ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. interview with Toru Hashimoto 橋本徹がブラジリアン&ブリージンなコンピに込めた渋谷系の哲学 | 『Free Soul』&『Cafe Apres-midi』最新作をめぐって
  2. MODE ──ケニアのロード・スパイクハートと∈Y∋を迎えた新プログラムが開催
  3. YOUNG JUJU ──現KEIJUのファースト・ソロ・アルバム『juzzy 92'』、10周年記念盤が発売
  4. THE CROWD──ele-king presents HIP HOP JAPAN
  5. Oyubi - White birch burns
  6. Kassel Jaeger - Sub Re | カッセル・イェーガー
  7. Red Hook Records ──新鋭ジャズ・レーベルの主宰者サン・チョンが来日、原雅明とのリスニング&トーク・セッションが山梨で開催
  8. Columns 7月のジャズ Jazz in July 2026
  9. Toshiya Sukegawa ──環境音楽の新たなアーカイヴが登場、作曲家・助川敏弥の未発表音源含む作品集
  10. mary in the junkyard - Role Model Hermit | メアリー・イン・ザ・ジャンクヤード
  11. heykazmaの融解日記 Vol.9:₊ ˚⊹ 文月₊ ˚⊹ 会お!
  12. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  13. interview with Joy Orbison ダンス・ミュージックは反エリート、万人のためにある  | ジョイ・オービソン、インタヴュー
  14. Columns Holy Tongue UKダブを更新するバンド、ホーリー・タンの初来日公演
  15. Cornelius ——コーネリアスがアルバム『Refractions』のリリースと新曲“Aeons”の配信開始を発表
  16. Seefeel - Sol.Hz | シーフィール
  17. Moonga K. ──アフロ・ポップ期待の新星、ムーンガ・Kあらわる
  18. AMBIENT KYOTO - TOKYO ——坂本龍一と高谷史郎による「async - immersion」がついに東京で開催
  19. Cornelius ——コーネリアス、ニュー・アルバム『REFRACTIONS』の詳細を発表
  20. R.I.P. Miru Shinoda 追悼:篠田ミル

Home >  Reviews >  DVD+BD Reviews > 電気グルーヴ- ノモビデオDVD

電気グルーヴ

電気グルーヴ

ノモビデオDVD

Ki/oon

Amazon

渡辺健吾 Jan 07,2010 UP

 そして最後の『ノモビデオ』(これだけオリジナル・リリースもDVDがあった)。タイトルとしては『シミズケンタウロス』『ニセンヨンサマー』『レオナルド犬プリオ』と並ぶ偉人シリーズ。本編はPV集で、アルバム『VOXXX』期の田中秀幸仕事が卓球ソロとあわせて堪能できる。しかし、PVは正直どこでも見られるしリアルタイムでもかなりあちこちで繰り返し見たものばかりで、意外性や新しい発見はない。制作時の裏話が聞ける副音声のコメンタリーも悪くはないが、ものすごーくテンション低く自分たちで「言うことない」などと告白しており、え~~~と言いたくなる。

 しかし、おまけとして追加されたディスク2がイイ。2000年、アルバム『VOXXX』のツアー、異常な盛り上がりを見せる大阪の一夜。ライヴ・アルバム『イルボン2000』で既に音源はリリースされているが、このままバーンアウトしたように長い活動休止に陥る前の、なにかやりつくそうとしてるようなテンションは映像を伴ってさらに凄みを増す。大阪は行ってないので、この現場は見ていないが、クリスマス時季にお台場のZepp東京でやった充実のステージはいまでもはっきりと覚えている。まりん脱退後、渡部高士やDJ Tasakaをサポートに迎え試行錯誤を繰り返した電気が、オリジナル・メンバーと対をなして張り合えるパワーをもったTasaka&Kagami(要するに、Disco Twins)を得たことで、以前のような自由さ、活性感を取り戻した記念すべきツアーの一夜だったからだ。

 重く苦しかった『VOXXX』のレコーディングを脱してツアーに出た開放感、それにDJ周りの機材の進歩、ヒップホップ・マナーのTasaka+直感的なKagamiの参加......すべてがプラスに作用したからか、かなりフリーで即興的なライヴになっている。"密林の猛虎打線"や"エジソン電"、"インベーダーのテーマ"あたりが客とのやりとり含めてものすごいことになっていた記憶があるのだが、残念ながらここではすべてカットされている。しかし、半分以下の尺でも伝わってくるのは、それまでバランス取りながら突き詰めてきたDJカルチャー的な良さを失わずに、またさらに「電気的」なる表現を一歩も二歩も進めた凄み。

 一方、コメンタリーはサポートのふたりが参加して、どこか和やかなムードも漂っている。このアニキ的な役割に微妙にチェンジしたふたりとDisco Twinsとのかけあいは、当時のステージでのやりとりを喋りで再現しているようでもあり、おもしろい。またしばらくお休みの期間に入ると噂される電気グルーヴだが、冒頭に言っていた「20年後にこれまたやろうぜ」っていう冗談が実現するように、ぜひともがんばって欲しいものだ。

渡辺健吾