ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Bruce Springsteen ——ブルース・スプリングスティーンの未発表アルバムがボックスセットとしてリリース
  2. Seefeel - Quique (Redux) | シーフィール
  3. Twine - New Old Horse | トゥワイン
  4. 別冊ele-king VINYL GOES AROUND presents RECORD――レコード復権の時代に
  5. Jefre Cantu-Ledesma - Gift Songs | ジェフリー・キャントゥ=レデスマ
  6. interview with Nate Chinen 21世紀のジャズから広がる鮮やかな物語の数々 | 『変わりゆくものを奏でる』著者ネイト・チネン、インタヴュー(前編)
  7. Black Country, New Road - Forever Howlong | ブラック・カントリー、ニュー・ロード
  8. Jane Remover ──ハイパーポップの外側を目指して邁進する彼女の最新作『Revengeseekerz』をチェックしよう | ジェーン・リムーヴァー
  9. Shintaro Sakamoto ——すでにご存じかと思いますが、大根仁監督による坂本慎太郎のライヴ映像がNetflixにて配信されます
  10. Conrad Pack - Commandments | コンラッド・パック
  11. interview with Yukio Edano つまり……下からの政治とはいったい何なのか  | 枝野幸男、インタヴュー
  12. Cosey Fanni Tutti ——世界はコージーを待っている
  13. interview with Sonoko Inoue ブルーグラスであれば何でも好き  | 井上園子、デビュー・アルバムを語る
  14. Soundwalk Collective & Patti Smith ──「MODE 2025」はパティ・スミスとサウンドウォーク・コレクティヴのコラボレーション
  15. DREAMING IN THE NIGHTMARE 第2回 ずっと夜でいたいのに――Boiler Roomをめぐるあれこれ
  16. Columns Special Conversation 伊藤ガビン×タナカカツキ
  17. interview with Black Country, New Road ブラック・カントリー・ニュー・ロード、3枚目の挑戦
  18. Colloboh ——ナイジェリア生まれのモジュラー・シンセサイザーの魔術師がこのGW中に初来日
  19. Whatever the Weather - Whatever the Weather II | ホワットエヴァー・ザ・ウェザー
  20. Eyed Jay - Strangeland | イアン・ジックリング

Home >  Reviews >  Sound Patrol > Holly Herndon- Fade (NHK Remix)

Holly Herndon

Holly Herndon

Fade (NHK Remix)

   Jan 25,2013 UP

 ジュアナ・バーウィックとフェネスあたりとの溝を埋めるのが、ブルックリンの〈リヴェンジ〉レーベルから昨年末にデビュー・アルバム『ムーヴメント』を発表した、女性プロデューサー、ホリー・ハードンだ。彼女の「声」ネタのアルバムは、いろいろな意味で、──サイバー・フェミニズムの点からも「声」ネタの点からもアンビエント/ドローンの点かも──面白い。グルーパーとローレル・ヘイローとメデリン・マーキーの3人が好きな人にはぜひ聴いてもらいたいアルバムだ。
 さて、ホリー・ハードンの『ムーヴメント』からこの度シングルが切られることになったのだが、そのリミキサーがNHK'Koyxenときた。ふたりはロンドンで知り合ったそうだが、NHKは最近の彼の作風のように、ダンス・ミュージックへと再構築している。ゆがんだルーピングと不規則な反復を活かした展開に惹かれる。
 〈リヴェンジ〉も不思議なレーベルで、昨年のサン・アロウとコンゴスの共作が記憶に新しいが、最近はマルコム・ムーニー(CANのオリジナル・ヴォーカリスト)のソロを出したかと思えば、もうすぐリリースされるであろうマックスミリオン・ダンバー(Maxmillion Dunbar)は、初期のデリック・メイよろしく透き通ったデトロイティッシュ・サウンドだったりする。
 このレーベルの独創性というか、ジュリア・ホルターやジュリアナ・バーウィックを出したかと思えば、ホアン・アトキンスをリミキサーに起用してみたり、ジェフ・ミルズやアンソニー・ムーア(スラップ・ハッピー)なんかまで出したりとか、そのリリースのセンスには非凡さを感じる。