ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. シカゴ・ハウスという原点、謎に包まれた歴史があらわになる ──ジェシー・サンダース『ハウス・ミュージック』刊行のお知らせ (news)
  2. Shafiq Husayn - The Loop (review)
  3. 魂のゆくえ - (review)
  4. Random Access N.Y. vol.115 : 1年に1度のアシッド・マザーズ・テンプル Acid mother temple/ Yamantaka//Sonic titan @Market Hotel (columns)
  5. interview with Fat White Family 彼らはインディ・ロックの救世主か? (interviews)
  6. Matmos - Plastic Anniversary (review)
  7. SCARS ──入手困難だったファースト・アルバムがリイシュー (news)
  8. Columns UKの若きラッパー、ロイル・カーナーが示す「第四の道」 (columns)
  9. Plaid ──プラッドがニュー・アルバムをリリース (news)
  10. dialogue: Shinichiro Watanabe × Mocky TVアニメ『キャロル&チューズデイ』放送開始記念 (interviews)
  11. interview with Acid Mothers Temple アシッド・マザーズ物語 (interviews)
  12. Columns なぜスコット・ウォーカーはリスペクトされているのか (columns)
  13. interview with Bibio レトロとノスタルジーの違いについて (interviews)
  14. The Comet Is Coming - Trust In The Lifeforce Of The Deep Mystery (review)
  15. Flying Lotus ──フライング・ロータスがニュー・アルバムをリリース (news)
  16. マキタスポーツ - 2019年3月27日@草月ホール (review)
  17. Loski - Mad Move (review)
  18. Nivhek - After Its Own Death/Walking In A Spiral Towards The House (review)
  19. Politics オカシオ-コルテス、“MMT(現代貨幣理論)”を語る (columns)
  20. 主戦場 - (review)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Sewn Leather- Sikknastafari Slash Crasstafari

Sewn Leather

Sewn Leather

Sikknastafari Slash Crasstafari

Hundebiss

三田 格   Dec 19,2011 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 ウォッシュト・アウトやトロ・イ・モアにのれなかった皆さま、お待たせいたしました。「チル・ウェイヴを粉砕し、キル・ウェイヴにこんにちわ」のお時間です!(打倒・野田! 打倒・橋元! 紙「エレキングVol.4」座談会参照!)。

 ジェイムズ・フェラーロやハイプ・ウイリアムズの映像作品をリリースしているレーベルからキル・ウェイヴことシンセ・ノイズ・パンク・クランクというのか、パンク・グライムというのか、いまだったら誰でもなんとでもいえる破壊衝動の固まりが飛び出してきた。

 DJドッグ・ディックと組んだドッグ・レザーから実に攻撃的なソーン・レザーの初ソロ(同時期にリリースされたドッグ・レザーのデビュー・アルバムは未聴)で、「2012年は1984年の到来を告げている」などと記してあり、それがまた何を意味するかもわからないまま(ジーザス&メリー・チェインがデビューした年という意味か?)、全編でガーガーピーピーやってます。ジョイ・ディヴィジョンの憂鬱に取り付かれたコールドウェイヴなどと紹介される端からファニーな表情を見せたり、ダブ・インダストリアルを延々とスロー・ダウンさせてみたり......(33回転でも45回転の再生でもどっちでもいいという設定らしい)。とくにスローな展開をメインにしたBサイドは圧巻で、DJヨー・ヨー・ダイエティングのスクリュード・ノイズ・ドローンからアートっぽい雰囲気を取り去り、徹底的にガキっぽくしたといえば少し脈絡というものがあると思えるだろうか。

 元々はパンクだった時期もあるようで、どのようなアレンジに切り替わろうとも全体に混沌としたムードが基調をなし、スクリュー(=ダブ処理)と破壊衝動のせめぎ合いはどことなくマーク・ステュワートのソロー・デビュー時を想起させる(ネガティヴランドを思わせる三角に折りたたまれたジャケットも、そういえばマーク・スチュワート&マフィア「リバティー・シティ」と同じつくりかも)。あるいは、エイドリアン・シャーウッドが関わった作品とは違って、レゲエの要素を聴き取ることは難しいにもかかわらず、このアルバムはそのままジャー・クラスタファリに捧げられている。ハードコア・パンクのクラスとラスタファリをかけた造語だろうけれど、それこそマーク・ステュワートやタッグヘッドにも当てはまる造語感覚ではないだろうか。

 いやー、カッコいい。こういうのは10代のうちに聴いておこうね。

三田 格