「DJ DON」と一致するもの

Various - ele-king

 『地元コア!』と題されたエリア・コンピレーションで、ここ30年間にマイアミで名を挙げたダンス・アクトがほぼ一堂に会している(テクノ、ハウス、エレクトロが中心で、ヒップホップは除外)。壮観。全44曲。すべて新録のようで、ヴェテランもニューフェイスもなかなかにしのぎを削り合っている。短い曲が多いせいか、テンションも持続し、いわば「マイアミ・ベース以降」がまとめて体感できる。マイアミ・ベースはアトランタに波及してトラップに発展したり、中南米にはファヴェーラ・ファンクやファンク・カリオカといったシーンを誘発したものの、地元マイアミではどのような変化を遂げたのかということがまとめて報告されたことはなく、それがここに見晴らしよく並べられたという感じ。猥雑でダイナミック。簡単にいえばマイアミの魅力は大胆さと低音の太さに尽きるだろう。ロンドンやベルリンは新しいことをやろうとし過ぎて、時にヒネくれた感じになりやすいけれど、マイアミにはそういったことはない。自由闊達なダンス・ミュージックの最前線である。

 収録順ではなく、プロデューサーのデビュー順に聴いてみよう。まずはラルフ・ファルコンとオスカー・Gによるマーク(Murk)。彼らが名を挙げたのは92年にファンキー・グリーン・ドッグス名義のハウス・クラシック“Reach For Me”がデトロイト・テクノを広めた〈Network Records〉にライセンされ、ヨーロッパでヒットしてから。いわゆるシカゴ・アシッドとは異なるヘヴィなベースがマイアミらしさを打ち出し、本作にも2人はこの30年が何事もなかったように同じパターンの“Filth”を提供している。この不動の価値観。シカゴ・ハウスがヨーロッパに飛び火し始めた80年代後半、マイアミで最も人気だったのはエレクトロ・ヒップホップの2ライヴ・クルーで、彼らのサウンドはデトロイトのサイボトロンがマイアミでもヒットしたことから始まったとされる。2ライヴ・クルーのピークといえる『As Nasty As They Wanna Be』(98)の10年後にはそして、サイボトロンをダイレクトに継承しようとするイグザクト(Exzakt)やBFXが現れ、ここでは両者がタッグを組んで“Reach For Me”をミニマル化したエレクトロの“Let Go”を、また同時期にブルックリンで活動し、後にマイアミに移ってきたゴーサブはマッド・マイクを思わせるデトロイト・タイプのエレクトロ、“Who The Fuck Is Me?”をそれぞれに提供し、さらに少し遅れてデビューしたアルファ606は“Cacique”で、これらとはまったく違った神秘的なエレクトロをオファーしている(同作が全体のクロージング・トラック)。

 最近ではチャイルディッシュ・ガンビーノ“This Is America”のリミックスで名を挙げたジェシー・ペリッツは母親が2ライヴ・クルーのダンサーだったことから音楽の現場とは距離が近く、最初は俳優として活躍していた存在。なかなかの遅咲きで、“Jesse Don't Sport No Jerri Curl”が注目を集めるまでに7年かかり、エレクトロとハウスの中間をいくサウンドを模索。ここではエレクトロに寄った“Pocket Full Of Ones”を提供。エレクトロ回帰と同時期にマイアミに大挙して現れたのがグリッチ・ホップで、元ソウル・オディティのフォーニージア主宰による〈Schematic〉を中心にディノ・フェリペやオットー・フォン・シラクが頭角を現し、本作でも後者はオープニングとなる“Miami All-Stars (Tremendo Intro)”を、前者は当時と変わらずファニーな“In Order To Ground The Listener”をそれぞれに提供。彼らのサウンドはプリフューズ73やフンクシュトルンクなどと並べて聴くよりもマイアミ・サウンドの一部として聴いた方がしっくりとくることは間違いない。さらに活動の途切れていたプッシュ・ボタン・オブジェクツを約20年ぶりにレーベル・オーナーのダニー・デイズが担ぎ出して“I.E.”を共作、ピッチを早めたオールド・エレクトロにアシッド・ハウスを絡めたなパーティ・サウンドに仕上げたことはひとつの快挙といえる。

 エレクトロからクランクへと歩を進めたヒップホップとは距離を置き、マイアミ独自のテクノやハウスが増えたのが00年代。まずはマークの後継としてラザロ・カサノヴァが現れ、ゴーサブ同様、ブルックリンからマイアミに移った彼は作風も“Reach For Me”を継承。ここではレイドバックしたダウンビートの“Nieve”を聞かせる。レーベル・オーナーのダニー・デイズもこの世代に属し、彼もどちらかといえば遅咲きで、『Silicon EP』『Speicher 80』(ともに14)では“Reach For Me”やジェシー・ペリッツの試みをテクノの領域に移植。彼が主宰してきた〈Omnidisc〉ではボディ・ミュージック・リヴァイヴァルのヘレン・ハフやアンソニー・ローター、ワタ・イガラシにブラック・マーリンとオルタナティヴ志向を強くしていたものの、16年にリリースしたヘヴィ・エレクトロの「Miami EP」から本作『Homecore!』のアイディアが膨らんでいったのだろう。〈Omnidisc〉では異色といえる本作には蛆虫が地を這い回るような気持ち悪い“110 Dudes”を提供してマイアミのイメージを根底から覆す役割を演じる一方、ひと世代下のニック・レオンと組んでラ・グーニー・チョンガ“Phonkay”ではアフリカ・バンバータそのままのエレクトロ・ヒップ・ホップも聞かせる。

 このところローレル・ヘイローからニコラス・クルスまであらゆるDJミックスに登場するニック・レオンは「マイアミを音楽都市として再浮上させたプロデューサー」と言われるほど評価の高いプロデューサーで、〈Alpha Pup〉からのデビュー・アルバム『Profecía』(16)ではリスニング寄りの穏やかな側面を見せ、世界中のレーベルからリリースされるシングル群ではワラチャというキューバのリズムやドラムンベース、最近はラプター・ハウスと称されるチャンガ・トゥキにデトロイト・テクノを縦横に駆使し、どれも外しがない。とはいえ、本作ではあまり本領を見せていないメカニカルなエレクトロの“Sapo”を提供していてやや残念。ヴォーカリストとしてニック・レオンと組む機会が多いビター・ベイブも本作にソロ名義で“Gimme”を提供し、レゲトン版ドレクシアなどと評されたニック・レオン「FT060 EP」(最高です!)に共作で参加していたグレッグ・ビートー(Greg Beato)はリズム感がそれほどよくないせいか、最近は実験的な作風に傾き出し、〈Schematic〉をエレクトロに戻したような作風をプッシュ。ここでは90sリヴァイヴァル風の“Hey Angel, Whatever”を提供している。

 ダニー・デイズと活動を共にしているジョニー・フローム・スペースことジョナサン・トルヒーヨはニック・レオンやシスター・システムらと合わせてニュー・スクールと呼ばれる若手の代表。DJパイソンの向こうを張る形でレゲトンのリズムに由来するデンボー(dembow)の使い手とされ、これをプッシュ・ボタン・オブジェクツなどのグリッチ・ホップと接続させたと評される。しなやかで柔軟性のある『R​.​E​.​M.』(ムスリムガーゼ、池田亮司、ヤン・イエリネクらに捧げられている)や『Tide』など彼は本当に才能豊か(“Sueño Latino”みたいな曲がたまにあるところもよい)。本作にはいままでとイメージが異なるタイトなエレクトロの“Refresh”を提供。本作でデンボーを扱ったものはMJ・ネブリーダによるフィッシュマンズみたいな“Arquitecto”も。また、トルヒーヨが新設した〈Space Tapes〉から4thアルバム『Parrot Jungle』をリリースしたニコラス・G・パディヤはエレクトロとベース・ミュージックを接合させたハイブリッドで、ニューエイジ用語をちりばめているわりに曲が荒々しいのは絶滅させられた少数民族の代弁者を名乗るからだろうか。本作にはガラッと変わってポリリズミックなブリープ・エレクトロの“Zone”を提供。ジョニー・フローム・スペース周辺からはほかにシスター・システム、バニー(Bunni)などがエントリー。

 ベース・ミュージックがマイアミと相性がいいのは当たり前というか、ハーフタイムとエレクトロをスムースにつなげ、珍しくUKガラージを意識したINVTも短期間にミニ・アルバムを量産しながら(この4年で『Sano』『DisruptionI』『Extrema』『Cambio De Forma』『Mundos』、ニック・レオンと組んだ『Paseo』『Media Noche』『Plaza』『Doble Carga』『Ritmo Caliente』『Gazebo』『Duro』『La Chamba』『MiradaI』『Prendida』など)クオリティは下がる気配もなく、本作では前述のワラチャを応用したらしき“Dassit”を提供。このドラムはたまらない。リトル・シムズの新作『No Thank You』に収められていた“X”もおそらくは同じリズムで、個人的にはこれがベスト・トラック。ほかにUKとダンス・ミュージックの文脈を共有しているのはFKAトゥイッグスを早回しにしているようなバブルガム・エレクトロのティドゥー(TIDUR.)、トッド・テリーが派手にジュークをやっているようなセル6(sel.6)、アレックス・リース“Pulp Fiction”を思い出すなというのが無理な90sドラムン・ベースのシノビ(Shinobi)、同じくドクター・ロキット名義のハーバート“Café De Flore”を思わせるスパニッシュ・ムードのハーフタイム、“Red Keycard”を聴かせるニア・ダークといったところ。UKはやはりどこかに冷静な感じがあるというか。

 ニック・レオン、ジョニー・フローム・スペースと並んでいま、マイアミにおける台風の目となっているのが、そして、フィー-ゴー・ジット(Fwea-Go Jit)。同じフロリダ州のタンパで生まれたジューク(スペルはJookで、ジュークボックスに由来)と呼ばれるヒップ・ホップ・ダンスがマイアミに飛び火してジャージー・クラブやダンスホールと融合し、DJキャレド“To the Max”(17)によって世界的に広められたバウンス・ビートを縦横に駆使した3thアルバム『2 La Jit』はけっこうな評判を呼んだ。MCの起用も多く、どこを取ってもピットブルかよと思う激しいダンス・ミュージックの嵐で、本作では折り返し地点に置かれた“Touch It Turn It”が微かな哀愁も漂わせつつ、次章への幕開けとなっている。また、リッチー・ヘルはこれまでになかったタイプというのか、バンド編成でマンボやクンビアを演奏し、ボビー・コンダースやモーリス・フルトンに近いリラックス・タイプ。本作にはクンビア調の“Rapto Cosmico”を提供。

 ここからは少し端折ろう。さすがに数が多過ぎる。ウィッチハウスとしてキャリアをスタートさせたブラック・アントことジャン・ピエール・アンソニーは少し変わり種で、初期には拷問のようなゴシック・ホップを掘り下げ、4作目から〈Schematic〉に移籍、レーベル・カラーに合わせてLAビートに転じている。5thアルバム『Hidden Packages (Islands 3 + 4)』はまさかのJ・ディラとラス・Gに捧げられ、本作にもフラッシュ音を強調したグリッチ・ホップの“Bellfast3”を提供。同じ〈Schematic〉からゾン・ジャマール(Sohn Jamal)とマックス・ブゾン(Max Buzone)、そしてロイジュー(Roiju)もエントリー。サイケデリック・ブレイクコアのジョセフ・ナッシングを思い出すゾン・ジャマールは比較的オーソドックスなグリッチ・ホップの“TQ Visa”を、哀愁に沈んだIDMのマックス・ブゾンはいままでとは比較にならない出色の“Epoch”を、そして叙情的なIDMのロイジューはパーカッシヴな“Sin Gravedad”をそれぞれに提供。珍しくミニマル・テクノのフィーフ(Feph)はまったく表情を変えずに“Resolve”をオファー。やはりマイアミには珍しく〈Warp〉風のリスニング・テクノからミニマルも射程内に置くエライアス・ガルシアも本作ではジェフ・ミルズ風の“Radiant”を。

 『Homecore!』は半数がここ2年でデビューした新人か本作で初めて曲を発表したニューフェイスで占められ、オープニングに続いて2曲目と3曲目に抜擢されているのがロウ・エンズ・レコーズとジ・オウ・ファイ(Tre Oh Fie)。どちらも荒々しいエレクトロを提供し、イメージ通りのマイアミで幕を開けるという役割を全うしている。御大マークの次に置かれたコフィンテクスツ(Coffintexts)も新人ながらやはり大役を担い、これもハードなブレイクビーツ路線とは少し変わってハーフタイムの“Muy Bien”で面白い流れをつくっている。無名どころの新人ではほかに(って僕が知らないだけかもしれないけれど)、ジャン・アンソニーによるポリリズムのエレクトロ、“Trees Whispers Leave”もなかなかに良かった。

 10年代の前半こそロサンゼルスにレイヴの舞台を奪われたものの、ほどなくしてその座を奪い返し、レイヴどころか『お熱いのがお好き』の昔から踊る天国であり続けているマイアミ。キューバとの関係が様々な意味でマイアミを活気づけ、介護される富裕層が共和党支持なら介護する労働者が民主党支持というスタンダードな政治風土を背景にマルコ・ルビオ上院議員や最近ではトランプの代替わりとされるロン・デサンティス州知事が吠える、吠える。ゲイ・クラブでの銃乱射事件が象徴しているように、いまや性別を気にしないノンバイナリーに対して性別をはっきりさせるバイナリーのテリトリーとしても強度を増し、マジック・マイクたち男性ストリッパーもステージ狭しとショーを続けている。最近になってマイアミに引っ越したジェフ・ミルズ夫妻によると日本並みに湿度が高く、コロナでも誰もマスクなんかつけていなかったというし(ロックダウンが解除されたと思ったら、あっという間に海岸がゴミだらけになったとも)。突拍子もない水着ショーも面白いし、できることならエルモア・レナードやカール・ハイアセンの犯罪小説を読み続けて一生を終えたいなー……と思った3時間半でした。

Crack Cloud Japan Tour 2022 - ele-king

 耳の早いインディ・ロック・ファンにはかねてから注目されてきたカナダのポスト・パンク・バンド、Crack Cloud。『nero』編集長の井上由紀子氏も大推薦していたこのインディ界の注目株が早くも来日する。
 東京公演にはNo Busesのフロントマン「Cwondo」と、DJとして村田タケル 《SCHOOL IN LONDON》
 大阪公演は「石田小榛(Vo)と角矢胡桃(Dr)で構成される2ピース・バンド「HYPER GAL」と、DAWA 《FLAKE RECORDS》がサポートアクトとして出演。

Crack Cloud Japan Tour 2022

【公演概要】
2022年11月24日(木)
東京 代官山UNIT
出演者:Crack Cloud
Support Act : Cwondo、DJ: 村田タケル 《SCHOOL IN LONDON》
開場 18:30 / 開演 19:00
【チケット情報】 前売入場券:¥6,500 + 1Drink Charge
問合わせ: UNIT 03-5459-8630 (平日12:00〜19:00)

TONE FLAKES Vol.149
2022年11月25日(金)
大阪 梅田Shangri-La
出演者: Crack Cloud + Support Act :HYPER GAL 、DJ: DAWA 《FLAKE RECORDS》
開場 18:30 / 開演 19:00
【チケット情報】前売入場券:¥6,000 + 1Drink Charge
[TICKET]11月6日 10:00
ぴあ
e+
ローソン
FLAKE RECORDS(店頭)
問合わせ:Shangri-La 06-6343-8601(平日12:00〜19:00)

ツアー先行販売はコチラから:https://linktr.ee/tamatamastudio

【公演注意事項】
※予定枚数に到達した場合、当日券の販売は行いません。
※本公演はオールスタンディングの公演となります。

東京;
※3才以上の方はチケットが必要となります。なお16歳未満の方につきましては保護者の同伴が必要となります。
※未就学児のお子様をお連れのお客様は入場時に未就学児であることの各証明書が必要となります。

大阪;
※小学生以上はチケットが必要となります。
※保護者1名同伴につき、未就学児童1名まで入場可能。

-新型コロナウイルス対策-
※会場内では常時マスクをご着用下さい。
※こまめに手指の消毒を行って下さい。
※体温が37.5℃以上のお客様は入場をご遠慮ください。
※大声や歓声を禁止させていただきます。
※ご入場は整理番号順となります。


【Crack Cloud】
2015年に結成されたマルチメディア集団Crack Cloudは、異なる角度から、異なる過去の経験を持つ、同じ志を持つ人間で構成されている。
カナダのアルバータ州出身のCrack Cloudは、社会に対する視点と理解を映し出すポストパンクの知恵を持っています。 2018 年にバンクーバーに移り、メンバーのほとんどはその時に出会いました。 2016 年に最初のセルフ タイトルの EP をリリースし、翌年には 2017 年にAnchoring Pointと呼ばれる別のEP をリリースしました。 [12]これらのリリースに続いて、グループは国際的にツアーを行い、End of the road、、およびをロスキルデなどいくつかのヨーロッパの音楽祭に出演し、2020年7月17日に Meat Machine Records からデビュー・スタジオ・アルバム、Pain Olympicsをリリースした後、 2019年 5月から 2020年10月までの間に、 The Next Fix、Ouster Stew、Tunnel Vision、Favor Your Fortuneの4つのシングルをリリースしました。
https://www.crackcloud.ca/

【Cwondo】

No BusesのGt.&Vo.としても活動中の近藤大彗によるソロ・プロジェクト=Cwondo 2020年より本格的に活動開始。
1stアルバム『Hernia』、2ndアルバム『Sayounara』に続き、短いスパンでリリースし、3rd アルバム『Coloriyo』を2022年7月6日(水)にリリース
https://tugboat.lnk.to/Cwondo3rdAL

【HYPERGAL】

石田小榛(Vo)と角矢胡桃(Dr)で構成される2ピースバンドHYPER GAL
石田小榛は美術家として、角矢胡桃はノイジシャンとしての活動も行っている。
2021年には2ndアルバム『pure』をリリース
アヴァンギャルドかつミニマルなトラックのループと無機質なボーカルで構成されるサウンドはキラキラと既存の壁を破っていく。
『pure』ではジャケットを新進気鋭の美術家ナカノマサト・ミュージシャンのuamiが手掛け、MVは撮影 渡辺絵梨奈・編集 石田小榛の自主制作で行われるなど、アートワークも注目を集めている
https://hypergal.base.shop/

*海外プレスからの賞賛

"Crack Cloudのライブは素晴らしい。彼らの演奏を観た後、浮遊しているような気分になる"。- ジョン・ドーラン (Quietus、Noisey、BBC)

"...Crack Cloudをバンドとして説明することは、彼らを過小評価することになるだろう" Q Magazine- Qマガジン

「カナダの7人組、Crack Cloudは目を見張るようなスペクタクルを作り出す。- ガーディアン(イギリス)

◎「please yourself」MV
https://www.youtube.com/watch?v=BteWnj3vr1o&t=4s

◎アルバム表題曲「tough baby」のMV
https://www.youtube.com/watch?v=iuiApNB8Ug0

Zettai-Mu“ORIGINS” - ele-king

 大阪の KURANAKA a.k.a 1945 が主宰するパーティ、《Zettai-Mu “ORIGINS”》最新回の情報が公開されている。今回もすごい面子がそろっている。おなじみの GOTH-TRAD に加え、注目すべき東京新世代 Double Clapperz の Sinta も登場。10月15日土曜はJR京都線高架下、NOONに集合だ。詳しくは下記よりご確認ください。

Zettai-Mu “ORIGINS”
2022.10.15 (SAT)

next ZETTAI-MU Home Dance at NOON+Cafe
Digital Mystikzの Malaが主宰する UKの名門ダブステップ・レーベル〈DEEP MEDi MUSIK〉〈DMZ〉と契約する唯一無二の日本人アーティスト GOTH-TRAD !!! ralphの「Selfish」 (Prod. Double Clapperz) 、JUMADIBA「Kick Up」など(とうとう)ビッグチューンを連発しだしたグライムベースミュージックのプロデューサーユニット〈Double Clapperz〉Sinta!! CIRCUS OSAKA 人気レギュラーパーティー〈FULLHOUSE〉より MileZ!!
大阪を拠点に置くHIPHOP Crew〈Tha Jointz〉〈J.Studio Osaka〉から Kohpowpow!!
27th years レジテンツ KURANAKA 1945 with 最狂 ZTM Soundsystem!!
2nd Areaにも369 Sound を増設〈NC4K〉よりPaperkraft〈CRACKS大阪〉のFENGFENG、京都〈PAL.Sounds〉より Chanaz、DJ Kaoll and More!!

GOTH-TRAD (Back To Chill/DEEP MEDi MUSIK/REBEL FAMILIA)
Sinta (Double Clapperz)
MileZ (PAL.Sounds)
Kohpowpow (Tha Jointz/J Studio Osaka)
and 27years resident
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu)
with
ZTM SOUND SYSTEM

Room Two
Paperkraft (NC4K)
FENGFENG (CRACKS)
Chanaz (PAL.Sounds)
DJ Kaoll
Konosuke Ishii and more...
with
369 Sound

and YOU !!!

at NOON+CAFE
ADDRESS : 大阪市北区中崎西3-3-8 JR京都線高架下
3-3-8 NAKAZAKINISHI KITAKU OSAKA JAPAN
Info TEL : 06-6373-4919
VENUE : https://noon-cafe.com
EVENT : https://www.zettai-mu.net/news/2210/15

OPEN/START. 22:00 - Till Morning
ENTRANCE. ADV : 1,500yen
DOOR : 2,000yen
UNDER 23/Before 23pm : 1,500yen
※ 入場時に1DRINKチケットご購入お願い致します。

【予約はコチラから】
>>> https://noon-cafe.com/events/zettai-mu-origins-yoyaku-7
(枚数限定になりますので、お早めにご購入ご登録お願い致します。
 LIMITED枚数に達した場合、当日料金でのご入場をお願い致します。)

【新型コロナウイルス感染症拡大防止対策】
・マスク着用での来場をお願いします。
・非接触体温計で検温をさせて頂き、37℃以上の場合はご入場をお断り致しますので、予めご了承ください。
・店内の換気量を増やし、最大限換気を行います。
・体調がすぐれないとお見受けするお客様がいらっしゃいましたら、スタッフがお声がけさせて頂きます。

【お客様へご協力のお願い】
以下のお客様はご来場をお控え頂きますようお願い申し上げます。
・体調がすぐれないお客様
・37℃以上の発熱や咳など風邪の症状があるお客様
・くしゃみや鼻水などによる他のお客様にご迷惑をかけする可能性があるお客様
・60歳以上の方のご入店をお断りしています 。

その他、会場 WEB SITE : https://noon-cafe.com を参照下さい。

● SNS
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● Special Supported by Flor de Cana

Tribute to Ras Dasher - ele-king

 「ONE BLOOD, ONE NATION, ONE UNITY and ONE LOVE」。LIVE はいつもこの一言から始まった。本作は昨年惜しくもこの世を去ってしまった“RAS DASHER”。彼といっしょに音楽を作ってきた仲間から、 最大限の感謝を込めて、それぞれのアーティストが現在進行形の音を天に響かせる追悼と音の祭典が開催される。

10/14 (金) 場所: 新宿Loft
Open:18:00-Til Late 27:00

REGGAELATION INDEPENDANCE & Special Guests from Cultivator & KILLA SISTA
MILITIA (SAK-DUB-I x HEAVY)
光風 & GREEN MASSIVE
UNDEFINED

BIM ONE PRODUCTION
LIKKLE MAI (DJ set)
MaL & JA-GE
外池満広 *Live
I-WAH & MARIKA
176SOUND
OG Militant B
山頂瞑想茶屋 feat. FLY-T
And more

Sound System by EASS HI FI

Food:
新宿ドゥースラー


Adv. ¥4,000
Entrance ¥4,500

前売りチケット情報
ZAIKO
https://tokyodubattack.zaiko.io/e/voiceoflove
ローソンチケット https://l-tike.com/order/?gLcode=72177
( Lコード:72177)

INFO
新宿LOFT 
tel:0352720382 


About Ras Dasher:
 80年代後半〜90年代初頭、SKA バンドのトランペットから始まったという彼の音楽キャリア、 その後 JAMAICA や LONDON を旅して帰国後、レゲエ・ヴォーカリストとして歌うようになった。 下北沢のクラブ ZOO (SLITS) で行われていたイベント「ZOOT」などに出演し、Ska や Rockstedy のカヴァー曲を歌っていた。
 その後、Mighty MASSA が始めた Roots Reggae Band “INTERCEPTER" の Vocal として参加、 Dennis Brown や Johnny Clark の ROOTS REGGAE を主に歌っていた。 95年頃、前述の クラブZOOT では、MIGHTY MASSA が本格的にUK Modern Roots Styleの SOUND SYSTEM を導入し、自作の音源を発表し始める。 発足よりシンガーとして参加し、97 年に MIGHTY MASSA の1st 12inch 「OPEN THE DOOR/LOVE WISE DUB WISE」 (Destroid HiFi) がリリース。 (Singer RAS DASHER として録音された最初のリリース) 後の MIGHTY MASSA 作品への参加 (2001 年 Album『ONE BLOW』、2003年 7inch 「Love Wise Dub Wise」) や DUB PLATE の制作に繋がっていく。 また、INTERCEPTER も音楽性の趣向がUK Modern Roots色が強くなり INTERCEPTER 2 として活動が始まり、 後の DRY & HEAVY の 秋本“HEAVY" 武士と RIKITAKE が加入し、その出会いが CULTIVATOR の結成に繋がっていく。

 CULTIVATOR は、何度かメンバーチェンジと試行錯誤を繰り返し 徐々にオリジナルの楽曲とサウンドアイディアで LIVE 活動が始まったのが90年代ももうすぐ終わる頃。 2000年に1st 12 inch Vinyl 「Promise Land/More Spilitual」を〈Reproduction Outernational〉レーベルからリリース.。この音源と DIRECT DUB MIX を取り入れた LIVE が注目される。
 2001 年 6月 1st CD mini album “BREAKOUT FROM BABYLON”をFlying Highレーベルから発表。 同年 FUJI ROCK FESTIVAL (RED MARQUIE)にも出演を果たした。また、 UK SOUND SYSTEM の重鎮 ABA SHANTI」の東京公演や、IRATION STEPPERS, ZION TRAIN の東京公演のフロントアクトを務めるなどLIVE も活発化し、2003年3月 2nd CD album 『Voice Of Love』 をリリース。 2004 年にこれらのシングル・カットとして 「Hear the voice love / In My Own / Freedom of reality」と 「Aka-hige /Spanish town」を発表した後、残念ながら活動を休止となった。


■Cultivator - 『Voice of Love』 レコードリリースについて
 Bim One Production / Riddim CHango Recordsの1TAによる、国産ルーツ/Dubの魅力を再評し新たな視点を深堀りするべくスタートするレーベル〈Rewind Dubs〉が始動!
 記念すべき第一弾は、2003年発表のCultivatorの名作CDアルバム『Voice of Love』 をLPアナログ用にリマスターした復刻盤! 本作は昨年惜しくもこの世を去ってしまった同バンドのフロントマン、Ras Dasherをトリビュートした限定300枚の再発作品である。
https://rewinddubs.bandcamp.com/releases

■ Voice of Love / Cultivatorオリジナルロゴ復刻T-シャツ販売決定
限定枚数販売!お見逃しなく!

Ras Dasher - Voice of Love T-Shirts (White / Black)
Cultivator Logo T-Shirts (Black)
M / L / XL / 2XL
¥3,000

Dry Cleaning - ele-king

 メロディアスなギター、静かに語りかけるようなヴォーカルに、高い文学性を備えたリリック。突き抜けるようなポストパンク・サウンドで大いに称賛を浴びている4人組、ドライ・クリーニングがついに日本にやってくる! 東京と大阪の2公演で、11月30日(水)は恵比寿 LIQUIDROOMにて、12月1日(木)は梅田 CLUB QUATTROにて開催。10月21日に発売されるニュー・アルバム『Stumpwork』のリリース直後という、絶好のタイミングでもある。これを逃す手はないでしょう。売り切れる前に急げ。

DRY CLEANING
待ちに待ったドライ・クリーニングの初来日公演、詳細決定!
最新作『Stumpwork』は 10月21日発売!

新進気鋭バンドがひしめき合うサウス・ロンドンのシーンでも 80~90s の US ニュー・ウェーヴ / オルタナ の芳香を纏ったアートな佇まいで、多くの音楽ファンを魅了し、 デビュー・アルバムがいきなり全英チャートを4位まで駆け上がった4人組バンド、ドライ・クリーニングの初来日公演が決定!

デビュー・アルバム『New Long Leg』は、全英アルバム・チャートで4位を獲得、2021年のベスト・アルバムの一つとしても選定され高い評価を得た(The New York Times、Pitchfork、SPIN、The Atlantic、The Ringerが、その年のトップ10アルバムに選出)。ここ日本でも音楽専門誌からファション誌まで幅広いメディアに取り上げられ、大絶賛を浴びた。

今回の初来日に先駆け10月21日には最新アルバム『Stumpwork』が発売される! このアルバムを聴けば、彼らの勇気ある挑戦を感じるに違いない。最新作でも、巧みで複雑なリフにしっかりと絡みつくヴォーカル、フローレンス・ショウのシュールな歌詞は、様々なテーマに渡り感受性も強めていて、激しくソリッドなオルタナ・ロックやポストパンクのアンセム感とジャングルやアンビエント・ノイズとが融合したバンドの鋭くも豊かな音楽性、アート感が作品全体に漲っている。これは、完全にドライ・クリーニング独自のものであり、同世代のバンドとは一線を画す、刺激的なサウンドである。
ディーヴォからソニック・ユースまでを彷彿とさせる個性的なサウンドを放つに要注目バンドの初来日公演、これは見逃せない!

東京  11月30日(水) LIQUIDROOM
大阪  12月1日(木) 梅田 CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
前売¥6,000(スタンディング、ドリンク別 )
INFO: BEATINK [www.beatink.com], SMASH [smash-jpn.com]

●TICKET INFORMATION
オフィシャル先行受付*外国語受付有り
受付期間:9月13日 18:00~9月19日(月)23:59
日本語受付: https://eplus.jp/dry-cleaning22-official/
For Foreign languages: https://ib.eplus.jp/drycleaning

●最速プレオーダー
受付期間: 9月20日 12:00~9月25日 23:59
受付URL: https://eplus.jp/dry-cleaning/

●一般チケット発売 *外国語受付有り
10月1日(土) 10:00~
東京:e+ 、ぴあ(227-390)、ローソン(73557)
大阪:e+ 、ぴあ(227-258)、ローソン(55648)
For Foreign languages : https://ib.eplus.jp/drycleaning

チケットに関しての注意事項
・先行予約・一般発売共に1回の申込に付き4枚まで購入可能
・電子チケットのみの取り扱い。(発券は公演2週間前になります。)
・チケット購入者は購入時に個人情報の入力が必要になります。
 複数枚購入の場合は、チケット分配時に同行者の方の個人情報の入力をお願いします。
・小学生以上はチケットが必要となります。
・保護者1名同伴につき、未就学児童1名まで入場可能。
・未就学児は同行の保護者の座席の範囲内で観覧可能。

企画/制作:SMASH/BEATINK
INFO:SMASH [smash-jpn.com] / BEATINK [www.beatink.com]

10月21日に世界同時発売となる新作『Stumpwork』の日本盤CDには解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラックを追加収録される。なお、限定ブラック・ヴァイナルには購入者先着特典としてシングル「Don't Press Me」とアルバム未収録曲をカップリングした特典7インチ(レッド・ヴァイナル)をプレゼント。通常アナログ盤はホワイト・ヴァイナル仕様でのリリースとなり、どちらも初回限定日本語帯付仕様となる。現在各店にて絶賛予約受付中。

label: 4AD / Beat Records
artist: Dry Cleaning
title: Stumpwork
release: 2022.10.21 FRI ON SALE

国内盤CD
4AD0504CDJP(解説・歌詞対訳付/ボーナス・トラック追加収録/先着特典タオル)¥2,200+税

LP限定盤
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TRACKLISTING
01. Anna Calls From The Arctic
02. Kwenchy Kups
03. Gary Ashby
04. Driver's Story
05. Hot Penny Day
06. Stumpwork
07. No Decent Shoes For Rain
08. Don't Press Me
09. Conservative Hell
10. Liberty Log
11. Icebergs
12. Sombre Two *Bonus Track for Japan
13. Swampy *Bonus Track for Japan

Moor Mother - ele-king

 1960年代後半から1970年代初頭にかけて、ドラマーのアーサー・テイラーは、当時を代表するジャズ・ミュージシャンたちにインタヴューを行い、後に著書『Notes and Tones』にまとめた。ジャズが商業的な影響力を失いはじめた時代を捉え、シーンにおける政治的な力学から、当時は「フリーダム・ミュージック」と呼ばれていた音楽の様式的な刷新に至るまでのさまざまな議論が交わされているわけだが、なかでももっとも論争を引き起こしたのは、ジャズという言葉そのもので、アート・ブレイキーがたいした問題ではないと主張した一方、マックス・ローチなどはニューオーリンズの売春宿を起源とし、文脈によっては“クソ”と同義的に使われることもある言葉を自分たちの音楽に押し付けられたことに不快感を示した。ニーナ・シモンはこの問いかけに異なる角度からアプローチし、テイラーに「ジャズはただ音楽であるというだけでなく、生き様であり、在り方であり、物の考え方。それは、アフロ・アメリカ系の黒人を定義するものだ」と語った。
 『Jazz Codes』を聴きながら、私はこのことを思い出した。ムーア・マザーの最新ソロ・アルバムは、亡き詩人アミリ・バラカの精神にのっとって、過去と現在(彼女の言うところの「パッド(メモ帳)とペンで瞑想する)」のジャズ・ミュージシャンたちのリズムをリフにすると同時に、音楽を埋め込まれた記憶や奥深い真実として、異界の領域への入り口のように扱っている。2020年の『Circuit City』では、「タイムトラベルや 内外の次元を追求することは不可能‏‏/フリー・ジャズなしには」と宣言している。また、アルバムと同じぐらいの長さのビリー・ウッズとのコラボレーション作「Brass」では、「ブルースは、国が忘れてしまった全てのことを覚えている」と注目曲のひとつで書いている。

 『Jazz Codes』では、ムーア・マザーの最近のソロ・ミュージックの瑞々しさというトレンドが引き継がれ、2020年のロックダウン時にリリースされた『Clepsydra』や『ANTHOLOGIA 01』、そして昨年の『Black Encyclopedia of the Air』で紡いだ糸を繋いでいる。彼女は再びスウェーデンのプロデューサーでインストゥルメンタリストのオロフ・メランダーと組み、ある種の明晰夢の状態にあるイリュージョン(幻影)と暗示の音楽を呼び起こしている。いくつかの曲は小品に過ぎないが、これらは人を酔わせる、宇宙的な作品だ。

 いちばん長く、人を惑わせるような“Meditation Rag”では、サン・ラからジェリー・ロール・モートン、フィスク・ジュビリー・シンガーズといったアーティストの名前を挙げながら、そのまわりをアリャ・アル=スルターニのソプラノのヴォーカルが分散する光のように浮遊し、まるで降霊術の会の様相を呈している。他では、ジェイソン・モラン、メアリー・ラティモアにアイワのインリヴァーシブル・エンタングルメンツのバンド仲間がインストゥルメンタルで貢献し、R&Bヴォーカルのフックやサイケデリックな煌めきや、不明瞭なトリップ・ホップのリズムを紡ぐ。コラボレーションの多いこのようなアルバム制作では、あえてフォアグラウンド(前景)とバックグラウンドを分けていない事が多く、重なり合うヴォイスのなかからリスナー自身が、どれに焦点を当てて聴くのかを選ぶことを任される。
 クロージング・トラック“Thomas Stanley Jazzcodes Outro”では、作家でアーティストのトマス・スタンリーがテイラーの著書のテーマを拾い上げている。

  多くの評者たちが
  ジャズはかつてセックスを意味したと言っている
  そしておそらく、
  ジャズはセックスを意味するものに
  戻る必要があるだろう
  性行為や交尾、
  ハイパー・クリエイティヴィティ、
  繁殖力、
  そして誕生と同一視されるように。

 『Jazz Codes』の気だるいグルーヴは、アイワがイリヴァーシブル・エンタングルメンツとともに披露する扇情的なフリー・ジャズとは別世界のように思えるが、どちらも音楽が解放の源となり得るという鋭い認識を共有している。

 それはまた、彼女と同じフィラデルフィア在住のDJハラムとのデュオ、700 Blissの『Nothing To Declare』でもときどき響いている。このアルバムは、ムーア・マザーの作品のなかでも、2016年の『Fetish Bones』に代表されるようなより挑戦的な側面が好きなファンには即座に魅力的に映るだろうが、ここではサウンドと怒りがある種の無頓着なユーモアのセンスによって抑制されている。
 とくにアルバムの前半は、〈Hyperdub〉レーベル・メイトのアヤ(ピッチシフトを好む傾向を含めて)と共通する何かがあり、後半ではクラブから遠くへ離れ、ときには毒気の少ないファルマコンにも似た趣となる。アイワの歌詞は徹底的にルーズで、歌うような韻と言葉のフィジカリティを楽しんでいるように聞こえる。“Bless Grips”で彼女がデス・グリップスのフロントマン、MCライドのリズムを真似る様子をチェックしてほしい。まるでコメディの寸劇のような“Easyjet”では、700 Blissをあきれ顔で批判する二人組をデュオが演じている(おいおい、これはそもそも音楽と言えるのか?)
 しかし、より深いところまで切り込んでいるのは、傑出した曲たちだ。“Capitol”でのアイワの冒頭のヴァースは、血で書かれた一般教書演説で(夢の成分をすすりたい/私たちを奴隷にした奴らの喉を切り裂きたい)、何時間でも没頭できる。ほぼインダストリアル・テクノのような“Anthology”では、20世紀半ばに人類学に基ずき振付を芸術に変えた〝ラック・ダンスの女家長〟として活躍したキャサリン・ダナムにオマージュを捧げている。
 さらに、数年前にリリースされた“Sixteen”は、このデュオのこれまでの最高傑作といえるかもしれない。アイワは、「もう戯言にはうんざりだ、世界はとても暴力的だ/自分だけの島が欲しい。でも奴らが気候を破壊した」と激しく非難し、ダンスフロアに自らを解き放つ前に「私はただ踊って汗をかきたい/踊って忘れてしまいたいだけ」と歌う。それは、世界がどれほどひどい場所かというのを無視することではなく、生き残るためのツールを見つけることだ。それは音楽であるというだけでなく、生き様や物の考え方のひとつなのだから。


by James Hadfield

In the late 1960s and early 1970s, the drummer Arthur Taylor conducted a series of interviews with some of the day’s leading jazz musicians, later collected in his book “Notes and Tones.” It captured a period when jazz was losing its commercial clout, while debates raged over topics from scene politics to the stylistic innovations of what was then still called “freedom music.” But one of the most contentious issues was the word itself: jazz. While Art Blakey insisted it was no big deal, others, such as Max Roach, were upset that their music had been lumbered with a term that originated in the brothels of New Orleans, and in some contexts could be used interchangeably with “shit.”

Nina Simone approached the question from a different angle. “Jazz is not just music, it’s a way of life, it’s a way of being, a way of thinking,” she told Taylor. “It’s the definition of the Afro-American black.”
I was reminded of this while listening to “Jazz Codes.” Moor Mother’s latest solo album finds her working in the spirit of the late poet Amiri Baraka, riffing on the rhythms of jazz musicians past and present (“meditatin′ with the pad and the pen,” as she puts it), but also treating the music as a source of embedded memories and deeper truths—a portal to other realms. As she declared on 2020’s “Circuit City”: “You can’t time travel / Seek inner and outer dimensions / Without free jazz.” Or, in the words of one of the standout tracks from “BRASS,” her album-length collaboration with billy woods: “The blues remembers everything the country forgot.”

“Jazz Codes” continues the recent trend in Moor Mother’s solo music towards lushness, picking up the thread from her 2020 lockdown releases “Clepsydra” and “ANTHOLOGIA 01,” and last year’s “Black Encyclopedia of the Air.” Once again, she works with Swedish producer and instrumentalist Olof Melander to conjure a sort of lucid-dream state: a music of illusions and allusions. Even though some of the tracks are barely more than vignettes, this is heady, cosmic stuff.
On “Meditation Rag,” one of the longest and most transporting songs, she seems to be staging a seance, name-checking artists from Sun Ra to Jelly Roll Morton to the Fisk Jubilee Singers as the soprano vocals of Alya Al-Sultani float spectrally around her. Elsewhere, instrumental contributions—including by Jason Moran, Mary Lattimore and Ayewa’s bandmates from Irreversible Entanglements—weave together with R&B vocal hooks, psychedelic shimmer and slurred trip-hop rhythms. In an album heavy on collaborations, the production often doesn’t distinguish between foreground and background, leaving listeners to decide which of the overlapping voices to focus on.
On the closing track, “Thomas Stanley Jazzcodes Outro,” author and artist Thomas Stanley picks up on a theme from Taylor’s book:

“Many observers have told us that jazz used to mean sex
And maybe it needs to go back to meaning sex:
To being identified with coitus and copulation,
Hyper-creativity, fecundity and birth.”

Although the languid grooves of “Jazz Codes” may seem a world apart from the incendiary free-jazz that Ayewa serves up with Irreversible Entanglements, both share a keen awareness of how music can be a source of liberation.
That’s echoed occasionally on “Nothing to Declare” by 700 Bliss, her duo with fellow Philadelphia resident DJ Haram. It’s an album that will instantly appeal to fans of the more confrontational side of Moor Mother’s work, typified by 2016’s “Fetish Bones,” though here the sound and fury is tempered by an insouciant sense of humour.

Especially during its first half, the album has something in common with Hyperdub label-mate Aya (including a penchant for pitch-shifted vocals); later on, it drifts further from the club, at times resembling a slightly less bilious Pharmakon. On many of the tracks, Ayewa’s lyrics sound downright loose, happy to delight in sing-song rhymes and the physicality of words; check the way she seems to mimic the cadences of Death Grips frontman MC Ride on “Bless Grips.” There’s even a comedy skit, “Easyjet,” in which the duo play a pair of eye-rolling naysayers talking smack about 700 Bliss (“I mean, come on, is this even music?”).
However, the standout tracks are the ones that cut a little deeper. You could spend hours picking apart Ayewa’s opening verse in “Capitol,” a state-of-the-nation address written in blood (“I wanna sip what dreams are made of / I wanna slice the throat of those who enslaved us”). On “Anthology”—over a track that’s practically industrial techno—she pays tribute to Katherine Dunham, the “matriarch of Black dance,” whose pioneering anthropology transformed artistic choreography during the mid-20th century.

Then there’s “Sixteen,” first released a couple of years ago, which may just be the best thing the duo has done so far. “I'm tired of the bullshit, the world's so violеnt / I just want my own island, but they destroyed thе climate,” Ayewa declaims, before finding her release on the dancefloor: “I just wanna dance and sweat / I just wanna dance and forget.” It’s not about ignoring what a fucked-up place the world is, but finding the tools to survive. It’s not just about the music: it’s a way of being, a way of thinking.

Don't DJ - ele-king

 アンダーグラウンドでカッティングエッジなダンス・ミュージックのカセットテープを発売し続けているファッション・ブランドの〈C.E〉、今回は、Don't DJことFlorian Meyerによる作品「Nulla Crux Nulla Corona」。〈Honest Jon's〉をはじめ〈Berceuse Heroique〉や日本の〈EM Record〉などすでに多くの作品でファンを魅了している。
 「Nulla Crux Nulla Corona」は超アンダーグラウンドな雰囲気が充満する、じつに尖った内容で、収録されている3曲すべてがDon't DJの新曲。これはお薦めです。(C.Eのウェブサイトにて試聴できます)

アーティスト:Don't DJ
タイトル:Nulla Crux Nulla Corona
カタログナンバー:CESAR33
フォーマット:カセットテープ
音源収録時間:約31分
価格:1,100円(税込)
販売場所:C.E
〒107-0062 東京都港区南青山5-3-10 From 1st 201
https://g.page/cavempt
問合せ先:C.E www.cavempt.com

Mykki Blanco - ele-king

 LAのラッパー、ミッキー・ブランコのニュー・アルバム『Stay Close To Music』が10月14日にリリースされる。プロデューサーは昨年のミニ・アルバム『Broken Hearts & Beauty Sleep』同様、フォルティDLが務めており、さまざまなジャンルからの影響を落とし込んだ1枚に仕上がっているようだ。ソウル・ウィリアムズ、アノーニケルシー・ルー、デヴェンドラ・バンハートにシガー・ロスのヨンシーなど、客演陣にも注目。

ラッパー/詩人/トレイルブレイザー、ミッキー・ブランコのニュー・アルバムが完成。
2021年のミニ・アルバム『ブロークン・ハーツ・アンド・ビューティ・スリープ』に続く自身2枚目のフル・アルバム『ステイ・クロース・トゥ・ミュージック』、トランスグレッシヴよりリリース。

●プロデュース:フォルティDL
●ゲスト:マイケル・スタイプ(R.E.M.)、ソウル・ウィリアムズ、アノーニ、ダイアナ・ゴードン、デヴェンドラ・バンハート、エメニケ、ヨンシー(シガー・ロス)他
アルバムより、「French Lessons」のビデオを公開。

★Mykki Blanco - French Lessons (Official Video) ft. Kelsey Lu
https://youtu.be/xTBlghQ7eJM

2022.10.14 ON SALE[世界同時発売]


■アーティスト:MYKKI BLANCO(ミッキー・ブランコ)
■タイトル:STAY CLOSE TO MUSIC(ステイ・クロース・トゥ・ミュージック)
■品番:TRANS580CDJ[CD/国内流通仕様]
■定価:未定
■その他:世界同時発売、解説付
■発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
■収録曲目:
01. Pink Diamond Bezel
02. Steps (feat. Saul Williams and MNEK)
03. French Lessons (feat. ANOHNI and Kelsey Lu)
04. Ketamine (feat. Slug Christ)
05. Your Love Was A Gift (feat. Diana Gordon)
06. Family Ties (feat. Michael Stipe)
07. Your Feminism Is Not My Feminism (feat. Ah-Mer-Ah-Su)
08. Lucky
09. Interlude
10. Trust A Little Bit
11. You Will Find It (feat. Devendra Banhart)
12. Carry On (feat. Jónsi)

Your Love Was A Gift
https://youtu.be/yhEW4ViE_MQ?

Mykki Blanco - Family Ties (Official Video) ft. Michael Stipe
https://youtu.be/_KIFN6T-Xvg

●Mykki Blancoのニュー・アルバム『Stay Close To Music』は、これまでMykkiがリリースしてきた作品とは一線を画す。これは、Mykkiの芸術性に関してこれまで抱いていた思い込みを打ち砕き、Mykkiが自由に自らのサウンドを定義できるようにするアルバムだ。詩人、アーティスト、ミュージシャンのMykki Blancoは、その進化を通して、ジャンルを常に曖昧にしてきた。レイブ、トラップ、グランジ、パンクからの影響を、クィア/トランスとしての経験を称える実験的なヒップホップの渦の中に引き込んできたのである。今回、Mykkiは、自分たちの音の世界を一から創り上げたい、という結論に達し、プロデューサーでマルチインストゥルメンタリストのFaltyDLとコラボレート。豊かな生楽器による新しいサウンドスケープを思い描くことを可能にした。曲作りはリスボン、パリ、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスで行われ、数々のジャムセッションを通じて曲が作られていった。2019年までに、Mykkiは2つの異なるレコードを同時に制作していることに気付いた。1枚目は2021年の賞賛されたミニ・アルバム『Broken Hearts & Beauty Sleep』、2枚目は『Stay Close To Music』となった。『Stay Close To Music』には、Michael Stipe、Saul Williams、ANOHNI、Diana Gordon、Devendra Banhart、MNEK、Jónsi等がフィーチャリングされている。

●Mykki Blancoはアメリカのラッパー、詩人、パフォーマー、活動家だ。2012年にEP『Mykki Blanco & the Mutant Angels』でデビュー。『Betty Rubble: The Initiation』(2013年)、『Spring/Summer 2014』(2014年)と2枚のEPを経て、2016年9月にデビュー・アルバム『Mykki』をリリース。クィア・ラップ・シーンのパイオニアとして知られ、Kanye WestやTeyana Taylor等とコラボレート。MadonnaのMVへ出演し、Björkとツアーを行なったりもしている。2021年には5年振りとなるオフィシャル作品である9曲入りのミニ・アルバム『Broken Hearts & Beauty Sleep』をTransgressive Recordsよりリリース。スペシャル・ゲストとしてBlood Orange(Dev Hynes)、Big Freedia、Kari Faux、Jamila Woods、Jay Cue、Bruno Ribeiro等がフィーチャーされたこの新作は高い評価を博した。

■More info: https://bignothing.net/mykkiblanco.html

Dry Cleaning - ele-king

 昨年の『New Long Leg』が高い評価を得たロンドンのバンド、ドライ・クリーニング。エレキングでも年間ベストの4位に選出しましたが、先日セカンド・アルバムのリリースがアナウンスされています。発売はCD・ヴァイナルともに10月21日、現在 “Don't Press Me” が公開中です。

Dry Cleaning
大注目の新世代バンド、ドライ・クリーニング
最新アルバム『Stumpwork』を10月21日に発売!

ロンドンを拠点に活動するバンド、ドライ・クリーニングが、10月21日にセカンド・アルバム『Stumpwork』を発売することを発表した。合わせてリード・シングル「Don't Press Me」のMVを公開した。デビュー・アルバム『New Long Leg』は、全英アルバム・チャートで4位を獲得、2021年のベスト・アルバムの一つとしても選定され高い評価を得ている。(The New York Times、Pitchfork、SPIN、The Atlantic、The Ringerが、その年のトップ10アルバムに選出)ここ日本でも音楽専門誌からファション誌まで幅広いメディアに取り上げられ、絶賛された。

公開された「Don't Press Me」は、ゲームをする快感と、強烈だが短命な、罪悪感のない体験の楽しさについて歌っている。ヴォーカルのフローレンス・ショウは、次のように語っている。「コーラスの言葉は、自分の脳みそに向かって歌う曲を書こうとして生まれたの。『あなたはいつも私と敵対している/あなたはいつも私にストレスを与えている』ってね。」アニメーションによるオフィシャル・ビデオは、ピーター・ミラードが手がけたもので、ナイーブに描かれたバンドの姿が、曲のフックとリフに完璧にマッチしている。

Dry Cleaning - Don't Press Me
https://www.youtube.com/watch?v=gjVc8lYIaUM

アルバム『Stumpwork』は、2021年末にウェールズの田園地帯に戻り、再びジョン・パリッシュとエンジニアのジョー・ジョーンズとタッグを組み製作された。同じスタジオで、同じチームと信頼関係を築いたことで、インポスター症候群(*自分の能力や実績を認められない状態)と不安感は、自由へと変換され、すでに豊かだった彼らの音のパレットをさらに探求し、自分たちのクリエイティブなビジョンにさらなる自信をつけることができた。新作は様々な出来事や概念、政治的混乱からインスピレーションを受けている。今回もシュールな歌詞が前面に押し出されているが、家族や、金、政治、自虐、官能といったテーマに対する感受性も新作では高まっている。作品全体に渡り、激しいオルタナ・ロックのアンセムがジャングル・ポップやアンビエント・ノイズと融合し、バンドが受けてきた影響の豊かさと彼らの音楽に対する深い造詣として表れている。

アルバムとシングルのアートワークは、他分野で活躍するアーティスト・デュオであるロッティングディーン・バザール(Rottingdean Bazaar)と写真家のアニー・コリンジ(Annie Collinge)によって考案・制作された。本作の日本盤CDには解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラックを追加収録される。なお、限定ブラック・ヴァイナルには購入者先着特典としてシングル「Don't Press Me」とアルバム未収録曲をカップリングした特典7インチ(レッド・ヴァイナル)をプレゼント。通常アナログ盤はホワイト・ヴァイナル仕様でのリリースとなる。6月15日より各店にて随時予約がスタートする。

label: 4AD / Beat Records
artist: Dry Cleaning
title: Stumpwork
release: 2022.10.21 FRI ON SALE

国内盤CD:4AD0504CDJP ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子/ボーナストラック追加収録

CD 輸入盤:4AD0504CD
¥1,850+税

LP 限定盤:4AD0504LPE(限定ブラック/先着特典7インチ)
¥3,850+税

LP 輸入盤:4AD0504LP(通常ホワイト)
¥3,850+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12859

TRACKLISTING
01. Anna Calls From The Arctic
02. Kwenchy Kups
03. Gary Ashby
04. Driver's Story
05. Hot Penny Day
06. Stumpwork
07. No Decent Shoes For Rain
08. Don't Press Me
09. Conservative Hell
10. Liberty Log
11. Icebergs
12. Sombre Two *Bonus Track for Japan
13. Swampy *Bonus Track for Japan

edbl × Kazuki Isogai - ele-king

 トム・ミッシュ以降を担う存在として人気を集めているロンドンのプロデューサー、エドブラックと大分のギタリスト、磯貝一樹とのコラボ作がリリースされる。発売はCDが9月7日、LPが12月21日。エドブラックのソウルフルな音楽と磯貝のジャジーなギターが生み出すマジックを楽しみたい。

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