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Alayavijana

Alayavijana

アラヤヴィジャナ4

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三田 格 Feb 16,2010 UP

 どっちが先だったか忘れてしまったけれど、昨年は春先に東京経済大学で粉川哲夫氏の身体パフォーマンス論にオイゴル(LKO+ユザーン)を紹介し、2時間の長丁場を持たせるために彼らがタカシタールを連れてきてライヴをやったことと、『スタジオヴォイス』ではミニマル・ミュージックの特集をやるというので、あれこれと打ち合わせをしているうちにミニマル・ミュージックにはアフリカ起源とインド起源のものがあるだろうということになり、そのせいでシタールやタブラといったインドの楽器がやたらと気になっていた時期があった。そこに『朝日新聞』で洋楽CDのセレクションをやっているからか、デバシシュ・バタチャルヤという、それまで1ミリも聴いたことがないインドのスライド・ギタリストによるサード・アルバム『オー・シャクンタラー!』が送られてきて、ラ・モンテ・ヤング以外のドローン・ラーガを初めて長々と聴くことになった。これが......けっこうよかった(朝日の会議で強く推したけれど、ほかには誰も聴いてなかった)。

 そして、年末から年始にかけて手塚るみ子さんと『手塚治虫 エロス1000ページ』を急ピッチで編集していたら、彼女がやっているレーベルからの新作だといって『アラヤヴィジャナ4』を渡された。『ゲゲゲの娘 レレレの娘 らららの娘』も先行して作業していたんだから、一体、いつの間に......と思ったものも束の間、家に帰って再生してみると、これがまた最初から最後までドローン・ラーガで、えー、なに、手塚るみ子ってテクノしか聴かないのかと思っていたのにアッチョンプブリケで、慌てて調べてみると、これって最初はヨシダダイキチとユザーンがはじめたグループだったりして、ありりー、だけど音楽はただ静かにフワフワと気持ちよいループを繰り返し続け、バタチャルヤに比べると緩急があまりなく、一本調子なためにドラマ性が排除され、いわゆるテクノやハウスで経験してきたトランス状態に近いものになっているのではないかと。これがほんとのゴア・トランスだ......とはいわない方が身のためですが、光を求めて時空を彷徨っているかのようなバタチャルヤとは違い、低音部がしっかりし過ぎているためか(?)飛ぶというよりは地に足をつけたまま揺らめいているというところが日本製だし、奇妙なリアリティを伴って聴けるという感じ。オイゴルにしてもインド音楽をそのままやろうとしているわけではなく、そのことに仮託しながら表現しているのはやはり「いま・ここ」だということが強く伝わっくる。

PS 日本はいま、都会を歩く人びとの足の速さでは一気に16位にまでずり落ちたとか(1位はシンガポール)。そーいやー、繁華街が歩きづらくなったことはたしか。通勤ラッシュのことはよく知らない。

TrackList

  1. 1. 雨音は、ほんのり青く、こだまする
  2. 2. しとしとと、小雨まじりの、秋の空
  3. 3. 秋あらし、いつしか深い、闇のなか
  4. 4. 雨あがり、るり色した空、日が落ちる
  5. 5. 海とおく、時をわすれて、夢うつつ
  6. 6. 渡り鳥、おぼろ月夜と、西の空

三田 格