ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. interview with Toru Hashimoto 橋本徹がブラジリアン&ブリージンなコンピに込めた渋谷系の哲学 | 『Free Soul』&『Cafe Apres-midi』最新作をめぐって
  2. YOUNG JUJU ──現KEIJUのファースト・ソロ・アルバム『juzzy 92'』、10周年記念盤が発売
  3. Toshiya Sukegawa ──環境音楽の新たなアーカイヴが登場、作曲家・助川敏弥の未発表音源含む作品集
  4. THE CROWD──ele-king presents HIP HOP JAPAN
  5. Kassel Jaeger - Sub Re | カッセル・イェーガー
  6. Oyubi - White birch burns
  7. MODE ──ケニアのロード・スパイクハートと∈Y∋を迎えた新プログラムが開催
  8. mary in the junkyard - Role Model Hermit | メアリー・イン・ザ・ジャンクヤード
  9. Moonga K. ──アフロ・ポップ期待の新星、ムーンガ・Kあらわる
  10. HASE-T ──プロデューサー活動25周年記念アルバム収録曲が数量限定テスト盤7インチとしてリリース
  11. Seefeel - Sol.Hz | シーフィール
  12. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  13. heykazmaの融解日記 Vol.9:₊ ˚⊹ 文月₊ ˚⊹ 会お!
  14. 未来マニア──エレクトロニック・ミュージック・ガイド
  15. Cornelius ——コーネリアスがアルバム『Refractions』のリリースと新曲“Aeons”の配信開始を発表
  16. Columns Introduction to P-VINE CLASSICS 50
  17. GEZAN - I KNOW HOW NOW
  18. Cornelius ——コーネリアス、ニュー・アルバム『REFRACTIONS』の詳細を発表
  19. Red Hook Records ──新鋭ジャズ・レーベルの主宰者サン・チョンが来日、原雅明とのリスニング&トーク・セッションが山梨で開催
  20. Columns Holy Tongue UKダブを更新するバンド、ホーリー・タンの初来日公演

Home >  Reviews >  Sound Patrol > [Electronic, House, Dubstep] #8

[Electronic, House, Dubstep] #8

[Electronic, House, Dubstep] #8

野田 努   Jul 20,2011 UP

1.Hype Williams - Kelly Price W8 Gain Vol II | Hyperdub


amazon iTunes


 ハイプ・ウィリアムスが〈ハイパーダブ〉から12インチ・シングルをリリースすることがまず驚きでしょう。いくらダブという共通のキーワードがあるとはいえ、ダブステップとチルウェイヴが結ばれるとは......思わなかった。
 今年〈ヒッポス・イン・タンクス〉からリリースされたサード・アルバム『ワン・ネーション』は、レーベルが〈ヒッポス・イン・タンクス〉ということもあって、ドローンやアンビエントというよりはチルウェイヴ色が強く、しかも実に不健康そうな多幸感を持ったアルバムだったが、このシングルもその延長にある音楽性だ。まあ、〈ハイパーダブ〉もダークスターのようなエレクトロ・ポップを出しているくらいからだからなぁ。しかし......ハイプ・ウィリアアムスはこれでますます目が離せなくなった。アンビエント・ポップということで言うなら、A1に収録された"Rise Up"は最高の1曲だ。

2.LV & Message To Bears Feat. Zaki Ibrahim - Explode / Explode (Mothy's Implosion) | 2nd Drop Records


amazon iTunes

 〈ハイパーダブ〉からのファンキーよりの作品やクオルト330とのコラボレーションで知られるダブステッパー、LV(先日、ファースト・アルバムを発表している)とブリストルのメッセージ・トゥ・ベアーズ(熊へのメッセージ)とのコラボレーション・シングルで、この後リミックス・ヴァージョンがリリースされるほどヒットしたという話で、実際にダンスフロアに向いている。ミニマル・テクノの4/4キックドラム、メンコリックなシンセサイザーのループとスモーキーな女性ソウル・ヴォーカルが浮遊するトラックで、ポスト・ダブステップというよりはヒプナゴジックなテクノである。

3.FaltyDL - Make It Difficult | All City Records


amazon iTunes

 これはフォルティ・DLによる"ハウス"シングルだが、まるでヤズーがダブステップの時代に蘇ったような、エレクトロ・ポップと強力なダンスビートのブレンドで、ニューヨークらしいというか、しかしそれは彼がいままで手を付けていなかった引き出しのひとつを見せているようだ。
 B面の"ジャック・ユア・ジョブ"も力強いアッパーなビートの曲だ。リピートされる「ゲット・ユア・ジョブ(仕事を見つけろ)」という声はネーション・オブ・イスラムのルイス・ファルカンの声だが、それは90年代に人気のあったガラージ(歌モノの)ハウスのアーティスト、ロマンソニーの有名な"ホールド・オン"からのサンプルだと思われる。アイルランドのヒップホップ系のレーベルからのリリース。

4.The Stepkids, - Shadows On Behalf | Stones Throw Records


amazon iTunes

 今年の9月にデビュー・アルバムのリリースが予定されている〈ストーンズ・スロー〉の大器。数か月前のリリースだが、昨今のソウル・ミュージックの復興運動における注目株なので紹介しておこう。まあこのレーベルが推し進めているジャズ、ソウル、ファンクにおける新古典主義のひとつと言ってしまえばそれまでで、感覚的に言えば、ザ・クレッグ・フォート・グループやギャング・カラーズ、あるいは〈エグロ〉レーベルとも共通する。綺麗なデザインがほどこされた透明のヴァイナルで、白地にエンボスのジャケも良い。

5.LA Vampires Goes Ital - Streetwise | Not Not Fun Records


iTunes

E王 アマンダ・ブラウンがついに三田格と!? というのはさすがにない。イタルは、〈100%シルク〉からソロ・シングル「イタルのテーマ」を発表しているダニエル青年によるプロジェクト名で、これはアマンダとのコラボレーション12インチ・シングル。パンク・ダブ・ダンスというか、彼女がダンス・ミュージックをやるとこうなるのだろう、危なそうな人たちがひしめく不法占拠した地下室における饗宴で、リー・ペリーがポップに聴こえるような過剰で砂嵐のようなダブ処理は相変わらずだが、ぶっ壊れたドラムマシンが暴走したようなアップテンポのビートは素晴らしい。それにしてもこのデッド・オア・アライヴのようなアートワークは......(笑)。

6.The Martian - Techno Symphonic In G | Red Planet

 今年も親分(=マイク・バンクス)はメタモルフォーゼにやってくるそうだ。あの男のことだから当然こんかいの日本の惨事についてはいろいろ考えているようだ。それで1年前に発表した火星人の6年ぶりの新曲がヴァイナルで登場した。タイトル曲はクラシック・デトロイト・スタイルで、B面1曲目に収録された"Reclamation(再生)"は題名からして東日本に捧げられているようにも感じられる。B面2曲目の"Resurgence "はじょじょにビルドアップテクノ・ファンク。

7.Vondelpark - nyc stuff and nyc bags EP | R & S Records

 ロンドンのバレアリック系チルウェイヴの2作目だが......実はまだレコード店に取り置きしたまま......。また次回にでも!

野田 努