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Razika

Razika

Program 91

Smalltown Supersound/カレンティート

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野田 努   Dec 12,2011 UP

 ラジカが良いのは、現代におけるポップ・ソングが何かをよくわかっている点にある。深刻ではないが、軽薄な感じでもなく、さわやかだ。家人に怒られ、しょげているうえに風邪まで引いているようなリスナーの心さえも晴れ晴れとさせてくれるだろう。歌詞の主題は思春期の動揺にあるが、思春期を大昔に終えているリスナーの気持ちにさえも、思春期の澄み切った理想を思い出させるに違いない。ブロンディのように。しかもラジカは、今日におけるポップのモードをわかっている。曲がお洒落だし、センスが良いのだ。

 ここ数年の多くのポップは80年代を参照している。コード9は新作ではクラフトワークを、トロ・イ・モワはブラコンを参照している。ダム・ダム・ガールズはザ・プリテンダーズやザ・スミスを参照し、そしてラジカの『プログラム91』はザ・スリッツ/ザ・モ-デッツ/2トーンを参照する。
 ラジカは、ノルウェーのベルゲンで、6歳からの顔見知りの4人女の子が14歳になったときに結成したバンドだという。デビュー・アルバムとなる本作がリリースされたこの夏に書かれているレヴューなどを読むとメンバーはみんな19歳とあるので、ということは、アルバム・タイトルの数字は彼女たちの生まれた年のことなのだろう。なんと1991年生まれである......(つまり筆者がロンドンのクラブで朝まで踊って、ふらふらになりながらホテルまで何十分もかけて歩いて帰っていた時代に生まれている)。
 おそろ......いや、素晴らしいことではないか。ポップ・ミュージックの美しい姿とは、若者自身が自分たちの手で更新することにある。40代のおじさんがアシッド・ハウスに狂っているさまも音楽に恋しているひとつの姿には違いないが、ポップとはそもそもユース・カルチャーが主役であることを忘れてはいけない。ラジカはティーンエイジ・ポップスの復権運動に参加している。

 ラジカの音楽にザ・スリッツ/2トーンのような政治性がないことがリスナーに不満を抱かせはしないだろう。演奏、コーラス、アレンジなどはザ・スリッツより上手い。スカの小気味よいビート、2トーン的なギターとベースのユニゾン、それからザ・プリテンダーズ風のレトロなロック・テイストも適度に取り入れている。だいたいジャマイカの音楽を取り入れるようなロックの連中は、ザ・クラッシュしかり、ザ・スペシャルズしかり、昔から洒落者と決まっている。『プログラム91』はアートワークからして非の打ち所のない、ティーンエイジ・ポップ・ミュージックである。アコースティック・ギターのアルペジオで歌われる最後の曲などは、まるでトレイシー・ソーンだ。さあ、幾何学模様がデザインされたカーディガンを着よう。

野田 努

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