによるもので、編集部の原稿などと合わせてこれまでの経過を簡単にまとめると、アンソニー・J・ハートはまず2010年代にイマジナリー・フォースというインダストリアル・テイストを含んだドラムン・ベースのプロジェクトで10枚近いアルバムをリリース。それらはドローンやミュジーク・コンクレートとも親和性を持つようになり、彼のサウンドはどんどん抽象化していく。実験音楽の牙城とも言える〈アントラクト〉からリリースされた『Low Key Movements』(15)はその道に詳しいデンシノオトの耳に止まっている→https://www.ele-king.net/review/album/004805/

 しかし、パイレーツ・ラジオでDJを務めた経験が彼をストリート・サウンドへと引き戻したようで、現在までのところイマジナリー・フォース名義で最後となるアルバムがリリースされる前に、ベイシック・リズムという新たなプロジェクトがスタートし、彼の表現はベース・ミュージックやグライムをメインとするものに様変わりする。ここからは米澤慎太郎の独壇場である。米澤いわく「初期ジャングルの感覚を現代にアップデートし、140bpm に落とし込んだアルバム」だと→https://www.ele-king.net/review/album/005653/

 ベーシック・リズムとしていままでのところ計3枚のアルバムをリリースし、その3枚目からハートは〈プラネット・ミュー〉にレーベルを移している。そして、恐らくはインストゥルメンタル主体のベーシック・リズムと並行して複数のMCを大々的にフィーチャーしたイースト・マンも始動させる。デビューから9年目にして言葉を表現の核としたのである。ロンドンのあらゆるエリアから集まったMC陣もさることながら米澤が詳細に紹介している地下鉄のインタビュー“Drapsing”はとても興味深い。一読を→https://www.ele-king.net/review/album/006189/

 また、同アルバムのライナーノーツをポール・ギルロイが書いていると編集部が興奮気味に伝えるニュースも→https://www.ele-king.net/news/006029/

 イースト・マン名義のデビュー・アルバムはとても意義深いものだったし、MCをフィーチャーしたせいなのか、ベーシック・リズムまでははっきりとサウンドに残っていたインダストリアル・テイストが表面的にはほとんど消えていたことも僕は印象深かった。言葉をきっちりと届けたいという判断からだったのだろうか。ベーシック・リズムではいまひとつインパクトに欠けていたサウンドが確実に蘇ったことはたしかで、そのひとつはダンスホールの導入による効果だったと考えられる(“War”ではゴムを取り入れている)。ベーシック・リズムで音数を減らしていたことがMCと絡み合う上では大きな成果につながったということもあるだろう。ロンドンのイースト・エンドが再びライズしてきたのである(イースト・マンというのはそういう意味かなと?)。

 2作目となる『プロル・アート・スリート』はひと言でいえばMCたちとの絡み合いがさらに有機的となり、勢いが増しているということになるだろう。オープニングからアフリカン・ドラムにあっさり持っていかれる。サウンドはスッカスカ。確信を持って音数は減らされたまま。残酷で分断された都市を底辺から描いていくという視点はロンドンだけではなく、ブラジルのMCフェルナンド・ケップを“Ouroboros”で起用することで「インターナショナル」な現実として膨らませていく。途切れ途切れに入っているとしか思えないドラムはまるでMCの合いの手である。♩ウロボロス・ボラ・パラ・デ・オンダ プカ・エ・ボア・ノス・パサ・ナ・ロダ……って何を言ってるかまるでわかりません。「私は誰?」とシンプルに問いかけるのはフィメールMCのナイ・ナイ(♩ナイ・ナイ、フー・アム・アイ?と少年隊みたいに韻を踏んでいる)。ストリーマ、マイクロフォン・タイソン、イクリプス、ワッカイ……名のあるMCはリリカル・ストローリーことYGGぐらいしかいない。前作から引き続き参加しているのはダーコス・ストライフぐらいで、アントニー・ハートはいわば都市のエピソードをラップというフォーマットで取集している面もあるのではないだろうか。

 後半は少し勢いが落ち、“Machine Gun”ではクラウトロックみたいにただマシンガンみたいなサウンドを鳴らすだけ。ロンドンで起きているギャングの抗争はナイフの斬り合いがほとんどなので、これはさすがにリアリティがない。バイリ・ファンキ(ファベーラ・ファンク)が一時期、銃声をスネアの代わりに使うという流行りを見せたことがあったけれど、そのような痛々しさもなく、これだけはよくわからない(ポーティスヘッドの“Machine Gun”とかなり似ているし……)。ハードは自らの音楽をイマジナリー・フォースの頃から一貫して「ハイ・テック」と称していて、最後はすべてのキャリアをまとめたということなのか、“Hi Tek Theme”というタイトルが付けられていて、これが“Machine Gun”パート2のような曲になっている。う~む。最後の2曲だけ、ちょっとわからないのであった。

Autechre - ele-king

 このところ長大な大作や膨大なライヴ・アルバム(2016年の『elseq』は5作分、『NTS session』はCD8枚組、ほか配信のみで『AE_LIVE』シリーズがいまのところ35作? とまあ、TGなみの量ですな)を出しているオウテカが、〈Warp〉からは2013年の『Exai』以来の7年ぶり、自分たちのサイトから出した『elseq』からでも4年ぶりとなるスタジオ録音アルバムを出すことが9月2日の日本時間24時に発表された。最後に広く流通した作品はやはり2013年の『Exai』だろうから、まあとにかく久しぶり。

 オウテカにとって音楽は、サウンドそのものである。言葉によるメッセージやテーマを設けてコンセプトを展開することはない。音そのものがコンセプトである。この30年、誰とも違うエレクトロニック・ミュージックをひたすら作り、作り、作ってきたオウテカが、あらたにいったい何をやってくるのか、これは大注目でしょう。
 タイトルは『Sign』。発売は10月16日(金)。〈ビート〉からの日本盤にはボーナストラック入り。初回限定Tシャツ付きセットも発売される。

Bright Eyes - ele-king

 アメリカにおいてフォーク(・ロック)が何かしらの説得力を増しているのではないかと感じているのはこの数年のことで、去年辺りからそれが確信に変わりつつある。ひとつにはビッグ・シーフがサウンド的にもコンセプト的にも目を見張るような作品をリリースしメディアに絶賛されたというのもあるし、ひとつにはビル・キャラハンマウント・イアリのようなヴェテランが力作を発表し若い世代に発見されているということもある。もちろんボン・イヴェールがコミュニティ・ミュージックとしてのフォークを再定義しようとしているのもあるし……さらに大きなところで言っても、ボブ・ディランの17分を超えるシングル、それに久々のオリジナル作がアメリカを激しく問うものであったこともある。あるいはまた、テイラー・スウィフトのようなゴシップと戯れてきたメガ・ポップ・スターがそれこそボン・イヴェール一派の力を借りつつ『Folklore (伝承歌)』というタイトルの、アメリカの人びとの記憶を巡るフォーク・アルバムを制作する事態まで起きている。
 それは2016年からの重い問いになっている、「では、そもそもアメリカの民主主義とは何だったのか?」というテーマともリンクしているだろうし、権力と対峙するときの「人びと」のコーラスがいまどれほどの力を持ちうるかの試みでもあるだろう。あるいはまた、個と公がどのような関係を描くのかという問い直しであるだろうし……結局、混乱する時代にあってわたしたちは何度でもそこに立ち返るしかない。

 そんななかでいま急速に再注目と再評価を集めているのがコナー・オバースト率いるブライト・アイズである(それと、ボニー・“プリンス”・ビリーも。ウィル・オールダムは『ア・ゴースト・ストーリー』のような若い世代の心を捉えたインディ映画に俳優として出演するなどして、インディ・キッズたちの間でクールなアウトサイダーとして人気を高めている)。ブライト・アイズといえば、多くのひとが思い出すのは音楽的なテンションがピークに達していた『LIFTED or The Story Is in the Soil, Keep Your Ear to the Ground』(2002)~『I’m Wide Awake, It’s Morning』(2005)の頃だろう。同時期にはブッシュ政権の傲慢を激しく糾弾したシングルにしてプロテスト・ソング「When the President Talks to God (大統領が神に話すとき)」もある。自分の混乱や不安定さを隠さないままこの社会の不条理を訴えるオバーストの姿を見て、人びとは彼を「若きディラン」と呼んだ。それももう15年前のことだ。
 それからブライト・アイズは2010年代頭に向けて批評的にじょじょに失速していく。いま思えば、彼が受けた世の過剰な期待に対応しきれず、ややスピリチュアルな方向に進んだのと関係しているのかもしれない。ライターとしてデビューしたばかりの頃の自分が書いた『The People’s Key』(2011)の拙いレヴューを読み返してみると、はっきりと落胆が記されており、まあ拙いながらも当時の自分の正直な気持ちだったのだろうと思う。ブッシュ時代からオバマ時代へと至り、オバーストは何を歌うべきか、彼自身もリスナーも見失いつつあったのかもしれない。そのことを表すように、『The People’s Key』はフォーク・ロック・アルバムではなかった。
 しかしブライト・アイズとしての作品が長く途絶えている間に、次の世代がその存在を参照しはじめる。そこでキーワードになったのがエモだ。リル・ピープやマック・ミラーのようなエモ・ラップがカヴァーやサンプリングで精神性の拠り所にし、また、エモからの影響を公言する新世代のインディ・ロック・スターであるフィービー・ブリジャーズとオバーストのフォーク・ロック・ユニットであるベター・オブリヴィオン・コミュニティ・センターが結成されるなんてこともあった。ビッグ・シーフは自分たちがかつて所属した〈サドル・クリーク〉を「ブライト・アイズがいたレーベル」として認識していたという。初~中期のブライト・アイズにおける思春期性を帯びたエモーショナルさがときを経て、メンタル・ヘルスの問題が取り沙汰される世代に発見されるのは自然な流れだったのかもしれない。時代の混迷とともに、彼の震える声が再び求められたのだ。そして、ブライト・アイズとして9年ぶりのアルバムがリリースされた。

 フォークというにはやや作りこまれたロック・アルバムだが、『The People’s Key』よりはるかにフォーク/カントリーが戻ってきているのは間違いない。メンバーであるマイク・モギスとナサニエル・ウォルコットと再び集い、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーやマーズ・ヴォルタのジョン・セオドアのような名プレイヤーの参加もあり、かなり厚みのあるバンド・サウンドとなっている。なかでもウォルコットが手がけたオーケストラはリッチかつドラマティックなもので、初期を思えばずいぶんしっかりしたなと思わせるところがある。骨格としては正統にフォーク・ロック的な “Dance and Sing” の後半でほとんど仰々しく入ってくるストリングス、“Mariana Trench” においてジョン・セオドアの激しいドラミングのなかで縦横に飛び交うブラス、ビターなピアノ・バラッド “Pan and Broom” でよく歌うバグパイプなどを聴いていると、アレンジメントのゴージャスさで聴かせる作品なのだと感じられる。とても力強い。
 それでもその中心にあるコナー・オバーストの声と歌、それはいまでも不安を抱えたままで揺らぎ、震えている。このアルバムはオバーストの元妻のスポークン・ワードで幕を開けるのだが、そんな風に人生の様々な経験を経て40代となったいまも消えることのない自身の不安定さがここにはある。そしてオバーストの視線はまた社会や資本主義の欺瞞や不条理に向かっており、しかしそれに対して太刀打ちできない自分自身の弱さや無力感が綴られている。もう彼は「フォークの若き旗手」などではないが、中年になってなお、この世に生きることの過酷さを前に膝を抱える自分を隠そうとしていない。もちろん15年間に比べると歌い方も詞作もぐっと成熟しているし、彼もやはり年を重ねているのだと気づかされる。けれど、清潔な音でピアノが響くバラッド “Hot Car in the Sun” のなかで、「ベイビー、だいじょうぶだよ。愛している」とか弱い声で歌う頼りなさこそオバーストであり、ブライト・アイズなのだ……と思ってしまう。あるいは自分がそんな瞬間を探そうとしているだけなのかもしれないが。

 僕はいまでも『LIFTED』のラスト、“Let’s Not Shit Ourselves (To Love and to Be Loved)” で「僕にはブルーズがある! 僕にはブルーズがある! それが僕!!」と絶叫する彼の危うさを耳にすると視界がぼやけてしまうし、自分が過去に持っていたのかもしれない感じやすさを掘り起こされる気分になる。『Down in the Weeds, Where the World Once Was』のクロージング・ナンバーである “Comet Song” は、それを思うとずいぶんコントロールされて安定したアンサンブルが聴けるが、じょじょに壮大になっていくオーケストラのなかで懸命に歌うオバーストの迫力に耳を奪われる。それは彼がいまも等身大の自分自身でこの世界に対峙していることの証だ。このアルバムにあるバンド・サウンドの逞しさとオバーストの不安を滲ませる歌の対比は、個と公の間にある戸惑いのなかで何かを見失いそうな、社会の巨大さや残酷さを前にしたときのちっぽけな自分を、それでも奮い立たせてくれる。

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