「All We Are」と一致するもの

ホロノミックディスプレイが作動した - ele-king



 年明けから間もない2013年1月4日のことだ。日本時間の午後1時すぎに目が覚めて、僕はいつもどおりリヴィングへふらふらと歩き、ノートPCを立ち上げた。ヴェイパーウェイヴ周辺の連中がなにやら興奮してツイートをしているのを見て、貼ってあったURL(https://jp.tinychat.com/spf420)をクリックすると、ヴィデオ・チャットの画面へ飛んだ。ディスプレイに映されたのは日本企業のCM映像。高速で流れていく英文の会話。毒にも薬にもならない浮ついたスローな音楽。僕はおもわず誰もいないリヴィングで声をあげた。なんてこったい! そこは、ヴェイパーウェイヴの連中のフェスティヴァル会場だった。そのときはインフィニティー・フリークェンシーズ(Infinity Frequencies)がプレイをしているらしかった。

 〈#SPF420〉とタグで銘打たれたフェスティヴァルの形式はこうだ。ストレス(STRESS)と名乗る女性が司会として、次の出演者を生の音声会話で紹介する。あらかじめ『YouTube』にアップ済みの出演者紹介の映像を流す。それから出演者が演奏を開始する。プレイ中のVJは出演者みずからがチョイスしているときもあれば、ブラックサンセッツなるアカウントがVJをしていた。演奏が終わると、画面が真っ暗になり、観客はチャットに拍手の意(「CLAP」など)をみんないっせいに打ち込む。そして、ストレスがふたたび司会をはじめ、次の出演者紹介をする。最後までこれの繰り返し。

 集まったチャットの参加者(観客)はこのフェスティヴァルに興奮していたようだ。「ラグジュリー・エリート(Luxury Elite)がいるの? まじ?」などと言っている者もいた。現住国を発表する流れでは、アメリカはもちろん、ヨーロッパやアジアからの者も多かったが、日本と答えたのは僕のみ。しかしまあ、チャットの内容はだいたいがなんの意味も生産性もないやりとりだ。「Lana Del Gay」や「James Vaporro」などと、ミュージシャンの名前を(特に「Gay」で)もじった言葉遊びが多くを占めた。それが高速で行われる。ヴェイパーウェイヴとそこからの波を追いかけつづけている日本のブロガー・ポッセ『Hi-Hi-Whoopee』のアカウントも日本語でチャットに入ってきたが、「会話についていけない」とぼやいて消えてしまった。チャットでやりとりをするには一瞬にして文脈を読んでいかなければならなかった。僕も慣れるには時間を要した。このイヴェントは以前にも行われており、日ごろからチャットに手馴れているユーザーが多かったようだ。司会のストレスは、来場したユーザーのみんなに丁寧な挨拶をしていた。このフェスを開催できたことが心から嬉しかったのだろう。見ていて気分がよくなる雰囲気があった。

 出演者も興味深い。音楽評論家アダム・ハーパーによって「#Vaporwave」というタグが生まれる前から、それにあたる作品を発表していたプリズム・コープ(Prism Corp)ことヴェクトロイド(Vektroid / New Dreams Ltd.など名義多数)やインフィニティ―・フリークェンシーズのほかに、彼らに触発された、いわば第2波といえるアカウントのラグジュリー・エリートや福岡在住を自称するクールメモリーズ(coolmemoryz)(おそらく元「t r a n s m a t 思 い 出」名義)が混合している。そこに、〈アギーレ〉(Aguirre)からのリリースをひかえていたアンビエントやノイズのトランスミュート(Transmuteo)や、〈アムディスクス〉(Amdiscs)からのヴェラコム(VΞRACOM)などニューエイジな装いのメンツも合流している。そして、どうやらこのカオスに貢献していたのは、チャズ・アレンを名乗るビートメイカーであるメタリック・ゴースツ(Metallic Ghosts)のようだ。先のYouTubeのアカウント然り、フェスのアートワークも彼が担当していたと思われる。

 トランスミュートの瞑想的なノイズはすばらしく、熱狂的な歓迎を受けていた。しかし、この日もっともおおきな拍手喝采の言葉で迎えられた大本命は、やはり、ヴェイパーウェイヴで最も有名になってしまったプリズムコープ:ヴェクトロイドだ。ウェブカムの前に彼女/彼ははっきりとその姿を現した。ときどきFBIのマークをVJに出現させハプニングの音を混ぜる茶目っ気をみせながら、まさにホテルのラウンジやプラザのBGMに最適なミューザックのループを延々と披露した。それはつまり、市場において消費者である僕たちが知るかぎりこの世でもっとも退屈で決して家に持ち帰ることのない音楽=ミューザックだが、いまや世界各国の物好きが、それらをインターネットの画面の奥に集積したゴミのような情報のなかから拾い上げ、面白がっている。挙句の果てには、それをグチャグチャに歪め、ズタズタに切り刻み、垂れ流したそのクソに浸りながら深夜にPCの前でハッパをキメるわけだ。現にヴェクトロイドは、ボングを用いてウィードに火をつけて吸引する自らの姿を何回もウェブカムで生中継した。『facebook』では彼女の姉妹ということになっている司会のストレスも別枠で吸引の様子を一瞬だけ映す。情報デスクVIRTUALの曲名にあったとおり、彼女たちはミューザックをウィードブレイク(#WEEDBREAK)のBGMに活用している。自室でひとりPC画面の前でにやつきながらウィードを吸引するヴェクトロイドの姿は、まるで部屋の外のなにかから逃げようとしているようだった。

 この日、ヴェクトロイドは2回出演し、アンカーの際には衣装をレトロなスタイルに変えていた。彼女はなぜか全角英字でチャットに参加する。繰り返されるウィードブレイク。観客にもウィードや酒の摂取を呼びかける。僕は、ログインしたときに「Daniel Lopatin」なるアカウントが参加者のなかにいたことをチャットに書いた。彼らは知っているのだと思ったが「まじ?」「どうせ誰かの偽アカウントだろ」という反応がかえってきた。事実、僕はたしかに見た。ダニエルとヴェクトロイドのあいだには交流があった(註2)ようだし、彼が見ていても不自然な話ではないと思った。やがて観客たちは口々に「ありがとうダニエル」とつぶやきはじめる。ヴェイパーウェイヴがダニエルの「斜陽会社」=〈サンセットコープ〉からはじまったことを誰もが自明に感じていると言えるだろう。

 フェスティヴァルも終幕に近づき、ストレスがアフターパーティーの会場『Turntable.fm』のURLを告げる。同サイトは閲覧を米国ユーザーのみに限っているため、米国外の観客はここでお開きとなった。ストレスは米国外のユーザーへ丁寧に謝罪しつつ、来場者への感謝の意をなんども書き込んだ。やがてジオデジックとして知られる下城貴博がヴェクトロイドへのラヴコールを書き込んだ。ヴェクトロイドは握りこぶしに親指を立て、ニヤリとした笑みで応える。やがて、音楽は止んだ。時計を見ると午後4時をまわっていた。

 正直に言えば、このフェスティヴァルが終わった瞬間、僕はおおきな虚無感と倦怠感が心の奥底からこみ上げてきた。なにせ、結局のところただのチャットにすぎない。音楽なぞ、ほとんどミューザックの垂れ流しである(註3)。ただただ退屈を空回りするだけであった。部屋を1歩でも出れば、現実がしっかりと待っている。窓の外はいつのまにか夕方だった。日本ならまだ日中だが、米国時間では深夜に、こんなくだらないことを「世界中の孤独なティーンがベッドルームで行っている」(Tomad)(註4)のだ。しかも、ウィードと酒をあおりながら。
 後日、ダラー・ジェネラル=司会のストレスは、ヴェクトロイドの言葉を最後に引用しながら、こんな挨拶を『facebook』に残している。

 とにかく、本当にありがとうと、今夜のイヴェントに来てくれた美しい人々に言いたいです。きみらみんな本気で超最高だよ。タイニーチャットにに来てくれた一人ひとりの力添えなしにSPF420が成功することはなかったでしょう。(出演者への挨拶。斎藤により中略)
 我々は100を突破しました! 134人の参加者が集まったよ、みんな! (135のときにキャプチャーできればよかったけど、ああもう)

 またすぐにみなさんとインターネットで会えることを願っています、
 SPF420: SPF420: Welcome To The Workplace.™
(日本語訳:斎藤)
#SPF420FEST 2.0: WELCOME TO THE NEW ERA:
https://www.facebook.com/events/...


 おおきな喜びが伝わってくる文面だが、彼らにはディスプレイの外へ出てくるつもりがないようにも読める(註5)。はたして、彼らの指す「The Workplace.™」とは、ベッドルーマーにとって逃げ場となる仮想空間なのだろう。無職であることがうかがわれるようなツイートを何度もしているヴェクトロイドが自らへの最大の皮肉として言っているようにも思える。
 だが一方で、ヴェクトロイドはときおり現実空間のパーティーに出演しており、2月に入ってからもマジック・フェイズ(Magic Fades)とともにギャラリーでパフォーマンスをしている。さらに、〈トライアングル〉の主宰バラム・アキャブがヴェクトロイドとのスプリットで7インチをリリースする旨を発表したばかりだ。

 はたして、ヴェイパーウェイヴァーは現実において「仕事場™」を拡張することができるだろうか。
 日本ではプラモミリオンセラーズで知られる鈴木周二がventla名義でヴェイパーウェイヴに触発された作品を発表しつづけており、§✝§(サス)やジオデジックはライヴ(註6)でその地平を切り開こうとしている。それはまた、べつの機会に......。

今日、我々とともに新たな世界へ加わりましょう......よりよい明日のために。

Prism Corp. International
We Know Who You're Working For.™
(日本語訳:斎藤)
札幌コンテンポラリー | BEER ON THE RUG:
https://beerontherug.bandcamp.com/album/-

空はあなたに従います。。。
安全に走行
悔なし

Farewell,
New Dreams Ltd.

(原文ママ)
PrismCorp™ Virtual Enterprises | New Dreams Ltd.:
https://newdreamsltd.tumblr.com/post/38483741858

 2012年、ヴェクトロイドはウェイパーウェイヴのベッドルーマーを引き連れ、「よりよい明日」のための「新たな世界」を目指して飛行した。それが情報デスクVIRTUALであり、セイクリッド・タペストリーではついに空を(下に)従えることに成功したのだ。

 そして2013年、ホロノミックディスプレイが作動した


(註1)
特別編集号 2012 ソーシャルカルチャーネ申1oo The Bible』より。アルバート・レッドワインは『ザ・ニューヨーク・タイムズ』からもインタヴューを受けている

(註2)
昨年の11月末にはヴェクトロイドがOPN(=ダニエル・ロパーティン)に謝罪のメールを送ったとツイートし、同日にOPNも「ヴェイパーされた」とツイートしている

(註3)
なお、このフェスティヴァルの音源や映像の一部が『facebook』のイヴェントページからチェックできる

(註4)
紙『ele-king vol.8』の「キャッチ&リリース」より。ちなみに、トマドが主宰する〈マルチネ〉はシーパンクのイメージを模したダウンロード・ページや、限定Tシャツをリリースしたtofubeatsも情報デスクVIRTUALをお気に入りにあげている

(註5)
対照的に、アダム・ハーパーによってヴェイパーウェイヴの文脈でも語られてしまったファティマ・アル・カディリは、積極的にイヴェントへ出演している。その様子は工藤キキが本サイトでも伝えている

(註6)
サスは音楽的にはウィッチハウスやシンセウェイヴに近いがウェイパーウェイヴの意匠をまとったライヴを行っており、ジオデジックはヴェイパーウェイヴのイヴェントを開催したいとツイートしている

以上-----------------------------------------------

My Bloody Fuckin' Valentine Mixtape - ele-king

 1937年にリチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートが作曲した"マイ・ファニー・ヴァレンタイン"は、チェット・ベイカーやフランク・シナトラからエルヴィス・コステロにいたるまで、幅広く歌われています。また、ザ・ビートルズは「僕が64歳になってもヴァレンタインにチョコをくれる?」と歌いました。
 というわけで、ヴァレンタインに乗りましょう。好きな人に捧げたい、ヴァレンタイン用DJミックステープ! 読んでくださっているみなさんも、どうぞリストをお送りください!


■木津 毅

1 尾崎紀世彦 - ラブ・ミー・トゥナイト
2 Rhye - The Fall
3 Antony and the Johnsons - Crazy in Love
4 Kylie Minogue - The One
5 Pet Shop Boys - Love Comes Quickly
6 Matmos - Semen Song For James Bidgood
7 Gayngs - Cry
8 Perfume Genius - Hood
9 The National - Slow Show
10 Wilco - On and On and On

■斎藤辰也(パブリック娘。)

1 Taken By Trees - My Boy
2 トクマルシューゴ - Decorate
3 Emitt Rhodes - Fresh As A Daisy
4 Knock Note Alien - 雪をとかして
5 Hot Chip - We're Looking For A Lot Of Love
6 AJICO - メリーゴーランド
7 Enon - Kanon
8 About Group - Plastic Man
9 About Group - Married To The Sea (b)
10 Syreeta - Cause We've Ended As Lovers

シークレット
11 The Beach Boys - Time To Get Alone (Acapella)

■中里 友

1 Outkast - Happy Valentine's Day
2 R.Kelly - Step In The Name Of Love(Remix)
3 D'Angelo - Lady (Remix) feat. AZ
4 Drake - Best I Ever Had
5 Breakbot - Baby I'm Yours
6 Best Coast & Wavves - Got Something For You
7 clammbon - sweet swinging
8 s.l.a.c.k. - I Can Take It (Bitchになった気分だぜ)
9 前野健太 - 病 (Yah! My Blues)
10 奇妙礼太郎 - オー・シャンゼリゼ

■野田 努

1 Carl Craig - Goodbye World
2 Chet Baker - My Funny Valentine
3 Beach House - Zebra
4 Ramones - Needles And Pins
5 The Velvet Underground and Nico - I'll Be Your Mirror
6 Scritti Politti - The Sweetest Girl
7 Massive Attack - Protection
8 Marcia Griffiths - The First Time I Saw Your Love
9 The Simths - I Want The One I Can't Have
10 RCサクセション - よごれた顔でこんにちわ
11 The Stylistics - You Make Me Feel Brand New
12 Nina Simone - My Baby Just Cares For Me
13 The Beatles - Here There and Everywhere
14 The Righteous Brothers ? You've Lost That Lovin' Feelin'
15 The Slits- Love and Romance

■橋元優歩

1 Baths - Apologetic Shoulder Blades
2 Airiel - Sugar Crystals
3 Clap Your Hands Say Yeah ? Let the Cool Goddess Rust Away
4 Atlas Sound - Shelia
5 Daedelus - LA Nocturn
6 Grouper - Heavy Water / I'd Rather Be Sleeping
7 Evangelicals - Midnight Vignette
8 Cloud Nothings - Strummin Whadya Wanna Know
9 Me Succeeds - The Screws Holding It Together
10 Our Brother The Native - Well Bred
11 How To Dress Well - Date of Birth
12 Twinsistermoon - Ghost That Was Your Life
13 Rehanna - S & M
14 Sleep ∞ Over - Romantic Streams
15 Jesse Harris - Pixote
16 Candy Claws - In The Deep Time

■DJ MAAR

1 The xx - Sun set
2 Herbert - I miss you
3 Francis Harris - Plays I play
4 Jesse Ware - Swan song
5 Frank Ocean - Thinking about you
6 Lil' Louis - Do you love me
7 Stevie Wonder - As
8 Grace Jones - La vie en rose
9 Edith Piaf - Hymne a l'mour
10 Louis Armstrong - What a wonderful world

■松村正人

A面

1 Barry White's Love Unlimited Orchestra - Love's Theme
2 Dan Penn - The Dark End Of The Street
3 Kevin Ayers - When Your Parents Go To Sleep
4 Red Crayola With Art & Language - If She Loves You
5 Frank Zappa - Harder Than Your Husband
6 Mayo Thompson - Fortune
7 Frank Zappa - Keep It Greasy
8 ゆらゆら帝国 - 貫通

B面

1 The Bryan Ferry Orchestra - Slave To Love
2 林直人 & MA-BOU - Can't Help Falling In Love
3 ZZ Top - Over You
4 Aaron Neville - My True Story
5 勝新太郎 - ヒゲ
6 Serge Gainsbourg - 手切れ(Je suis venu te dire que je m'en vais)
7 割礼 - こめんね女の子
8 Leonard Cohen - Hallelujah
9 Prince - I Wish U Heaven

Dum Dum Girls - ele-king

 名前を捨てた女。パンク・ロックに憧れ、イギー・ポップとラモーンズとヴァセリンズに徽章を借りて、カリフォルニアのリヴィング・ルームから世に現れた女。タイトなスカートにブラック・レザーをまとい、ファズの騒音とゴシックによる世界の暗転を好みながら、破れたストッキングを気にも留めずに、砕かれた愛を切々と歌うその女、ディー・ディーは、"ロード・ノウズ"でいま、神々しいまでのロック・バラードを歌う。男(ロック)への同一化願望や、母(保守)への反発といったライオット・ガール的なテーゼも、ここでは古くさいものに思える。ディー・ディーは、もっともっと遠い場所を仰ぎ見ているようだ。「ベイビー/これ以上、あなたを傷付けることはできない/神様なら知っているわ/私は自分の愛をずっと傷付けてきた/私の愛を」
 
 わたしはこの曲の感想を、もうロックなど聴いていないだろうと思っていた人とも共有した。それはとても久しぶりのことだった。流通環境的にも、単純に内容的にも、ポップ音楽ほど激しい変化にさらされつづけている文化も珍しいのかもしれない。もはや「特定のものが蒸し返される背景には、時代を支える無意識ではなくて個人的な動機が存在するだけだ」、橋元優歩が言うように。あるいはロックが自意識の容器になったと評されて20年以上経過しているが、別にいいではないか、それでも。ディー・ディーは、それこそごく個人的でしかない動機によって――この世界で生きることを引き受けようとするときに――ロックの緩衝を必要としているようにさえ見える。



 さて、このEP『エンド・オブ・デイズ』を何度か聴いてみて、良くも悪くも冒頭の"マイン・トゥナイト"と"アイ・ゴット・ナッシング"にどこか違和感を覚えたなら、あなたの直感は正しい。この2曲は前作、『オンリー・イン・ドリームス』のセッション時に生まれたもので、録音は2011年だ。既定のガレージ路線に沿って進む序盤の展開には、控えめに言っても、特筆すべき新鮮さはない。つづく"トゥリーズ・アンド・フラワーズ"の、輝くようなアンビエント・ギターで世界が一変するが、これはストロベリー・スウィッチブレイドが1983年にヒットさせたデビュー曲のカヴァー。母性の象徴としてか、「アイ・ヘイト・ザ・トゥリーズ/アンド・アイ・ヘイト・ザ・フラワーズ」というリリックをそのまま引き継ぎつつ、原曲に漂うある種の陽気さを取り払っている。地に根を張って、花に囲まれながらフォークを奏でることなどできない、とでも言うかのように。

 個人的なことを言えば、ダム・ダム・ガールズのレパートリーでは、アルバムに数曲だけ収録される、素直にポップで、センチメンタルで、狂おしいまでにロマンティックな曲を好いてきたが、その名も『オンリー・イン・ドリーム』(2011)のフォロー・アップにふさわしく、『エンド・オブ・デイズ』は、"トゥリーズ・アンド・フラワーズ"以降の3曲でドリーミーな時間をゆったりと過ごしている。同郷のガレージ・ポップ・デュオ、ベスト・コーストのセカンド『ジ・オンリー・プレイス』が演出していた、とろけるようなメロウ・アウトと共振するようでもあるが、あちらがミニマムな実人生に寄り添ったFMポップだったのに対し、本作の構えはもっと超然としている、啓示的なまでに。ホーリーでありながらドラッギーな傑作"ロード・ノウズ"のあと、EPをクローズするギター・ポップ"シーズン・イン・ヘル"は、バンドの結束とエナジーがまだ失われていないことを丁寧に補足している。


 彼女らはこの冬、ツアーを回っているが、その報告写真にしばし見とれた。そこに写されるのは、人生から逸脱しながらも、人生を引き受けて生きる女の姿である。単純なドロップアウトがアートにおける正義ならどんなに楽だろう。古いロック・スター・ライフへの同一化に誘惑されながら、そしてライオット・ガール史の現在地で引き裂かれながら、ディー・ディーは結局のところ、すべてを引き受けている。社会に含まれつつも真実に生きる逸脱者として、あるいはまた、夫を持つ一介の既婚者、妻として――。だからこそ『エンド・オブ・デイズ』は最高だ。つねにダブル・スタンダードを抱えてきたロック音楽の成熟と浄化、そして変わらぬ美しさを、ダム・ダム・ガールズは2012年に伝えている。

僕らがエレグラに行く理由 - ele-king

竹内:エレクトラグライド2012〉、いよいよ開催がせまって参りました。とりあえず、木津さんのお目当ては?

木津:今年で言うと、アンドリュー・ウェザオールとコード9の親父ズかな。

竹内:それは見た目的な話ですか?(笑)

木津:それも込みで(笑)。ウェザオールはヒゲ生やして圧倒的にセクシーになったから......。トゥナイトも超楽しみ。竹内くんは?

竹内:僕はフライング・ロータスです。あとは電気(グルーヴ)。

木津:おお! すごくいいエレグラ参加者だ! ちょっと先にそっちの話からしよう。そもそも、竹内くんはエレグラ初めて?

竹内:初めてです。というか、この規模の会場でダンス音楽を聴くこと自体、初めてです(笑)。

木津:そうか、じゃあ2009年の〈ワープ〉20周年のイベントのときも行ってないってことやんね?

竹内:あのときはさすがに盛り上がりを感じていて、記念コンピレーションを買って家で聴いていました(笑)。LCDの"ダフト・パンク・イズ・プレイング・アット・マイ・ハウス"を地で行っている人間なわけです。

木津:へええ! じゃあ、今年参加するのはどうして?

竹内:カジュアルに言うと、今年からライヴをわりと見るようになって、「ライヴっていいもんだなあ」と素直に思えるようになったから、くらいのものなんですけど(笑)。クラブ音楽って、「この曲がどうしても聴きたい」っていうような目的性からは離れているわけですよね。つながった時間のまとまりを享受するという。それがこの規模になったときにどうなるのか、単純に興味があります。

木津:なるほど。じゃあ僕の話をすると、エレグラには何回も行っておりまして、フジロックのときに発表があったんだけど、すんなり「お! 行こう」という感じで。いま関西に住んでいて、ある程度ダンス・ミュージック好きだったら、オールナイト自体が貴重なので。

竹内:そうなると、多少、政治性を帯びる可能性もある?

木津:うん、今年はやっぱり少しはね。でも、みんな基本的には楽しみたいだけですよ。今年も大阪でも開催するし、みんなすごく楽しみにしていると思う。

竹内:なるほど。僕のことを言うと、「地方の因縁から離れて、誰も自分を知らない空間に逃避したい」というのがあります。暗い(笑)。

木津:いやあ、好き勝手に楽しめばいいんですよ!(笑) 以前も書いたけど、僕のオールナイト体験で、いちばん強烈だったのがオウテカのライヴで。

竹内:あらためて教えてください。

木津:フロントがLFOで最高に盛り上がった後、電気が全部消えて、真っ暗闇のなかであのビートの応酬っていう。

竹内:おお(笑)。

木津:あれは凄まじかった。で、2005年のエレグラでオウテカがやったときは、大きい会場だからそこまで真っ暗にはできないんだけど、彼らのことを全然知らなかったひともけっこう衝撃を受けたと思う。

竹内:なるほど。

木津:この規模のイベントの醍醐味はそういうところなんじゃないかな。

竹内:未知との遭遇ということですか?

木津:うん。〈ソナー〉のときに、スクエアプッシャーが観てみたいという、クラブに行ったことのない2こ下の男子を連れて行ったんだけど、アフリカ・ハイテックをすごく好きになってた。

竹内:いい話ですねー。

木津:電気だけを目当てで来たひとが、コード9にやられる可能性だってあるだろうしね。

竹内:ところで、ゼロ年代の後半にエレグラは沈黙を強いられたわけですよね。内部的な事情はともかく、この期間になにか文化事情的な意味はあると思いますか?

木津:うーん。まあ理由はいろいろあるんだろうけど、ダンス・アクトに大物が目立たなくなったということはあるのかなあ。だって、いつまでもアンダーワールドに頼るのもねえ。

竹内:その話は重要な気がします。当時の現実的でシニカルな若者は、本当はダンス・ミュージックを聴きたくても、たぶん「こんな単純な4/4に乗れるか!」とか思っていたんじゃないでしょうか。まあ、僕の話ですけど(笑)。

木津:ほお。

竹内:そこでいうと、やはりダブステップは大きいのかも。

木津:ダンス・ミュージックの本質がアンダーグラウンドに潜ったってこと?

竹内:快楽が形骸化した一面はあるのでは、みたいな感じです。

木津:なるほど。

竹内:その反発はジューク/フットワークにまでもつれ込むのだと思っていて。ダンス・ミュージックが新しいステップを踏むには、ある種のアングラにならざるを得なかったのかなあ、みたいな。

木津:まあ、〈ワープ〉の第一世代が完全にクラシックになったタイミングでもあるよね。だから、今年はフライング・ロータスがいちばんの顔になっているのはいいことじゃない?

竹内:ですね。そこでいうと、今回フライング・ロータス(〈ワープ〉の新たな顔役)とコード9(〈ハイパーダブ〉代表)が来るのは大きい。ハドソン・モホークとルナイスが組んだトゥナイトもですね。

木津:フォー・テットも最近、かなりフロア・ミュージックになってるしねえ。

竹内:出所はエレクトロニカですもんね。それでいうと、ロータスはヒップホップですよ。やはり、どこかのタイミングでダンスへの再接近があったと。フォー・テットもブリアルとやっていますね。あれは凄まじかった。

木津:うん。わりと最近ライヴ観たときはかなりダンサブルだったよ。とまあ、今年は本当に「ダンス」のあり方が多様でいいと思う。

竹内:ですよね。これまでの話とまったく逆をたどれば、クラブのオリジナル世代からしたらダンスと呼びたくないようなものまで、もしかしたら入っているかもしれない。

木津:そっか。でも、DJクラッシュやDJケンタロウのようなベテランもいるし。

竹内:ですね。年長組で言うと、木津さんはアンドリュー・ウェザオール? ファック・ボタンズのセカンドで名前を聴きましたね。

木津:うん、ソロではロカビリーをやったりするんだけど、DJのときはしっかりハウスのときがけっこう多いかな。あとオールドスクールのエレクトロ。でも、新しい音もけっこうかけるのかなあ。

竹内:どうでしょうかね。僕はやっぱり、電気が観てみたい。ライヴの間くらい、馬鹿になるのが目標なので(笑)。

木津:はっはっは。このラインアップに電気がいるのは、けっこう面白いよね。ある意味、いちばん浮いてる。

竹内:ですよね。それだけ、信頼が厚いと?

木津:そうなのかな。いちばん、変な感じになりそうやけど(笑)。

竹内:楽しみです(笑)。あと、視覚を活かしたアーティストが何組かいますね。

木津:それで言うと、まずはアモン・トビンでしょう! 前作の『アイサム』のときのフィールド・レコーディングのコンセプトを、ライヴで具現化したものになる......らしい。この前のDVD作品もすごく評判だけど、ライヴだとパワー・アップするでしょう。これが観たいので、僕は大阪から幕張に行きます(笑)。映像ものはクリス・カニンガムのときもすごく盛り上がったけど、大きいイベントならではやね。スクエアプッシャーは〈ソナー〉のときにLEDヴィジョンを使ってたんだけど、今回はそれに加えてベースもプレイするとか。

竹内:ほお。それはフィジカルな。

木津:スクエアプッシャー最近、妙に元気やんね。ライヴに燃えてる。

竹内:オービタルは?

木津:僕は、2004年でいったん活動やめるっていうからその年の〈WIRE〉に観に行ったよ! 往復青春18きっぷで(笑)。

竹内:愛だ!(笑)

木津:だから、最近ふつうに再活動しててちょっと納得がいかない(笑)。でも、あの大らかなテクノは大バコに映えるでしょうな。

竹内:他のイベントとの差別化って、どんなところにあるんでしょう?

木津:エレグラは〈ワープ〉周辺がとくに好きなひとに訴えるような作りになっている気がするなー。いち時期、LCDとか!!!とかも出てたんだけど、そういう意味ではインディ・ロック好きにもちょっと寄ってるし。普段クラブ・ミュージックは聴かないけどフライング・ロータスは聴くってひともけっこういるんじゃない?

竹内:ですね。どんなプレイ・セットになるのかなあ。

木津:前回観たときは生ベースがあったりで、かなりグルーヴィーだった。

竹内:アルバムからいくと、また今回は違った雰囲気かもしれないですね。

木津:もうちょっとチルな感じなのかなあ。でも、そのときはドラゴンボールのコスプレで「カメハメハー!」って言ってたよ(笑)。

竹内:うわああ(笑)。

木津:いやいや、でも今回の顔なのは間違いないでしょう!

竹内:でしょう!

木津:でも、2ステージに分かれてこれだけアクトが揃ってると、ほんとにそれぞれ好きに楽しめそうやね。

竹内:ですね。「しばらくクラブから遠ざかってたけど、さすがに今回のエレグラは行くかなあ」なんて声も聞きました。

木津:おお、いいことですなあ。それは特定のアクト目当てで?

竹内:というより、ダンス・ミュージックに再燃の兆しを認めている感じかもしれません。

木津:お! でもたしかにそういう説得力のあるラインアップですよ。

竹内:どんと来いと(笑)! 「僕がエレグラに行った理由」を、みんなでぜひ語り合いましょう!

木津:そうやね。じゃあ、最後にお互いイチオシを挙げときましょうか。僕はウェザオールとコード9......としつこく言いたいところだけど、アモン・トビンとTNGHTで。

竹内:僕はいろいろあるけど、フォー・テットで。ゼロ年代インディ以降の代表格が見つけたダンス・ミュージックを生で聴いてみたい。彼のキャリアの軌跡って、いまの若いリスナーが通った道ともかなり近い気がするんですよね。

木津:うん、フォー・テットのいまのモードは、シーンのモードだと思うよ。それはともかく、飲まされすぎないようにしないと、僕はトイレが近いので......。〈ソナー〉のときも、ひたすら飲まされ続けたからなあー。

竹内:ははは、今回は各自楽しみましょう(笑)。

木津:そうやね(笑)。

竹内:願わくは、レポのことなんて気にしないで......。馬鹿になりましょう!(笑)


RELATED

Orbital / Wonky

2000年のエレクトラグライドでヘッドライナーを、翌年のフジロックでもホワイト・ステージの大トリをつとめるなど日本でも絶大な支持を得てきた「テクノ四天王」オービタル。2004年の『Blue Album』発表時に活動休止を宣言して以降、シーンへのカム・バック作となる2012年の通算8作目。

Interview Amazon iTunes

TNGHT / TNGHT

〈ワープ〉の新世代を象徴するアンファン・テリブル、ハドソン・モホークが盟友ルナイスと組んだコラボレーション・プロジェクト、トゥナイトの5曲入りEP。それぞれのレーベル〈ワープ〉と〈ラッキーミー〉からリリースされた2012年作だ。ミニマルかつエクストリームなウォンキー良盤。

Amazon iTunes

Flying Lotus / Until the Quiet Comes

『コズモグランマ』から2年。マシューデイヴィッドやマーティン、ライアット、ジェレマイア・ジェイなど、〈ブレインフィーダー〉レーベルにおける活動もますます興味深いものとなっているなかで発表され、自身が「神秘的事象、夢、眠り、子守唄のコラージュ」と呼ぶ本年重要作。

Review Amazon iTunes

Squarepusher / Ufabulum

〈ワープ〉を代表し、エレクトロニック・ミュージックにとどまらず広範な影響を与えてきたトム・ジェンキンソンが「最近あらためてピュアなエレクトロニック・ミュージックのことを考え始めたんだ。とてもメロディックで、とても攻撃的なものをね」と語る2012年作。

Amazon iTunes

Four Tet / Pink

ポストロックを代表するフリッジのギタリストであり、最近ではフォークトロニカとダンス・ミュージックとを鮮やかに縫い合わせているかに見えるフォー・テットことキエラン・ヘブデンの最新作。60分を超える大作である反面、フロアに映えるようなダンス・ナンバーも増えている。

Review Amazon iTunes

Amon Tobin / ISAM

フィールド・レコーディングを駆使して構築され、気鋭の若手アーティスト、テッサ・ファーマーとのコラボレーションによって完成したキャリア集大成とも言える大作。自然や生命の繊細さと大胆さを洗練されたテクニックと鋭敏な感性でとらえた美しくも挑戦的な2011年作。

Review Amazon iTunes

The Asphodells(Andrew Weatherall) / Ruled By Passion, Destroyed By Lust

25年にわたって第一線での存在感を保ちつづけてきたプロデューサー、アンドリュー・ウェザオールの最新プロジェクト、ジ・アスフォデルスのデビュー作。ヨーロッパで頭角を現し、名門クラブでのDJプレイで活躍するティモシー・J・フェアプレイとのコンビで編まれたエレクトロニック回帰作。

Amazon iTunes

Kode9 & The Spaceape / Memories of The Future

ブリアルの発掘を機に世界的なインディ・レーベルへと成長し、狭義のダブステップの境界を超えて刺激的な作品を発掘しつづけている〈ハイパーダブ〉の主宰者、コード9。 本作はブリアルの処女作と並ぶ、レーベル最重要作品のひとつ。

Amazon iTunes

https://www.electraglide.info/

Mediafired™ - ele-king

Mediafired™ - Pixies

"we had Pepsi™ sponsorship" misssequence(メディアファイアード™本人。上記動画のコメント欄にて)

 違法ダウソしてますか?™
 愉快なコマーシャル映像まで作られたオンライン・ストレージ〈メガアップロード〉は、違法ダウンロードの温床となっていたとされ、現在は閉鎖されている(https://www.megaupload.com/)。いっぽう、おなじく人気だったオンライン・ストレージ〈メディアファイアー〉は存続してはいるが、共有が違法と思われるファイルについては積極的に削除しているようだ。アーティスト名やタイトルとともに「mediafire」を入力してグーグル検索すれば音源ファイルが見つかりますよと友人に教えられたのは3年ほど前。いま同じことをしても、ダウンロードへのリンクは見つけづらい状況だろう。それが道理なのかもしれない。しかし、利用するか否かに関わらず、オンライン文化も全盛だというのに息苦しい出来事だなとも感じる。™

 メディアファイアード™ことジョアン・コスタ・ゴンサルヴェス(Joao Costa Goncalves)もポルトガルでそういった違和感をすこしは抱えているに違いない。今作『ザ・パスウェイ・スルー・ワットエヴァー』はあからさまに他者の著作物をカットアップして作られたものだ。素材となった曲を収録順に並べると、クイーンの“イニュエンドウ”/ヴァン・ヘイレンの“キャント・ストップ・ラヴィン・ユー”/インナー・サークルの“スウェット(アララララロン)”/ケイト・ブッシュの“嵐が丘”/バックストリート・ボーイズの“アイ・ウォント・イット・ザット・ウェイ”と、そうそうたる有名どころばかり――MOR(Middle Of the Road)的である。いずれも古い。商業的にも旬を過ぎたものであって、〈メディアファイアー〉にアップされていたとしてもちょっとイケてないではないか。™

 ビートルズやマイケル・ジャクソンをおなじように剽窃したジョン・オズワルドの『プランダーフォニック』との大きな違いとして、今作には過剰にエコーがかけられていることが挙げられる。これは、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのダニエル・ロパーティンによる『チャック・パーソンズ・エコージャムズVol.1』の、80年代のアダルト・コンテンポラリー(日本でいうAOR)やソウルの一節をループさせエコーの海に浸した手法「エコージャム」であり、「エコージャム」はタグの一種でもある(ちなみに、同アルバムの楽曲にダニエルがレトロな映像をつけたプロジェクト〈Sunsetcorp〉――斜陽企業がヴェイパーウェイヴの起こりだと思われる)。™

 今作でループさせられている一節一節は、ガンガンにエコーをかけられ、まるで巨大な聖殿に響き渡っているかのように祝祭的ですらある。景色はまるで真っ白で、鳩がパタパタと飛び立っていく画が見えるようだ。しかし、そんな演出とは対照的に、チョップとループのタイミングも展開も聴き手に心地よさを与えるものとはけっして言えないほど荒々しい。ピッチは原曲より低くされたりしながらも、スピードは上げられていたりする。祝祭的な響きをもちながらも、ポップソングがゾンビのように知性のないうめきを上げているようでもある。仕事中などにわけもなくなにかの歌の一節が脳内ループしてしまう体験に等しい。非常にストレスフルである。荒々しいが繊細に編集されている。ジェームス・フェラーロはポップ/ロックがリビングでつけっぱなしのMTVから垂れ流され平坦な環境音となり死んでいる様子を捉えたが、今作ではメディアファイアード™によってポップスがゾンビとして目覚め、リスナーに襲いかかってくる。™

 カセットのB面には「shit's cold / roam as you are」というサブタイトルがついているが、「私、キャシーよ!帰ってきたの。とても寒いから、窓から入れてちょうだい」と歌うケイト・ブッシュと、別れた恋人への未練を歌うバックストリート・ボーイズに対してメディアファイアード™が吐き捨てた言葉なのだろう。それらの曲名は“ピクシーズ”なんてバンド名がもろにつけられていたり、ソニックユースの曲名だったり、ニルヴァーナの“イン・ブルーム”の歌詞(“Spring Is Here”“Tender Age”)が引用されていたりする。俗なポップスに対して自分の趣味――すなわち自分にとっての聖(ノイジーなロック)をぶつけていく幼稚で原初的な対抗意識を演出している。™

 『ザ・パスウェイ・スルー・ワットエヴァー™』が『プランダーフォニック』のようなカルト的な支持を得ることはないだろう。なにしろ元ネタが基本的にcheezyでダサい懐メロからだ。しかし、それらはストレスフルな編集がなされているぶん原曲以上に印象的でもある。繰り返すが、編集は凝っている。最後の曲のアウトロでは飛行機が風を切る音が聞こえるが、これは“アイ・ウォント・イット・ザット・ウェイ”のミュージック・ヴィデオのイントロで挿入されている音だ。そう。つまり、そういうことだろう(I want it that way)。™

electraglide - ele-king

 フライング・ロータスと電気グルーヴとDJケンタロウと高木正勝がいっしょに出る......というこの実験的でマニアックでオープン・マインディッドで、そしてど派手なラインナップ。ソナー・サウンド・トーキョーとしても活躍するビートインクが3年ぶりのエレクトラグライド、通称エレグラを開催する。
 ビートインクといえば、いまでは〈ワープ〉や〈ニンジャ・チューン〉をはじめ〈ハイパーダブ〉などの日本でのライセンスで知られているが、実はもともと、20年前は、まだエレクトロニック・ミュージックが日本に根付く前から、〈ON-U〉や808ステイト、リー・ペリーなどのコンサートを手がけている。PAシステムに対する意識もかなり高い。ハイプ・ウィリアムスのライヴで度肝を抜いた去る6月の「ハイパーダブ・エピソード1」のときのように、豪華なラインナップばかりではなく、意地でもサウンドシステムに力を注いでくるであろう。演出にも相当気を遣ってくるだろう。
 11月23日(金曜日)、場所は幕張メッセ。スタートは夜の9時から。すでに出演者は、二回に分けられて発表されている。第一弾発表として、フライング・ロータス、スクエアプッシャー、フォー・テット、アモン・トビン、アンドリュー・ウェザオール、コード9。ビッグネームがずらりと並んだ感じだが、フライング・ロータスに関しては新作『Until the Quiet Comes』が素晴らしかったこともあって、この一本だけでも駆けつけて来る人は少なくないでしょう。
 8月末には第二弾発表として、電気グル―ヴ、DJクラッシュ、DJケンタロウ、高木正勝といった大物の名前が挙げられたばかり。9月末には最終ラインナップが明かされることになっている。
詳しくはココ→(https://www.electraglide.info/

 ちなみにele-king編集部では、当たり前の話だが、本当に、まだ何も知らない(スタッフに訊いてみたけれど、当然、口は堅い!)。なので最終ラインナップの予想をしてみる。あくまでも希望が込められた予想です。イーノ、ハドソン・モホーク、デイデラス、エイフェックス・ツイン、ローレル・ヘイロー、コーネリアス、ゴス・トラッド......あるいは裏をかいてボノボ、オウテカ、グリズリー・ベア、ダークスター、オウガ・ユー・アスホール......あるいはハイプ・ウィリアムスがまた来たりして......当たったら拍手を! はずれたら罵倒を!


11/23(金曜日/祝前日)
@幕張メッセ
OPEN / START 21:00
TICKET前売¥8,800 / 当日¥9,800
※18歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。
顔写真付き身分証明書をご持参ください。

TICKET INFO:
前売8,800YEN:9月1日より販売開始!
チケットぴあ 0570-02-9999 [https://t.pia.jp/]
(Pコード:177-607) 初日特電:0570-02-9565
ローソンチケット 0570-084-003 [https://l-tike.com/] (Lコード:72626) 初日特電:0570-084-624
e+ [https://eplus.jp]
BEATINK web [beatink.com]
(以下ABC順)
BEAMS RECORDS 03-3746-0789
DISC SHOP ZERO 03-5432-6129
DISK UNION(渋谷Club Music Shop 03-3476-2627、新宿Club Music Shop 03-5919-2422、下北沢Club Music Shop 03-5738-2971、お茶の水駅前店 03-3295-1461、池袋店 03-5956-4550、吉祥寺店 0422-20-8062、町田店 042-720-7240、横浜西口店 045-317-5022、津田沼店 047-471-1003、千葉店 043-224-6372、柏店 04-7164-1787、北浦和店 048-832-0076、立川店 042-548-5875、高田馬場店 03-6205-5454、diskUNION CLUB MUSIC ONLINE [https://diskunion.net/clubt/])
HMV(ルミネ池袋店03-3983-5501、アトレ目黒店03-5475-1040、ルミネエスト新宿店03-5269-2571、ららぽーと豊洲店03-3533-8710)
GANBAN 03-3477-5710
JET SET TOKYO 03-5452-2262
SPIRAL RECORDS 03-3498-1224
TECHNIQUE 03-5458-4143
TOWER RECORDS(渋谷店 03-3496-3661、新宿店03-5360-7811、秋葉原店03-3251-7731、横浜モアーズ店045-321-6211、池袋店03-3983-2010、吉祥寺店0422-21-4571、町田店042-710-2161、柏店04-7166-6141)
TSUTAYA(SHIBUYA TSUTAYA 03-5459-2000、代官山 蔦屋書店 03-3770-2727、
TSUTAYA TOKYO ROPPONGI 03-5775-1515、三軒茶屋店 03-5431-7788)

INFO:
BEATINK 03-5768-1277 [beatink.com]
SMASH 03-3444-6751 [smash-jpn.com] [smash-mobile.com]
HOT STUFF 03-5720-9999 [www.red-hot.ne.jp]
https://www.electraglide.info/


ジョン・フルシアンテ - レター・レファー

Amazon iTunes


ジョン・フルシアンテ - PBXファニキュラー・インタグリオ・ゾーン

Amazon

 『レター・レファー(Letur-Lefr)』『PBXファニキュラー・インタグリオ・ゾーン(PBX Funicular Intaglio Zone)』というふたつの作品のリリースをめぐって、ジョン・フルシアンテはその思いを自身のブログに滔々と書き綴っている。「ジョン・フルシアンテ・ドット・コム」に掲載されたその文章は、彼の情熱と熟考のあとを生々しく伝える内容で、ファンのみならずひろく音楽リスナーの間でも話題になっている。

 レッド・ホット・チリ・ペッパーズというモンスター・バンドに在籍し、ことにソングライティングにおいてその音楽性の多くを担ってきたフルシアンテが、そこを脱けてめざした天地はどのような場所か。

 彼は2004年前後からはオブセッシヴなまでに数多のソロ・ワークスをリリースし、さまざまなアーティストと交流しながら腕を磨き、あくまでストイックに自らの目指す音を探求し続けてきた。バイシクル・シーフのジョン・クリングホッファー、マーズ・ヴォルタのオマー・ロドリゲス・ロペス、ヴィンセント・ギャロ。彼らとのイマジナティヴな共同作業を経て、今作に登場するのはMC、RZAやウータン・クラン・ファミリーの若手たちである。音のうえからみても、シンセやドラムン・ベースに彩られたこのキャリアにおける異色作からは、彼がいま目にしているものが過去ではないということが、ひしひしと伝わってくる。

 また、それはたんにロックからエレクトロニック・ミュージックへの転向という単純なモード・チェンジでもない。「シンセ、シーケンサー、ドラム・マシンに対するエキサイトメントをギターにも向けられるようになった」......自らのなすべきことについての真摯な思考と試行の果てに、この数年を音楽のプログラミング修行にあててきた彼が、ふたたびギターに向かい合うという物語までもが、この作品の背景にはふくまれている。

 ブログによれば、作品タイトルには彼の音楽ヴィジョンの一端が象徴として示されているようだ。思弁的な文章じたいも、彼のキャラクターに深く触れることができるものである。国内最速でその翻訳をお届けしよう。


Part.1

みなさん

 新作が2枚リリースされることになった。
 最初に『Letur-Lefr』というEPを、その次に『PBX Funicular Intaglio Zone』というLPがつづく。僕がヴォーカル、すべての楽器の演奏、そしてエンジニアを担当しているんだ。EPには何人か友達がヴォーカルで参加しているんだけど、そのほとんどがMCだ。LPにはゲストがひとり参加しているけど、その他は僕がヴォーカルを担当している。

 僕はこの音楽をプログレッシブ・シンセ・ポップだととらえている。だからと言って、そういうサウンドの作品に仕上がっているというわけではなくて、今作の基本的なアプローチを反映しているということだ。さまざまな音楽スタイルを組み合わせ、エレクトロニック楽器を使うことで、自分独自の音楽フォームをクリエイトしてるんだ。

 『Letur-Lefr』は2010年のもので、『PBX』は2011年に制作された。『Letur-Lefr』はコンピレーションみたいなもので、『PBX』の構想を練っている最中に作った楽曲をセレクトしたものだ。EPの楽曲は連続してレコーディングしたものだ。それぞれの作品は内容がまったくちがうものだから、LPをリリースする前に、“Walls And Doors”という曲をフリー・ダウンロードとして提供する。“Walls And Doors”は『PBX』の7ヶ月前にリリースされたけど、アルバムの方向性を予知していたんだ。“Walls And Doors”は最初はアルバムに入れると思っていたけど、入れない方がアルバムにとってよかった。

 『Letur-Lefr』は7月4日に日本でリリースされ、北米は7月14日、その他の国では7月16日にリリースされる。EPはプレオーダーできるけど、アナログ、CD、カセット、そして32ビット、FLAC、MP3などのフォーマットでこのリンクから購入できる。

 『PBX Funicular Intaglio Zone』は日本で9月12日、北米では9月25日、その他の国では9月24日にリリースされる。『Letur-Lefr』と同様、『PBX Funicular Intaglio Zone』もアナログ、CD、カセット、そして32ビット、FLAC、MP3などのフォーマットでリリースされる。

 『PBX』のプレオーダー・リンクは8月上旬に発表する予定だ。

ありがとう

ジョン

Hello people,

There are two new John Frusciante records coming out. The first is an EP entitled Letur-Lefr, and the second is an LP entitled PBX Funicular Intaglio Zone. I sing, play the instruments and am the engineer. The EP features a few friends on vocals, mostly MC’ing. The LP has one feature, the rest of the vocals being my own.

I consider my music to be Progressive Synth Pop, which says nothing about what it sounds like, but does describe my basic approach. I combine aspects of many styles of music and create my own musical forms by way of electronic instruments.

The tracks on Letur-Lefr are from 2010 and PBX was made in 2011. Letur is a compilation, a selected portion of music I made that year while PBX was conceived as an album, the songs having been recorded in succession. The records are very different from each other, so prior to the release of the LP, I will make available a free download of a song called Walls and Doors. This song pointed the way towards PBX, but was recorded 7 months earlier. I always took it for granted that Walls and Doors would be part of the record, but as it turned out the record was better off without it.

Letur-Lefr will be released in Japan on July 4th, in North America on July 17th, and in the rest of the world on July 16th. You can pre-order the EP, which will be available on vinyl, CD, cassette and in 32 bit, FLAC and MP3 digital formats here https://johnfrusciante.com/letur-lefr/

PBX Funicular Intaglio Zone will be released in Japan on September 12th, in North America on September 25th and in the rest of the world on September 24th. Like Letur-Lefr, PBX Funicular Intaglio Zone will be available on vinyl, CD, cassette and in 32 bit, FLAC and MP3 digital formats.

We will provide a pre-order link for PBX sometime in early August.

- Thanks, John

[[SplitPage]]

Part.2

Album Titles

 「PBX」は内部のコミュニケーション・システムを意味する。自然界だと、ビジネスやオフィスではなく人間の内部にも似たようなシステムがある。「Funicular(フニキュラー)」とは、ふたつのケーブルカーが1本のケーブルに繋がれていて、ひとつのケーブル・カーが上がるときに、もう1台が下がる仕組みのことだ。音楽というのは、さまざまなレベルで常にそれと似たことが起きている。「Intaglio(インタリオ、沈み彫り)」は彫刻におけるひとつのテクニックなのだが、彫刻家が作品の裏側から彫ることで、徐々に見物人には前面から肖像がレリーフで見えるようになる。しかし彫刻家は、前面とは対極のアングルから肖像を彫っているわけだ。僕が魅力を感じる音楽には、これに似たアプローチが取り入れられていて、このアプローチが多ければ多いほど好きになるのだ。「Zone」は、自分の感情と身の回りの環境が一体化し、他の世界がすべて消えてしまう心理状態のことだ。この4つの言葉を組み合わせることで、僕のクリエイティブ・プロセスを深いところまで描写できるのだ。

 「Letur-Lefr(レター・レファー)」という言葉は、ふたつの異なるものが連結部分によってひとつになることを意味している。それは、アルバムの1曲目がアルバムの最終曲の続編であることに象徴されている。

PBX refers to an internal communication system. There is a natural version of this, wherein the “business or office” is a person. A funicular involves two trams connected by a cable, one going up while the other goes down. All music perpetually does this on many levels simultaneously. Intaglio is a technique in sculpture where one works on the opposite side of the image, whereby the image will eventually appear to the spectator in relief, but the angle the sculptor works from is the negation of that. In music that I like, an approach analogous to this was employed, the more so the better. Zone refers to a state of mind wherein the rest of the world seemingly disappears, and nothing matters but the union of one’s immediate surroundings with one’s feelings. These four words linked together go far to describing my creative process.

Letur-Lefr for me signifies the transition of two becoming one, notably symbolized by the first song on the album being the sequel to the album’s last.



Part.3

My Recent History

 エレクトロニック・ミュージックを作り、エンジニア作業もすべて自分で手掛けたいという夢を実現することに、5年前から真剣に取り組みはじめた。その10年前から、僕はさまざまなタイプのシンセサイザー・ミュージックやサンプリング・ミュージックを模倣してギターをプレイしていた。マシンの言語は、マシンをプログラミングする人に新たな音楽ボキャブラリーを与えたことに気がついた。過去22年間に生み出されたエレクトロニック・ミュージックは、新たなリズム、メロディ、ハーモニーの原理を導入した。以前はプログラミングで作られたエレクトロニック・ミュージックを聴いても、どのようなプロセスで曲が作られたかが解明できなかった。80年代のマシンや、90年代のトラッカー・ソフトウェアを熟知している人たちは、理論的なアプローチでプログラミングをしていたが、僕がポップ/ロック、ジャズ、クラシックから知っていた理論とはちがう体系のものだった。手と楽器の密接な関係性は、ミュージシャンが作り出す音楽の基礎となっているが、ポップ/ロックを演奏する上で、自分の頭が手によってコントロールされている傾向が強いことに気づいて、それを修正したいと強く願っていた。マシンの知能と人間の知能が刺激し合って、その相互作用によって生まれる音楽に僕は強い関心を抱くようになった。

 2007年から僕はアシッドハウスで使用される機材やハードウェアのプログラミングを学ぶようになった。7ヶ月間は何もレコーディングしなかった。その後は、10個の機材を同期させ、ミキサーに通してCDバーナーに録音するようになった。最初は実験的アシッドハウス・ミュージックを作っていたが、ロック・ミュージックで学んだスキルはいっさい使わなかった。僕は伝統的なソングライティングに興味を失って、音楽をクリエイトする新たな方法を見つけたいと感じていた。マシンに囲まれ、次々とマシンをプログラミングし、その興味深いプロセスを楽しんだ。それまでは筋肉を使って楽器を演奏していたが、同様に数字を使ってマシンをプログラミングする作業が楽しくなった。数学的で理論的な方法でリズム、メロディ、サウンドに取り組むようになったため、これまで無意識に使っていたスキルが徐々に意識的になった。

 その後は2人の友人と演奏するようになったわけだが、これまでひとりでリビング・ルームでやっていたことを仲間とやるようになった。この編成はいまでも僕の性分に合うバンドだと考えている。

 仲間と演奏するようになった直後から、僕はコンピューターを使用するようになった。最初は、僕がハードウェアで作り出していた音をレコーディングするためにコンピューターを使っているだけだったが、徐々にコンピューターがメインの楽器になった。僕の制作方法と考え方に特化した理想的なスタジオも同時に作り始めた(この作業は今も進行中)。この時期に作っていた音楽はCDバーナーに録音していた音楽よりも冒険的なインスト・アシッドハウスだった。コンピューターで2曲レコーディングしてから、自分が作り出している新しい音楽が“プログレッシヴ・シンセ・ポップ”という言葉にふさわしいと感じはじめた。当時作っていた音楽では、アシッドが中心的要素だった。

 1年ほどコンピューターを音楽制作に使うようになってから、自分のヴォーカルを導入するようになった。それまでは、ギターとヴォーカルをエレクトロニックに取り入れたくないと考えていた。僕が大好きなタイプのエレクトロニックのルールに基づいた音楽を作りたいと思っていたからだ。ギターとヴォーカルをエレクトロニック・ミュージックとミックスすると、以前僕がやっていたポップ/ロック・ミュージックのソングライティングとギターのルールに戻ってしまうから、避けたかった。エレクトロニック・ミュージックをギターやヴォーカルとブレンドしたら、エレクトロニクスが僕の曲、ヴォーカル、ギターの補助的な役割になってしまうと考えていた。そのアイデアには不快感を覚えた。僕はロック・ミュージシャンとしての経験が長かったので、ロックのルールが優先されてしまい、新しいことを発見するペースが遅れてしまうと考えていた。“ルール”という言葉を使うときは、特定の音楽スタイルを定義づけ、その境界線を設定する根本的原理や抽象的現象を指しているわけであって、その境界線のなかで人間はクリエイティブな探求をしているわけだ。

 ソングライティングは続けていたが、必要性を感じたときに、そしてその方法で表現しなければいけないときに曲を書くようにしていた。僕は長年、曲を量産することでソングライティングのスキルを磨くものだと考えていたが、それが違うということに気がついた。最近は、ソングライティングというのは呼吸のように、自然に起きるものだということが分かった。最初のうちは、事前に作曲した曲をレコーディングする作業が窮屈のように思えたが、新たな曲作りのメソッドを吸収し、プログラミングのスキルとスピードも上達していたので、インストを作っていたときと同じくらいヴォーカルとギター入りの曲のレコーディングが楽しくなった。この時期に『Letur-Lefr』の曲をレコーディングし始めた。このときはまだロックの要素は遠ざけていたが、R&Bとヒップホップは自然と僕がやりたかった音楽にブレンドできることがわかった。ソングライティングとプログラミングを統合する上で、R&Bは有効な方法だということに気がついた。ヴォーカルがインスト・トラックを支える曲作りの方法を見つけることができたわけだが、その逆ではないことが僕にとって重要だった。

 この時期が経過すると、僕は新たなアプローチでギターを演奏するコンセプトを練り始めた。そのために定期的な練習が必要だった。その数年前は、レイヴやシンセ・ポップのレコードに合わせて練習することが多かった。僕がやりたかった音楽では必要性を感じていなかったため、ギターを演奏するための筋肉を訓練させるような練習はしたくなかった。僕の妻のセカンド・アルバムで特定の演奏法がしたかったので、定期的に練習していた。しかし、その後に僕はまったく新しいギター演奏のアプローチを発見することができた。僕のメインのエレクトロニック楽器はMC-202だったが、最初の頃は202をプログラミングするときは、ギターの知識を使ってプログラミングしていた。しかし、長く202を使ったことで、僕のギタリストとしての知識と202奏者としての知識が同じレベルになり、僕のギター演奏が202のプログラミング方法に影響されるようになっていた。ギターを演奏するとき、ロック・ミュージシャンとしての指と筋肉の使い方から完全に離れることができるようになっていた。違うギターに変えたということもあるが(Yamaha SG)、202を使うときは指のポジションによって音符を演奏するわけではないので、そのアプローチによってギターを演奏する新しいアイデアが芽生えていた。この時点から、ギターが完全に僕がやろうとしている新しい音楽と一体になった。ギターに対する新しいアプローチが見つかり、音を加工する新たなテクニックを吸収していたので、シンセ、シーケンサー、ドラム・マシンに対するエキサイトメントをギターにも向けられるようになった。したがって、僕はロック/ポップスの音楽理論を他の好きな音楽要素と同じように、僕の音楽に応用できるようになった。考え方が変化したので、クリシェを避けることを意識する必要もなくなった。新しい癖が身についていたので、そこから様々な新しい音楽的方向に進むことができた。古い癖は完全に捨て去っていた。コンピューターも完全に僕にとって楽器になっていたので、ドラムンベース(そしてその他の作りたかった音楽的スタイル)も僕の音楽に完全に取り入れられるようになっていた。この時期から、僕は過去のエンジニアリング・スタイルを理解できるようになっていたので、新旧のプロダクション・スタイルを、様々な音楽スタイルと同様に組み合わせられるようになった。数ヶ月が経過すると、僕は『PBX Funicular Intaglio Zone』をレコーディングし始めた。何年間も僕は1曲ずつ制作するアプローチをとっていたが、新たなプロダクションの経験を積んだことで、ひとつの作品のコンセプトの中で完全に没頭しながら制作できるようになっていた。この時期から僕が長らく求めていたバランスを見つけることができた。ボーカルと曲の構造があっても、ミュージシャンとして完全に自由でいられる境地に達していた。

 『PBX』では僕が何年も前に頭の中で想像していた音楽的要素の組み合わせが実現しているが、当時はどうやって形にすればいいか分からなかった。純粋に音楽に取り組むチャンスを与えられたことが幸運だと思っているし、音楽ビジネスの中に長年いても、音楽に集中することができたことに感謝している。僕は長年レコードを聴きながら演奏したり、曲を書いたり、夢見ることにほとんどの時間を費やすことができた。それを手助けしてくれた人々にとても感謝している。

 最後に、アシッド・ミュージックは僕にとってよい出発点となった。そこから徐々に、僕はワンマン・バンドとしてあらゆる音楽的スタイルを自由に組み合わせられるようになったわけだから。

ジョン

I started being serious about following my dream to make electronic music, and to be my own engineer, five years ago. For the 10 years prior to that, I had been playing guitar along with a wide range of different types of programmed synthesizer and sample based music, emulating as best as I could, what I heard. I found that the languages machines forced programmers to think in had caused them to discover a new musical vocabulary. The various forms of electronically generated music, particularly in the last 22 years, have introduced many new principles of rhythm, melody, and harmony. I would learn what someone had programmed but their thought process eluded me. Programmers, particularly ones fluent on machines from the early 80s and/or tracker programs from the 90s, clearly had a theoretical foundation in their employ but it was not the theory I knew from pop/rock, jazz or classical. The hands relationship to the instrument accounts for so much of why musicians do what they do, and I had come to feel that in pop/rock my mind was often being overpowered by my hand, which I had a strong desire to correct. I was obsessed with music where machine intelligence and human intelligence seemed to be bouncing off one another, each expanding with the incorporation of what it received from the other.

In 2007 I started to learn how to program all the instruments we associate with Acid House music and some other hardware. For about 7 months I didn’t record anything. Then I started recording, playing 10 or so synced machines through a small mixer into a CD burner. This was all experimental Acid House, my skills at making rock music playing no part in it whatsoever. I had lost interest in traditional songwriting and I was excited about finding new methods for creating music. I’d surround myself with machines, program one and then another and enjoy what was a fascinating process from beginning to end. I was so excited by the method of using numbers much in the same way I’d used my muscles all my life. Skills that had previously been applied by my subconscious were gradually becoming conscious, by virtue of having numerical theoretical means of thinking about rhythm, melody and sound.

Then I began a musical relationship with two friends, wherein I could do basically the same thing I had been doing in my living room, only with other people. This continues to be a band which is perfectly congruent with my nature.

Right after we started playing together I started using a computer. Initially it was just something to record what I was doing with hardware but it eventually became one of my main instruments. I gradually built up a studio ideally set up for the specific ways I work and think (this is a continual work in progress). The music I did at this stage was a more adventurous kind of instrumental Acid House than what I’d been doing onto CD, and by the time I recorded my second song on a computer, I was aware that Progressive Synth Pop was an accurate description of what I was doing. Acid was nevertheless the central musical style involved.

After a year or so on the computer, I occasionally began using my voice again. Prior to this, incorporating guitar and singing had posed a problem because I wanted to make music based on the rules, as I perceived them ? inherent in the various kinds of electronic music I loved ? and did not want to blend this with what I previously did with songwriting and guitar wherein many rules of pop/ rock music would then naturally be employed. If I’d attempted to blend the two at that time my electronics would have served as support to my songs, voice, and guitar. This idea was repugnant to me. Because I was so much more developed as a rock musician, rocks characteristics and rules would have dominated, thereby slowing down the rate at which I was discovering new things. To be clear, when I say rules, I mean the underlying principles and abstract phenomena which define a particular style, marking its boundaries and limits, within which exists an area proven to be worthy of human creative investigation.

I continued to write songs, but only when I had to out of necessity, because something had to be expressed that way. I no longer looked at songwriting as a craft to prolifically hone, as I had for so long. In these recent years, it is just something that happens sometimes, a natural thing, like breathing. At first, recording pre-written songs felt like a restriction, but I eventually found myself having acquired enough new work methods of my own and enough skill and speed at programming that when I recorded a pre-written song I had as much fun as when I made instrumentals. This is the point at which the tracks on Letur-Lefr were recorded. I was still steering clear of most rock music characteristics, but R&B and Hip Hop were blending well with the various types of music I was combining. R&B seemed to me a path through which to integrate my songwriting with my programming, being that I could do it in such a way that the song served as support for the things I was doing instrumentally ? and not the other way around ? which was very important to me.

As this phase passed, I began developing a concept for a new approach to playing guitar, which required regular practice. For the preceding couple of years, practice consisted of playing along with this or that Rave or Synth Pop record or whatever. I didn’t see a point in developing my playing musculature-wise because there was no call for that kind of playing in my music. I originally was practicing in a disciplined manner because I wanted to play a specific way on my wife’s second record. But I found an approach to the instrument, which was brand new for me, in which I saw a lot of room to grow. My main melodic electronic instrument being the MC-202, I had gone through a long period where my knowledge of guitar informed much of my 202 programming. But I had now reached a point where I thought as much like a 202ist as I did a guitarist, and my guitar playing was now being informed by my knowledge of the 202. I was using the muscles I was developing in a way completely divorced from the way I used them as a rock musician, partially because I switched to a different type of guitar (a Yamaha SG), but mainly because my musical ideas stemmed from my understanding of an instrument on which the choice of notes is not limited by the position of ones hand. So at this point guitar became fully integrated into my music. The combination of having a new approach to the instrument, combined with all the ways I was now well versed at processing sound, resulted in my having the same excitement about guitar that I had long had for my synths, sequencers and drum machines. This, and other factors, resulted in my being able to pick and choose specific musical principles from rock/pop to apply to my music, just as I had been applying specific aspects of every other type of music I love. I no longer had to be concerned with avoiding cliches because I just didn’t think that way anymore. I had developed new habits which were taking me all kinds of new places, and the old habits were now foreign to me. Also the computer had now become an instrument for me, so Drum n’ Bass (as well as a number of other styles I’d been reaching for) had now become fully integrated into my music. At this point, I also had begun to grasp the characteristics of engineering styles of the past, allowing me to combine aspects of old and modern styles of production just as I’d been combining different styles of music.

A few months into this period, I began the recording of PBX Funicular Intaglio Zone. For years I had just approached everything one song at a time, but my experience in production now allowed me to comfortably work within a record concept while remaining completely absorbed in the process. By this time, I had found the balance that I’d been searching for, wherein the presence of a vocal and the structure of a written song actually provided me with additional freedoms as a musician.

Aspects of PBX are the realization of combinations of styles of music I saw in my head many years ago, as potentials, but which I had no idea how to execute. I’m so happy that I’ve had the opportunity to focus exclusively on music for music’s sake, and also so thankful that I got to spend all those years active in the music business whilst keeping my head in music all the time. I was free to spend most of my time playing along with records, writing, and dreaming. I have so much gratitude for everyone who made that possible.

In summary, Acid served as a good starting point for me, very gradually leading me to be able to combine whatever styles of music I want, as a one man band.

- John

(訳:バルーチャ・ハシム)

Sensational meets koyxeи Japan tour 2012 - ele-king

 野蛮人が来日する。センセーショナル、人は彼をラップ界のリー・ペリーと呼ぶ。ラップ界には、ある意味ではかなりの数のリー・ペリーがいるかもしれない。その強豪揃いのシーンのなかにあって、センセーショナルはよほどのことがあるからそう呼ばれている。音楽ライターのスペクターがはじめた〈ワードサウンド〉は、IDMとヒップホップの水を埋めたレーベルだが、1997年、1999年と、そこから出た最初の2枚はぶっ飛ぶためだけに生きている男の美しい記録として忘れがたい。


Scotch Bonnet

 NHK名義で知られる、大阪人かつベルリン人のコーヘイ・マツナガは、2006年に最初のコラボレーション・アルバム『Sensational Meets Kouhei』を〈ワードサウンド〉から出すと、2010年にはマンチェスターの〈スカム〉(ゲスコムのメンバーによる)から『Sensational Meets Koyxeи』も出している。つい先日も、NHKはセンショーナルとDJスコッチエッグと一緒にヨーロッパをツアーしている。

 今回は、センセーショナル+コーヘイ以外には、言わずと知れた才人Scotch Bonnet(DJスコッチエッグ)、そして大阪ではAOKI Takamasa(ele-kingは彼の音楽が大好きです)、東京では中原昌也(『エーガ界に捧ぐ(完全版)』を出したばかり!)、そしてこれまた注目のKakato ( 鎮座Dopeness x 環Roy )が出演する!
 そして、センセーショナルとNHK、DJスコッチエッグは9月12日(水)21:00~@DOMMUNE、あります。前半、この伝説の奇人に編集部野田がインタヴューします。

Sensational (ex, Jungle Brothers aka Torture)
 Tortureの名前で活動していた頃、Jungle Brothersとして94年の3作目『JBeez Wit Da Remedy』に参加、そして彼の伝説ははじまった。
 芸術家はいつの時代も気ちがいじみた特質性、風変わりな人柄に富んでいるが、sensationalは他に類を見ない正に唯一無二の超オリジナルなラッパーだ。95年、Sensationalに改名しソロアルバム『Loaded With Power』(WSCD022) 、3作目のアルバム『Heavyweighter』 (WSCD037)をリリースした頃には、NY『タイムアウト』誌で「Sensational is underground hip-hop's number one upstart-in-waiting(待ちに待ったヒップホップ・アンダーグラウンド界のNo.1の成り上がりMC)」と称された。多くのラッパーがサンプリングを使うなか、彼はすべてオリジナルトラックで臨み、そのブレイクビーツに乗せた彼の鈍りきったフロウ、詩のように優美なフロウがILLなヘッズを虜にしている、まさに伝説の奇人!

Scotch Bonnet ( Scotch Egg / Berlin )
 DJ Scotch BonnetはDJ Scotch Eggとして活動するUK在住の日本人、本名「シゲ」の新プロジェクト。ヨーロッパを中心に活動。活動の初期はガバ~ブレイクコア~チップチューンを演奏する次々世代のテクノアーティストとしてブレイクコアのアーティストを多数輩出している〈ADAADAT〉〈wong music〉から2枚のアルバムと7インチ、10インチのアナログシングルを各1枚ずつリリースしている。ATARI TEENAGE RIOT /ALEC EMPIREとのヨーロッパツアーで頭角を現わし、その後μ-ziq / APHEX TWIN/ Bong-ra. /VENETIAN SNARES等、ブレイクコアや異端テクノ系のビッグネームと多数共演、UKでは2ndアルバムリリース時に英国ラジオ局BBCが彼の特別番組を放送する等、ほぼ毎日行われるGIGでヨーロッパ全土を席巻し、注目の的となっている。マンチェスターの「FUTURE SONIC FESTIVAL」やロンドンで行われるエレクトロニック・ミュージックの祭典「GLADE FESTIVAL」、70年代から続く老舗巨大フェス「Glastonbury festival」など多数のフェスティヴァルに出演。

■大阪公演at Conpass
9月14日 (金)
18:30 open / 19:00 start

Sensational meets koyxeи ( ex, Jungle Brothers + NHK )

DJ Scotch Bonnet ( aka DJ Scotch Egg / small but hard / Berlin )
Jemapur ( Saluut, Beta, Phaseworks )
Yuki Aoe ( concept )
DJ AOKI Takamasa
DJ Kouhei Matsunaga

ADV 2500 . DOOR 3000
https://www.conpass.jp


■東京公演at Super deluxe
9月16日(日・祝日前)
19:30 open / 20:00 start

Sensational meets koyxeи ( ex, Jungle Brothers + NHK )

Kakato ( 鎮座Dopeness x 環Roy )
DJ Scotch Bonnet ( aka DJ Scotch Egg / small but hard / Berlin )
Jemapur ( Saluut, Beta, Phaseworks )
DJ NHK fm
DJ 中原昌也

ADV 2800 . DOOR 3500
https://www.sdlx.jp/2012/9/16



https://koyxen.blogspot.com
https://nhkweb.info
https://twitter.com/kouheimatsunaga

Your Favorite Summer Song - ele-king

 「夏が来た、路上で踊るには良い季節」......こう歌ったのは1960年代のマーサ&ザ・ヴァンデラスでした。彼女たちがデトロイト市内のホールでこの曲を歌っているときに、町では暴動が起きていたという話は有名です。
 さて、梅雨が明けて、夏到来です。スタンダード・ナンバーの"サマータイム"にたくさんの名カヴァーがあるように(ジャニス・ジョップリン、ニーナ・シモン、ブッカー・T&ザ・MG'S、サム・クック......)、この世界には夏をテーマにした名曲がたくさんあります。ビーチ・ボーイズは夏だらけだし、マーサ&ザ・ヴァンデラスには他にも"ヒートウェイヴ"があります、エレクトロニカ/IDMには『エンドレス・サマー』があるし、ハウス・ミュージックにもベースメント・ジャックスの「サマー・デイズEP」があり、チルウェイヴにはウォッシュト・アウトの「ライフ・オブ・レイジャー」があります。あるいはドナ・サマーやメキシカン・サマー......芸名やレーベル名が"夏"であるケースもあります。
 
 夏の音楽は多くの場合ロマンティックですが、セックス・ピストルズの"ホリデー・イン・ザ・サン"を聴いたら怒りがこみ上がってきて、ザ・ドアーズの"サマーズ・オールモスト・ゴーン"を聴いたら夏が終わってしまった気持ちになるかもしれません。そしてジミ・ヘンドリクスの"ロング・ホット・サマー・ナイト"を聴けば、あたり一面は燃え上がるでしょう。
 MFSBの『サマータイム』のアートワークに使われている写真も素敵ですね。熱波で焼けた路上でひとりの女性が水浴びしている姿にグッと来ます。
 日本の音楽にも多くの夏の曲があります。曽我部恵一"Summer '71"、フィッシュマンズの"夏の思い出"や"Sunny Blue"......RCサクセションなどはホントに多くの夏の曲を作っています。
 
 以下のチャートを見て、自分の「Favorite Summer Song」が入ってないじゃないかという方は、コメント欄に書いてください!


1
Martha And The Vandellas - Dancing In The Street

2
Miles Davis - Summertime

3
Jimi Hendrix - Long Hot Summer Night

4
Fennesz - Endless Summer

5
Sex Pistols - Holiday in the Sun

6
The Associates- Fire To Ice

7
The Ramones - Rockaway Beach

8
RCサクセション - 海辺のワインディイングロード

9
Alice Cooper - School's Out

10
The Beatles - Mr. Moonlight

11
RCサクセション - 楽しい夕に

12
Eddie Cochrane - Summertime Blues

13
The Style Council - Long Hot Summer

14
Best Coast - Summer Mood

15
The Doors - Summer's Almost Gone

16
Sly And The Family Stone - Hot Fun In The Summertime

17
The Drums - Saddest Summer

18
Pub - Summer Pt 1

19
MFSB - Summertime

20
The Beach Boys - All Summer Long

21
RC サクセション - サマータイムブルース

22
Girls - Summertime

23
Yo La Tengo - Beach Party Tonight

24
Bruce Springsteen - Backstreets

25
Pink Floyd -Summer '68

沢井陽子

The Beach Boys - Endless Summer

サマーソングといえば、いまのタイミング的にも真っ先にビーチ・ボーイズ。イメージが先行しているのですが、こちらは、1966年前のヒットソングのコレクションで、初心者も十分楽しめる内容。ロスアンジェルスにいた頃、ジョニー・ロケットというレトロなハンバーガー・チェーン店に行って、ハンバーガーとフライズを食べながら、ジューク・ボックスに"サーフィンU.S.A."を入れて、パーフェクトな夏を満喫した思い出があるので、曲も素敵だが、そのときのイメージも多々影響。楽しい出来事ばかりでなく"イン・マイ・ルーム"で、もの悲しい夏の残骸を胸に抱え、自分の心の中にグッとしまっても、最後に"グッド・ヴァイブレーション"が流れると、ドラマチックな夏物語を「まあ、いいか」とまるく収めてくれる。全体が、夏のさまざまなシチュエーションに当てはまり、イメージが膨らむが、サマーソングって、結局それが楽しいのです。

DJ Yogurt(Upset Rec)

RCサクセション - サマータイム・ブルース

"サマー・マッドネス"、"サマー・イン・ザ・シティー"、"サマー・ミーンズ・ファン"、etc...
いろいろな曲が頭に浮かんだけど、2012年の日本の夏にハマっているのは、エディ・コクラン作の名曲に、いまは亡き清志郎が日本語の歌詞をのせた"サマータイム・ブルース"ではないかと。「電力は余ってる、いらねー、欲しくねーー」。

大久保潤 aka junne(メディア総合研究所/大甲子園/Filth)

SxOxB - "レッツ・ゴー・ビーチ"("ドント・ビー・スウィンドル")

ハードコア・パンクはナパーム・デスなどにより"速さ"という点において90年前後にネクスト・ステージに進み、90年代半ばにはファストコアとかパワー・バイオレンスとか呼ばれる激速なバンド群がシーンを席巻した(あの頃はそういうバンドの7インチが毎週のようにリリースされて本当に楽しかったなー)わけだが、そのルーツのひとつが初期S.O.Bである。大阪ハードコア・シーンから現れた彼らは「世界最速」と謳われ、日本にとどまらず世界のハードコアに多大な影響を与えた。
そんな彼らの初期の代表曲のひとつが"Let's Go Beach"で、歌詞はただ「Hot Summe soon comes again.
Let's Go Beach. Let's Go Surfin」だけ。ハードコア・パンクとサーフィンという組み合わせ(当時はまだ日本ではハードコアとスケートの関係もあまり一般的じゃなかったはず)、そしてファスト・パートから後半はキャッチーなシンガロング(♪レッツゴサマービ~~~チ!)に移行するポップなセンスもおそらく当時は斬新だったろうし影響力もデカかったんじゃないかな。ポップに始まって一転して激速! みたいなのって90年代には(たぶん今も)本当にたくさんありましたからね。
この曲と、ハノイ・ロックスの"Malibu Beach Nightmare"とラモーンズの"ロッカウェイ・ビーチ"を「新・三大ビーチソング」とさせていただきます!(全然新しくないけど)

DJ Hakka-K (Luv&Dub Paradise)

Baiser - Summer Breeze

夏といえばレゲエやその他大好きな曲はたくさんあるのですが、僕がいちばん最初に影響を受けたDJ Soneが夏になると必ずかけてたのが、83年に発表されたこの曲。いまでも夏になるとレコード・バッグに入れておく想い出がたくさん詰まったDISCOの隠れた名曲です。

[[SplitPage]]

山田蓉子

ピーナッツ - 恋のバカンス

言わずと知れた昭和歌謡の大名曲。中学生の頃からカラオケで必ず歌っているのだが、気持ちよくハモりながらひたすら「そっかーバカンスってのは、金色にかがやく熱い砂の上で裸で恋をするのねー。素敵」と思い続けてきた。全国民が一年中バカンスのことばっかり考えて暮らしているフランスで生活するようになったのも、そんな刷り込みのせいなのだろうか。でもまだ金色にかがやく熱い砂の上で裸で恋なんかしたことない。バカンスのために生き続ければいつかできるんだろうか...。
合掌。

why sheep?

私見ですが、夏は24,25と2日で勝負のクリスマスと違って日本人にも長丁場ですので、一曲に絞るのはむずかしいのです。

というわけで、アルバム単位で失礼します。これは、僕のサマー・ソングのオールタイム・フェイバリットで、オールタイムというからには理由があって、日本がどの季節であっても、暑くてビーチのあるところになら、僕が必ず持っていくアルバムだからでもあります。実家のある茅ヶ崎に帰郷する際はどんな季節であっても必ずです。

ちなみにわたくし、渋谷区神宮前生まれ、現住所湘南というプレミアムな、昔なら免許証だけでナンパできると言わましたがそれは昔の話で、もし免許証に写真を載せなくて良かったら、人生は今とずいぶん違ったことでしょう。さて、

閑話休題、

神奈川県茅ケ崎市の出身であればだれもが知ってることですが、
茅ヶ崎市民=サザン・オールスターズ・ファン
というのが公理となります。
茅ヶ崎市民≒サザン・オールスターズ・ファン
は許されませんし、
茅ヶ崎市民なのに≠サザンオールスターズ・ファン
はばれたらその場で公開処刑されます。

しかし、どんなところにも反逆者はいるもので、江戸時代の隠れキリシタンのように
そんな中でサザンを崇拝しなかったのがこの私です。もちろんサザンの曲も大好きですが、神宮前の生まれの私にはあまりにも野暮ったすぎました。

長くなるとあれなので順不同ということで三枚選ばせていただきますと、

Boz scaggs - Down To Then Left

もちろんbozの名盤といえばsilk degreesですし、一枚後のmiddle manは東海岸AORあげての名盤ですが、その中庸にあるこのアルバムなぜか期待されていたほどに売れませんでした。だからこそぜひ聴いてみてください。超ゴールド・ディスクのsilk・degreesの直後になんでこんなアルバム作ったのかと俄ファンは首をかしげたかもしれまえんが、ルーツと言えばパンクと忌野氏の話しかしない三田格が即座にこのアルバムの名前を言えるということだけお伝えすれば、ele king読者は気持ちは動くことでしょう。三田さんが好きかどうかは知りませんが。

Bobby Caldwell - Carry On

アルバムのすべての曲が珠玉としか言いようががありません!
邦題は原題とまったく関係ない「センチメンタル・シーサイド」と付けられてましたが、その心は当たらずとも遠からず。。
1980年代、日本のサマーリゾートの代表である湘南は傍目はアメリカ西海岸、(実情はサザン=茅ヶ崎駅南口)だったのですが、桑田圭祐もその音楽的ホームグラウンドであるという茅ヶ崎の現存するレコード屋さん「CHIYAMA」(桑田さんが青学に通ってる頃厨房の私が通っていた)につつましげに張ってあったポスターが忘れられません。
「マイアミの蒼い風」
そこにはそう書いてありました。
当時の日本の理想とするカリフォルニアでもなく、はたまた湘南の実情ださいヤンキー文化でもない、架空のビーチがあった!そこはマイアミ(本当のマイアミは行ったことないので知りません。。)
あぁ...哀れなるかなbobby caldwell。3枚目にして自身のもてるすべてを注ぎ込んだ、そして当時のレコード会社も起死回生を図って宣伝したこのアルバム、期待ほど売れませんでした。当然です。日本人はカリフォルニアしか頭になかったのですから。

長々と前節書きましたが、この感傷性の至高とも言えるアルバム。アラサー独身男子の方ならきっと理解してもらえることでしょう。はまっちゃったら一生結婚できないこと請け合いです。

さて最後、

J.D.Souther - You're Only Lonely

あぁ、このメロディーにこの歌詞に極め付けのこの声。同胞のイーグルスのほうが100倍有名ですが、彼はイーグルスの第五(第六だったかな?)のメンバーと言われるほどイーグルスに貢献したソロ・シンガー・ソングライターです。(名曲"New Kid In Town"は彼の曲)
一聴したら単なるアメリカの野暮ったいカントリー&ウエスタンの歌手と間違える人もいるかもしれませんが、よく聴いてくださいこの声。
現代音楽の大家メシアンは音を色に例え、詩人ランボーは言葉を色に例えたそうですが、わたしに言わせればJ.Dの声は「いぶし銀の声」と呼んでいます。
それをもっとも感じるのはこの前のアルバムの『Black Rose』収録の"Silver Blue"ですが、夏の間聴くべきはこのアルバムです。
とくに一押しは彼の出世曲の"You're Only Lonely"ではなく!!!!"If You Don't Want My Love"、このモラトリアムから抜け切れないガキっぽい歌詞が胸をえぐります。しかしなんといっても必聴すべきは、彼の声もさることながらハモンド・オルガンB3の旋律というかその音色!!!
はっきり言って"Let It Be"のBilly Prestonを軽やかに凌駕しています。その名はJai Winding。ちょっと調べた限りでは往時の人気スタジオ・ミュージシャンということですが、実際のところよくわかりません。"My Funny Valentine"のときのJimmy.Smithぐらい良い!!!知ってる人いたら情報求む!!!

それでもどうしてもと野田努に一曲選べと言われたらこの曲、

佐野元春
Heartbeat』収録 "Interlude"~"Heartbeat"
↑ここには私の少年ゆえの切ない恋愛体験がすべて詰まっております。くれぐれも("Interlude"から聴いてください)

他にも山下達郎の"Big Wave"(口が裂けても『Beach Boys』の"Pet Sounds"とか言いたくない)とかあるんだけど、この企画が来年も続いたらその時にでも。

おやすみなさい。みなさん家のエアコン止めてビーチでセンチメンタル・シーサイドしようぜ!

summer, 2012
why sheep?

[[SplitPage]]

三田格(e-Busters...)

Wham! - Club Tropicana

なんてな

竹内正太郎

□□□ - 渚のシンデレラ

夏、夏か、、、。この、永遠に思わせぶりで無責任な季節は、これからもギリギリのところで前向きな予感たりえてくれるのだろうか? いや、しかしこうも明らかな異常気象が続き、つい先日も日本国内の最高気温都市の上位三位を独占したような場所に住んでいる身としては、サマー・ソングを悠長にセレクトするにも体力を使って仕方がない。しかし橋元優歩に催促され、限られた時間内に直感で選ぶとしたら、("真夏のラストチューン"も捨てがたいが)やはりこの曲になるだろう。クチロロがバンド編成時代に残したきらきらのクラシック。超多層構造のトラックをハイパーなまでに軽く聴かせるその手さばきは、今なお並々ならぬセンスを見せつけている。それはもう、嫌らしいほどに。ヴォーカル/大木美佐子の安定しない高音域もいい。夏は楽しく充実しているべきか? この疑問自体、広告業的な価値観に刷り込まれたちゃちな不安でしかないわけだが、優れたサマー・ポップは何度だってその空虚さを上塗りする。とても鮮やかに。パルコの広告にほだされ、私は今年も嫌々と海に出掛けるのだろう。一年に一度くらい、まったく見当違いの恋をしてみるのもいいものだ。それがどれほど軽薄なものであっても。「ここから物語は続く/忘れたものもあの角を曲がればきっと思い出すさ」!!

松村正人

XTC - Summer's Cauldron

私は夏が大好きなので、好きな曲はビーチの砂の数ほどありますが、そのなかでもこの曲は、陽がのぼるとすぐにうだるようで、退屈で、楽しくないので、どこかに逃げたいがまわりは海ばかりで、しょうがないと諦めつつ、それもそう悪くないかと思いはじめたころ、暑気がひけて、虫や鳥の声が際だちはじめた、島に住んでいたころの夏の日の宵の記憶をくすぐるようでとても甘美だ。

水越真紀

戸川純 - 隣りの印度人(玉姫様)

21世紀の日本の夏、80年代に比べて湿度は低くなった。絶対なったと思うのだ。数年前、そのことを示すグラフをネットで見つけたのだけど、二度と出会えないでいる。
ともあれ、目の前の暑さをどうにかして「涼しぃ?」と断言する、言いくるめる、歌い上げる姿勢に私は共感するのである。ポストモダンな感じがする。人間の知恵、つー感じだ。しかし、現実逃避の知恵ばかり身につけてしまうのもどうかとも思う。
私は冷房を使っていない。本当に暑いには空気がゆらゆら揺れているのが見える。汗が吹き出しては乾いて皮膚を冷やす。
去年の夏は2時間置きに猫を冷やす保冷剤を取り替えていた。濡れたタオルで拭いてやり、耳を氷で冷やしたりした。今年こそ冷房を入れてやらねばと思っていたが、それを待たずに彼女は逝った。今年、冷房を入れる理由はなにひとつなくなった。

橋元優歩(e-Busters...)

Animal Collective - Fireworks
Photodisco - 盆踊り

わたしも夏が大好きです。黄色といったときに山吹からレモンとかまでいろいろあるように、夏というのもいろいろあって、お盆とかかなり好きです。"Fireworks"は詞に夏が明示されているわけではないのですが、わたしには幻想的なお盆メンタル・ソングとしか考えられません。海外にお盆はないでしょうが。

木津毅

R.E.M. - Nightswimming

 昔から自分が惹かれてきたのは、夏の盛りよりも夏の終わりの歌でした。それは青春そのものよりも終わっていく若さ、すなわち中年に惹かれるのと似ている......かもしれません。真夏を謳歌するのと同じくらい、夏を無駄にした......という感覚をポップ・ソングは拾ってきたようにも思えます。
 R.E.M.のこのナンバーは彼らの代表曲のひとつで、もう去ってしまった誰かのことを思いながら、晩夏の夜にひとりで月に焦がれながらプールで泳いでいるという、「夏を無駄にした」度では抜きん出た名曲です。リリカルな風景描写はマイケル・スタイプの詩人としての才能を見せつけ、それ以上にこのポップ・ソングに美しいフォルムを与えています。「君のことを、僕は知っていると思っていた」......悲しすぎますが、それがとても穏やかに歌われることで、夏の終わりの感傷が許されるようでもあります。「9月がじきにやって来る」......。

國枝志郎

Chapterhouse - Summer Chill

俺と言えばシューゲイザー、シューゲイザーと言えば俺(反論上等)なんで。チャプターハウスが1stアルバム『Whirlpool』と2nd『Blood Music』の間に発表した神シングル「Mesmerise」(俺的にはスロウダイヴのシングル「5 ep」と並ぶ究極ロッキン・チルアウト)収録の1曲。2ndアルバムにはもうひとつサマーネタで「Summer's Gone」というナンバーもあるけどやっぱりこっちでしょう。タイトルも最高!!!!!!!!!! あーチルりたい。

Photodisco

H Jungle with t - GOING GOING HOME


夏といえば、やっぱりこの曲ですね。お盆に帰省した際、実家でビールを飲みながら聴きこうと思います。

オノマトペ大臣(Maltine Record/TJNY)

Phillis Dyllon - Nice Time

夏になるたびに学生時代を思い出します。

白い太陽、青い海、赤く日焼けしたあの子の細い腕
楽しいはずなのに何故だか寂しい、いつか終わってしまう刹那的な煌めく青春の夏。。。

どこかの誰かが過ごしているそんな極彩色の夏を尻目に、マジで永遠に続くんじゃないかと思うような怠惰な余暇を、クーラーガンガンの部屋でカーテンを閉め切り、ゴローンと横になって手に持った黒い文字の羅列を追うことでやり過ごしていたしょっぱい夏。
ベッド横に置かれたローテーブル上に、氷が沢山入った透明なグラスが置かれ、カナダドライのジンジャーエールがパチパチとはじけると、西宮の六畳間にも、にわかに夏の気配が漂います。
近所の外資系CDショップで買ってきた3枚組3000円ちょっとのTrojanのCalypso Box Setをミニコンポにセットすると、いよいよ目の前に常夏のトリニダードトバゴが広がるのでした。
内容の薄っぺらい新書を読み進め、40ページぐらい行ったところでPhillis Dyllonの歌声が響き渡ると、心は完全に夏の夢の中。
新書をベランダから捨て去って、背中の羽をパタパタとして舞い上がり、ヤシの木の上の方に座り心地よく揺られたものでした。

それから4年が過ぎた、2012年の夏。
永遠に続きそうだった怠惰な夏は、心のアルバムの中で色褪せるどころか、それなりに輝いて見えます。

今年の夏はどのように過ごそうか、とりあえずPhillis Dyllonを聞いて、西宮のトリニダードトバゴで考えようと思っております。

(最近サンクラに上がってたCoconuts Beat Clubによるmoombahton editもすごく好きです。https://soundcloud.com/coconuts-beat-club/nice-time-coconuts-beat-club )

赤塚りえ子

Brian Jones Presents the Pipes of Pan at Joujouka

44年前の7月29日、ブライアン・ジョーンズは真夏のジャジューカ(モロッコ)に行きMaster Musicians of Joujoukaの演奏を現地で録音した。
彼の死の二年後にリリースされたこのアルバムでは、ブライアン・ジョーンズというフィルターを通したジャジューカを体験できる。
今年6月、ついにそのMaster Musicians of Joujoukaの生演奏を現地で体験してきた。
全身にものすごいグルーヴ浴びて、何本もの生ガイタ音が立体的に脳を直撃、そのまままっすぐに脳ミソを突き抜けた。
ブライアン・ジョーンズがなぜジャジューカにハマったのか?一瞬にして体でわかった。
来年の夏もまたジャジューカで、4000年のダンスミュージックで踊りまくってくるゼィ!

Yuji Oda (The Beauty/Cuz Me Pain)

No Joy - Negaverse

カナダの男女3人組バンドNo Joyが送り出す12インチシングル。
全てが正しいと思わせるオルタナギターと儚いボーカルが夏の荒野を駆け抜け交差する疾走シューゲイズ。
2012年の夏はこれ。

YYOKKE (White Wear/Jesse Ruins/Cuz Me Pain)

Junei - You Must Go On

夏はこんな涼しげな曲を何も考えずにずっと聴いていたいです。

Nobuyuki Sakuma (Jesse Ruins/Cuz Me Pain)

Prurient - There Are Still Secrets

夏に熱いものを食べる的な感じで暑苦しい曲も聴きたくなります。

寺尾紗穂

サニーデイ・サービス -"海岸行き"
saigenji - El Sur

夏の終わりを歌う以下の二曲が好きですが、youtubeにはあがっていないようです。

サニーデイ・サービス「海岸行き」
サニーデイの曾我部さんのさらりとした感触の歌詞は自分にはなかなか書けないもので、よく羨ましく思います。いつかカヴァーしたい曲。

saigenji「El Sur」
「El Sur」はサイゲンジさんと歌ったことがありますがもう一度歌いたいです。
「南へ帰るなら僕のさみしさもその翼に乗せていっておくれ」とツバメに語りかける歌詞が切ないです。サイゲンジさんのライブというとアップテンポの曲でノセたりアゲたりしてくれるイメージがありますがスロウで穏やかな曲にも名曲が多いです。

洋楽で好きなJudee Sillの歌詞を読み直したら「Jesus Was A Cross Maker」がちょっと夏の気配でしたので挙げておこうかと思います。
クラシック的な手法を織り込むというのは色んな人がやっていることなのだろうと思うのですがこの人の場合、その織り込み方がとても大胆で生き生きとしていていつ聞いても新鮮な感じを受けます。


Shop Chart


1

J Dilla - Dillatroit Mahogani / US / 2012/7/1
超絶推薦盤!遂に入荷!<MAHOGANI>×J DILLA!!極上のJ DILLA未発表ビーツを軸に展開されるデトロイト・ブラックネス!KDJによるエクスクルーシヴ・エディット・テイクを収録。マスト盤。

2

DUMP - NYC Tonight Presspop Music / Zelone / US / 2012/6/30
パンク・ロッカーG.G.ALLINによる"NYC TONIGHT"を原曲の趣を一切排除し、まさかの極上ブリージン・ディスコへリメイクしてしまった最早カヴァーの域を超越した驚異的一枚。その JAMES MCNEW自身によるビートダウン・ブギーなディスコ・ロック・ヴァージョン、そして坂本慎太郎によるアコースティックな黄昏トロピカル・サマー・ヴァー ジョンの2テイク、共にインストも完備した鉄板内容で収録!

3

Richie Phoe - Echo Outernational Balance / US / 2012/6/28
レイドバックした極上メロウ・ダビー・ダウンテンポ山盛り収録!UK/ブライトン在住のクリエイターRICHIE PHOE絶品内容スギル傑作ファースト・アルバム!

4

Hikaru - High Psy (Limited Edition) Modulor Japan / JPN / 2012/6/20
※7inch付き限定盤今年も来ましたDJ HIKARUニュー・ミックス!万遍無い音楽愛に溢れた極上クロスオーヴァー・ミックス推薦盤!

5

Rodena Preston & The Voices Of Deliverance - Must Jesus Bare The Cross Alone (Joaquin Joe Claussell's Edit) Sacred Rhythm Music / US / 2012/6/30
JOE CLAUSSELL自身もパーティーの終盤など"ここぞ"というときにプレイしてきた至高のゴスペル・チューンRODENA PRESTON & THE VOICES OF DELIVERANCE"MUST JESUS BARE THE CROSS ALONE"を、DJユースに長尺化(オリジナルの倍近くとなる7分弱)したそのJOE CLAUSSELLエディットに加え、何とオリジナル・ヴァージョンもカップリング収録!

6

V.A. [Compiled, Edited And Mixed By The Idjut Boys] - 5 Years Of Claremont 56 Claremont 56 / UK / 2012/6/30
祝!<CLAREMONT 56>5周年!傑作リリース連発のレーベル音源をIDUJT BOYSが厳選セレクトしエクスクルーシヴ・エディット/コンパイル、そしてライブ・ミックスしてしまった豪華フルヴォリューム3枚組!

7

Mo-waii / DJ Shinya - Star House / Novo Samba NNNF / JPN / 2012/7/3
某プロデューサーの覆面プロジェクトMO-WAIIによる極上レイドバック・ダウンビート、そして前作に続く登場のDJ SHINYAによるブラジリアン・ブレイクビーツをカップリングしたリミテッド7"!

8

Almunia - Pulsar / The Magician Claremont 56 / UK / 2012/7/3
レーベル設立5周年を迎えた絶好調PAUL MURPHY主宰<CLAREMONT 56>が新たにフックアップするイタリアの注目バレアリック・デュオALMUNIA、昨年リリースの傑作アルバム「NEW MOON」に続く待望の新作12"シングル!

9

The Reflex - Re-Visions Vol.3 G.A.M.M. / SWE / 2012/6/27
<MOTOWN>を題材にしたTHE REFLEXによる好評「THE RE-VISIONS」シリーズ第3弾!STEVIE WONDER名曲郡の絶品リワーク/リエディット×3!

10

Slow Motion Replay Presents Dunk Shot Brothers - Love Celebration SMR / JPN / 2012/6/30
ONUR ENGINに触発された和モノ・レアグルーヴ・エディッツ!SLOW MOTION REPLAYのマッシュアップ/エディット・プロジェクトDUNK SHOT BROTHERSサード・リリース。
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47