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James Pants

James Pants

Seven Seals

Stones Throw

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三田 格 Dec 23,2009 UP

 なんですかね。出世作となったセカンド・アルバム『ウエルカム』は同時期のオリヴィエ・デイ・ソウル(ハドスン・モーホーク)や北欧のナイキ・ソングになったキッセイ・アスプルンド「シルヴァー・レイク」(ドリアン・コンセプト)と同じくアシッドな傾向を持つR&B群のなかではやや物足りない雰囲気のものになっていたと思っていたのに、それ以前と同様、その後もアルバムを出すごとにキャラクターを変化させ、ここへ来てあっさりとモンドに様変わりしてしまいました。マンネリ大魔王と化しているエンペラー・マシーンとはジャケットも含めてほとんど同じか、もしくは全体にパーカッシヴな音が強くなっているだけ......とはさすがにいわないけれど。

 ナッシュヴィルで、しかもパンツを名乗っていながら、インナーには神秘主義にかぶれたらしき黄金分割や数秘術らしき「説明」がびっしりと書かれ、これが演出だとしたら、このイカガワしさはかなりのもの(深入りしないで雰囲気だけを楽しむのが現代人の知恵というやつです)。「時を超えて」「卵のなかに暮らし」「空は警告する」などイメージの広げ方にも工夫があるといいたいところだけど、後半に入って「私はウソをついたと約束する」という曲があるのはどういうことだろう? ......わからない。思い出すのはやはりモンドとポップの架け橋になっていたモルト・ガーソンが60年代後半に人類と宇宙のつながりを理解するために制作したゾディアック・シリーズなんだけど、エレクトロをベースにガーソンがやろうとしていたことをコンピュータ時代に再現しようとしたものなのかどうか。「すべてのものには終わりがあり、それが運命。もう一度、ひとつになろう」って、やっぱり本気のようだなー。リチャード・バックは何度でも蘇る......。『ターミネイター』のように......。

 たまたま今年は70年代のラテン・ファンクと同じく北欧電子音楽がイージー・リスニングを接点にどのように結びついているかという辺りを重点的に聴いていたので、同じモンド文脈でもそれらと共有するところがあるようでいて、やはり、ビートが決定的に強く、『ウエルカム』同様どこかプリンスを思わせるところが大きな差として伝わってくる。そういうところはこの40年まったく変わっていないのかもしれない。リズムを第1に考えているということは(プリンスが神秘主義に走ったらこうなるのかなという想像も含めて楽しめます、はい)。

三田 格