「UR」と一致するもの

The Smile - ele-king

 レディオヘッドトム・ヨークジョニー・グリーンウッド、そしてUKジャズ・シーンの敏腕ドラマーであるトム・スキナーによるスーパー・グループ、ザ・スマイル。このたび、彼らによる「You Will Never Work In Television / The Smoke」の数量限定7インチ(非売品)の抽選がおこなわれることになった。対象店舗や応募方法などの下記詳細をチェックして早速応募しよう。

THE SMILE
ザ・スマイルの非売品プロモ7インチが当たる
抽選施策が世界中のレコード店で開催決定!!
応募券の配布は3月12日(土)の各対象店舗開店時よりスタート!!

トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、トム・スキナーによるスーパー・グループ、ザ・スマイルが2曲のシングル「You Will Never Work In Television Again」と「The Smoke」をカップリングした手刷りの非売品プロモ7インチが当たる抽選施策を世界中のレコード店で行うことを発表した。対象店舗や応募方法はバンドのオフィシャル・サイトで確認することができる。

The Smile: Printing 7" Record Sleeves on a 1965 Heidelberg Platen Press
with Thom & Stanley Donwood
https://www.youtube.com/watch?v=TscddmLsmZM&feature=youtu.be

■ザ・スマイル非売品プロモ7インチ抽選概要
https://thesmiletheband.com/smoke7lottery/

○施策概要
世界中の対象店舗で無料配布される抽選券に記載されているQRコードにアクセスして応募コードを入力すると抽選でザ・スマイルの「You Will Never Work In Television / The Smoke」のナンバリング入り数量限定7インチ(非売品)をプレゼント。*当選者の発表は景品の発送をもってかえさせていただきます。

○抽選券配布開始日
2022年3月12日(土)各店開店時よりスタート*日本時間
*抽選券は先着で各店25枚無料配布(お一人さま一枚まで/電話・インターネットでの取置不可)

○応募期間
2022年3月12日(土)-3月24日(木)
*応募はお一人さま一回のみ有効となります。応募コードを複数回使用されますと、無効となりますのでご注意ください。

○国内応募券配布対象店舗
タワーレコード 札幌ピヴォ
タワーレコード 仙台
タワーレコード 渋谷
タワーレコード 新宿
タワーレコード 池袋
タワーレコード 秋葉原
タワーレコード 名古屋パルコ
タワーレコード 難波
タワーレコード 梅田NU茶屋町
タワーレコード 福岡パルコ
HMV record shop 渋谷
ディスクユニオン 新宿インディ・オルタナティヴロック館 (6F)
ディスクユニオン 名古屋
ディスクユニオン 大阪
代官山 蔦屋書店
蔦屋書店 熊本三年坂
BIG LOVE RECORDS
FLAKE RECORDS
JET SET 京都
more records
Record Shop FILE-UNDER
Alffo Records
Sone Records
OUTSIDE RECORDS

The Smile - You Will Never Work In Television Again
https://www.youtube.com/watch?v=-EB5NhI2RQQ&feature=youtu.be

The Smile - The Smoke (16mm Film)
https://www.youtube.com/watch?v=tEPEqZnTwdo&feature=youtu.be

Floating Points - ele-king

 ロンドン拠点のプロデューサ、DJであるフローティング・ポインツが、新曲 “Vocoder” を〈Ninja Tune〉よりドロップ。昨年の2021年、彼とファラオ・サンダース&ロンドン交響楽団による『Promises』が数多の高評価を得たことは記憶に新しい。新曲はビートにしっかりと下支えされたダンサブルな一曲で、2019年作『Crush』の続きを思わせます。暗い時代だからこそ踊ろう、きっとそういうことだ。

現代最重要プロデューサー、フローティング・ポインツが
新曲『Vocoder』をリリース!

最新オリジナル・アルバム『Crush』は
期間限定スペシャル・プライスで発売中

マンチェスターに生まれ、現在は作曲家/プロデューサー/DJとしてロンドンを拠点に活動するフローティング・ポインツ。昨年はファラオ・サンダース&ロンドン交響楽団とのコラボ作品『Promises』でThe Guardian (Contemporary)、TIME Magazine、The New York Times (Jazz)、Mojo、The Vinyl Factory他多数のメディアで年間ベストの1位を獲得、そして今年に入ってからは宇多田ヒカルの最新アルバム『BADモード』へプロデューサーとして参加し大きな話題を呼んだ彼が、新曲 “Vocoder” をリリース!

Floating Points - 'Vocoder' (Official Audio)
https://youtu.be/Mnq53ZR9v-w

また、初期衝動への原点回帰と音楽的な進化を同時に果たしたセカンド・アルバムとして2019年にリリースされた『Crush』の日本盤CDが期間限定スペシャル・プライスで発売中!国内盤CDはヴィンテージ・ハードウェアで制作された至高の音像をより堪能できる高音質UHQCD紙ジャケ仕様で、ボーナス・トラック「LesAlpx Dub - (JAPANESE SPECIAL EDITION)」を追加収録している。

label: NINJA TUNE
artist: FLOATING POINTS
title: VOCODER

https://floatingpoints.lnk.to/vocoderPR

label: NINJA TUNE / BEAT RECORDS
artist: FLOATING POINTS
title: CRUSH
release date: NOW ON SALE
国内盤CD BRC-615X (期間限定廉価盤〜2022.08.31): \ 2,000 +tax
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10474

Urvakan - ele-king

 注目しておきたいコンピがリリースされている。『集合的な回顧録』と題されたそれは、アルメニアの実験的な電子音楽のフェスティヴァル〈Urvakan〉──実現しなかった2020年のラインナップにはシャクルトンザ・バグソフィーズリなどの名が並んでいる──によるプロジェクトで、アルメニアのみならずジョージア、ロシア、ウクライナのアーティストが参加。フィールド・レコーディングやサウンド・コラージュを駆使したアンビエント寄りの曲たちが収録されている。
 インフォメイションによれば、場所は異なるけれども、どこか似たところのある文化を有する人びとの潜在意識に働きかけ、集合的な記憶を起ちあげる、というのがコンセプトだそうだ。東欧~西アジアの集合的記憶、と言われて思い浮かぶのはやはりソ連だが……フェス名の「urvakan」はアルメニア語で「幽霊、幻影、精霊」を意味することばで、今回のコンピは「憑在論的な」音楽の実践でもあるらしい。
 いずれにせよ、現在のウクライナ情勢をかんがみると、同コンピはロシアを含めた東欧~西アジアの実験的な電子音楽家たちによるソリダリティの性格を帯びてもいる(ただしリリース日は戦争開始前日なので、意図的なものではなかったと思われる)。収益の100%はウクライナの人道回廊の組織およびアルツァフ(アゼルバイジャンの一部とみなされているが、居住者の大多数がアルメニア人系の国家ないしは地域)の文化組織に寄付されるとのこと。

Various
A Collective Memoir

Urvakan
https://urvakan.bandcamp.com/

 また、同作に参加しているロシア出身ベルリン在住のプロデューサー、ペリラ(Perila)──2021年は〈Smalltown Supersound〉からアルバムをリリース、2020年にはフィラデルフィアのウラ(Ulla)と組んだログとして『LOG ET3RNAL』を残している──は、個人としても新作「ことばでは言いあらわせない(there are no words to describe it)」を発表。すべての収益は、政治犯として囚われた人びとを助けるために闘っている人道組織に寄付されるとのこと。

perila
there are no words to describe it

self-released
https://perilazone.bandcamp.com/album/there-are-no-words-to-describe-it

deathcrash - ele-king

 リターン、曲を聞きながらこのアルバムのタイトルについてずっと考えていた。
 ロンドンのバンド、デスクラッシュのデビュー・アルバム、どうして最初のアルバムなのに『Return』なんてタイトルをつけたんだろう? スロウコアのような曲が流れるなかで最初に頭に浮かぶのはやっぱりモグワイ(そのなかでも特に『Come on Die Young』)だけど、デスクラッシュはいわゆる轟音に足を踏み入れることはない。音が太くなり、ヴォリュームが上がっていく、でもその手前でデスクラッシュは立ち止まる。突き抜けないで同じ場所をいったり来たり、それが刺激になって脳の柔らかい場所をくすぐり続ける。それは痛みを伴った緩やかな快感で、大きな波ではなくて小さな快感がずっと続く。
 “American Metal” というタイトルのアメリカン・メタルっぽくない曲(それは彼らの “Punk Rock” なのかもしれない)が架空の思い出を思い起こさせるように優しく頭を揺らす。そうして僕は理解する、あぁだから『Return』なのかと。つまりこれは記憶の音楽なのだ。

 デスクラッシュはケンブリッジ大学で出会ったギター/ヴォーカルのティエナン・バンクスとベーシストのパトリック・フィッツジェラルドが2016年にベッドルームで一緒に録音しようと試みたところからはじまったバンドだ。2018年にデスクラッシュという名前がつけられギターのマット・ワインバーガー、ドラムのノア・ベネットが後に加入した。パトリック・フィッツジェラルドはソーリーがフィッシュを名乗っていたころのベーシストでもあり、ティエナン・バンクスはフェイマスの元メンバーでもある。シーンのバンドという感じはあまりしないけど、デスクラッシュは興隆を誇っていたサウスロンドンのシーンと無関係というわけでもない(フェイマスにはブラック・カントリー・ニュー・ロードのアイザック・ウッドがお手本だったと語るジャースキン・フェンドリックスもいた)。なかでも2020年に一緒にツアーを回ったブラック・カントリー・ニュー・ロードはデスクラッシュから影響を受けたことを公言しており、メンバーのタイラー・ハイドは昨年の『the Quietus』のインタヴューで「当たり前かもしれないけど、極端に静かな部分と大きな部分を使い分けることで、曲の中で物語的な構造を生み出して進行できるってこと、非常にソフト、もしくは静かに演奏することで違った楽器を横断することを(デスクラッシュから)学んだんだ」と語っていて、その言葉の通りそれはブラック・カントリー・ニュー・ロードの2ndアルバム『Ants From Up There』に生かされている。だからなのかデスクラッシュの『Return』とブラック・カントリー・ニュ・ーロードの『Ants From Up There』の根底に同じ空気が流れているような感じがするのだ。同じようにそこに漂う記憶や思い出を呼び覚まし、ブラック・カントリー・ニュー・ロードはそれを現在と対比させ、デスクラッシュはその中をずっと彷徨っているようなそんな印象を受ける。

 ドラムの静かなカウントからはじまるオープンニング・トラックの “Sundown”、ギターの音は優しくゆっくりと記憶を呼び覚ますように進み、響き渡るスネアの音が空気を引き締めノスタルジックなだけで終わらせない緊張感をもたらす。ペダルの踏まれたギターは心地よさを感じる痛みを与え、ベースが記憶に質量を加える。ゆっくりとささやくようなティエナン・バンクスのヴォーカルは自分自身に語りかけ、問題を理解しようとしているかのように響き、なおさらに内面世界への歩みを進ませる。8分近いスローテンポの曲にまったく長さを感じないのは、曲が展開する中で頭の中にいくつかのイメージが浮かんでは消えてということを繰り返しているせいなのかもしれない。
 “Matt's Song” のつま弾かれるギターの向こう側でかすかに会話が聞こえてくる。それはベッドでまどろんでいるときに聞こえてくる声のように心地よい不明瞭さをもたらして、“Metro 1” においてのラジオDJのような声、“What To Do” に挿入されるインタヴューの音声(これはスパークルホースのインタヴューだ。彼らはマーク・リンカスが亡くなった後にスパークルホースを知ったのだという)が湧き上がって来るイメージの方向を定める。こうした手法はそれこそモグワイの『Come on Die Young』でも印象的に用いられていたような手法だが、過去との対話を試みているようなデスクラッシュの音楽においてのそれはより一層の郷愁を誘う。それはいつか起こったことなのだ、だから誰かの記憶を覗いているようなそんな気分になる。

 “American Metal” は失われてしまったものに対する虚無や悲しみが時間を経て変化し柔らかなメランコリーとして語られた後、中盤で展開する。「もしあなたが自らの死を選んだのだとしても/マイ・ブルー・ヘブン/僕にただ精一杯やったと言ってくれたことに感謝したい」。そんな言葉の後にヴォーカルが消え、感情がインストゥルメンタルにゆだねられる。それはキャラクターの心理描写を音楽を通しておこなう映画のようで、心の痛みがギターによって表現される。この曲はもしかしたらティエナン・バンクスの21歳で自殺したというおじの存在がモチーフになっているのかもしれない。自身のメンタルヘルスについて語った『ラウダー・ザン・ウォー』のインタヴューのなかでバンクスはこのアルバム『return』とep「people thought my windows were stars」が書かれた時期のことを振り返り、亡くなったミュージシャンや悲しい曲を書くミュージシャンに過剰に同調し、おじや母、友人の苦しんでいる部分に強いシンパシーを感じているようなところがあったと話している。曲の中心に自分を据えることをさけ、インスピレーションを得るために自分の大切な人たちに目を向ける。「いま思うと、自分自身を見るために彼らを覗いていたんだと思います」。そう語るバンクスの言葉通りに、心の内面を覗くようなデスクラッシュの楽曲は聞いているものにある種のイメージを与える。もしかしたらイメージとはその隙間に入りこむものなのかもしれない。穏やかな部分と激しくなる部分の、音のその隙間に、うまく処理の出来ない感情が入り込みそれがぼんやりと形になって現れるのだ。

 「世界が僕たちの音楽に合うように変化した」。ギタリストのマット・ワインバーガーは2020年の『ラウド・アンド・クワイエット』のインタヴューでそんな言葉を残したが、それは確かにそうなのだろう。パンデミックが起こり、外界から強制的に切り離された時代のなかで人びとは立ち止まり自分自身や社会と向き合い考えることを求められた。そんななかでしっくり来るのは攻撃的で性急なポストパンクの音よりも、もっとスピードを落とした自身の内面に深く潜れるような音楽だったのかもしれない。事実、ブラック・カントリー・ニュー・ロードはスリリングなポストパンクの1stアルバムとはまったく違うサウンドの穏やかで優しく慈しむような2ndアルバムを作り上げた。先日素晴らしいデビュー・アルバムを発表したキャロラインにしても広く受け入れられるようになったのはこの影響があったはずだ(実際僕はそうだった。その存在を知ってはいたがキャロラインの良さに気がついたのはロックダウンのときに作られた内省的な音楽を日常的に聞くようになった後だった)。ソーリーのベーシストでブラック・キャット・ホワイト・キャットの主宰であるキャンベル・バウム(つまりパトリック・フィッツジェラルドの後にソーリーに加入したベーシストだ)がロックダウン時に立ち上げたトラッド・フォークのプロジェクト、ブロードサイド・ハックスにしてもこの影響下にあったのかもしれない。アウトプットとして表面に出てくる音は違ってもロンドンのこれらのバンドはそこに流れる空気を共有している、それがなんとも面白い。
 実際にインタヴューのなかでデスクラッシュのティエナン・バンクスはブラック・カントリー・ニュー・ロードの2ndアルバムが出た二日後にベーシストであるタイラー・ハイドと共演したこと、キャロラインのレコードが出ることを楽しみにしていることを語っている。「今年(2022年)はいろんなものが出てきて本当にいい感じだよ。キャロラインのレコードがもうすぐ出るしね。ロンドンのシーンのこの繰り返しが本当に好きなんだ」。そうしてインタヴュアーのどんなところが好きか? という質問に「競争心がないところ」と答える。負けないというライバル心ではなくて、ただ純粋にこれらのバンドが何をやっているかに興味がある、それはきっとブラック・ミディスクイッドにしてもそうで、だからきっと彼らは変化を恐れずに変わっていけるのだろう。お互いがお互いに影響を与えて、そうして変化し進んでいく、ロンドンのシーンのこの反復のサイクルはとても魅力でそういう部分に僕は強く心を惹かれる。
 だから2022年の近い時期に続けて、ブラック・カントリー・ニュー・ロードの2ndアルバム、キャロラインのデビュー・アルバム、そしてこのデスクラッシュのアルバムが出たということは新しい流れを象徴するような出来事なのではと思えるのだ。表面上のジャンルを越えて共鳴するバンドの、このデスクラッシュのアルバムもまた振り返ったときに2022年を表すようなそんなアルバムにきっとなるはずだ。
 『Return』、過去にあった出来事が反映された、記憶のなかから希望を見いだしたこのアルバムから、再び何かがはじまりそうなそんな気配がする。

BudaMunk & Jansport J - ele-king

 ISSUGI5lack とのタッグでも知られる日本の鬼才ビートメイカー、BudaMunk と、ナズ作品への参加などでも注目を集めるLAのプロデューサー、Jansport J が手を組んだ。日米それぞれの現行シーンを盛り上げるビートメイカー同士による新作ジョイント・アルバムには、日本からは ISSUGI や仙人掌、Mr.PUG、Daichi YamamotoKOJOE らが、USからはブルーやデヴィン・モリソン、イラ・J らが参加、じつに強力な1枚に仕上がっている。タイトルは『BudaSport』、発売は8月3日。チェックしておきましょう。

日本をベースに活動し、世界にその名が知られているDJ/ビートメイカー、BudaMunkとNasやHit-Boyらの作品への参加で注目を集めているLAのビートメイカー、Jansport Jによるジョイント・プロジェクト『BudaSport』がリリース! 日本からISSUGIや5lack、仙人掌、Mr.PUG、Daichi Yamamoto、KOJOEら、USからBluやDevin Morrison、Illa J、Like(Pac Div)、Thurzらが参加!

◆ Sick Team、Green
Butterとしての活動や自身のソロなど数々のプロジェクトのリリースに留まらず企業CMの音楽を担当する傍ら、さらに深いアンダーグラウンドな動きも活発化させ活動の幅を広げ、Delicious VinylやFat Beatsから作品をリリースするなど日本だけではなく海外のシーンへも多大な影響を与えているDJ/ビートメイカー、BudaMunk。LAを拠点にソウルフルなビートを軸に自らのプロダクションスタイルを確立し、NasやHit-Boy、Benny The Butcher、Freddie Gibbs、Bluなどメジャーからアンダーグラウンドまで様々なラッパーへビートを提供するだけでなく自らの名義でも作品をリリースしているプロデューサー、Jansport J。このふたりによるTYO to LAなジョイント・プロジェクト『BudaSport』がリリース。
◆ 本作はJansport Jが来日した際にBudaMunkと行なったセッションを中心に全てが両者のコラボレーションによるものであり、BudaMunkとJansport Jに所縁あるアーティストが日米から集結。日本サイドからはSick TeamのISSUGI、5lackを筆頭に仙人掌、Mr.PUG、Daichi Yamamoto、KOJOE、GAPPER、OYG、Ume、LafLife、USサイドからはKendrick Lamar作品への参加で知られるLike(Pac Div)やDr. Dreの最新作への参加も話題なThurzを始め、BluやDevin Morrison、Illa J、Slim Jeff、Quadryが参加している。

[商品情報]
アーティスト: BudaMunk & Jansport J
タイトル:  BudaSport
レーベル: King Tone Records / All Attraction, No Chasin’/ Jazzy Sport / P-VINE, Inc.
仕様: CD / LP(完全限定生産) / デジタル
発売日: CD・デジタル / 2022年4月20日(水)
LP / 2022年8月3日(水)
品番: CD / PCD-94110
LP / PLP-7846
定価: CD / 2.640円(税抜2.400円)
LP / 3.850円(税抜3.500円)

[TRACKLIST]
01. Intro (tonite!)
02. Old School, New Design ft. Blu & ISSUGI
03. Make it Happen ft. 仙人掌 & Mr.PUG
04. Callin’
05. Spice ft. Illa J, Devin Morrison & Daichi Yamamoto
06. Can’t Hide It
07. Susy ft. Slim Jeff & Ume
08. Pretty Eyes
09. All Praise Due ft. Like & 5lack
10. Jungles
11. 21’til ft. Kojoe & Thurz
12. PipeLine ft. LafLife
13. Whereva You At ft. Quadry & Ume
14. Tell The World
15. 未来への希望 ft. OYG & GAPPER

[BudaMunk / Profile]
新宿生まれ。96年にLos Angelesに渡り、在住中にビートを作り始める。2006年に帰国後Sick Team、Green Butterとしての活動や、自身のソロなど数々のプロジェクトをJazzy Sport、Dogearからリリース。企業CMの音楽を担当する傍ら、さらに深いアンダーグラウンドな動きも活発化させ活動の幅を広げてきた。現在も国内、海外のアーティストとのセッション、ビートメイクを繰り返し、USのDelicious VinylやFat Beatsからリリースするなど日本だけではなく海外のシーンへも多大な影響を与えている。

[Jansport J / Profile]
LAを拠点にソウルフルなビートを軸に自らのプロダクションスタイルを確立するJansport J。Nas、Hit-Boy、Benny The Butcher、Dom Kennedy、Freddie Gibbs、Bluなど、メジャーからアンダーグラウンドまで様々なラッパーへビートを提供するプロデューサーであり、自らの名義でも2008年のデビュー以降、多数のソロアルバムやビートテープを発表している。2008年にはデビュー作となるミックステープアルバム『The Carry-On Experience』をリリース。その後もビートテープやミックテープを数々発表しながら、様々なアーティストの作品へプロデューサーとして参加し、2014年にはLAの名門レーベル・Delicious Vinylからアルバム『The Soul Provider LP』をリリース。その後作品は毎年のように更新され、2018年末から12ヶ月連続で計12本のビートテープをデジタルリリースするという偉業も成し遂げる。2020年以降もその勢いは止まることなくソロアルバムやコラボレーション作品のリリースを重ね、今年発表されたNAS『King’s Disease II』ではHit-Boyと共に2曲をプロデュースするなど、Jansport Jの溢れ出るクリエイティビティの熱は止まること知らない。

Charles Burnett - ele-king

 数年前、『ノーザン・ソウル』を日本で初めて上映させてくれた自主上映グループ〈After School Cinema Club〉が3月19日、20日の2日間にわたって、アメリカの独立系映画監督チャールズ・バーネットの2作品、 『キラー・オブ・シープ』と『マイ・ブラザーズ・ウェディング』を渋谷のユーロライブにて開催上映する。どちらも日本では初上映になる。

 ミシシッピで生まれ、ロサンゼルス・ワッツ地区で育ったチャールズ・バーネットは、1960年代後半から70年代にかけてのブラックパワーの時代にUCLAで映画制作を学んでいる。そして在学中に「L.A. Rebellion」と呼ばれるインディペンデント映画監督グループの一員として、ハリウッド映画とは異なる新しい「黒人映画」 を模索した。
 約半世紀にわたるキャリアを通し一貫してアメリカ黒人の経験を描き続けてきたバーネットの作品は、人種や階級に対する鋭い観察眼をもって描かれたネオリアリズム作品として再評価され、2017年にはアカデミー名誉賞を受賞している。

 BLMによってブラック・カルチャーや人種問題に感心が高まっている現在、まさに待望の上映と言えるだろうが、そうした註釈が不要なほど、感動的な人間ドラマでもある。この機会をお見逃しなく。

■This is Charles Burnett
チャールズ・バーネット セレクション vol.1

2022年3月19日(土)・20日(日)
【会場】 ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
【タイムテーブル】

3/19(土)
13:30 開場
14:00『キラー・オブ・シープ』
15:45『マイ・ブラザーズ・ウェディング』

3/20(日)
13:30 開場
14:00『マイ・ブラザーズ・ウェディング』
15:45『キラー・オブ・シープ』
*両日とも各作品入替制
【チケット(1作品)】
学生 1,500円 / 一般 1,800円 / *応援料金2,200円
*After School Cinema Clubでは、今後もバーネット作品を広く紹介していきたいと考えています。
これからの展開のために、賛同してくださる皆さまに「応援料金」(一般鑑賞料+応援料400円)を設けました。

*チケットはPass Marketにて2発売
passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02ykegz3k1721.html

【公式サイト】 afterschoolcinemaclub.com/charlesburnett/
【予告編】 https://youtu.be/ScixblKknAE

『キラー・オブ・シープ』 ★日本初上映
1977年/アメリカ/81分/スタンダード/B&W/モノラル/原題:Killer of Sheep
【監督・脚本・製作・編集・撮影】チャールズ・バーネット
【出演】ヘンリー・ゲイル・サンダース、ケイシー・ムーア、チャールズ・ブレイシー、アンジェラ・バーネット
メランコリーとユーモア、絶望と希望ー スクリーンに映し出されることのなかった都市部のゲットーに住むアフリカ系アメリカ人の生活を、 鋭い洞察力をもって描いた「アメリカ・ネオリアリズムの傑作」

[ストーリー]
ワッツ暴動(1965)の爪痕が残る、1970年代初頭のロサンゼルス・ワッツ地区。妻と二人の子供を養うスタンは羊の屠殺場で働いているが、日々の労働と貧困により肉体的にも精神的にも疲れ果てている。夜も眠れず自分の殻に閉じ込もるスタンとの関係を、妻は思い悩む。貧しさに気づかないまま無邪気に遊ぶ子供たちも、いつかは大人になることを学ばなければならないー。

[プロダクションノート]
UCLA映画学部の大学院生だったバーネットの卒業制作にして初長編作。「私が知っている人たちについての映画を作りたかっ た」と語るバーネットが、わずかな予算で、大学から借りてきた機材を使い、身近な人々を中心とした素人のキャストを集めて 自身の地元ワッツで撮影。都市に暮らすブルーカラーの黒人たちの日常生活は、ハリウッド映画ではほとんど描かれることがな く、題材そのものが画期的であった。主観を排したドキュメンタリー風のスタイルは、ロベルト・ロッセリーニ監督『戦火のか なた』や、ヴィットリオ・デ・シーカ監督『自転車泥棒』などのイタリア・ネオリアリズム映画を引き合いに、批評家から高く 評価された。アフリカ系アメリカ人の音楽の歴史を表現するため、劇中ではポール・ロブソン、ダイナ・ワシントン、アース・ ウインド&ファイアーなど、様々なジャンル、時代の音楽が使用されている。音楽著作権の問題で長い間劇場公開されなかった が、2007年にスティーブン・ソダーバーグ監督の協力を得たマイルストーン・フィルム社が音楽著作権問題を解決したことによ り、初上映から30年を経て、本国アメリカでようやく劇場公開が実現した。

[主な受賞歴など]
▪1981年ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞
▪1982年サンダンス映画祭 審査員大賞
▪1990年アメリカ議会図書館 「国立フィルム登録簿」登録
▪2002年全米映画批評家協会「史上最も重要な映画100本」選出
▪2007年ニューヨーク映画批評家協会賞 特別賞

『マイ・ブラザーズ・ウェディング』 ★日本初上映

2007年/アメリカ/82分/スタンダード/カラー/原題:My Brother’s Wedding
【監督・脚本】チャールズ・バーネット
【製作】チャールズ・バーネット、ゲイ・シャノン・バーネット
【編集】トーマス・M・ペニック
【編集総責任】チャールズ・バーネット
【編集(2007年)】チャールズ・バーネット、エド・サンティアゴ
【出演】エヴァレット・サイラス、ジェシー・ホルムス、ゲイ・シャノン・バーネット、ロナルド・E・ベル
*1983年制作のロングヴァージョンを2007年に再編集した「ディレクターズ・カット版」を上映

滑稽かつ哀切な、時代を超越した青春譚 「黒人のゲットーでの生活を描いたこれほどの作品を、私は未だかつて観たことがない」
ージョナサン・ローゼンバウム

[ストーリー]
30歳のピアースは、両親が営むクリーニング店で将来の見通しが立たないまま働いている。少年時代の仲間は刑務所にい るか、もしくは既に死んでしまった。弁護士として成功した兄は高慢な中産階級の女性との結婚準備に忙しく、敬虔なク リスチャンの母親は兄の結婚に浮き足立っている。そんな中、ピアースの親友ソルジャーが刑務所から出所する。大人になりきれないピアースは、家族への義務感と親友への忠誠心との間で引き裂かれる...。

[プロダクションノート]
『キラー・オブ・シープ』同様、ワッツに住む黒人労働者階級の生活を活写した悲喜劇。家族と悪友との間で揺れる主人公を 通して、黒人コミュニティ内における階級の複雑さを描く。バーネットの意に反して未完成のラフカット版が映画祭に出品され てしまい、そこで酷評されたためほとんど配給されずに終わるという不幸な運命を辿った。2007年にアメリカで『キラー・オ ブ・シープ』と再上映された際に、バーネットと編集者が115分から82分に再編集した「ディレクターズ・カット版」が実現。 あるべき姿で日の目を見ることとなった。

caroline - ele-king

 自分で言うのもなんだが、ぼくはreviewを書くのがけっこう速い。もちろん前提として何度か聴いている場合だが、だいたい2〜3時間もあれば2000字ぐらいは書ける。まあ、その分タイプミスも多いのだが、4時間以上かけることはまずない。
 たぶん、ぼくが原稿を書くうえでもっとも時間をかけているのは書き出しだ。DJで言えば1曲目。それが決まればゴールも見える。そう、そんなわけで、キャロラインのreviewを書こうと昨日取りかかったのだが、これがいっこうに書けないでいる。書き出しがうまくはまらないのだ。この素晴らしい音楽を伝えるのに、果たしてどこからはじめたらいいのか、いくつか書いてみたのだけれど、どうもしっくりこない。
 ぼくはキャロラインのアナログ盤を買った。ジャケットの写真に強く惹かれたし、見開きの写真も見たいとも思った。そして、針を下ろしてクレジットをしげしげと眺めながら聴きたいと思ったというのは確実にある。が、もっとも大きな理由を言えば、自分にとってこれが今年の重要な1枚になる気がしたからだ。
 
 キャロラインの堂々たるデビュー・アルバムは、とらえどころがない。フォーキーだが抽象的で、CANのような即興性もあるが、よりメロウだし、ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのアコースティック・ヴァージョンという喩えもできるかもしれないが、いやいや、ぜんぜん正確ではない。1曲目の“Dark Blue”には、少しそんな感覚がある。憂いを帯びた静かな反復がゆっくりと上昇する感覚——、陳腐な表現になってしまうが、キャロラインはその旋回する曇った音響において、わずかながらも、しかし確実に青空を見せる。とびきり透き通った広い空を。キャロラインには〝図書館の屋上でスカイダイビング(Skydiving onto the library roof)〟という、身動きできないほど聴き入ってしまう曲がある。
 
 2017年に始動したというロンドンのミステリアスなこのバンドは、やがて8人編成となり、今日言われているどんな「インディ」たちとも違っている。ここで彼らの音楽性を分析したところで、彼らの音楽を説明したことにはならないだろう。ギター、ドラム、ベース、ヴァイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノ……フリーキーでありながらそれぞれの楽器の音は有機的に共鳴し合い、曲はひとつの生き物のように呼吸している。
 制作に5年かかったというが、それもわかる。彼らの音楽は自由で、カテゴライズされることを拒んでいる。“Messen #7”や“Zilch”といった曲ではデレク・ベイリーめいた実験派のギターが鳴っているし、“Desperately”におけるチェロの独奏に乗ったヴォーカルは古い合唱歌のようだ。それでも、アルバムには一貫したものがあり、強いて突出した感情を言えば、「希望」と「悲しみ」だろう。

 おはよう‏
 また季節が巡ってきた
 おはよう‏
 また季節が巡ってきた

 この曲“Good morning(red)”におけるシンプルな言葉の繰り返しの背後で、男の叫び声もまた繰り返される。

 俺は幸せになれるのか?
 この世界で

 そもそも同曲は、バンドのメンバー数人がジェレミー・コービンの選挙活動を支援している最中に、未来への楽観を込めて作られたという話だが、アルバムには平穏さもあれば、そして敗北感もある。「とにかく、私は正しかった‏/私が愛するすべて」——、フォーク調のその曲“IWR”を聴けば、キャロラインがこの世界にうんざりし、疲れていることがよくわかるだろう。この曲の歌詞も、短いフレーズがほとんど繰り返されるだけだ。「とにかく、私は正しかった‏/私が愛するすべて」——、こうしたシンプルさを機軸にしながら、静謐にはじまるバンドの演奏は即興的で、じょじょにピークへと上昇し、とらえどころのない楽曲の輪郭を露わにする。
  キャロラインの音楽をもっとも的確に表現しているのは、レコード・ジャケットだ。海辺の、手前に見える土のうえで不自然なカタチで傾いている建物、そして空——。これは、歯止めのきかない恐怖の時代にリリースされた美しく広大な音楽である。

 風が戻ってきた
 あなたの家まで車を運転している
 私は本当にそのつもりなのだろうか?
 私はこれまでそれを本当に思っていたのだろうか?
 世界の語源は森
“Natural Death”

Superorganism - ele-king

 それはおよそ5年前。けだるいヴォーカルとロウファイなサウンドが印象的なポップ・チューン “Something For Your M.I.N.D.” で浮上してきた多国籍グループ、スーパーオーガニズム。制作はオンライン越しというネット時代の申し子とも呼ぶべき彼らは、2018年の〈ドミノ〉からのファースト『Superorganism』でさらなる注目を集め、ゴリラズホット・チップのリミキサーに抜擢されたりもしたわけだが、ここへ来て突如ニュー・アルバムのリリースがアナウンスされた。『World Wide Pop』と題されたセカンドにはスティーヴン・マルクマスはじめ、ディラン・カートリッジ、ピ・ジャ・マ、CHAI、星野源といった面々が参加している。リリースは7月15日。この夏話題の1枚になりそうだ。

スーパーオーガニズムの最新アルバム
『World Wide Pop』が7月15日にリリース決定!
星野源、CHAI、スティーヴン・マルクマス、ピ・ジャ・マ、ディラン・カートリッジら世界中から超豪華ゲストが参加!
NEWシングル「Teenager」のミュージックビデオが公開!

2017年にスーパーオーガニズムがシーンに登場すると、サイケデリックなインディー・ポップからファンキーな弾けるようなエレクトロニカをごちゃ混ぜにする “ポスト・エヴリシング” とでも形容すべき大胆不敵な美学が、フランク・オーシャンやヴァンパイア・ウィークエンド、サヴェージズのジェニー・べス、ゴリラズといったアーティストから支持を集め、あっという間に世界中の音楽ファンを魅了した。ここ日本でも5都市をめぐるツアーをソールドアウトさせ、フジロックとサマーソニックに出演するなど絶大な人気を獲得しているスーパーオーガニズムが、2018年のデビューアルバム以来となる待望の2ndアルバム『World Wide Pop』を7月15日にリリースすることを発表した。また、今回のアルバム発表とあわせて新曲「Teenager」も解禁されている。

Superorganism - Teenager (feat. CHAI & Pi Ja Ma)
https://superorganism.ffm.to/teenager-yt

CHAIとピ・ジャ・マが参加した本楽曲は、思春期の情熱と感情を持ち続けることを称え、シニシズムを否定する。マドンナやデュア・リパ、フランツ・フェルディナンドも手がけるトップ・プロデューサー、スチュアート・プライスをプロデューサーに迎え、ベッドルームから生まれた楽曲がIMAXスケールのインパクトを与えるというバンドの狙いが見事に表現されている。「Teenager」をはじめ、アルバム全体を通して、ミレニアム時代のエモーショナルなシンセサイザーと、不器用かつワイルドな奇妙さが融合され、スーパーオーガニズム特有の遊び心を損なうことなく、表現の質感が見事にアップグレードしている。

公開された「Teenager」のミュージックビデオには、コメディアンや俳優として活躍し、最近ではYouTubeで公開しているダンス動画が注目を集めているブライアン・ジョーダン・アルバレスが出演。このコラボレーションは、ダンス動画のファンだったバンドが、アルバレスに声をかけて実現した。没入感が高く、超カラフルかつワイルドなスーパーオーガニズムの世界に、アルバレスの開放的なダンスをフィーチャーした映像は必見! 楽曲に参加したCHAIからは以下のコメントが届いている。

Superorganismとはイギリスツアーをオープニングアクトで一緒にヨーロッパを回った以来、
いろんなフェスで会うことも多くて、ライブで歌で参加したりダンスで参加したり、いろんな形でセッションをしてきた愛おしい仲間⭐⭐
私たちが心から尊敬する自由なアーティストです⭐
"自由な音楽" ってゆうのがちょー似合うアーティストで
普段から音で遊ぶこと、仲間との時間を
何より大切にしとるな~って遊んでみるとより感じる。
そんなSuperorganismと一緒に遊びながら歌ったのがこのTeenager〓〓
完成にちかい音源をきかせてもらって適当に遊びながら歌ってたのを撮ってくれてた♡
いつもみんなと遊ぶと
『歌ってみて!』の合図と共にナチュラルレコーディングがはじまる!すごく楽しい♡
──CHAI

現在はオロノ (Orono)、ハリー (Harry)、トゥーカン (Tucan)、ビー (B)、ソウル (Soul) を中心に活動している彼らだが、今作には彼らにしか成し得ない超豪華かつ国際的なコラボレーターが多数参加。バンドの親しい友人であり、以前ツアーも共にしたCHAIとフランスのシンガーソングライター、ピ・ジャ・マ(Pi Ja Ma)、オロノにとって長年のアイドルだというペイヴメントのスティーヴン・マルクマス、UKのオルタナティヴ・ヒップホップ・アーティストでラッパーのディラン・カートリッジ、そして日本からはもう一人、以前から親交の深い星野源が参加。星野源とスーパーオーガニズムは、星野源が2019年にリリースしたEP作品『Same Thing』の表題曲でもコラボレートしている。

巧妙さと真摯さ、SF的なバカバカしさと現実の強烈さの両面性を兼ね備えた13曲の本編から構成される『World Wide Pop』。メンバー全員が同じ時間に同じ場所で過ごすようになる前の段階からすでに完成していたという前作とは異なり、実際に顔を合わせて制作したことによって、メンバー同士が互いの関心と衝動をあらためて深く理解したことを示すショーケースとなっている。

スーパーオーガニズム待望の2ndアルバム『World Wide Pop』は、CD、LP、カセットテープ、デジタル/ストリーミング配信で7月15日(金)に世界同時リリース! 国内盤CDにはボーナストラックが追加収録(後日詳細発表)され、歌詞対訳と解説書が封入される。LPフォーマットは、ブラック・ヴァイナル仕様の通常盤とゴールド・ヴァイナル仕様の限定盤、そして日本語帯・解説書付の限定盤(ゴールド・ヴァイナル仕様)で発売され、国内盤CDと日本語帯付限定盤LPには、オリジナルTシャツ付セットも発売される。

label: Domino / Beat Records
artist: Superorganism
title: World Wide Pop
release: 2022.07.15 FRI ON SALE
国内盤CD BRC699 ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子 / ボーナストラック追加収録
国内盤CD+Tシャツセット BRC699T ¥6,200+税

帯付限定輸入盤1LP (ゴールド・ヴァイナル)
WIGLP448XBR
帯付限定輸入盤1LP (ゴールド・ヴァイナル)+Tシャツセット
WIGLP448XBRT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12674

TRACK LIST
01. Black Hole Baby
02. World Wide Pop
03. On & On
04. Teenager (feat. CHAI & Pi Ja Ma)
05. It's Raining (feat. Stephen Malkmus & Dylan Cartlidge)
06. Flying
07. Solar System (feat. CHAI & Boa Constrictors)
08. Into The Sun (feat. Gen Hoshino, Stephen Malkmus & Pi Ja Ma)
09. Put Down Your Phone
10. crushed.zip
11. Oh Come On
12. Don't Let The Colony Collapse
13. Everything Falls Apart
+Bonus Track (BRC699)

アンダーグラウンド音楽シーンの連帯 - ele-king

 ロシアによるウクライナの侵略を受け、アンダーグラウンドな音楽シーンで連帯(solidarity)が進んでいる。ミュージシャンやレーベル、ヴェニューや楽器会社など、音楽に携わるさまざまな人びとが、戦争によって影響を受けるウクライナの人びとへの支援をおこなっているのだ。

 今日のエレクトロニック・ミュージックの最先端を担うUKのレーベル〈ハイパーダブ〉は、パンデミック下で積極的にアーティスト支援に動いているバンドキャンプ(先日ゲーム会社に買収された)のキャンペーン「バンドキャンプ・フライデイ」を活用し、本日金曜の売り上げの半分をウクライナの慈善団体に寄付すると発表している。〈ハイパーダブ〉のバンドキャンプ・ページはこちら

 また今年1月、スポティファイがクリエイターにちゃんとお金を払っていないことを理由に(そして同社のCEOがAI防衛産業の会社に投資している可能性も示唆しつつ)、全作品を同ストリーミング・サーヴィスから引き上げたドイツのプロデューサー、スキー・マスクは、今回の戦争を受け未発表音源集『A』をリリース。収益のすべてをウクライナの人道慈善団体に寄付するとのこと。『A』のバンドキャンプ・ページはこちら

 ほかにも、ロシアのレーベル〈Gost Zvuk〉による『STOP THE WAR!』やスウェーデンのレーベル〈Northern Electronics〉による『A Dove Has Spread Her Wings: Relief for Ukraine』(ダニエル・エイヴリーやドナート・ドジーが参加)といったチャリティ・コンピが編まれたり、ロンドンではホット・チップやロイシン・マーフィなどの出演する募金イヴェントが開催されたり、同じくロンドンの Space289 というヴェニューが3月11日に収益をウクライナの赤十字などに寄付するイヴェント(ジャイアント・スワンやボク・ボクなどがプレイ)を準備していたりと、各地で人びとが「なにができるのか」を考え、実行に移している。

 詳しくは『The Quietus』がまとめているので、こちらのページをぜひ参照してください。

 また、日本のインディ・シーンで何かアクションを起こしているレーベル、アーティスト、DJをご存じの方はご一報ください。

interview with Fieh (Sofie Tollefsbøl) - ele-king

日本のメディアでインタヴューができるなんてとても嬉しい!

 2017年にノルウェーから登場してきた7人組バンドの FIEH(フィア)。リード・シンガーのソフィー・トレフスビョルの柔らかなヴォーカルをフロントに立て、都会的でジャジーな肌触りの演奏やドリーミーな雰囲気を醸し出すコーラスをまとい、2019年にリリースしたデビュー・アルバムの『コールド・ウォーター・バーニング・スキン』は、ハイエイタス・カイヨーテムーンチャイルドに続く新世代のネオ・ソウル・バンドと評価された。その後、このアルバムのUKでの発売元が〈デッカ〉だった関係で、〈ブルーノート〉のカヴァー・プロジェクトの『ブルーノート・リ:イマジンド・2020』に参加してウェイン・ショーターの “アルマゲドン” をカヴァーするなど、注目を集める存在へ着々と進んでいく。そうして発表したセカンド・アルバムが『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』である。

 『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』には前作にあったネオ・ソウルやヒップホップ/R&B的な路線も存在するが、ほかにもインディ・ポップやポップ・ロック、シンセ・ポップ的な要素もあり、全体としてとてもヴァラエティに富んだカラフルなアルバムとなっている。タイプとしてはハイエイタス・カイヨーテのアルバムに近い印象なのだが、バンドとしての進化や音楽性の拡大を感じさせる作品である。そして、そこにはプロデューサーとして参加したジャガ・ジャジストのラーシュ・ホーンヴェットや、エンジニアとして参加したラッセル・エルヴァド(ディアンジェロの『ヴードゥー』はじめザ・ルーツの作品などを手掛けてきた)の存在も見え隠れする。今回のインタヴューはそんなフィアの誕生から現在に至る道程、そして『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』についてなどを、グループの中心人物であるソフィー・トレフスビョルに訊いた。

シーンの全員が全員を知っている感じね。ジャガ・ジャジストのラーシュ・ホーンヴェットは私たちのアルバムをプロデュースしてくれたし、もちろん繋がりを感じる。

フィアは日本ではほぼ初めて紹介されるバンドですので、まずはバンドの結成から伺います。いつ頃、どのようなメンバーがどのように集まり、フィアは結成されていったのですか?

ソフィー・トレフスビョル(以下ソフィー):そうね、日本のメディアでインタヴューができるなんてとても嬉しい! 最初フィアがスタートしたときは私ひとりだったんだよね。もともとガレージバンドやロジックなどの音楽ソフトを使ってひとりで曲を作っていたんだけど、それらの曲をほかのバンドをやってる友だちとかに聴いてもらって。そのなかにいまフィアでベースとドラムを担当しているアンドレアス(・ルーカン)とオラ(・エーヴェルビィ)もいたんだよね。それで彼らが組んでた別のバンドで出演したライヴで私が作った曲を数曲演奏して。そのライヴがとっても良い感じだったから、これはもうバンドにするしかないでしょ! って感じではじまった。

フィア(Fieh)という名前はどこからきているのですか?

ソフィー:最初の曲を配信しようと考えたときに、アーティスト名が必要だと気づいたんだ。この名前についてはラッパーのナズに影響を受けたと思う。彼の本名は「Nasir」って言うんだけど、私も彼のように自分の名前からもじろうと思って。私の名前は「Sofie」だから「Fie」はそこから取って、残りの “h” がエリカ・バドゥを真似たんだ。彼女の本名は「Erica」だけど、アーティスト・ネームでは “h” が「Erykah」の最後についてるでしょ。だから私も “h” を付け加えて、「Fieh」にしたってわけ(笑)。

ソフィーさんはバンドのリード・シンガーですが、あなた自身の音楽キャリアはどのようにはじまりましたか? 幼少のころに好きだった音楽や影響を受けたアーティストなどについても教えてください。

ソフィー:私がピアノをはじめたのは10歳のときだった。私には兄がいるんだけど、当時その兄はギタリストでブルースをよく弾いていたのね。ブルースのコンサートやフェスティヴァルにも連れてってもらった。彼はほかにもソウルを教えてくれた。アレサ・フランクリンとかレイ・チャールズとかをね。だから私は子供の頃はブルースやソウルが好きだった。それから小学校を通してカニエ・ウェスト、ファレル、スヌープ・ドッグ、アウトキャストとかのヒップホップにも夢中になった。その後高校生のときにレッド・ツェッペリンとかザ・ドアーズとかのロックにハマった時期があったし、ほかにも高校時代はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの大ファンになった。いまでも大好きなんだけどね。私が歌いはじめたのはバンドと出会った頃だから17歳くらいかな。その頃は同時にディアンジェロ、J・ディラ、エリカ・バドゥ、ザ・ルーツのようなR&Bやネオ・ソウル、ヒップホップのアーティストにもとても興味があったんだけど、それからオスロ音楽アカデミーに通いはじめてジャズの沼にハマりはじめたのよね。特にジョン・コルトレーン、アリス・コルトレーン、セロニアス・モンク、ジャッキー・バイアードとかがお気に入りかな。いままであげてきたアーティストはいまでも大好きだし、ほかにも最近だとビョーク、ケイト・ブッシュ、シュギー・オーティスやソランジュとかにハマってる!

フィアはノルウェーのオスロを拠点に活動していますが、オスロ及びノルウェーの音楽シーンの状況はいまどんな感じですか? 日本にはリンドストロームプリンス・トーマスといったニュー・ディスコ系のDJ/プロデューサーの情報などは断片的に入ってきますが、全体としては情報量が多くはないので、あなたたち周辺の音楽シーンの状況を教えていただければと思います。

ソフィー:リンドストロームとプリンス・トーマスは最高! ノルウェーには世界的に活躍しているポップ・アーティストとしてオーロラとシグリッド、ガール・イン・レッドがいて、有名なエレクトロニック・アーティストとしてはいま言ったリンドストロームとプリンス・トーマスのほかにロイクソップがいる感じかな。オスロのジャズ・シーンは世界でも私が知る限りでベストだと思う。とにかく多様性があって、いろんなバンドがジャンルの垣根を超えた音楽を作ってて。例えばジャズと伝統的なノルウェーの音楽をミックスしたりして、ジャズとポップ、ジャズとロック、ジャズとエレクトロニカとかいろいろなジャンルが混じってるのがオスロのジャズ・シーンの特徴だと思う。マサヴァ(Masåva)とホワイ・カイ(Why Kai)は特にお気に入りだからチェックしてみてね。フィアのメンバーもそれぞれクールなバンドをほかにもやっていたりする。ソルウァイ(・ワン)はナッシング・パーソナル(Nothing Personal)というエレクトロ・トリオ、アンドレアス(・ルーカン)はタイガーステイト(Tigerstate)というインディー・バンド、さっきも紹介したホワイ・カイは(『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』のレコーディング後にフィアに参加した新メンバーの)カイ(・フォン・ダー・リッペ)のジャズ/エレクトロニカのソロ・プロジェクトだし、オラ(・エーヴェルビィ)はダマタ(Damata)というジャズ・トリオでもプレイしていて、リーデ(・エーヴェレオス・ロード)は彼のソロ・ジャズ・アルバムを2019年にリリースしてる。

フランク・オーシャンの “ピラミッズ” とかかな。あの曲の変調の仕方と完全にふたつの別のパートが一曲のなかで混合している感じがめちゃくちゃ最高で。リリースされたときバンドのみんなと一緒に聴いたのを覚えているんだけど、めちゃくちゃ衝撃的だった。全然予想もしていなかった、見知らぬ場所で突然に旅がはじまる感じね。

周りに仲のいいアーティストやバンドなどはいますか?

ソフィー:もちろん! オスロを拠点にしている友達だとポン・ポコ(Pom Poko)、モール・ガール(Mall Girl)、テア・ウォン(Thea Wang)、ベハーリ(Beharie)、ホワイ・カイ、ナッシング・パーソナル、タイガーステイト、ダマタとかいて、みんなクールなアーティストだよ!

トランペットのリーデ(・エーヴェレオス・ロード)さんはほかにもいろいろなバンドやプロジェクトで活動していますね。モザンビークというジャズ・バンドで演奏していたり、〈ジャズランド・レコーディングス〉から先ほど話されたソロ・アルバムを出すなど、メンバーのなかでは比較的ジャズのバックグラウンドが強い人のようですが、彼はどんなプレーヤーですか?

ソフィー:その通り! リーデとはオスロ音楽アカデミーでジャズを学んでいたときに出会った。リーデは最高なジャズ・トランペッターね。とにかく名人って感じだし、彼が出すアイデアもいつも最高で。私たちの曲にも間違いなく彼のテイストが色濃く出ていると思うし、ロイ・ハーグローヴ的なジャズのエッセンスは彼のお陰。ちなみに彼はステージ上では素晴らしいダンサーでもあり、パーカッションもできる。一緒にいて楽しいし、彼と一緒に音楽をプレイしているときは最高な気分になれる。

そうしたジャズの話では、ブッゲ・ウェッセルトフトなどを擁する〈ジャズランド・レコーディングス〉は、いまから20年ほど前に「フューチャー・ジャズ」という新しいジャズのムーヴメントを担うレーベルでした。ほかにもジャガ・ジャジストやニルス・ペッター・モルヴェルが世界的に活躍するなど、ジャズの世界におけるノルウェーは非常に興味深い存在です。リーデさんもそうしたノルウェーのジャズ・シーンの影響を受け、それはフィアにもフィードバックされていたりしますか?

ソフィー:リーデ自身のプレイも、彼のソロ・プロジェクトも、そしてフィアもノルウェーのジャズ・シーンの一部だと思っている。さっきも言ったけどノルウェーのジャズ・シーンが大好きだし、つねにクールなことが起こっている刺激的なシーンだから、その一部になれるのは嬉しいし、クールだけど小さなシーンでもあるから、シーンの全員が全員を知っている感じね。ジャガ・ジャジストのラーシュ・ホーンヴェットは私たちのアルバムをプロデュースしてくれたし、もちろん繋がりを感じる。

フィアの歩みに戻りますが、2019年にファースト・アルバムの『コールド・ウォーター・バーニング・スキン』を発表します。ジャズ・ファンクやファンク、ソウルなどがブレンドされたクロスオーヴァーな作風で、ソフィーさんの歌を中心としたグルーヴィーな演奏を聴かせてくれます。全体的にはネオ・ソウルの要素が強いアルバムですが、どのようなイメージでこのアルバムは作られましたか? 個人的にはオーストラリアのハイエイタス・カイヨーテとかアメリカのムーンチャイルドあたりに近い印象を持ったのですが。

ソフィー:デビュー・アルバムは何年もプレイしてきた楽曲をまとめたコンピレーションのようなアルバムだったんだけど、ディアンジェロとエリカ・バドゥにかなり影響も受けたアルバムだと思う。言ってくれた通り、ハイエイタス・カイヨーテにも影響は受けていると思うね。このアルバムはなんていうか私たちの最初の子供って感じかな。“25” とかは本当にバンドがはじまった頃からずっと演奏し続けている曲なんだよね。

“サムライ(Samurai)” という曲が収録されていますが、これは日本の侍が出てくる映画とかアニメにインスパイアされているのですか?

ソフィー:このタイトルはクエンティン・タランティーノの映画『キル・ビル』に出てくるザ・ブライドとオーレン石井の剣を使った戦闘シーンにインスパイアされてつけた。日本の映画からじゃなくてちょっとガッカリさせちゃったかな(笑)。ごめん(笑)。でも、この映画は確実に日本から影響を受けているはず(注:千葉真一はじめ日本の俳優が数名出演するほか、梶芽衣子主演の『修羅雪姫』など日本映画やブルース・リーの『死亡遊戯』など香港映画、台湾映画のオマージュが散りばめられている)。コロナの影響で家にいる時間が多くなったからいくつか日本のアニメを見たりもしたんだけど、私は『食戟のソーマ』が大好き。次のアルバムには『食戟のソーマ』に影響された曲が収録されるかも(笑)。

その後、2020年に〈ブルーノート〉のカヴァー・プロジェクトの『ブルーノート・リ:イマジンド・2020』に参加しますね。基本的にサウス・ロンドンのミュージシャンが中心となったこのプロジェクトに、どうしてオスロのあなたがたたちが参加するようになったのですか?

ソフィー:そのときはイギリスの〈デッカ〉からファースト・アルバムをリリースしていたから、彼らが〈ブルーノート〉のアルバムに参加できるようにしてくれたのよね(注:現在〈デッカ〉と〈ブルーノート〉は同じ〈ユニバーサル〉グループに属する)。本当にクールなことだったし、〈ブルーノート〉と関連する仕事ができたのは本当に光栄に思っている!

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この曲ではかなりファンカデリックからの影響を受けているよ。この曲を作るとき私はドラマーのオラにファンカデリックのグルーヴがほしいよ! って注文したら彼がやってくれた。というかあなたがこの曲を聴いて感じてくれたみたいだけど、実際に私たちはこの曲の後半の部分を「フライロー」(フライング・ロータスの愛称)って呼んでた(笑)。かなり的確ね(笑)。

新作の『In The Sun In The Rain』について話を伺います。先ほど話に出たようにジャガ・ジャジストのラーシュ・ホーンヴェットがプロデュースを務めていますが、彼はどのようないきさつで参加することになったのですか?

ソフィー:このアルバムにはプロデューサーが必要だと感じていて、みんなラーシュは素晴らしいアイデアを幾つも持った凄腕プロデューサーだと知っていた。私たちのなかにラーシュと知り合いだったメンバーはいなかったけど、それでも思い切ってお願いしたんだ。

エンジニアにはディアンジェロやザ・ルーツを手掛けたラッセル・エルヴァドを迎えています。それでネオ・ソウル色が強まるのかと思いきや、逆にそうしたテイストは後退し、“ルーフトップ” や “ファスト・フード” あたりに顕著なインディ・ポップやシンセ・ポップといった要素が出てきたり、音楽的には前作と比べて非常にカラフルでヴァラエティに富む内容になっていると思います。前作からバンドの中で何か変化があったのでしょうか?

ソフィー:そうね、このアルバムはデビュー・アルバムとは全然違う方法で制作した。デビュー・アルバムではもともとの持ち曲がライヴやセッションをしているうちにどんどんと進化していったって感じだけど、今回はちょっと違っていて、アルバム全体としてのサウンドを作ることがとても重要だった。だから「カラフル」って言ってもらえてとても嬉しい。カラフルにするってことは私たちが今作で狙ったポイントだからね。私のライティングにおいても、いままでとはちょっと違ってインディ・ポップからも影響を受けたと思う。たとえばビョークやケイト・ブッシュとかね。後はラーシュがストリングス・アレンジでいままでの作品よりもオーケストラっぽさを表現してくれたと思う。彼はほかにも少しプログレっぽい要素だったり、ジャガ・ジャジストっぽいフレイヴァーをアルバムに付け加えてくれたと思う。

ひとつの楽曲のなかでも急激なテンポの変化があったり、曲の前半と後半ではまったく印象が変わったりとか、自由で先の読めない展開は先も比較したハイエイタス・カイヨーテを思い起こさせます。ジャガ・ジャジストもそうですが、彼らのパフォーマンスはオペラのようにシアトリカルでイマジネーションを掻き立てます。『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』の方向性も彼らに通じるものを感じさせますが、いかがでしょうか?

ソフィー:気づいてくれてありがとう! いま言及してくれた自由で先が読めない展開は私も曲を作る上でとても意識したことだし、バンドでもたくさん話し合ったことで。楽曲を分割したときに、後半のパートに進むと完全に違う新世界に突入できるような感覚にしたかったのよね。代表的な例をあげるとフランク・オーシャンの “ピラミッズ” とかかな。あの曲の変調の仕方と完全にふたつの別のパートが一曲のなかで混合している感じがめちゃくちゃ最高で。この曲がリリースされたとき(2012年)にバンドのみんなと一緒に聴いたのを覚えているんだけど、めちゃくちゃ衝撃的だった。全然予想もしていなかった、見知らぬ場所で突然に旅がはじまる感じね。だからあなたが私たちの音楽を聴いて、同じことを感じてくれたのが嬉しい!

“グレンデヒューズ・ファンカデリック(Grendehus Funkadelic)” は何かファンカデリックと関係あるのでしょうか? 楽曲自体はディスコ・テイストのポップ・ロックでパーティー・キッズたちを歌った曲なのですが、中盤以降のスペース・オペラ調の展開はPファンク的かなとも思います。Pファンクもそうですし、フライング・ロータスサンダーキャット、〈ブレインフィーダー〉とも契約したハイエイタス・カイヨーテの感性に非常に近いものを感じました。

ソフィー:うん、この曲ではかなりファンカデリックからの影響を受けているよ。この曲を作るとき私はドラマーのオラにファンカデリックのグルーヴがほしいよ! って注文したら彼がやってくれた。というかあなたがこの曲を聴いて感じてくれたみたいだけど、実際に私たちはこの曲の後半の部分を「フライロー」(フライング・ロータスの愛称)って呼んでた(笑)。かなり的確ね(笑)。もともとこの曲の前半と後半はそれぞれ別の曲として制作していたんだけど、プロデューサーのラーシュがこのふたつのパートを繋げてひとつの楽曲にしたら? って提案してくれて。

『ヴードゥー』は私が最初にネオ・ソウルにハマったアルバムで。フィアは『ヴードゥー』を私たちなりの解釈で表現するためにスタートしたって部分もある。サウンド、ベース・ライン、ドラム、ヴォーカル、とにかくすべての部分で影響を受けていることは間違いない。本当に私にとって世界一好きなアルバム。

“オール・ザ・タイム・イヴン・ホエン(Allthetimeevenwhen)” はドリーミーでサイケ・ポップ的な雰囲気を持つ曲です。そして “ヒーロー” でもそうですが、ストリングスやオーケストレーションの使い方などアルトゥール・ヴェロカイのテイストを感じさせます。彼から影響はあったりするのでしょうか?

ソフィー:正直に言うと私はアルトゥール・ヴェロカイのことは、ハイエイタス・カイヨーテが昨年のアルバム『ムード・ヴァリアント』で彼とコラボするまで知らなかった。でも、ストリングスのアレンジをしているラーシュはずっと前からヴェロカイの音楽を聴いてたみたいね。

“イングリッシュマン” はラテン・フレーヴァーの曲でディアンジェロの『ヴードゥー』っぽいムードを持つのですが、サビのフレーズでは素晴らしいハーモニーやコーラスを聴かせてくれます。ネオ・ソウルからザ・ビートルズやザ・ビーチ・ボーイズなど幅広い影響を感じさせる曲だと思うのですが、いかがでしょう?

ソフィー:ありがとう! 『ヴードゥー』は私が最初にネオ・ソウルにハマったアルバムで。実際にフィアは『ヴードゥー』を私たちなりの解釈で表現するためにスタートしたって部分もある。だからサウンド、ベース・ライン、ドラム、ヴォーカル、とにかくすべての部分で影響を受けていることは間違いない。本当に私にとって世界一好きなアルバムだから。後はデヴィッド・ボウイをよく聴いていたときに思いついたコードも “ルーフトップ” に入っている。オリジナルはもっとシンセが使われているけどね。確かに私たちの音楽は少しビートルズを感じさせる部分もあるかもしれないし、サイケ的な要素も少し感じるよね。あなたが言っている通り、このアルバムはソウルやヒップホップからビートルズやビーチ・ボーイズのようなロックやポップスまでを参照して作られたアルバムで、全部がミックスされていると思う。

“ハウカム?” は1960年代、1970年代のムードを感じさせる曲ですが、この曲に見られるようにリズム・プロダクションはとても生々しくて力強いのが『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』の特徴かなと思います。その点はラッセル・エルヴァドの手腕でしょうか?

ソフィー:理由はいくつかあると思う。ひとつはアレンジの部分ね。この作品はあまりシンセやドラムにトリガーを使ってないから、それが60~70年代のサウンドに近づける要素になったんだと思う。後はやっぱりラッセルのミックスは本当にサウンドにとっては重要だった。彼はアナログ・ミックスをしてくれたんだけど、彼にしか出せないフレイヴァーやムードをまるでサウンドに命を吹き込むように与えてくれる。あと私たちは彼にたくさんの参考音源を送ったのもあるかもね。その中の多くの曲が60年代、70年代の楽曲だったしね。スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンとか。

『イン・ザ・サン・イン・ザ・レイン』はさまざまな楽曲がありながら、全体的にはバランスの取れたムードで統一されたアルバムだと思います。アルバム全体で何かコンセプトやストーリーはあったりするのですか?

ソフィー:今回のアルバムでは制作する前からアルバム全体としてどんなサウンドにしたいのかっていうのがあったし、何よりもこのアルバムにしか出せない音っていうのを目指したかった。それが私のなかだとディアンジェロの『ヴードゥー』、ケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』、フランク・オーシャンの『チャンネル・オレンジ』のようなアルバムなんだけど。作りはじめてしばらくしてからアルバムをA面の『イン・ザ・サン』、B面の『イン・ザ・レイン』に分けるコンセプトのアイデアが出たんだ。『イン・ザ・サン』はアップテンポな曲を多く入れたパーティー感のあるもの、『イン・ザ・レイン』はスロー・テンポでメロウでオーケストラ要素が強い楽曲を入れて、アフター・パーティーをイメージした感じかな。

今後の活動予定や新たな取り組みがあれば教えてください。

ソフィー:今冬ちょうどサード・アルバムの制作に取り掛かっているところ。クールなアルバムになると思う! あとは、テキサスのSXSWとニューヨークの「ニュー・コロッサス・フェス」にも出演することが決まってて。今年はもう待ちに待ったツアーをたくさんできることを祈ってる!

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