ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. R.I.P. 鷲巣功
  2. 鷲巣功
  3. Cornelius - Refractions | コーネリアス
  4. Kim Doeon - SLAPSTICK | キム・ドオン
  5. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  6. YUKINO INAMINE + AKIO NAGASE ──琉球ダブ・ダンス・サウンドに注目
  7. This Is Lorelei - The Singer in My Band | ディス・イズ・ローレライ
  8. interview with Wendell Harrison 音楽の楽園=デトロイトから、ウェンデル・ハリソンがファラオ・サンダースとサン・ラーの思い出を語る
  9. Columns P-VINE 50th Anniversary Interview Pヴァイン50周年対談
  10. interview with Toshimaru Nakamura 世界を魅了する、類い稀なる電子音響 | ──中村としまる、待望の初期ベスト盤リリースと超ロング・インタヴュー
  11. Dusty - Dusty & Friends / Commodo - Deep Harbour ft. Alfa Mist / Untold - False Vacuum
  12. Smany ──エスメニーのアルバムが〈Virgin Babylon〉よりリリース
  13. RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO -
  14. 対談 半世紀を経て蘇る静岡ロックンロール組合
  15. Columns 内田裕也さんへ──その功績と悲劇と
  16. Rough Trade ──50周年イベント開催を祝し、恵比寿KATAにポップアップが出現
  17. sibasi kyoto ──京都のレコード喫茶/カルチャー・スペース「しばし」が展覧会シリーズを始動、初開催はテリー・ライリーのオーディオ・インスタレーション
  18. interview with Kinnara : Desi La 「アートによって、私は世界に満足できるようになりました。アートが、私の孤独の多くを壊してくれたのです」 | ──緊那羅:デジ・ラ、インタヴュー
  19. 河内音頭
  20. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集

Home >  Reviews >  Album Reviews > Phoenix- Bankrupt

Phoenix

Phoenix

Bankrupt

ワーナーミュージックジャパン

Tower (最強盤) Tower (通常盤)
HMV (最強盤) HMV (通常盤)
Amazon iTunes

久保憲司   Nov 26,2013 UP

 グラミーのオルタネイティヴ・ロック部門のベスト・アルバム賞を獲り、完全にアメリカのマーケットに認められたフェニックス。すごいことです。日本のアーティストはいつこういうことができるのでしょう。頑張ってほしいと思います。

 ビートルズ以前のフランスの音楽は世界的な音楽だったんですよね。ビートルズ以降もミッシェル・ポルナレフという世界的に成功したポップ・アーティストもいました。フェニックスのスイートな感じはミッシェル・ポルナレフを思い出します。ミッシェル・ポルナレフは日本でも大人気でした。パンク時代もプラスチック・ベルトランが突然大成功したりしてましたね。
 ワールド・ミュージックもフランスのマルタン・メソニエがプロデュースして、世界でヒットする音楽にしたわけで、前作と今作のプロデューサーであるカシアスのフイリップ・ズダールも、マルタン・メソニエがよく使っていたスタジオの息子で、子どもの頃からマルタンを尊敬して、世界に通用する音楽を作りたい――「マルタンを尊敬し、自分もそうなることを夢見ていた」と言ってました。
 フェニックスを聴いていると、ぼくはそういうフランスの歴史を感じます。
 だから日本人がこれをやるというのはなかなか大変なことなんだろうなと思います。YMOはそういうことを考えて作られたバンドでしたが、グラミーまではとれなかったですもんね。
 フェニックスやザ・ハイヴスなどの成功を見ていると、母国語じゃなくっても、英語で歌っていくべきなんだろうなと思います。昔、内田裕也さんとはっぴいえんどが、ロックを日本語で歌うべきかどうなのかで大激論になったことがあるのですが、僕はずっとはっぴいえんど派で、日本語で日本のロックを歌っていくべきだろうと思っていました。『ミュージックマガジン』での両者の対談を読んでいると、ロックは英語の音楽なんだから英語で歌えという裕也さんの意見は押しつけがましいと思っていたのですが、いまはフェニックスの成功を見ていると、たとえ海外でなかなか認められなくっても英語で歌っていくべきだったのじゃないかと思っています。
 当時は裕也さんの意見に反発していた細野さんが後に世界マーケットを視野に入れたYMOを作ったのは、裕也さんの意見に最終的には賛同したのかなという気もします。
 フェニックスの新作について話そうと思ったら、とんでもない方向に言ってしまいました。新作は大成功した前作をもっと進歩させたアルバムです。日本人の人がフェニックスを大好きなのは、彼らの「ロックなのにやさしい」という部分だと思うのですが、その部分は今作はちょっとなくなってしまっているのかもしれません。それはアメリカのマーケットを意識したのか、どうなのか僕にはわかりませんが、ぼくはその強くなった部分に新鮮さを感じますし、好きです。
 でも、やっぱりフェニックスを聴いて思うのは、英語をしゃべらない国の人も頑張ればアメリカのマーケットで認められるんだ。すごいな、日本人も頑張れということです。

久保憲司