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Hype Williams

Hype Williams

Find out What Happens When People Stop Being Polite,and Start Gettin Reel

De Stijl Records

Amazon iTunes

三田 格   Jan 26,2011 UP

 これはそのうち裁判沙汰になるかも? ケミカル・ブラザーズが最初は(尊敬のあまり?)ダスト・ブラザーズと同じ名義を名乗っていて、やはり改名を余儀なくされたように、ビギーや2パック、あるいはナズやカニエ・ウエストのPVなどを総なめで制作してきた映像監督と同名のプロジェクト名をつけた英独3人組(?)による2作目。とはいえ、昨秋、ドレイク"オーヴァー"をスクリュードさせたセカンド・シングル「ドゥー・ドロイズ・アンド・キル・エヴリシング」のカップリングからシャーディーを好き勝手にカット・アップした"ザ・スローニング"を採録するなど著作権に対する対抗意識は満々のようなので、いわゆるひとつの確信犯ではあるのだろう(ま、ケミカル・ブラザーズみたいに売れることはねーか)。

 麻の葉が舞い散る1作目同様、スモーカーズ・デライトを予感させるジャケット・デザインがまずは気を引く。『人びとがざっくばらんにゆらゆらしはじめたとき、何が起きているのかわかるのさ』とかなんとかいうタイトルもそれなりに期待を煽る。オープニングもいいし(これも先のシングルから採録)、曲が進むにつれて、フォームはどんどんグズグズに。遠景にもさりげなく小技の効いた音が置いてあり、テープの逆回転(?)も効果を上げている。まー、でも、全体的にはチルウェイヴが骨抜きになったような脱力ポップスといったほうがよく(ヒップホップとして紹介されている記事があるのはやはりオリジナルと混同しているのだろう)、レインジャーズを薄味にしたようなトロ・イ・モアからさらにダイナミズムを差し引いた感じで、そういう意味ではけっこうズレてるし、このズレから次に生まれてくるものを予感させる。そもそもチルウェイヴというのはシューゲイザーではなく、基調にあるのはダフト・パンク由来のシンセ・ポップ・リヴァイヴァルで、"ワン・モア・タイム"のブレイクを延々と長引かせたものだと僕は思っているので、あそこから別な方向に向かう可能性を見い出したと考えてもいいだろう(そう思うとダフト・パンクの底力を思い知らされる年でしたよね、2010年というのは。ちなみに映画『トロン』は音楽が先で、それに合わせて映像をつくったものらしい--おでん屋ロクで太田さんか誰かがそう話していた)。

 チルウェイヴといい、ハイプ・ウイリアムズといい、80Sポップをハイファイから遠ざけただけで、こんなにさまざまなヴァリエイションが飛び出してくるとは......(OPNの別名義=ゲームズの12インチをリリースしたヒッポス・オン・タンクスから早くも3月にサード・アルバムも予定されている)。
 ちなみにお仲間(?)らしきハウンズ・オブ・ヘイトも似たような音楽性で、デビュー・シングルらしき「ヘッド・アンセム」ではもう少しモンドな食感が味わえるものになっている(両者を合わせたDJミックス→http://soundcloud.com/~)。

三田 格