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[Electronic] by Metal

[Electronic] by Metal

Peter Van Hoesen & Donato Dozzy / Tr_nch & Iori

61 Center Returning Vol.3

メタル   Mar 28,2011 UP

 A面はレーベルの首領でありエレクトロからトランスまで実験精神に溢れたトラックを頻発するPeter Van Hoesenと前回のレヴューでも紹介したモダン・アシッド、ミニマル・トランスを次々と生み出すイタリアのDonato Dozzyによる最新狂作。昨年〈CURLE〉からふたりの作でリリースされたダブステップのグルーヴに一歩も引けを取らない、幼女の柔肌のように繊細かつ柔軟なテック・ハウス"Tails"から一転、今回の"Elektra"ではレーベルのカラーに合わせ、モノトーンで金属的な質感のミニマル・テクノを基調としている。トリッピーな飛び音のシンセ、シャープで図太いシンセのリフも良い。ヴァイナルで聴くとJames Ruskinのようなオールド・スクールなミニマルよりも音圧は薄く少々味気なく感じるが、隙間があって軽さを持たせたグルーヴは心地よいダンスを見事に誘発する。

 B面は各国の主要レーベルと契りまくる沖縄在住の大魔神Ioriと先日まで東京で活動していた友だち思いのイギリス人、Dave Twomeyの変名であるTr_nchによる奇跡の狂作。電気の武者"Elektra"とほぼ同様のカラーで構成された深海魚"Barreleye"はシカゴ・アシッドの質感を残したスネアのプログラミングがいい意味でのテクノのエグさを引き出している!! 奥行きのある空間で、過剰に歪められ凶暴に響くベースシンセがねっとりと絡みつく。そうまさにそれは深い海の底、あるいは熟女の執念のような深い闇を見事に写し出している。スタイルの違いを考慮しても、強度や深さ、アイデアにおいて"Barreleye"の深度が劣っていることはない。そう、このトラックこそがもっとも深いテクノである。

 先日リリースされた田中フミヤのシングルも〈PERLON〉の作品に劣らないクオリティだったし、あまり言われてないことだが、現在の日本のテクノは素晴らしい。Ioriはアンビエントもたくさん作り貯めしていると言っていたし、これからもっとも期待ができるアーティストだといって間違いない。

メタル