ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. R.I.P. Jimmy Cliff 追悼:ジミー・クリフ
  2. ele-king vol.36 特集:日本のシンガーソングライター、その新しい気配
  3. interview with LIG (Osamu Sato + Tomohiko Gondo) 至福のトリップ体験 | 佐藤理+ゴンドウトモヒコ、インタヴュー
  4. Columns 2025年のFINALBY( )
  5. Sorry - COSPLAY
  6. VMO a.k.a Violent Magic Orchestra ──ブラック・メタル、ガバ、ノイズが融合する8年ぶりのアルバム、リリース・ライヴも決定
  7. Geese - Getting Killed | ギース
  8. K-LONE - sorry i thought you were someone else | K-ローン
  9. SCARS ──来年のデビュー20周年を祝しワークジャケットが発売
  10. Oneohtrix Point Never - Tranquilizer | ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー
  11. Kamasi Washington, Bonobo and Floating Points ──アニメ『LAZARUS ラザロ』のサウンドトラックがリリース
  12. Susumu Yokota ──横田進のリスニング・イベントが京都「しばし」にて開催
  13. Columns Oneohtrix Point Never 『Tranquilizer』 3回レヴュー 第二回目
  14. Columns 11月のジャズ Jazz in November 2025
  15. claire rousay - a little death | クレア・ラウジー
  16. ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー『Tranquilizer』試聴会レポート - @原宿・BEATINK Listening Space
  17. Oklou - choke enough | オーケールー
  18. DREAMING IN THE NIGHTMARE 第2回 ずっと夜でいたいのに――Boiler Roomをめぐるあれこれ
  19. Columns なぜレディオヘッドはこんなにも音楽偏執狂を惹きつけるのか Radiohead, Hail to the Thief Live Recordings 2003-2009
  20. Masaaki Kobayashi ──小林雅明による書籍『ヒップホップ名盤100』が発売中

Home >  Reviews >  Album Reviews > DJ Nate- Da Trak Genious

DJ Nate

DJ Nate

Da Trak Genious

Planet Mu

Amazon iTunes

shitaraba   Nov 26,2010 UP

 〈プラネット・ミュー〉から出た弱冠20歳のDJネイトの出したこのアルバムはゲットー・テック、ブーティーなどのジャンルをルーツに、フットワークという独特のステップのダンスのスタイルとともに発達した、シカゴ産ゲットー・ダンス・ミュージック、ジュークの要素を取り入れながらも新たに〈プラネット・ミュー〉らしいとも言えるような音楽的要素をふんだんに詰め込んだアルバムであり、ヒップホップ、クランク、ダブステップ、R&B(これは無理やりくさいけど)なんかの要素がたまに見え隠れしながらも、しょぼいドラムマシンの音むき出しで作られたゲットー・テック的つんのめりリズム・シーケンスが高速で打ち込まれていて、でもそんななかにも流石に〈プラネット・ミュー〉から出すとなるとこうなっちまうのかなぁというくらいポップな声ネタとウワモノが連打されていて、あーこれかーって感じなんですが、まあ、これはこれでヤンキーくさくていいんじゃねって感じで。

 そもそもなんでジュークと〈プラネット・ミュー〉が繋がったかというとブリープのブログに〈プラネット・ミュー〉オーナー、マイク・パラディナスの語るフットワーク、ジュークへの接続への経緯を纏めたインタヴュー記事があるので適当に翻訳して読んでください。僕英語苦手なので読めません。

 あとエレクトロニカ・レーベル〈もしもし〉のサブレーベルとして、ついこのあいだ生まれた〈ノット・イーヴン〉からの第一弾リリースのローファイファンク、〈ランプ〉などからリリースし、スクウィーともダブステップとも言えぬようなマッドなサウンドを出力しまくる、いま注目の鬼才ビカミング・リアルに元ロール・ディープ・クルーのグライムMCトリムをフィーチャーしたクソやばいシングルがリリースされ、それもそれでクソやばいんだけど、そこのリミックスになぜか同〈プラネット・ミュー〉からもシングルをリリースしたジュークのトラックメイカー、ラシャードが参加していてスクウィー、グライム、ダブステップ、ジュークがひとつのシングルで楽しめるというごちゃ混ぜ感がとてもよくて、ラシャードのリミックスそのものももはやハードコア化したジューク・サウンドで、スクウィーもダブステップも置いてけぼりにして、リミックスしていてとてもよろしかったです。やっぱこういうのがアツいですよジューク。どう考えてもかっこいい。

 あとダブステップ方面からのアプローチとしてはヘッドハンターの別名義アディソン・グルーヴやベンガ、ジョーなどが幾つかのリリースを重ねていますがアディソン・グルーヴのフットクラブを除き、とくにゲットー・テックとして面白いものはなく、どちらかというとボルチモアの延長かなぁという香りが。エレクトロ、ゲットー・ベース方面からだと〈チープ・スリルズ〉からもリリースをしているキルフレンジーや、〈オーマイ・ゴッド・レコーディングス〉などからリリースをするビッグドープ・ピーなどがなかなかいい感じにジュークとエレクトロ、ダーティー・ベースあたりを混ぜ合わせたトラックをリリースしていてとても期待度高いっす。やっぱあんまこういうこと言うとアンダーグラウンドなカルチャー大好きなおっさんくせえので嫌なのですが、ゲットー音楽、ダンス音楽はもっとそのものの音の本質だけを追求してったほうがいいとおもうんすよね。そこにおいてはグライムあたりも同じくなんですけど。ユーチューブジュークもベッドルームジュークもいいですが、それはそれでまだまだ未発達というか模索していくべき部分があるのかなあという感じ。

 ともかくジュークは完全なダンス・ミュージックであってヤンキー・ミュージックであって僕はそんな姿のジュークが好きなのだけど、このアルバムにおいてはなんとなく予感していたんだけど、お洒落エッセンスというかリスニング音楽になったというか。そんなのもいいんですけど。ファックとかシットとか連打しまくってたジュークってどこ行ったの!? とか感じてしまいましたと。やっぱファックとかシットとかのほうがいいっすよ。僕はただのクソガキでございますし。

shitaraba