ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. The Clash ——ザ・クラッシュ、結成50周年記念ベストがリリース
  2. Carlos Souffront, PLO Man and 1-Drink ──ファッション・ブランド〈C.E〉が日本で1年ぶりのパーティ
  3. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  4. Bicep ——バイセップが3つの新曲で、フリー・パーティ、レイヴ、サウンドシステム文化を主張する
  5. 『ユーザーズ・ヴォイス』〜VINYLVERSE愛用者と本音で語るレコード・トーク〜 第五回 映画から広がった、サウンドトラックとレコードの世界ユーザー・ネーム:nkk / 中川慧輔さん
  6. Robert Del Naja ──マッシヴ・アタックの3D、二度目の逮捕
  7. interview with Actress UKテクノ界の奇才が語るみずからの哲学 | ──アクトレス、インタヴュー
  8. Black Marble - Life in Small Spaces | ブラック・マーブル
  9. sugar plant ──2026年を締めくくるライヴが11月21日に開催
  10. Malaria! ——80年代初頭の西ベルリンから、ポスト・パンク/アヴァンギャルド・シーンを象徴する最重要バンド、マラリア!再発
  11. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  12. Columns ♯17:もしもパンクがなかったら ——その基礎知識と『パンク50周年記念号』刊行のお知らせ
  13. 食品まつり a.k.a foodman - HIKARIGASASHIKOMU
  14. 野田 努
  15. Arca - XXXXX
  16. Horse Lords - Demand to Be Taken to Heaven Alive!  | ホース・ローズ
  17. Klara Lewis - Opening | クララ・ルイス
  18. Columns 9月のジャズ Jazz in September 2026
  19. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  20. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定

Home >  Reviews >  Album Reviews > GNOD- Infinite Machine

GNOD

ExperimentalKrautrockTechno

GNOD

Infinite Machine

Rocket Recordings

Bndcamp

倉本諒   Apr 14,2015 UP

 デビュー以来のグノド(GNOD)・ファンを自負する自分的にはこりゃ待望の新作。スプリットや変名での名義を除けば正式なグノド・“コレクティヴ”としてはかなり久方ぶりのフル・アルバムとなる。しかもヴァイナル盤は3枚組でCDは2枚組、余裕で15分オーバーの曲が5曲入っているというとんでもないヴォリュームである。リリース元の〈ロケット・レコーディングス(Rocket Recordings)〉からの直売は予約で即完売、いやはやすさまじい人気である。

2007年の結成以来、マンチェスターはサルフォードのイスリントン・ミルを中心に、のべ30人以上のメンバーが出入りしていた、バンドというよりもまさしく“コレクティヴ”であるグノド、初期のジャムには16人ものメンバーでジャムっているものもある。

儀式的様相を呈した大所帯クラウト・ジャム・バンドとして出発した彼らは当時のサイケ・リヴァイヴァルも後押しし、瞬く間に話題のバンドとなった。グノドのブレーンとも呼べるメンバーのパディ・シャインは当時を振り返りながらこのように語っている。

「2012年の〈ロードバーン・フェスティヴァル〉(オランダで恒例のサイケ/ストーナー・ロックの祭典)でプレイしたとき、この表現方法での限界を感じたんだ。その後、ジャムのマンネリ化を脱却するために僕らはショボいシンセなんかを持ち寄ってピロピロしはじめたんだよ」

このとき、同じくバンドの重要メンバーであるクリス・ハスラムがMPCをゲットし、MPCを脳みそとして各メンバーが持ち寄るガジェットを束ねて、グノド独自のサウンドシステムを構築するアイデアが生まれたという。時期を同じくしてパディはドラス(Druss)、クリスはドウェリングス(Dwellings)としてインダストリアル・テクノ・プロジェクトをそれぞれ始動させている。ふたりを全面的にフィーチャーした〈トレンスマット(Trensmat)〉からの2013年度作品『グノド・プレゼンツ・ドウェリングス&ドラス(Gnod Presents Dwellings & Druss)』はそれまでのバンド活動のシーンを越え、多くのテクノ/電子音楽リスナーに彼らの名を知らしめることとなった。

現在、グノドの主要メンバーはクリス・ハスラム、パディ・シャイン、マーレーン・リベルト、アレックス・マカルテ、アンディ・ブランデルといった編成となっているようだ。クリス・ハスラムとパディ・シャインによるDIYレーベル、〈テスラ・テープス(Tesla Tapes)〉のリリースも25を越え、装い新たに〈オノ・テスラ(Ono Tesla)〉としてDIYディストリビューション・ネットワークを拡大させている。飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことだ。

『インフィナイト・マシーン(Infinite Machine)』はクラウト・コレクティヴとしてのグノドへの原点回帰と再定義である。シンセやサンプラーにドラムマシン、ギターにドラム、サックスにパーカッションなどなどすべての道具がシャーマンのごときメンバーの間を行き来し、彼らの布陣で描かれる魔法陣の中心へすべてのエネルギーが集約、聴者はそこからインナー・スペース・トリップの奈落を──その圧巻のヴィジョンを目の当たりにしながら降りつづけるだろう。IN GNOD WE TRUST !!!!


倉本諒