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Mark McGuire

Mark McGuire

Get Lost

Editions Mego

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野田 努   Oct 20,2011 UP
E王

 2011年、マーク・マッガイアは彼の過去の大量のアーカイヴからの編集盤『A Young Person's Guide To Mark McGuire』を〈エディションズ・メゴ〉からCD2枚組で発表している。パッケージには、収録元の過去のCDRないしはカセットの作品名とその枚数(75個限定だとか130枚限定だとか200枚限定だとか)が細かく記され、また過去のCDRないしはカセットのアートワークを並べたポスターが封入されている。ポスターの裏側では、フェンダーのテレキャスター、そしてギブソンのレスポール・ジュニアとともにマッガイアが部屋に座っている。牧歌的な『リヴィング・ウィズ・ユアセルフ』や既発のアンビエント作のレコード盤『タイディングス/アメシスト・ウェイヴス』、あるいはアコギ演奏による"VDSQ - Solo Acoustic"シリーズ作など、2010年のエメラルズへの評価と比例して発表された諸作が好評だったこともあって、ソロ・アーティストとしての存在感が急速に増した感じである。
 マニュエル・ゲッチング直系のループ(ミニマリズム)を現代的なドローンの感性で再解釈した『タイディングス/アメシスト・ウェイヴス』、『リヴィング・ウィズ・ユアセルフ』で言えば"Brain Storm"のような瞑想的な曲、それから『VDSQ』や『リヴィング・ウィズ・ユアセルフ』の前半で見せたレイドック気味のコード・ストロークの響きを活かしたメロウな曲、あるいはごくまれに出てくるノイズ・ギター、そうしたものの自由な組み合わせのなかでマッガイアの音楽は鳴っている。『ゲット・ロスト』は『リヴィング・ウィズ・ユアセルフ』以来1年ぶりの新録によるアルバムで、おおよそギターの多重録音という制約がある音楽において、リスナーの期待をうわまる作品だと言える。

 このアルバムがレコード店の視聴機にあったら3曲目の"Alma"から聴くことをお薦めする。透き通るように牧歌的なアコギの反復、そしてメロディ、そしてマッガイアは歌っている。それはおかしな喩えだが、青年になったパンダ・ベアのようなヴォーカリゼーションである。そう、つまり、アニマル・コレクティヴが『サング・トングス』を最後に失ったものがこの曲には、さらに前進したものとしてある。それはホントに、予期せぬ美しいものに出会ったときの感動をもたらす。"Alma"は、5曲目でも繰り返されている。
 素晴らしいチルアウトとトリップを約束する"When You're Somewhere"や"Firefly Constellations"も捨てがたい。"Another Dead End"もマッガイアらしい瞑想的な曲だ。『ゲット・ロスト』には"Brain Storm"や"The Passing Of The Road Chief"を上回る曲がある。しかし何よりも、『サング・トングス』以降というものに出会えたことが嬉しいです。

野田 努