ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Cornelius - Refractions | コーネリアス
  2. This Is Lorelei - The Singer in My Band | ディス・イズ・ローレライ
  3. RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO -
  4. Dusty - Dusty & Friends / Commodo - Deep Harbour ft. Alfa Mist / Untold - False Vacuum
  5. Rough Trade ──50周年イベント開催を祝し、恵比寿KATAにポップアップが出現
  6. Columns Dennis Bovell デニス・ボーヴェルひさびさの新録は無類のカヴァー集
  7. Columns P-VINE 50th Anniversary Interview Pヴァイン50周年対談
  8. interview with Wendell Harrison 音楽の楽園=デトロイトから、ウェンデル・ハリソンがファラオ・サンダースとサン・ラーの思い出を語る
  9. 鷲巣功
  10. interview with Toshimaru Nakamura 世界を魅了する、類い稀なる電子音響 | ──中村としまる、待望の初期ベスト盤リリースと超ロング・インタヴュー
  11. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  12. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  13. Lambchop - Punching the Clown | ラムチョップ
  14. Fishmans ——京都でフィッシュマンズ写真展とトークイベントのお知らせ
  15. Open Mike Eagle & Kenny Segal - DOOMED! | オープン・マイク・イーグル、ケニー・シーガル
  16. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  17. Crack Cloud ──カナダのインディ・バンド、クラック・クラウドの来日公演が決定
  18. 未来マニア──エレクトロニック・ミュージック・ガイド
  19. Betty Hammerschlag ——マニア受けしていたZ世代のe-girlシンガーが、実は中年のおじさんだったニュース
  20. R.I.P. Miru Shinoda 追悼:篠田ミル

Home >  Reviews >  Sound Patrol > Sound Patrol

Sound Patrol

Sound Patrol

野田 努   Oct 24,2013 UP

Paisley Parks - Cold Act Ill EP
Shinkaron


Bandcamp

 ペイズリー・パークスとはプリンスのレーベルではない。日本で生まれたジャパニーズ・ジュークのプロジェクトで、TMTも大絶賛、海外ではすでに人気に火がついている。ところで、つい先日、筆者はKESが〈ダブソニック〉やWOODMANのレーベルから作品を出していたことを知って衝撃を受けた。その初期作品(カセットテープ・リリース)を聴くと、たしかにジュークの青写真とも言えるゲットー・サウンドなのだ。つまり、10年前からやってきたことが、いま、たまたまシカゴと共振したということか。
 ドミューンでのライヴも格好良かった。「F」ワードが乱発される音楽が特別好きなわけではないけれど、この3人組からあふれ出るパンキッシュなエネルギーに降伏したので、早速CD-Rを買った。ブレイクコアのときと似ているのかもしれない。ペイズリー・パークスにしろフードマンにしろ、ジュークは日本との親和性が高いことを証明している。

Juke Footwork

Tiny Hearts - Stay EP
Dirty Tech Records


Amazon iTunes

 〈ダーティ・テック〉は、デトロイト・ヒップホップのキーパーソン、ワジード(スラム・ヴィレッジのオリジナル・メンバーおよびPPPで知られる)が昨年立ち上げたレーベルで、〈サブマージ〉もどこまで関わっているのか定かではないけれど、それなりにサポートしているんじゃないかと思わせるレーベルだ。それほどのポテンシャルはある。昨年1枚、今年1枚出ている2枚のepは、彼のエレクトリック・ストリート・オーケストラ名義の作品だったが、マイク・バンクス、セオ・パリッシュ、アンドレスなどテクノ/ハウスの大物も参加している。
 その2枚も、まあ悪くはなかったのだが、この〈ダーティ・テック〉の第3弾には痺れた。ワジードのR&Bプロジェクトのデビュー作で、初期のスラム・ヴィレッジを彷彿させるメロウなヴォーカルとタイトなビート、そして分厚いシンセのリフが素晴らしい。実験的だがポップで、まさにフューチャーR&Bと言いたくなるような……。これは注目しよう。

R&B Pop

Hilaru Yamada And The Librarians - The Rough Guide To Samplin' Pop
CD-R


http://ekytropics.blogspot.jp/

 カットアップ/サンプリング・ミュージックで、インナーにはネタが表記されているわけだが、そのネタの選び方が面白い(そのセンスはコーネリアス的だ)。洒落が効いていて、カラフルで、チャーミングなドリーム・ポップとして成立している。大昔、ちょうどこれと同じ方法論で、砂原良徳がブートを作ったことがある。推薦です!

Musique Concrete Cut Up Mash Up Dream Pop

Duppy Gun - What Would You Say About Me?
Stones Throw


STONES THROW

 サン・アロウとロブドア、そしてマシューデイヴィッド、LAの3人のジャマイカ旅行、第3弾。迫力ゼロのビートにふにゃふにゃのエフェクト。ジャマイカのディージェイ、Fyah FlamesとI Jahbarが勇ましい声を上げている。ディプロのへなちょこヴァージョンとでも言えばいいのか。格好いいポスターが付いているので、見つけたら買うことをオススメする。

Dancehall Experimental Dub

Jay Daniel - Scorpio Rising EP
Sound Signature


Detroit Report

 待っていた人も多かったでしょう。沈没していく街とは裏腹に、デトロイトらしい上昇する感覚を兼ね備えたジェイ・ダニエルのデビュー・シングル。デリック・メイ的とも言えるタフなリズムとシンセリフの“No Love Lost”も良いが、母であるナオミ・ダニエルの歌う“スターズ”のインロ(大本はラリー・ハードの“スターズ”だが)を微かに使った“I Have No Name”が最高。ついに未来のクラシックが登場したね。

Deep House

Audio Tech - Dark Side
Metroplex


iTunes

 これも聴くのをずっと楽しみにしていたんですよね。ホアン・アトキンスとマーク・エルネストゥスというふたりの先達のコラボ作。モーリッツ・フォン・オズワルドとの共作のミニマリズムとは打って変わって、こちらはエレクトロ。ホアン・アトキンスは歌っている。B面ではマックス・ローダーバウアとリカルド・ヴィラロボスのコンビが12分にもおよぶ幻覚性の高いリミックスをしているが、オリジナルとの関連性は見られない。

Electro Techno

Archie Pelago - Hall Of Human Origins
Styles Upon Styles


Amazon iTunes

 太陽のスタンプでお馴染みの、NYのアンソニー・ネイプスと〈Mister Saturday Night Records〉は今日の90年代ハウス・ブームの主役のひとりだが、昨年末に同レーベルからリリースされたアーチー・ペラゴ(ブルックリンの3人組)のシングル「The Archie Pelago EP」は、ジャズ・ハウスとしては実に幅広い層にアピールしたヒット作となった。その後の「Subway Gothic / Ladymarkers」では、実験的なアプローチも見せて、最近出た「Hall Of Human Origins」でも、IDMの領域にも手を出しているし、下手したらジュークさえも自分たちの養分にしようとしているのかもしれない。ラテンのリズムも冴えを見せ、サン・ラーの雄大なブラスをも引用しているのでは……。いつアルバムが出るのでしょう。

Electronica Jazz Broken Beat

野田 努