「LV」と一致するもの

Chart by Underground Gallery 2012.02.02 - ele-king

Shop Chart


1

MADTEO

MADTEO Bugler Gold Pt. 1 (Hinge Finger / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
UG推薦盤!JOY ORBISONが新レーベルをスタート!第一弾を飾るのは、[Workshop]や[Morphine]からのリリースで知られるブルックリンの奇才MADTEO!話題の作品が遂に入荷しました。 JAMES BLAKEに次ぐ才能?として、本国UKはもちろん、ヨーロッパ全土で大きな話題を集めているダブステップ/ベース・ミュージック、注目の若手JOY ORBISONが遂に自身のレーベルをスタート!その記念すべき一作目となる本作は、[Workshop]や[Morphine]など、コアなテクノ/ハウス・ファンから支持を集めているカルト・レーベルからリリースしてきたN.Yはブルックリンの奇才MADTEOの新作12インチ。

2

CUT COPY

CUT COPY Sun God (Modular / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
A Must Have! ANDREW WEATHERALLリミックス! ロック~エレクトロ~コズミック~ダブ、全ての要素を取り込んだ バレアリック・ダブ・ディスコ! 個人的にもリリース・インフォが届いて以来、リリースを待ち望んでいた1枚が遂に入荷しました!2011年のグラミー賞候補にもノミネートされた、CUT COPYの最新アルバム「Zonoscope」からの12インチ・カットとなる今作ですが、注目はなんと言っても 番長、ANDREW WEATHERALLによるリミックス! ロック~エレクトロ~コズミック~ダブなど、様々な要素が入り組んだバレアリック・ダブ・サウンドは、文字通り「圧巻」の一言に尽きます・・。既に多くの著名DJ陣もピックアップしているようですが、当然と言えば当然の内容です!ディスコ~エレクトロ~バレアリック・ファンの方は絶対にお見逃しなく。

3

COS/MES / RONNY & RENZO

COS/MES / RONNY & RENZO Naruto Ronny & Renzo Takotsubo Take Ten / Taboo (King Kungfoo / 10inch+7inch) »COMMENT GET MUSIC
COS/MESの大ヒット作「Naruto」の RONNY & RENZOによる新リミックス + RONNY & RENZOによる新曲「Taboo」を収録した、超限定10インチ + 7インチ。 MUNGOLIAN JETSET、QUIET VILLAGEらのリリースで知られるカルトレーベル[King Kung Foo]新作は、同レーベルからリリースされた COS/MESのヒット作「Naruto」を、RONNY & RENZOがサイケ・アンビエンス・トラックへとリミックスした強烈盤! さらに7インチには RONNY & RENZOによる未発表作品「Taboo」を収録。10インチ + 7インチのダブル・クリアー・ヴァイナル、手書きナンバリングのスペシャル仕様にて、世界限定100枚プレスでのリリースです。値段はかなり高いですが、将来的にプレミアムが付くことは間違い無いと思われます。入荷枚数が少ないので、早い者勝ちですよ!

4

V.A.

V.A. Derive Vol.3 (Derive / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
UG推薦盤![Smallville]ファンへ!CHRISTOPHER RAUが主催するハンブルグのレーベルDerive第三弾。やっぱこのレーベルは凄くいい! ハンブルグのディープ・テック・シーンを牽引する、CHRISTOPHER RAUが主催するハン ブルグのレーベル[Derive]第三弾。 過去2作品しかリリースしていないにも関わらず、そのいずれもが、高く評価され、未 だに沢山の「再入荷希望」を頂いている(既にどちらも廃盤で入手不可能なんです)、 まさに"カルト"な地下レーベル[Derive]、今回もかなり濃厚な内容で、素晴らしいで す。[Sender]レーベルで活躍するA DIFFERENT JIMIがBJORNSKIとコンビを組んだA1は、 ムーディーなサックスや、エレガントなピアノが響く、傑作と言えるディープ・テッ ク・ハウスで、この曲だけの為に買っても損は無い!と言い切れる、オススメの作品。 その他のトラックも[Smallville]周辺のサウンドが好きな方なら、必ず満足出来る、 ディープ・フローティングなテック・ハウスばかり。今回もプレス枚数は少ないので、 お早めに。

5

GIORGIO MORODER

GIORGIO MORODER E=Mc2 (MB Disco / 2x12inch) »COMMENT GET MUSIC
79年リリースの名作「E=MC2」をイタロディスコ先駆者 ALEXANDER ROBOTNICK、コズミック巨匠 DANIEL BALDELLI & DIONIGI、「Dirty Talk」のKLEIN & M.B.O.らがリミックス。 LARRY LEVANを筆頭に、今もなお多くのDJ陣がプレイする GIORGIO MORODER 79年発表 の超名作「E=MC2」を、イタロ縲怎Rズミックシーンの巨匠、気鋭アーティスト等がリミッ クスした話題の2枚組がこれ!ドープなエレクトロ・グルーブを軸に、よりディープ・ なシンセを鳴らしたスペーシー・ディスコ・リミックスの、ALEXANDER ROBOTNICK のA1を筆頭に、コズミックの代名詞、 DANILE BALDELLIが、DIONIGIとのコンビでリミッ クスを手掛けたC2、イタロ古典「Dirty Talk」で知られる KLEIN & M.B.O.による、オー ルド・アシッド・エレクトロ・グルーブなD2など、2枚組全6ヴァージョンを披露。イ タロ・コズミック縲怎Gレクトロ・ディスコファンは是非お見逃しなく!

6

TR ONE

TR ONE Drum Dance (Apartment Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
JOHN HECKLE、JUJU & JORDASH リミックス!トライバル・ビート・ダウ ン・チューンのオリジナルが一押し! 2007年に[Fine Art]からデビューしたアイルランドのトリオ・ユニットTR Oneが、 JOHN HECKLE、JUJU & JORDASHのリミックスを搭載し、ダブリンの注目レーベ ル[Apartment]から新作をリリース! リズミカルかつダンサブルに打ち鳴らされたコンガが弾けるように響く、土着的なア フロ・パーカッションを軸にしたリズム・ワークが渋い、トライバル・ビート・ダウ ン・チューンのオリジナルが一押し!![Dekmantel]レーベルのコンピレーションに収録 された楽曲も、凄まじくカッコよかった、JUJU & JORDASHによる、空間性と深みを強 化したディープ・ダビーなリミックスも圧巻で出来!オススメの12インチです

7

N.O.I.A / GAZ NEVADA

N.O.I.A / GAZ NEVADA BAND AID / Stranger In A Strange Land (Italian Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
[Italian Records]が残したカルト・イタロ・クラシック 4作をコンパイル!いずれも原盤は今も人気の高いレア作品なだけに、このリリースは見逃せません! イタリアの80'sシーンを引っ張った名門レーベル[Italian Records]が、83年にリリー スし、そのいずれもが当時のダンス/ディスコ・シーンを熱狂とさせ、今なお多くの現 場でプレイされ続ける不朽の名作4作をコンパイル! A1には、空間を見事に掌握した、TONY CARRASCOならではの、ぶっ飛んだシンセメロ が◎な、N.O.I.A.最大のヒット作「Stranger In A Strange Land」(I-ROBOTSのMix CD にも収録)、A2、B1には、80'sイタロ・ディスコを代表するアーティスト、GAZ NEVADAによる傑作クラシックがそれぞれ収録。MORGAN GEISTのコンピや DJ HARVEYの プレイでも御馴染み「Special Agent Man」のA2、特にDJ陣に人気の高いダビーな 「Female Version」、DAVID DE PINO、MUNKらのリエディット、LARRY LEVAN、RON HARDYらのプレイで知られる「I.C. Love Affair」のB1、そしてB2には何年か前にUKの 老舗問屋の倉庫からオリジナル盤が発掘され大きな話題となった、UK版"We Are The World"な、BAND AIDによる、心地の良い鍵盤が◎なバレアリック系ディスコ「A Tour In Italy」の人気ダブ・ヴァージョン(Claremont 56のコンピCDにも収録)を収録。 この内容、間違いないでしょう縲怐I!いずれもオリジナル盤は今なお、高値で出回るも のばかりですので、これはかなりお得ですよ!

8

CABIN FEVER

CABIN FEVER Trax Vol. 21 (Cabin Fever / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
HERBIE HANCOCKのクラシックネタを使用した前作「Vol.20」も大ヒット中の中、間髪入れず新作「Vol.21」が登場。今回は、躍動感のあるファンキーなリズム/グルーブに 黒人男性によるものと思わせるヴォイス・サンプルを絡め、グルーヴィーに展開させた Side-A、ちょっと KERRI CHANDLER辺りの往年の作品を彷彿とさせる ボトムへヴィーでシンプルなディープ・ハウス・グルーブ Side-Bの2作を収録

9

V.A

V.A Altering Illusions (5 Years Of Echospace) (Echospace / 4LP) »COMMENT GET MUSIC
2007年に始動し5周年を迎えるレーベルECHOSPACEから全曲未発表ヴァージョンという4枚組カラーヴァイナルがリリース! 収録曲にはCV313の大ヒットトラック「Seconds To Forever」のINTRUSION'S LOST DUB、DEEPCHORD PRESENTS: ECHOSPACE 「Spatialdimension」のINTRUSIONによる2テイク、また、STEPHEN HITCHELLのドローン/アンビエント名義VARIANTによる3トラック、そして本作の中でもハイライトといえるのは、かつてMIKE HUCKABYがリミックスしたことでも知られるダブテクノ傑作DEEPCHORD「Electromagnetic Dowsing」のCV313 LIVE REWIREで、ボンゴがダブテクノへ溶け込んだニューミックスで、フロアへのアプローチを強めた抜群の仕上がり!フルカラー・ゲートフォールド・ジャケットに160グラムのミックスド・カラー・ヴァイナル仕様というこだわりのマテリアルでリリース!

10

RROSE

RROSE Artificial Light (1969 -1909) (Sandwell District / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ドープ・エクスペリメンタル・ミニマル!UG推薦盤! ハイペースなリリースが続く、UKを代表するドープ・テクノ・レーベル[Sandwell District]の新作は、今年突如現れた新鋭?ながら、レーベル一のドープさを誇る音響とグルーヴで、早くもファンを掴んでいる、ミステリアス・アーティストRROSEが再登場!

Chart by UNION 2012.01.26 - ele-king

Shop Chart


1

やけのはら

やけのはら Step On The Heartbeat NOPPARA REC / JPN »COMMENT GET MUSIC
2012年最初の注目作品!やけのはらIN THE MIX! TO THE HOUSE!!「Brilliant Empty Hours」や「Summer Gift For You」に続く、「スルメ的に聴き続けられる」ミックスCDがディスクユニオン限定で登場!!家で聴く音楽と言えば、ハウスミュージック!とばかりにセレクトした、BPM120のハートビートに染み渡るダンスミュージックたち。ジャズテイスト、サンバ、ラウンジ、サウダージ、R&B。それらの雑多なジャンルをライトに、あくまでもライトに陽の光を感じさせるフィーリングで束ねた一枚。

2

DELTA FUNKTIONEN

DELTA FUNKTIONEN Inertia // Resisting Routine ANN AIMEE / NED »COMMENT GET MUSIC
DELSIN傘下ANN AIMEEが送る、COSMIN TRG、PETER VAN HOESEN、LUCY等、現行アンダーグラウンド・テクノ・シーンの中核を担うアーティスト達が全曲エクスクルーシヴの新曲で参加する驚愕のMIXコンピレーションが到着!MIXを手掛けるのはレーベル看板・DELTA FUNKTIONEN!!一度ハマると抜け出せない中毒性を有するトラック・メイキングで知られ、またFABRIC、PANORAMA BAR等世界有数のクラブからオファーの絶えないDJでもあるDELTA FUNKTIONEN、まさにモダン・ディープ・テクノのエポック・メイキングとなりうる珠玉のミックス作品。

3

HELIUM ROBOTS

HELIUM ROBOTS Jarza EP RUNNING BACK / GER »COMMENT GET MUSIC
THEO PARRISHリミックス収録。DJ HARVEYやPRINS THOMASのプレイリストを賑わせたロンドンのレーベルDISSIDENTからのリリースの諸作がカルト的に支持されたHELIUM ROBOTSの新作がRUNNING BACKから登場!色鮮やかなシンセチューン"Jarza"を、B-サイドでTHEO PARRISHが2リミックス!荒々しくウネリをあげるベースラインにチープでスカスカのフレーズを絡めて展開されるマナー通りのスリージーなアシッド・トラック。

4

GAISER PRESENTS VOID

GAISER PRESENTS VOID No Sudden Movements MINUS / CAN »COMMENT GET MUSIC
MINUSの中核を担うプロデューサー・JON GAISERによるNEWプロジェクト・VOIDのファースト・アルバム。バウンシーなグルーヴィー・ミニマルで人気を博し、RESIDENT ADVISORの"TOP 20 LIVE ACTS OF 2011"の第6位に選出されるなど世界的にブレイクを果たした彼が取り組む次作は、なんとダウンテンポ/アンビエント/実験音響が混ざり合ったアーティスティックな作品集!ベルリンの暗く寒い時期に漂う自然の厳しさにインスパイアされ2年の月日を費やし制作、ゆったりとしたドローンとパルス音が静かに変化するM-1、ヘビーなベースとミッドテンポのキックが淡々と刻まれるM-5等、アルバム全体が深みあるトーンで統一された1枚。

5

ASC

ASC Light That Burns Twice As Bright SILENT SEASON / CAN »COMMENT GET MUSIC
QUANTEC、ATHEUS、MR.CLOUDYなどの良質な作品を限定CDやデジタルでリリースするカナダのSILENT SEASONから、なんと先鋭的なサウンドで注目を浴びるドラムンベース・プロデューサー・ASC(NONPLUS/EXIT)のアンビエント・アルバムが登場! 幾重にも重ねられたアンビエンスたっぷりのシンセが、得も言われぬ美しく壮厳な世界観を創り出す極上の1枚!! LTD 300、絶対にお見逃しなく!

6

OMAR S & OB IGNITT

OMAR S & OB IGNITT Wayne County Hills Cop's (Part.2) FXHE RECORDS / US »COMMENT GET MUSIC
突如として届いた最新シングルはOB IGNITTなるアーチストをフックアップした、OMAR Sとの合作。オリジナルとなるAサイドは"Plestsk Cosmodrome"や"Psychotic Photosynthesis"で見せた独創的なシンセリフが大胆にトラック全体を支配、80'sオールドスクールなダンスミュージックのいわゆる「BサイドDUB」のようなアレンジを披露。OMAR Sが煌びやかでドープなリミックスで仕上げたBサイドも揺るがないスタイルと個性を見せ付けています。

7

VEDOMIR

VEDOMIR Untitled DEKMANTEL / NED »COMMENT GET MUSIC
ウクライナの才人ことご存知VAKULAのニュープロジェクト!VEDOMIR名義でJUJU & JORDASHのホームレーベル、オランダのDEKMANTELより到着した2トラックス。ミステリアスな女性Voフレーズに誘われるドップリとハメられる危険なアンビエント・トラックA-1、生き物のように流動的に浮遊するフレージング、質感に富んだSEやキックの強弱、後半にはヒプノティックな展開が用意されたB-1と、多様な側面を見せる注目の別名義作品。クレジット、ジャケなしの超限定盤。

8

MUNGOLIAN JET SET

MUNGOLIAN JET SET Schlungs SMALLTOWN SUPERSOUND / NOR »COMMENT GET MUSIC
スマッシュ・ヒット作"Moon Jocks N Prog Rocks"を含む、ノルウェー・ニュー・ディスコの至宝MUNGOLIAN JET SETの待望の2ndアルバム。JAZZLANDを中心とした未来派ジャズ勢とも親交が深く、またLINDSTROMやPRINS THOMASら、彼の地ノルウェーのダンス・ミュージック・シーン中核のアーティスト達からもリスペクトされる彼ら。純粋なオリジナル・コンポジションとしては実は「初めて」となるアーティスト作品となる本作にはこの春フロアを席巻したアップリフティングなダンス・トラックB-1を筆頭に、華やかにオープニングを飾るシネマティックなスペース・ディスコのA-1、異次元へと誘われる奇天烈アシッドA-2等全8トラックを収録。

9

V.A.

V.A. Love Unlimited Vibes LOVE UNLIMITED VIBES / GER »COMMENT GET MUSIC
大スイセン!KDJワークスを感じさせる極上ビートダウン!!未だ謎めいた詳細不明のブートシリーズLOVE UNLIMITED VIBESからVol.4が例によって500枚限定プレスで登場。エモーショナルなフレーズや土着感を嫌味にならない絶妙な塩梅で絡めた柔らかで温かみのある3トラックを収録したVol.4も間違いない1枚。

10

A.MOCHI

A.MOCHI Black Phantom EP FIGURE / GER »COMMENT GET MUSIC
A.MOCHI & FIGURE、待望の新作!! このFIGUREをホーム・レーベルとしたアルバム「Primordial Soup」や一連のシングル作品、またMOTE-EVOLVER、WAVETEC等のリリースでも気を吐くご存知日本の誇る重厚テクノ・サウンドの雄A.MOCHI、2012年最初の12"が到着。猛烈な唸りをあげて鋭くタフに研ぎ澄まされたヘビー・サウンド、ダイナミックなブレイク、圧死寸前の超重量ベースがすさまじく強靭なグルーヴを形成しドライブする圧倒的キラー・トラック!

Chart by STRADA RECORDS 2012.01.24 - ele-king

Shop Chart


1

DAVID GRAY/TRACY CHAPMAN

DAVID GRAY/TRACY CHAPMAN THE OTHER SIDE/CROSSROADS-NK RMX WHITE(JPN) »COMMENT GET MUSIC
【今回も限定プレス!】Dazzle Drumsによるリミックス・シリーズ待望の第2弾が入荷!UKの人気シンガー・ソングライターDavid Grayの大ヒット曲「The Other Side」と世界的フォーク・シンガーTracy Chapman「Crossroads」を見事ハウス・リミックス!どちらも極上なヴォーカルを最大限に生かしたパーカッシヴ&グルーヴィーな仕上がり!既にBody&SOULにてJoe ClaussellやDanny Krivitもプレイ!

2

MENA KEYZ & MARLON D

MENA KEYZ & MARLON D SPARKS EP MK(US) »COMMENT GET MUSIC
MENA KEYS主宰の新レーベル第1弾!A1のジャジーな極上インスト・ハウスを筆頭に、ラテンやアフロ・キューバン等の様々な作品を収録!あらゆるシチュエーションで活躍する1枚で全曲オススメです!

3

JERK HOUSE CONNECTION

JERK HOUSE CONNECTION VELVET TOUCH(feat.NILES THOMAS) STALWART (FR) »COMMENT GET MUSIC
過去にDefectedレーベル等でも仕事をしている3人組ユニットJerk House Connectionによる男性ヴォーカルもの!リミキサーにはナントMaster Kev & Tony LoretoコンビやRoccoらが参加!グルーヴィーに仕上げたMaster Kev & Tony Loreto、クールな質感が気持ち良いRocco、さらにディープなオリジナルもイイ!LOUIEVEGAやOSUNLADEがプレイ!

4

MIGUEL MIGS

MIGUEL MIGS CLOSE YOUR EYES-OSUNLADE REMIX OM (US) »COMMENT GET MUSIC
MusicやNRK等からのリリースでお馴染みのMIGUEL MIGSによる女性ヴォーカルもの!オススメはOSUNLADEによるリミックスで、心地良いパーカッションに柔らかなシンセの上モノ、それに囁くようなヴォーカル(ナントMeshell Ndegeocello!)が加わり最高なディープ・ハウス・チューンとなっています!

5

VA(JOE CLAUSSELL)

VA(JOE CLAUSSELL) UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS KICK STARTER CD SAMPLER(CD-R) SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
2CDでリリース予定なのですが、それに先駆けて収録内容が異なるリミテッド・プロモCD-Rが入荷!

6

ARNOLD JARVIS

ARNOLD JARVIS DANCE-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS MIX TRIPPIN(UK) »COMMENT GET MUSIC
数々の作品にその歌声を残しているベテラン男性ヴォーカリストARNOLD JARVISによる3曲入りEP!3曲ともプロデュースを手掛けたのはTIMMY REGISFORD & ADAM RIOSコンビ(何気にARNOLDとTIMMYの組み合わせは初?)!マッシヴなSHELTER系ハウス・トラックにソウルフルなヴォーカルが渋い1枚です!

7

BUCIE

BUCIE GET OVER IT FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Black Coffeeの大ヒット曲「Superman」でヴォーカルを務めていたBucieのソロ作が人気レーベルFolliageから登場!リミキサーにはEzelが参加しており、メロディアスで洗練されたトラックにあの可憐な歌声が乗った極上な仕上がりとなっています!

8

GOMMA ALL STARS

GOMMA ALL STARS CASABLANCA REWORKS(feat.PEACHES) GOMMA(GER) »COMMENT GET MUSIC
7、80年代に数多くの大ヒット作を生み出した名門レーベルCasablancaの名曲をカバーした注目作品登場!映画「フラッシュダンス」に使われたことでもお馴染みの80's大ヒット曲Michael Sembello「Maniac」を筆頭に、Donna Summer「Our Love」、Stephanie Mills「You Can't Run From My Love」、Skatt Bros.「Walk The Night」というセレクト!今っぽいNu Disco的サウンドでバンバンプレイできる仕上がりです!特に「Maniac」はウケるでしょう!

9

ALEX AGORE

ALEX AGORE I GOT SOMETHING EP DEVELOPMENT MUSIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
Quintessentialsや4 Luxといったレーベルからコンスタントに作品をリリースしているAlex Agoreによる4曲入りEP!90'sハウス・ブームの立役者でもある彼による極めつけの1枚で、全曲即戦力!というかどれを使うか迷う程の仕上がり!グルーヴィーでバウンシーなベースに踊らされる好盤です!

10

CABIN FEVER

CABIN FEVER TRAX VOL.20 REKIDS (UK) »COMMENT GET MUSIC
Radio Slaveによる変名プロジェクトCabin Feverのシリーズ第20弾!Herbie Hancockによる名クラシック「Stars In Your Eyes」ネタのA面、Herbie Hancockの「You Bet Your Love」を使用したB面ともイイ感じのハウスに仕上がっています!

yone-ko - ele-king

10 pieces in 2011


1
Project Remark & Dean Decosta - Split 10" Volume 4 - Plug Research

2
Joe Babylon - Debut EP - Roundabout Sounds

3
DJ Spider - Under The Radar EP - Plan B Recordings

4
Black Ice - Black Ice E.P. Vol. 1 - Velvet City Records

5
Ricardo Miranda - Urbanism EP - Noble Square Recordings

6
Dark Ages - I Like - Definitive Recordings

7
Reality Or Nothing - Changes EP - Housewerk Records

8
Hipp-E & Tony - Sonido De La Celva EP - Siesta Music

9
Daniel Stefanik - In Days Of Old Pt.2 - Kann Records

10
Perry & Rhodan - The Beat Just Goes Straight On & On -Rising High Records

DJ YOGURT - ele-king

 自分のお気に入りのDJを紹介できるというのは光栄なものだ。もうかれこれ3~4年前の話だが、その晩僕はひどく落ち込み、うちひしがれ、死にそうだった。ナイトライフを過ごせるような精神状態ではなかったが、約束があったので、僕は重たいドアを開けた。
 ブースのなかにはヨーグルトがいた。彼は......すでにアッパーだった。「おいおい、何時だと思っているんだ」と僕は思った。「まだ11時だぜ」、フロアには10人いるかいないか。こちとら死にそうなほど落ち込んでいるというのに、この寂しいフロアにアッパーなテクノかよ......やれやれ参ったな。
 しかもその飛ばし屋のプレイはそこにいる10人を完璧にロックしていた。落ち込んでいる人間がこういう光景に出くわしたとき、通常ならますます落ち込んでくるものだが、DJヨーグルトのプレイにはどこか無邪気なものがあった。ドラッギーだが、リー・ペリー的というか、ドロドロした感覚がないのがDJヨーグルトの個性だ。トランシーだが、アーシーなセンスがあるからなのだろうか、デーモニッシュな方向にはいかない。DJ saved my lifeという有名な言葉があるけれど、DJヨーグルトのグルーヴは、その晩の僕を助けてくれたかもしれない。

YOGURT&KOYAS
SOUNDS FROM DANCEFLOOR

UPSET RECORDINGS

Amazon

 2001年にDJ Uとのアップセッツとしてデビューして、3枚のアルバムと数枚のシングルを発表すると、2008年には〈ラストラム〉からDJヨーグルトとしての過去の作品集『Singles&Remixes 2005 To 2008』、そして2010年にはDJヨーグルト&コヤスとして『CHILL OUT』と『SOUND OF SLEEP & MEDITATION』の2枚をリリースしている。
 DJヨーグルト&コヤスとしての3枚目となる最新作『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』 は、それまでの2枚のアンビエント・アルバムとは打って変わって、いまどきこんなに無邪気な、ケレンミのない、ピースでトランシーなダンス・ミュージックがあるのかといった趣だ。この10年は、90年代とは違って愛情を欠いたダメなクラブも目に付くようになったが、それとは別の場所ではピースなパーティが続いていることを『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』は我々に教えてくれる。取材には相方であるコヤスも同席してくれた。

バンド仲間でアジアを旅するのが流行りはじめて、「3万あれば1ヶ月滞在できるよ」って言われて、カネは無かったけど時間は余っていたし刺激を求めていたので、じゃあ俺も行こうと思って。で、何度か日本と海外を往復しているあいだに91年にゴアでたまたま野外パーティに出会ったんですよね。

最初に知ったのは、ヨーグルトが渋谷のシスコ店で働いているときだったね。店長の星川慶子さんから「三田さんのファンです」って紹介されたんで、すごくよく覚えているんだよね(笑)。

ヨーグルト:そうですね、三田さんが来店するとずーっとしゃべってるという。

で、「どれどれ、どんな服を着てるんだ?」と思って(笑)。

ヨーグルト:それはもう、三田カジェアルですよ(笑)。冗談はともかく物書きの人のなかで三田さんはほんとに昔から気になる存在だったんですよ。

レコード店で働くまではインドを放浪しているようなトラヴェラーだったんだよね。んで、いつまでも漂泊できないっていうことで、飯食うためにレコード店に入ったんだっけ?

ヨーグルト:ですね。インド~ヨーロッパの旅から帰ってきて、よくクラブで一緒に遊んでいる仲間のなかに初期の〈イエロー〉の店員のジュリアって人がいたんですよ。その彼が星川さんと仲が良かったんですよね。もともと僕はディスクユニオンで働きはじめて、ロックやジャズとテクノの新譜と中古を担当してて、このままユニオンで働いていくか悩んでいた頃にシスコのテクノ店がオープンして、「こういうテクノの新譜だけで成り立つ店ならいいな」と思って星川さんに自分のことをその友だちに紹介してもらったんですよ。ちょうど佐久間さんとシャッフルマスターがテクノ店を抜けるタイミングでテクノ店に入りました。

しかしね......その頃の若さでなんでゴアに行くようなヒッピーになったんですか? 

ヨーグルト:ヒッピーって自覚はなかったですけどね(笑)。もともとクラブ好きでしたよ。ゴアに行く前も東京のクラブにもよく行ってたし、地元にいるときはたまに地元で遊んでました。

どこの出身?

ヨーグルト:愛媛の松山です。地元が盛り上がっていたわけではないですけど、東京に来たのが88年ですね。当時はクラブに人は入ってて盛り上がっていたんですけど。もっとむちゃくちゃでもいいんじゃないか、もっと盛り上がってもいいと思ってましたね。いまひとつ物足りなさを感じていました。

92年ぐらいから東京もむちゃくちゃになってましたけどね。

ヨーグルト:たしかにすごいパーティが東京でもあったと思うんですが、自分は出会わなかったんですね。その後のゴアとかロンドンで見たときに「俺が求めた解放感や自由な雰囲気を含んだパーティってこれだ!」と思いましたよ。

目覚めてしまったんですね。

ヨーグルト:89年ぐらいは俺、バンドやってたんですよ。でもバンドの練習で同じ曲を何度も演奏するのに飽きてしまって、歌や演奏が飛び抜けて上手いわけでもなかったのでバンド活動は2年ほどで終息して。ちょうどそのバンド仲間でアジアを旅するのが流行りはじめて、「3万あれば1ヶ月滞在できるよ」って言われて、カネは無かったけど時間は余っていたし刺激を求めていたので、じゃあ俺も行こうと思って90年に初めてインドに行きました。で、何度か日本と海外を往復しているあいだに91年にゴアでたまたま野外パーティに出会ったんですよね。まだトランスが根付く直前だったので、UKレイヴものからイタロ・ハウス、アシッド・ハウス、打ち込みのニューウェイヴ、ボディ系の音までいろいろかかっていました。でも音楽を聴きはじめた頃は打ち込みの曲はそんなに好きじゃなかったんですよ。

ヨーグルトのルーツって何になるの?

ヨーグルト:10代前半は60年代から80年代のUKのロックやパンク、ニューウェイヴ、10代後半の頃はレゲエとかブルースですね。

レゲエが好きなのは、アップセッツっていう名義にしてるぐらいだからね。

ヨーグルト:レゲエは好きでしたね、レゲエを好きになったきっかけは、ストーンズやクラッシュがカヴァーしていたレゲエだったりするので、10代後半の頃好きだったのはロック流れのレゲエやロックステディですね。ラスタとかは正直わからないこともいろいろあります。で、ゴアでは打ち込みが苦手な自分がパーティの熱気に巻き込まれて、そしてメチャクチャ踊れるじゃないですか、それで「これすごいな」と思って、もっと探求したいと思ったんです。テクノとか全部エレクトリックな音で構成されてる音楽って、独特のフィーリングがあるじゃないですか。

ある種の麻薬性みたいなところに惹かれたんだね。

ヨーグルト:う~ん、そうですね、苦手だったぶん、より惹かれたってことですかね。

多くのレゲエが好きな人って、けっこうテクノを苦手とする人が多いんだよ。

ヨーグルト:けど、もうバッチリで。テクノで踊った後は歌ものレゲエよりもダブを聴くことが格段に増えて、90年代半ばだとマッドプロフェッサーがマッシヴ・アタックをリミックスしたやつとかを愛聴してました。

コヤス:僕、はじめ『ノー・プロテクション』ぜんぜんわかりませんでした。

一同:ええーー(驚)!!

コヤス:そのうちわかるようになりましたけど。

コヤスくんはヨーグルトと何歳はなれてるの?

コヤス:5歳です。

けっこう離れてるね。

コヤス:95年に交通事故で足をケガして、そこから3年ぐらいまったく遊んでないです。

ヨーグルト:コヤスくんはけっこう卓球さんファンで。

コヤス:最初は卓球さんでしたね。

日本で打ち込みの音楽やっている人で、もともとは卓球ファンっていう人は本当に多いよね。

コヤス:最初の入りはデジタル・ロックだったんですよ。

なんだっけ、デジタル・ロックって?

コヤス:ケミカル・ブラザーズとかプロディジーとか。

ああ、そうだったね。

コヤス:もともとバンドやってたんですよ。僕の場合交通事故にあって足をケガして立って楽器を弾けなくなっちゃって、そのときにケミカル・ブラザーズを聴いて、これならひとりでもできると思ってサンプラーを買って、曲を作りはじめました。

そのとき何歳だったの?

コヤス:22~23です。

そうなんだ。コヤスくんも......運命というか、よりによってヨーグルトといっしょにやるとはね......。当時からヨーグルトは謎だったよ。「彼はいったい何者なんだろう?」っていつもレコードを選びつつ横目でちらっと見つめては思ってたもん。

ヨーグルト:シスコ・テクノ・ショップのいち店員ですけどね(笑)

あの頃はCDを担当してたよね?

ヨーグルト:そうですね、CDの担当だとテクノという概念に含まれる音楽なら何でも全ジャンルやれるのが良かったです。ドローンや民族音楽系の作品も扱っていました。

あの頃CDで発売されるものって〈ファックス〉とかのアンビエントが多かったじゃない。それでアンビエントが好きなのかなって思ってたんだよ。

ヨーグルト:そうですね、90年代にちょっとテクノに疲れちゃった時期があって。90~93年ぐらいまでは無邪気に遊んでましたけど、94年ぐらいにガックリ疲れて、4つ打ちをもう聴きたくないってときにアンビエントにのめりこんでいきました。

あの頃はヨーグルトや星ちゃんの口車に乗ってずいぶん散財したよ(笑)。

ヨーグルト:はははは。お世話になりました!

もし自分もレコード店で働いていたら、同じことしたと思うけど。

ヨーグルト:お客さんが買おうとしている作品にはダメだししにくいですね(笑)。でも、俺はわりと無理には勧めないほうでしたけどね。

コヤス:僕はアルタのシスコでアベさんの当時の楽曲制作の相方だったDJユーに勧められていろいろ買わされて、家帰ってから「なんでこんなの買ったんだろう?」ってことよくありましたね(笑)。

ほら!

ヨーグルト:まあ、そのあたりが難しいとこですよね。自分の好きなものだけ売って成り立つんならいいですけど、塩梅がね。当時だとアンダワールドはとにかく売らないといけないみたいなのあるじゃないですか。でもそこでレコード店でバイヤーの経験を積むことで幅広い視点を持つ勉強にはなった気がしますね。

それは重要だよね。ところでヨーグルトを名乗った理由はなんなんですか?

ヨーグルト:本名でも良かったんですけど「DJアベとかDJシュウジとか名乗って覚えられるかな?」と思って、「俺は覚えられない」と思って(笑)。いっぱいいそうだし。あとムードマンとかコーネリアスとか、名前以外を名乗る人がいたんで。

なんでヨーグルトなの?

ヨーグルト:う~ん、それが覚えやすいのと意味合いですかね。

精子のメタファーなんだよね。やっぱそこでエロティシズムをほのめかしている。

ヨーグルト:アメリカではそうみたいですけど、英語圏以外では違うらしいですよ。トルコ語では撹拌するとかゆっくり混ぜるという意味があると聞いたことがあります。柔らかいイメージと、身体のなかに取り込んで変化するみたいな意味合いもあるんですね。音楽もそうだし。

便通も良くなるしね。DJをやるようになったのはいつなんですか?

ヨーグルト:たぶん〈マニアック・ラヴ〉で「スローモーション」の一番手をやるようになったのがきっかけですね。レギュラーでやるのはそれが最初です、それまでは友だちのパーティでやるぐらいでしたから。「スローモーション」はディープ・ハウスのパーティで、野田さんもたまに来てましたよね?

あれは楽しかったよね、客はいなかったけど。ムードマン、3E(蓑田+三田)、ヨーグルト、あとたまにゲンイチだっけか。96年か97年ぐらいだよね。フレンチ・ディープ・ハウスが流行りはじめた頃だったね。

ヨーグルト:モーターベースがすごい人気でて、そのあとダフト・パンクがブレイクして。

「スローモーション」が火付け役だったからね。

ヨーグルト:えー、そりゃわかんないですけど(笑)。いち部の人たちのあいだでじゃないですか?

エチエンヌ・ド・クレイシーとイアン・オブライエンに関しては確実に「スローモーション」でしょ? 俺が来るとどや顔でベーシック・ソウルをかけていたもんな。「マッド・マイクみたいだろー」って感じで(笑)。

ヨーグルト:そうですかね。三田さんが『エレキング』で頻繁に書いていた印象は強いですね。しかしまさかここまでダフト・パンクがブレイクするとは、当時まったく思ってなかったです。

それでムードマンがムーディーマンとセオ・パリッシュだったね。

ヨーグルト:「スローモーション」って、ちょうど自分の耳がジェフ・ミルズなんかのミニマル・テクノに疲れちゃったときにはじまったパーティなんです。ウェザオールもちょうどディープ・ハウスをやってるときで、「これはもうやるしかない」って思いましたね。俺も最初は客として行ってたんですけど、いいコンセプトだなと思ってDJやらせてくださいってオーガナイザーの蓑田くんにお願いしました。三田さんに「疲れました」って言ったら、「だろ!」って言われて(笑)。ちょうど三田さんもジェフ・ミルズからフィッシュマンズにシフトした時期でしたね。そんな原稿を三田さんが『エレキング』に書いてました。

あー、覚えている。ジェフ・ミルズのDJ聴いて、家に帰ってフィッシュマンズを聴いたっていう原稿あったよね!

ヨーグルト:そうそう、それで俺、三田さんに誘われて野音にフィッシュマンズ見に行ったら、三田さんがいちばんガン踊りしてました(笑)。

あー、それ俺も行った。バッファロー・ドーターが出たやつじゃない?

ヨーグルト:たしかそのときはバッファッロー・ドーターはいなくて、ワンマンでしたよ。ザックさんがPAやってました。ザックさんのPAがものすごくて、歌が聴こえないぐらいベースが出てて、「こんなアヴァンギャルドなミックスやるんだ」って驚きました。ON-Uを見ているような感覚でしたね。ほんと声がわかないぐらいディレイとEQがかかるのが良かったんです。佐藤さんのヴォーカリストとしてのエゴが感じられないライヴでしたね。そこが音楽的にはとても良くて、その日からフィッシュマンズの大ファンになりました。

とにかく、それで「スローモーション」でヨーグルトはデビューしたわけだけど、「スローモーション」が終わってから、さらに音楽活動が活発になっていくじゃない。90年代末にいっかいクラブが落ち目になったときがあって、その頃からヨーグルトは制作のほうもやるんだよね。すごいなーと思ってたんだけど、アップセッツ名義でプロダクションをやるあたりの経緯はどうだったんですか?

ヨーグルト:98年頃からMPCで楽曲制作をはじめて、エレクトロニカ的なビートものを制作しつつ、アンビエントにハマっていた時期に考えたアイデアをどこかで音にしないとすっきりしないって思ってたんですよね。90年代だと作りたいと思っても、まだパソコンの性能がそこまで良くなかったから、ある程度のミュージシャンじゃないと頭のなかで作り上げた構想はなかなか実現できなかったんです。で、2000年半ばにMPC叩いて作ってたスタイルからパソコンに全部移行したんですよ。そこでやるようになったら当時自分が考えていたことが具現化できることがわかって、2001年に『サウンド・オブ・スリープ』の1枚目としてリリースしました。実際は2000年にはもう出来てましたね。そのファーストCDはアンビエントだったんですけど、ファースト・12インチ・シングルはサイケデリックなハーバートみたいな曲でそれは700枚ぐらい売れました、いまより売れてる(笑)

知ってますよ。「アンコンヴェンショナルEP」(2001年)だっけ? 真んなかにアップセッツって書いてあるやつでしょ。レヴュー書いた覚えがある。

ヨーグルト:あれはハーバートと60年代のサイケデリック・バンドのレッド・クレイヨラとリー・ペリーをミックスさせたらどうなるか? っていうアイデアから生まれた楽曲なんです。

つねにサイケデリックだよね、つねに。

ヨーグルト:つねに(笑)、ってわけじゃあ......。

ヨーグルトのDJも本当にアシッディだしね(笑)。

ヨーグルト:あんまりあからさまじゃなくて出汁のように利いてる感じじゃないかと自分は思っているんですけど(笑)。コンブの出汁みたいな。

それでゼロ年代途中でジェット・セットに職場を変わって。でもバッサリやめて音楽活動に専念するんだよね。

ヨーグルト:ジェット・セットでは3年ぐらい働いてました。でもDJの活動が忙しくなってきたので思い切って仕事やめて音楽に専念したかったんです。

やっぱ売れてたんだね。

ヨーグルト:スタートが低いから売れてきているように感じているっていうのもありましたけどね。自分のスタートはフロアには誰もいない「スローモーション」のオープニングでしたから。

はははは。まあそれで、サイケデリックというコンセプトをヨーグルト&コヤスでもさらに展開していると?

ヨーグルト:その前にもいろいろあって、アンビエントも追求しつつ、快楽主義も忘れず、でもわりと生真面目に試行錯誤してたんですよ(笑)。ヒカルくんと2002年に出会ったのも大きかったんです。彼も出演した「FORESTED OVA」って野外パーティで自分のDJを聴いて気に入ってもらえて、自分もヒカルくんのDJを聴いてこれは!というモノを感じたので、「いっしょにやろうよ」ってことになって、2003年からヒカルくんのレギュラー・パーティにときどき参加するようになりました。当時からヒカルくんには熱心なファンがいましたね。20~30人ぐらいは来ることも多くて、それで平日でもパーティがガンガン盛り上がる時間帯があるんです。自分はそれまではラウンジやメインフロアの早い時間とかでいろんなタイプの音楽をかけることが多かったんですけど、ヒカルくんとやるとひと晩にふたりで2~3回交替しながら回すことが多くて、そうするとヒカルくんのDJでダンスフロアが大盛り上がりした後にDJするわけですよ、それが自分にはすごくいい経験になりました。面白かったし、そのドンチャン騒ぎを維持しつつフロアを作る技術というか、メインフロアのピークタイムのフィーリングを多少なりとも学んだのは彼のおかげですね。それまでは前座しかやれませんでしたからね。

やっぱDJも縦社会だからね。でもそれは仕方がないよ。だってジェフ・ミルズが客入れやるわけにはいかないし。

ヨーグルト:そうなんですよね、だからちょうどDJとしての活動が煮詰まってたときにヒカルくんに会ったんですよ。90年代に国内外の先輩DJたちから良いところを吸収して、ゼロ年代に入ってヒカルくんや自分らがワイルドに爆発させたってところがあるかも、ですかね、熟成させたっていうか。

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単純にサマー・オブ・ラヴだってわけではないです。その良質な部分をアピールしたいっていうか、レイヴ・トラックにもひどいのもあるじゃないですか。セカンド・サマー・オブ・ラヴのスピリットが埋もれてしまっているんじゃないかなって残念に思うことがあるので。

そうだね。アップセッツからはじまってどんどん自分を音楽生活にシフトさせていくじゃない、その上での大きかったことってなにかある?

ヨーグルト:いろいろな要因があるんですが、ヒカルくんとやってて、「ドッカンドッカン盛り上がっている局面でDJがプレイしてそこで通用する曲をつくらないと」って思ったことは大きなキッカケになったかもしれないです。当時はまだDJユーと曲作ってて、たまたまヒカルくんまわりにゼロっていうジャム・バンドがいたんですけど、彼らとスタジオでセッションして、それを再構築して、ダンス・トラックを作って、〈トライエイト〉からリリースしたのが2004年ですね(『グルーヴ・オン』)。そこからのシングル曲「エスノ」をDJケンセイくんがリミックスしてくれて、2005年に12インチでリリースされてそれが2500枚売れたんですよ。それが大きかったですね。

ヨーグルトがアンビエント寄りのものからアッパーな方向に行った背後にはホントにヒカルくんがいたんだね。

ヨーグルト:あとはそのときのケンセイくんのリミックスですね。ケンセイくんとはそれ以前から仲よかったんですよね。で、そのシングルが日本中で売れたんで地方に呼んでもらえるようになりました。

そこからまたドラッギーな旅がはじまるわけですね。

ヨーグルト:そうですね、90年代のいちばんてんやわんやな時代のノリに戻ったというか。

はははは。

ヨーグルト:で、2007~8年あたりに、それまでの00年代前半の自分のDJプレイは生音と電子音を融合させた音が多かったんですけど、どんどんテクノ化が進みましたね。現場で受ける音がどんどんテクノっぽくなったんです。「フューチャー・テラー」とかも、00年代前半はわりとダンス・クラッシックとかもかかってたと当時遊びに行っていた人たちから聞いたんですけど、どんどんテクノが流れる時間が長くなっていって。

僕が初めて行った頃も、まだソウルフルなディープ・ハウスが多かったね。

ヨーグルト:で、自分も自分なりにそっちの方向へ向って、ジェブスキっていうムーチーとネクサスってバンドをやってた彼といっしょにテクノ・トラックを作って、12インチ・シングルを〈トライエイト〉や〈ジェット・セット〉、〈ローズ〉から出したりしたんです。で、テクノへ本格的にシフトするあたりでコヤスくんと出会うんですよ。彼と話してみると卓球さんが好きだったりして。ジェブスキはソロ活動を開始するタイミングでもあったので、2007年頃からコヤスくんと共作する機会が増えていきました。

ヨーグルトも卓球好きなの?

ヨーグルト:めちゃ好きですよ(笑)。元旦に東京にいる時はリキッドに挨拶にいってます。卓球さん、俺たちの曲聴いてくれていて「『チル・アウト』いいよ」って伝えてくれたときは嬉しかったですね。あの卓球さんの快楽主義を貫く姿勢は尊敬しますよ、簡単にできることじゃあないじゃないですか。

快楽主義も良いけど、レイヴのあとの空しさったらないよ。二日酔いの翌朝の空しさもたまらないけどね。「なにやってんだろう、俺?」ってね。

ヨーグルト:俺もそんな気分を味わったことがあるのでわかりますよ。だけどそこで帰っていままで聴いてなかった音楽とか聴いて、それまで聴いても良さがわからなかった音楽がわかるようになってんじゃん、みたいなこともときにありますよね。「あれ? この曲やけにいい聴こえかたする」とか。そういう微妙だけど確実に何か変わっていることに気がつくと空しさも薄れるんじゃないですかね? レイヴを体験して感覚が変容することで、音楽だけじゃなく映画などアート全般に対する理解力が上がってそれまで以上に人生が楽しくなった人もいると思うんですよね。

ですかね。でもさ、たとえばトランスってドラッギーで入りやすいけど、空虚な音楽でもあるよね。ぶっ飛ぶためだけにあるから。心は満たされないっていうか、それがトランスの格好良さなんだけどね。

ヨーグルト:トランスの受け止め方も人それぞれで何とも言えないんですけどね。自分はトランスのパーティに漂う解放感は好きです。90年代のパーティ・カルチャーは自由を目指して、より自由にって爆走していたと思うんですけど、良いことだけでなくいろいろ問題も発生して、熟成期に差し掛かってきたのがいまなんじゃないですかね。

レイヴの自由って幻覚じゃない?

ヨーグルト:いやいや、すごいパーティで感じた体験はそう簡単には風化しないですよ。毎週のようにまあまあのパーティに行ってると空しさが爆発するかもしれないですが。どうしても空しさを感じたくないなら、DJやパーティを絞り込んで狙って、3~4ヶ月に1回行けばいいんですよ。一度や二度空しさを感じて、そのあとまったくパーティに行かなくなるのももったいない気がします。

はははは、たまには幻覚ぐらい見ないとね(笑)。俺も3~4ヶ月に1回は行きたいですよ。そういえば、ゼロ年代以降は、小バコの時代だったとも言えるよね。

ヨーグルト:〈グラス・ルーツ〉が盛り上がったり。

〈グラス・ルーツ〉って行ったことないんだけど、たとえば静岡だったら〈ラディシャン〉が居心地が良かったりするよね。小さいながらもスピリットを感じるっていうか。人と人との距離も近いから、話しやすいし。

ヨーグルト:でかい場所で何千人って人と同じ曲聴いて盛り上がるっていうのもありだと思いますけど。小バコだともっと音楽好きが集まって音楽性が高まる気がしますね。

まあ、敷居が低い分、音楽性は高くはないかもね。

ヨーグルト:いろいろな小箱があるから何とも言えないですけどね。俺は〈グラス・ルーツ〉でダメ出しされたこともありますよ(笑)。「キミはいろんな曲かけてるけど、ほんとに全部すきなの?」って言われて。好きな曲しかかけてないですけどね。そういう感じのコミュニケーションがあるのは小バコならでは気がしますね。ダンスフロアとDJブースが近いからこそ生まれる雰囲気はあると思います。

でも大人数のときの興奮はまた別のすごさがあるよね。

ヨーグルト:大人数で盛り上がるすごさにあらためて目覚めたのは去年のフジロックですかね。あのメインステージの音がムチャクチャよくて、あそこで考えが変わりましたね。なんですかね、あそこで1万人以上で盛り上がるのは......衝撃でした。ただ音が良いだけではない部分があると思いましたね。あの音に感動してPA業界に入る若者とかいるんじゃないかと思いますよ。

DJとしてのポリシーは?

ヨーグルト:新譜と旧譜をバランス良くプレイすることや、なるべく他のDJと選曲が被らないことは意識しています。「こんな選曲のDJは初めて聴いた」と言われたいです。その夜来てくれた人が「また来たい」って思いながら帰ってもらえたら嬉しいです。

先日ゴス・トラッドに取材したときに彼が言ってたんだけど、日本と欧米との違いは日本では曲を作るDJがまだまだ少ないってことだと。たしかにダブステップ世代のDJって、みんな曲作っているんだよね。むしろ曲作りが先で、それをプレイするためにDJしているんだよ。とはいえ、テクノが盛り上がった90年代なかば以後は日本でも曲を作る人がいっきに増えたよね。田中フミヤや瀧見憲司以降っていうか、ヨーグルトもそうだし、アルツとかノブくんとか、みんな作ってる。

ヨーグルト:作曲とDJがどんどん同じになってきてるのかもしれないですね。そんな流れのなかでオリジナリティを出すのはほんとに大事だと思います。自作の曲やエディットを作ってかけたり、スクラッチなんかをしたり、やり方はなんでもいいと思いますけど、DJプレイにおいてその人にしかできないことをやるのはこれからいままで以上に求められてくるでしょうね。自分はウェザオールが"ローデッド"をリミックスしたときからそれは感じてました。「DJってこんなに自由にやっていいんだ」ってね。

目標としているDJっている?

ヨーグルト:ミックスマスター・モリスは昔から好きです。

あー、昔からずっと好きだよね。

ヨーグルト:いま〈R&S〉傘下の〈アポロ〉のA&Rやったりしてて、視野がほんと広いんですよね。そこでジェームス・ブレイクとかをきっちりチェックしつつ......。歳とっていくと視野が狭くなる人が多いじゃないですか。でも、ミックスマスター・モリスはいまでも現役というか、しっかり新譜の動きをおさえているんですよね。すごくアナーキーなところもあるし......。コヤス・スタジオにデモ曲を制作するために泊まりにきたこともありました。
 他には、ニック・ザ・レコードも好きですね、あの人はお約束以外のディスコをうまくかけるじゃないですか。ズブズブのディスコを素人にはわからない感じでかけるのがすごい。何時間でも聴いていられる面白さがあります。

僕は今回のアルバムも『チル・アウト』も、聴いてつくづく思ったんだけど、基本的にはサマー・オブ・ラブの人だよね、ヨーグルトは。

ヨーグルト:根底にあるのは間違いなくそうですね、でもいろいろありつつですね。

それはいまは素直に受けとれないと?

ヨーグルト:けっこう世のなかの流れってかわるんですよね。まあ、基本的にはそこが大事なところですけど。どちらにしても『チル・アウト』と『サウンズ・フロム・ダンスフロア』は素直にやったというよりは微妙に批評性はあると思いますよ。

自分がここ数年ダブステップ系ばかり聴いていたからかな。なんて無邪気だろうって思ったんだけど。

ヨーグルト:セカンド・サマー・オブ・ラヴの頃に生まれた楽曲って勢いでやっちゃてるものが多い気がするんですが、自分でやっているものは、もっと落ち着いて見直して、セカンド・サマー・オブ・ラヴの頃に生まれた楽曲のどこが良かったかって考えてやってます。余計なものをそぎ落としたというか、むやみに意気込んでるわけではないですね。単純にサマー・オブ・ラヴだ、フリーダムだってわけではないです。その良質な部分をアピールしたいっていうか、セカンド・サマー・オブ・ラヴといってもレイヴにもひどいのもあるじゃないですか。そういうよくわからないレイヴにセカンド・サマー・オブ・ラヴのスピリットが埋もれてしまっているんじゃないかなって残念に思うことがあるので。

ヨーグルトの場合は、ゼロ年代に曽我部恵一を聴いているような若いリスナーのあいだで広まっていったよね。実際、ヨーグルトが好きっていう20代のロック・リスナーに何人か会ったことあるよ。

ヨーグルト:嬉しいですね! 最近では、大阪の奇妙礼太郎トラベルスウィング楽団のヨーグルト&コヤスリミックス(「機嫌なおしてくれよ」)が評判になって、10代から20代の人も聴いてくれてるみたいです。自分もロックを聴いててダンスに入っていったんで、ロックのリスナーにはシンパシーがあるんです。インディ・ロックを聴いているような子たちにダンス・ミュージックの魅力を伝えたいっていうのはあります。曽我部さんも「そういうことやりたいよねっ」て言ってくれているんですよね。

いま、どのくらいの割合でDJやってるの?

ヨーグルト:平均すると月に6~7本ぐらいですかね。

さすがですね。

ヨーグルト:でもヒカルくんとかノブくんとかケンセイくんはもっとやってますからね。

みんなすごいよね。

ヨーグルト:俺もこれからの『エレキング』に期待したいですね。

もう『エレキング』にはクラブ・ミュージックについて書きたいって人がいなくなってるからね。

ヨーグルト:萎縮してるんじゃないですか? それかブログやツイッターなんかで自分の思いを文字にして満足している人が多いのかもしれないです。

五十嵐とか暇を見ては手伝ってくれてるけど、大人でコンスタントに書いているのは僕と三田さんぐらいで、松村や二木なんかもたまに、1年に1~2回ぐらいは磯部も書いてくれているけど、他は20代なんですけどね。2012年はライターを増やしたいっていう目標があるんだ。

ヨーグルト:俺も書きますよ!

それは嬉しいな。ヨーグルトも昔の『エレキング』でもよくレヴュー書いてくれたよね。でも、やっぱもう言葉を必要としていないってところもあるのかな? テクノやハウスに関していえばもう充分過ぎるほど語られているから。

ヨーグルト:もしかしたら語るよりも体験しようって人が多いんじゃないですか。娯楽文化でもあるし、ヨーロッパではドラッグ文化のいち部でもあることが日本では書く人が少ない原因かもですよね。

関西なんてそれどころじゃないだろうしね。そういう意味ではね、今回のアルバムのアートワークが思いっきりダンスフロアを主張しているでしょ。このわかりやすいヴィジュアルをいまやるところにヨーグルト&コヤスの強い気持ちを感じたんですけど。

ヨーグルト:『チル・アウト』、『サウンド・オブ・スリープ&メディテーション』と2枚のアンビエント・アルバムを続けてリリースしたあとなので、今回は方向性が変わったことを明確にアピールしたかったんです。もちろんダンスフロアへの愛情をストレートに表現したタイトルでもあるんですが。ま、これは昔の『リミックス』も関係あるというか、それが原因みたいなものですよ(笑)。

というと?

ヨーグルト:2004年にさっき言った〈トライエイト〉から『グルーヴ・オン』っていうアルバムを出したら、それがどういうわけか『リミックス』誌の2004年の「アンビエント・アルバムNo.1」に選ばれて(笑)。「自分にはアンビエントってイメージが強くあるからなのか?」と軽く悩みました(笑)。これはマジで、もっとわかりやすくしないと音楽系のライターにすら通じないのに、一般の人たちにはまず通じないなと心の底から思って(笑)。それ以来、ダンスものはダンスものらしく、曲名もヴィジュアル的にもわかりやすくしています。

ひぇー、それはごめん。すいません!

ヨーグルト:河村さんがそうしたということをあとから知りましたけどね(笑)。それがトラウマでこうなってるんですよ。

え、じゃあ、まさか河村の影響で?

ヨーグルト:このタイトルなら誰もアンビエントだと間違えないでしょう。

重たい話になっちゃうかもだけど、ゼロ年代以降は店員の態度が悪いクラブも出てきたでしょ。疲れて階段で座っているだけで注意するような。入口で財布の中身まで見るとか。あれがクラブ初体験だったらリピーターにはならないと思ったことあるんだよね。〈イエロー〉や〈マニアック・ラヴ〉の時代は、お店のスタッフもみんな「こちら側」っていう感じだったけど、やっぱこの10年で好きでやっていた人たちが作っていったものと、商売ありきではじめた人たちとの差が出てしまったかなと思って。

ヨーグルト:〈イエロー〉や〈マニアック・ラヴ〉の店員の人たちの雰囲気はほんとによかったですもんね。クラバーがそのまま店員になった感じで。でも全国いろいろまわってるとナイスな店員さんに出会うこともあるし「こんなところにこんなクラブが!」ってこともありますよ。

気持ちのこもったクラブっていまでもあるんだろうけど、客の側から見てちょっとギブかなっていうのも混じってるからややこしいんだよね。たぶんヨーグルトやノブくんみたいな人たちはそういう場所を巡業しているんだろうし、だからこういうアルバムが生まれるんだろうし。ちなみにこのアルバムに込められたメッセージは?

ヨーグルト:ダンスフロアにはマジックがあるんだってとこですかね。


■all time to 10 albums by Yogurt
1. RED CRAYOLA / Parable Of Arable Land (International Artist)
2. MILES DAVIS / Bitches Brew (Columbia)
3. BOB MARLEY&WAILERS / Catch a Fire (Island)
4. ROLLING STONES / Black&Blue (Atlantic)
5. KING SUNNY ADE / Juju Music (Island)
6. SPACEMEN 3 / Dream Weapon (Fierce)
7. PRIMAL SCREAM / Screamadelica (Creation)
8. BASIC CHANNEL / Basic Channel (Basic Channel)
9. IRRESISTIBLE FORCE / It's Tommorrow Already (Ninja Tune)
10. BLAST HEAD / Head Music (Free Hand)

1/7(土) @八王子Shelter
1/12(木) @西麻布Eleven
1/14(土) @江ノ島Oppa-La
1/20(金) @中野Heavy Sick Zero
1/27(金)@渋谷Vision
1/27(金)@代官山UNIT/SALOON
1/28(土) DJ YOGURT Open To Last 6Hours@代官山Saloon
(The FieldがUnitに出演する日です)

他の出演予定の確認はこちらで
https://www.myspace.com/djyogurtfromupsets/shows

My Favorite Christmas Songs - ele-king

 2011年も残すところ数週間。先日も街を歩いていたら、レディ・ガガとビヨンセの歌う"クリスマス・ツリー"が流れてました。中古レコード店に入るとこんどはソロモン・バークの渋い"プレゼンツ・フォー・クリスマス"です。コンビニに入れば、ワム!の"ラスト・クリスマス"、セリーヌ・ディオンの"ブルー・クリスマス"、山下達郎の"クリスマス・イブ"......世のなか、ほとんどクリスマスだらけになります。
 独り身の方には、ザ・フォールの"ノー・クリスマス"のような曲もありますし、喧嘩中の方にはラモーンズの有名な"メリー・クリスマ"があります。
 僕はフィル・スペクターの『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー』がいちばん好きです。あのアルバムは世界でもっとも夢見がちなプロデューサーが作った最高に素敵なファンタジーではないでしょうか(周知のように彼は、ジョン・レノンと小野洋子の"ハッピー・クリスマス"のプロデューサーでもあります)。
 コクトー・ツインズの"フロスティ・ザ・スノーマン"も名曲です。いまどきのチルウェイヴやネオゴシックを追っている若いリスナーにはオススメです。スレイドの"メリー・クリスマス、エヴリボディ"はちょっと上級者向けかもしれません。ジョン・フェイヒィのクリスマス・アルバムはそれと反対の意味で上級者向けですが、クリスマスの曲は来る者を拒まないのが良いところです。フェイヒィの狂ったような技術によるクリスマス・ソングの演奏は、その日がクリスマスであることをも忘れさせるでしょう。
 僕は若い頃は、ザ・ポーグスの"ファーリー・テール・オブ・ニューヨーク"をよく聴いていました。この曲は僕のような賢くない人間にとっては本当に最高のクリスマスのファンタジーです。ぜひ歌詞を読んでみてください。もしもザ・ストリーツがクリスマス・ソングを作っていたら、こんな曲を書いていたでしょう。
 以下、ele-kingによる「30 classic songs」を思いつく限り、ざっと選んでみました。あ、レゲエのクリスマス・カヴァーを忘れてました。たくさんあり過ぎるのですが、僕は〈トロージャン〉から出ているボックスをいつも聴いています。
 高名な音楽評論家の湯浅学さんがクリスマス・ソングの蒐集家で、それだけで2000枚もあるそうです。現在、ライターの方々をはじめ、レーベルの方々、いろんな方々に「My Favourite Christmas Song」についてアンケートしています。お返事が来れば、発表します。お楽しみに!
 なお、読者の方のなかにも、以下のチャート見て、自分の「Favourite Christmas Song」が入ってないじゃないかという方は、ぜひこちらにメールください(ele-king@dommune.com)。お名前(匿名)、アーティスト名/曲名+コメントでお願いします。火曜日(20日)に締め切らせていただきます。



■30 classic songs by ele-king
1. The Ronettes - Sleigh Ride
2. The Pogues - Fairytale of New York
3. The Ramones - Merry Christmas (I Don't Want To Fight Tonight)
4. John & Yoko And The Plastic Ono Band - Happy Xmas (War Is Over)
5. John Fahey - Silent Night, Holy Night
6. Cocteau Twins - Frosty the Snowman
7. Slade - Merry Christmas, Everybody
8. Jackson 5 -Santa Claus is Coming to Town
9. Booker T & the MG's Jingle Bells
10. Yello - Jingle Bells
11. St Etienne feat. Tim Burgess - I Was Born On Christmas Day
12. Manic Street Preachers - Ghost of Christmas
13. James Brown - Go Power At Chirstmas Time
14. Ray Charles - That Spirit of Christmas
15. Wedding Present - No Christmas
16. Donny Hathaway - This Christmas
17. Bright Eyes - Blue Christmas
18. Miles Davis - Blue Christmas
19. The Kinks - Father Christmas
20. The Yeah Yeah Yeahs - All I want for Christmas
21. The Fall - No Xmas for John Quays
22. Johnny Cash - I Heard The Bells On Christmas Day
23. Stevie Wonder - -Christmas Time
24. The Supremes - My Christmas Tree
25. The Beach Boys - Little Saint Nick
26. Duke Ellington - Jingle Bells
27. XTC-Thanks For Christmas
28. Tom Waits & Peter Murphy - Christmas Sucks
29. The Only Ones - Silent Night
30. The Ventures - Christmas Album

●鴨田潤(イルリメ)

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
4年前、MXテレビの「5時に夢中」を見てたらエンディングテーマとしてこの曲が流れ初めて知り、好きになりました。シンセの音色が何というか、家庭的で良いです。

●大久保潤(大甲子園/Filth/メディア総合研究所)

Wizzard - I Wish It Could Be Christmas Everyday
Slade - Merry Christmas, Everybody
Gary Glitter - Another Rock 'n' Roll Christmas
T.Rex - Christmas Bop


一番好きなクリスマスソングは断然少年ナイフの「Space Christmas」だし、先日のライヴ・レポートにも書いたように「Sweet Christmas」も大好きなのだけれど、ちょっと違うのを挙げて見ます。シャッフルと相性がいいのか、グラム・ロックにはいいクリスマスソングが多いのでその中から4曲。ウィザードは定番中の定番ですね。すかんちがやってたカヴァーもよかった(まあコピーですが)。スレイドはサビのシンガロングがライヴだとさぞ大合唱であろうこれまた定番曲。ゲイリー・グリッターはシャッフルではなくロカビリー調なのだけど、軽快にスウィングせずにドタバタしたノリになるのがこの人の味。そしてT.Rexはたしかマーク・ボランの生前にはリリースされなかった曲。「T.Rex'mas」というフレーズも決まった楽しい曲です。

●タバタミツル(ZENI GEVA, ACID MOTHERS TEMPLE, LENINGRAD BLUES MACHINE、e.t.c...)

Caetano Veloso - In The Hot Sun Of A Christmas Day
実は今週の17日〆切りで「きよしこの夜」をソロで録音し、とあるポルトガルのネット・レーベルに送らなアカンのですが、まだ一音も録音していません! パニックなう! ホンマやったらそれを推したいところですが、まだ存在していないものを推す訳にはいきません(笑)。というワケで、「私の好きなクリスマス・ソング」はこれです。ブラジルは南半球で季節が逆ですから、こういうタイトルになったのでしょうね。ロンドン亡命中のアルバムの曲なので、望郷の念もあるのかもしれません。嗚呼、一度でいいから真夏のクリスマスを体験してみたい。サンタの格好でサーフィンしてやる。

●五十嵐慎太郎

James Brown - Funky Christmas(Album)
ワムや山下達郎等は今でも聞きますが、偉大なSOUL of GODの命日でもあるので上記のアルバムを選ばせてもらいました!

●鎌倉慎治

スチャダラパー - Santaful World
クリスマスと聞いて思い出すのはこの曲くらいです。この時期にちょっと聞きたくなって家の棚を探すけど、なかなか見つからないのが恒例で、持ってなかったということに毎年気づかされるのです。

●ひろぽん(某レーベル)

Mariah Carey - All I want for Christmas is You
「Last Christmas」と迷いました。直観的には大嫌いな類の音楽のはずなのに、実際にこの曲を聴くと年の瀬の実感が湧き、師走の中にも幼少のクリスマスの良き思い出と共に平穏と幸福感がナゼか訪れる。

●三田 格

レジデンツ - ダンボ、ザ・クラウン(フー・ラヴド・クリスマス)
これは初めて聴いた時から耳に入り込んで心臓に達してしまいました。レジデンツは「サンタ・ドッグ」を何回もレコーディングし直してるし、何かこだわりがあるとしか思えませんなー。「戦場のメリークリスマス」やシュガーキューブス「バースデイ(クリスマス・リミックス)」も好きですけど。

●西岡由美子(Americo)

飯島愛 - あの娘はハデ好き
聴くたびに泣いてしまう曲です。歌詞はご本人のペンによるもの。この曲が収録されたアルバム『なんてったって飯島愛』はクリスマスをテーマにしたファーストにしてラストアルバム。モータウン歌謡、ボッサ歌謡、モノローグ...愛さんの臆病さと果敢さが入り混じったヴォーカルがかっこいいです。

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●world's end girlfriend (Virgin Babylon Records)

Bing Crosby & David Bowie - Peace on Earth / Little Drummer Boy
1977年、テレビのクリスマス特番でBing Crosby とDavid Bowieが共演し、あまりの評判の良さにシングル化されたもの。唯一無二の声を持つ二人の唄が絡み合う瞬間、互いの個性が打ち消し合うことなく奇跡的に共鳴し神聖な空気に充ちる。

●DJ YOGURT(UPSET REC)

Keith Richards - Run Rudolph Run
Chuck Berryのオリジナルよりキースのカバーの方が好き。PoguesのFairytale Of New Yorkとどちらを挙げるか迷ったけど、Poguesの方は誰かが挙げると思ったし、2011年はキースの読み応えたっぷりの自伝「LIFE」も出たことだし、でキースの78年リリースシングル曲をチョイス。マライアキャリー等が歌っているような典型的なXmas Songに漂う華やかさは嫌いじゃないけど、自宅でPoguesとKeith以外のXmas Songのレコードを聴くことはほとんど無いかも......

●太田真司(Hostess)

R.E.M. - Christmas Griping
今年、惜しまれつつも解散してしまったR.E.M.。僕の青春のバンドです......。実は毎年ファン・クラブ会員向けにクリスマスに彼らのお気に入りのクリスマス・ソングをプレゼントしていたのですが、1991年に初めてオリジナルのクリスマス・ソングを発表したのがこれ。ファンになった当初は、聴く術も無かったのですが、今では進みまくったNET文化のおかげで、過去の貴重な音源を聴くことも簡単に。『Out Of Time』と『Automatic For The People』のリリースの間の、超人気絶頂期だった当時のR.E.M.。そんな彼らが、メンバーの家族やマネージャーも参加させて、かなりリラックスして作りつつも、歌詞は彼ららしい皮肉の効いた楽曲です。
曲はこれ↓ 

●三船宏志(恵比寿リキッドルーム)

TICA - WONDERFUL CHRISTMAS TIME
JINTANA & EMERALDS - Last Christmas

ともに良いカヴァーです。

●シュンタロウ

Big Star - Jesus Christ
ギターフレーズが降らせる雪の中で、アレックス・チルトンが消え入りそうな声で「Jesus Christ was born today.」と歌う。たまんねーっす。アメリカの田舎でひっそりと過ごすクリスマスって感じです。

戸張大輔 - 無題6(ドラム)
日本の感受性豊かなニートのクリスマスです。大学生受けが良さそうです。

The Flaming Lips - Christmas at the Zoo
頭のおかしい奴の最高にハッピーなクリスマスっす。

●WHY SHEEP
「以下、ホワイ・シープの"クリスマス・ソング講座"」

David Sylvian & Ryuichi Sakamoto - Forbidden Colours

つまり「戦メリ」なんだけど、原曲もいいがやっぱりこっちのほうがいい。David Sylvianと教授は本当に良い組み合わせだと思う。この曲は真の意味でのコラボで上に乗せた歌の旋律は全部David Sylvianが作ってるわけで、この単純なコード進行の上にこれだけ豊穣な旋律を乗せていることを聴き取って。

The Three Wise Men (Aka XTC) - Thanks For Christmas

XTCってアンディー・パートリッジのことばっかり語られるけど言ってみれば彼はbeatlesにおけるジョン・レノンであって、旋律を作る才能はコリン・モールディングのほうが格段に上。つまりマッカートニー。

Band Aid - Do They Know Its Christmas
これによって「音楽って本当に世界を変えられるかも?」と思わせてくれた。今となっては音楽やってるどうかもわからない人も参加してるけど。ハイライトはBonoとStingのかけあいでしょうやっぱり。まだ覚えてるけど高校生のときに発売日に茅ヶ崎のレコード屋に開店前かけつけて買った。ちなみに12 inchにのみ収録されたいたExtend Mixは参加アーティストのインタヴューが収録されていて、参加してもいないのにDavid BowieとPaul McCartneyのコメントが入っていた。あいつら大御所すぎて当時は斜陽だったBob Geldofなんか相手にしてなかったんだろうな。後で後悔したことだろう。Bowieは天才に間違いないが偽善者だと思う。参加してないくせにあのコメントはない。

David Bowie - When The Wind Bolws
原爆アニメ映画「風が吹くとき」のタイトルトラック。どうしてクリスマス・ソングとして扱われているかというと、映画の原爆が爆発した日がクリスマスだから。プロデュースはピンク・フロイトのロジャー・ウォーターズ。クラシカルな曲調に声帯ブルブルのBowieのテノールがよく合ってる。311以降1ヵ月はずっとこの曲を聴いてました。映画もお勧め。自分と同じ庶民というのはどれだけ情報統制下にあるのかということを思い知らされる。

David Bowie and Bing Crosby - Little Drummer Boy - Peace On Earth
当時イケイケだったBowieが大御所Bingに対等に挑んでるところはすごいと思う。もともとテレビの企画でやったもので、寸劇の中でやったものが素晴らしい出来なのでレコードになったもの。フル・ヴァージョンはそのドラマセリフもついてます。近所に住んでるBowieがピアノの音が聞こえたというのでBingの家をいきなり訪問したという設定。会話も洒落てます。

John Lennon - Happy Christmas
たぶんこれが20世紀に作られたクリスマス・ソングではナンバーワンなんだろうな。早くこの詩が歌ってるような世界になりますように。それ以上は、この曲については語ることがないというより語りたくない。

Chris Rea - Driving Home For Christmas
名曲とまでは言えないけど、いいよねこういうホームランを狙わない謙虚さ。クリスマス休暇に合わせて家に車を飛ばす中年男の気持ちを歌ってる曲。PVもそれに合わせて作ってた。彼の中ではOn The Beachの次にヒットした曲じゃないかな。

Billy Joel - Nobody Knows But Me
彼の作ったたぶん唯一のクリスマス・ソング。クリスマスに関することは曲中一切言ってないけど。後もう1曲、「She's Right On Time」ってのがあるんだけどこっちはそこそこ。、『n Harmony 2』Iというクリスマス企画盤にのみ収録された曲です。レコードでしか出てないはず。持ってることが自慢。なぜいいかって? billyだから。

The Pogues - Fairytale Of New York
これもタイトルにはクリスマスはないけど詩の内容でクリスマスの情景とわかります。男声女声のかけあいがいい。Irishな感じもいい。

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
ジョン入れたらこれ入れないわけにはいかないよ。名曲であることは間違いない。ジョンと対照的に何の思想もないところがPaulらしくてかえっていいのかも。

Paul McCartney - All Stand Together
これもPaulらしさ全開。名曲とまでは言えないが、全編、オーケストラと動物の鳴き声だけというのはすごい!

The Beatles - Christmas Record (1963-1969)
Beatlesって公式のクリスマス・ソングはないと思うのだけど、これはBeatlesがファンクラブの為に毎年出していた限定レコード。曲というよりコント劇なんだけど、1968のヴァージョンの冒頭は「Christmas Time Is Here Again」という、「All Together Now」に似た曲を披露してます。どの年のか忘れたが皆でべろべろに酔っぱらって「Yesterday」のパロディーやってるのがハイライト!!!

佐野元春 - 聖なる夜に口笛吹いて-Christmas Time in Blue
佐野さん入れないわけにいかないでしょう。やはり元代理店だけあって、マーケッティングを考えすぎてるところは今考えると残念だけど曲は良い曲です。ジョン・レノンへのオマージュです。

山下達郎 - Christmas Eve
なんだかんだ言って、日本人の作った最高のクリスマス・ソングはこれだと思う。途中のコーラルのパートがなかったら違うかもだけど。そういう意味では日本人版のボヘミアン・ラプソディーだ。つまり誰にもカバーできないってこと。

ぷっちモニ - ぴったりしたいX'mas
つんく♂を侮ることなかれ。冒頭の「素敵な人出会いますように!」が「サンタが街にやってくる」の引用であることにどれだけの人が気づいただろう?そしてキャンディーズへのオマージュ。感動はしないが良くできた曲。モー娘はAKB48よりずっとおもしろかった。

ここからはスタンダード・トラック
Wynton Marsalis - O Come All Ye Faithful 神の御子は今宵しも
Wyntonはトランぺッターですが、これはピアノだけ。スタンダードだけど、この曲の一番好きなヴァージョン。一人でイヴを過ごす人はこれを聴いてください。

Little Drummer Boy - Silent Night
Auld Lang Syne /Jimi Hendrix-Silent Night
腐っても鯛。ラリっててもジミヘン!素面で弾いてるわきゃない!!!

Lauryn Hill - Little Drummer Boy
スタンダードのクリスマスソングを自己流に解釈しているという点においてこの曲はいままでで最高でした。時代は過ぎても色あせないアレンジ。そして歌唱法。

Stevie Wonder - Ave Maria (Someday At Christmas)
これは自己流の解釈というよりアフロ・アメリカンにどうしてもなってしまうんだろうけど、シューベルトが聴いたらどう思うんだろうか。僕は子供の頃から聞かされすぎて意味はまったくわからないのにラテン語でソラで歌えますが、スティーヴィーのこれを聴いたときはぶっ飛んだ。素直に負けを認めるしかない?

Eagles - Please Come Home For Christmas
これも名曲。ずっとEaglesのオリジナルと思ってたら違うらしいんだけど、ほとんどオリジナルみたいになっていて、再結成コンサートでイントロが流れた途端オーディエンスが狂喜していた。アメリカ大陸に渡ったクリスマス。切ない曲です。

Why Sheep? / Somewhere At Chrismas
最後に持説を。クリスマス・ソングというのは一人のアーティストが一生に一回だけ作っていいものなんだ。本当に優れたアーティストは2回ぐらいまではやっていいけど。つまりそれだけ満を持して、渾身の一作を作らないといけない。手前味噌でなんですが...自分がいままで作ったメロディーの中でもっとも美しいメロディーだったのでクリスマスソングにしました。Why Sheep?ならではのWorld Musicの果てにあるクリスマス・ソング。レヴィ=ストロースに捧ぐ。次のアルバムの収録予定だけど、クリスマスだけこれを読んでくれた人に限定公開します。
https://soundcloud.com/why-sheep/somewhere-at-christmas/s-r8jFf

(補足)
大切なことを言うのを忘れてました。
いいかい。君がもし敬虔なクリスチャンじゃなくて、恋人もいなくて、家族からも離れてて、クリスマスもイヴも一人っきりですごさなきゃいけないと しても、だからってファック・オフ・クリスマス! なんて思わないでほしいんだ。たとえば日本のバレンタイン・デーが製菓メーカーが都合よくでっちあげた イベントだって話がある。なるほどそうかもしれない。だけどそれがどうだっていうのさ? 便乗して金儲けしたいやつらには今のところはさせておけばいい。
日本のバレンタイン・デーは日本人みたいなシャイな連中がきっかけつけて愛を告白できる日じゃない。クリスマスも同じことなんだ。しかもクリスマ スは恋人限定じゃない! クリスチャンかどうかなんてことは関係ない。ジョンだって誰にも当てはまるように歌ってるじゃない。人間だから、どんなにがん ばっても許せない人がいてもおかしくない。それが人間ってもんだ。
だけど、1年のうち1日だけは全部許す日があってもいいじゃない。次の日からまた憎らしくなるとしてもきっと以前よりなにかが少し変わってるはずなんだ。

●Anchorsong

モグワイ - クリスマス・ステップス" (from "Come On Die Young")
クリスマスの華やかさと一切無縁の男臭さがいいかなと。

●YODA (HORIZON / SLYE RECORDS)

The Kinks - Father Christmas
クリスマスソングといえばパンクの嵐が吹き荒れてた1977年リリースのこの曲、もうすっかり大人になってしまったレイ・デイヴィスが若者にむけたクリスマス・ソング。でもちょっとひねってあるところがキンクスです。この曲はシングルのみの発売でB面のタイトルは『Prince Of The Punks』。

Furyo - Kayashi
そして1998年以降からずーっと12月1日から12月24日までの間でDJがある時にかけているのがこの曲。今はなきAdditiveというレーベルから、多分ドイツの人による戦メリのカバーです。Furyoというアーティスト名もKayashiという曲名もまったく意味不明だったのですが、調べたら映画『戦場のメリークリスマス』の英語タイトルがFuryoでした、これは俘虜ってことですね。なるほど。

●鷲巣功(静岡ロックンロール組合/首都圏河内音頭推進協議会議長/高校の先輩)

 お前、なに今頃こんなことやってんだ。こういうのは10月校了、11月中の発売だぞ。その昔、バッドニューズから「ベスト100クリスマス・レコード」というのを出した事があった。内容はかなり自信があったけど、出来上がったのが12月20日頃で、当然売れなかった。売る期間がなかったのである。FMディレクター時代にも「わたしのトップ・テン」という番組でクリスマス盤の特集を企画した。パイド・パイパー・ハウスの紹介で杉本ユキコという人に来てもらって、奇盤、珍盤ほかを紹介した。確か一位が大瀧詠一の「クリスマス音頭」だったはず。この時、彼女に一緒についてきたのがまだ世に出る前の湯浅学だったと記憶している。
 さて、わたしのはチップマンクス クリスマス・チップマンクス(東芝EMI TOCP-67281)だ。クリスマス物はノヴェルティ・レコード収集の第一段階だ。いろいろと思い出深い物がたくさんあるが、今日はこれにしておこう。この時期になると、シャイ・ライツの「ハヴ・ユーン・シーン・ハー」と「北風の中で」を聞きたくなる、という現象もなぜか起こる。さあ、もう2012年だ。

●二木 信

井上陽水 - お願いはひとつ
「ジキル、ハイドまでがクリスマスプレゼントを買う/野外音楽場の外で/子供達の歌う賛美歌にも賛美されない」 こんなシュールな歌詞を意味もわからず歌いまくってた小学生の頃から、クリスマスになると、この曲が頭の中をループしてウキウキします。この曲が入ってる『LION&PELICAN』は音も歌詞もかなりユニーク。宮沢賢治を皮肉る「ワカンナイ」も面白いし、沢田研二のために作った「背中まで45分」のセルフ・カヴァーなんて極上のアンビエント。カラオケ行きたくなってきた~。

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●ママケーキ(静岡県)

K Foundation - K Cera Cera (War Is Over If You Want It)
エレキングと言えばKLFでしょう!イスラエルのレーベルからシングルが出てて中身はマッシュアップの合唱という謎盤。youtubeでしか聞いたことない

Captain Sensible - One Christmas Catalogue
ニューウェーブの可愛らしいクリスマスソングだけどビデオ見たら意味深だった。ポーグスももちろん好きですが。一昨年くらいにバンプオブ某というバンドが丸パクリしててその元曲とかけ離れたキレイ事っぷりに心底腹が立ちました。

●Photodisco

Darlene Love - All Alone On Christmas
映画『ホーム・アローン2』挿入曲。子供の頃、映画『ホーム・アローン2』を観て知り、毎年この季節になると聴いているクリスマス・ソングです。バブルが愛おしいです。

●田鹿 健太( リトルテンポ、GOMA & The Jungle Rhythm Section )

Omara Portuondo & Chucho Valdes"OMARA & CHUCHO"
今年10月、僕が18年間お供しているラテン歌手、よしろう広石の歌手生活55周年記念コンサートがあった。その時のスペシャルゲストが、ブエナビスタソシアルクラブのディーバ、オマーラポルトゥオンド。この日のためにキューバから駆けつけてくれた。
僕は幸運にも、彼女とは三度目の共演。いつも自由かつグルーヴィ。とてつもなくおおらかでありながら、オチャメで乙女な彼女にいつも感動させられる。この日も、ステージを観たみんなを虜にしたに違いない。
そんな彼女の歌が堪能できる、僕が一番好きなアルバムがこれ。イラケレのリーダー、チューチョのピアノと二人きりで録音されたこの作品。喜び、怒り、哀しみ、出逢い、別れ......。彼女の生きざまがのりうつったかの様な歌を、ぜひ聴いてください!

●松村正人

Roland Kirk - Christmas Song
 このメル・トーメのカヴァー曲は晩年期だけあって、往年のこってりした感じと較べると精彩を欠くが、カークらしい茶目っ気は健在である。二歳で 盲目になって、この二年前に脳溢血よる半身不随から復活した。私はこの時期どうしてもローランド・カークを聴きたくなるのは、その生命力に鼓舞され、たん に黒人音楽としかいいようのない昂揚感が南国うまれには寒すぎる冬をあたたかくするからかも。カークはどれもクリスマスにぴったりだと思うんですけど ねー。

●加藤綾一

GOING STEADY - 銀河鉄道の夜
彼らにとってのクリスマス・ソングと言えば、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』的な敗者のロマンティシズムがむせ返るほど充満している「惑星基地ベオ ウルフ」がそれに当たりますが、でも今回はこちらをセレクト。銀杏BOYZのスロウなヴァージョンも、続編となる「第二章~ジョバンニに伝えよここにいる よと」もすごくいいんですけれども、GOING STEADY時代のこちらのヴァージョンは、コーラス部分で松任谷由実の「守ってあげたい」のメロディをモロになぞっていて、ぐっときます。特にクリスマ スについて歌っているわけではありませんが、間奏のギター・ソロはかのバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」からの引用だったりしますし、(僕はクリスチャ ンという訳ではないですけれども)便乗して、この曲を聴きながら誰かに想いを馳せるというのも悪くないんじゃないかなと思います。あとは仕事帰りに売れ残 りのケーキとビールでも買えれば御の字です。

●沢井陽子

The Music Tapes Covered Louis Armstrong - Is Zat You Santa Claus」
Natalia paruz - HARK! An angel sings
John zorn -ツ黴€ Dreamers Christmas

クリスマスソングは、このあいだのミュージック・テープスのキャロリングで、最後にプレイしていた、面白いサンタ・ソングがあり、それが好きだっ たので、曲名を聞くと、「Is Zat You Santa Claus?」。ルイ・アームストロングのバージョンに影響を受けたらしい。
アメリカにいると、日本ではあまり知らない、本場(?)のクリスマス・ソングがたくさん聞けて楽しい。先日、アザーミュージックというレコード店 に行って、店員に「クリスマス・ソングでオススメある?」と訊いたら、うーん、としばらく考えた後、「シンギングソウでクリスマス・ソングをプレイしてい る素敵なアルバムがあるよ」と言われたので、「もしかしてこのあいだ見た、ミュージック・テープス?」と期待したら、ナタリア・パルズという女の人だっ た。「このクリスマスアルバムは、ほとんどが誰でも知ってるクリスマス・ソングをカバーしている、僕が好きなのは1、2、3番目と......彼女はすごいよ」と 熱っぽく説明してくれた。
今年出たクリスマス関連リリースは、アザーミュージックではジョン・ゾーンの7インチしか見つからなかった。定番だしもうネタがないのかな......。クリスマスだからって、クリスマス・アルバムを出す時代が終わったのかな。

●YYOKKE / ODA / NITES / TSKKA (CUZ ME PAIN)

Nite Jewel - All I Want For Christmas Is You
NITE JEWEL、まさかのマライアをカバー。2010年の暮れには誰もが予想してなかったと思われるこのギャップ感は心踊ります。7インチのみ収録というところが特別感があって更に良いですね。

●NHK'KOYXEN (SKAM/RASTER-NOTON/PAN)

Martin Neukom - Studie 18.9 - (Domizil 2007/2008)
好きなクリスマスソングとか、わからなかったですが......。

●木津 毅

The Flaming Lips - White Christmas
以前年下の女の子に「何歳までサンタクロースを信じてました?」と聞かれたとき、「いまでも信じてるよ!」と元気良く答えたら「ああー」と気の毒そうな顔をされたことがありますが、恰幅のいいヒゲのおじさんが愛を届けにやって来る......と信じたいのは本当です。
そういうわけでクリスマスに(サンタに)オブセッションがある僕は大抵のクリスマス・ソングは好きなのですが、それはザ・フレーミング・リップスの影響かもしれません。彼らほどクリスマスを繰り返しモチーフにしているバンドもいないと思うのですが、それは「サンタクロースを信じる心」と彼らのサイケデリアの哲学がよく似ているからでしょう。彼らならではの頭のネジが数本吹っ飛んだような"ホワイト・クリスマス"はライヴでよく披露されますが、ヘロヘロで感傷的で優しく、あまりにドリーミーで泣きたくなります。フロントマンのウェイン・コインが中心に作った自主制作映画『クリスマス・オン・マーズ』もすごくて、前半はほとんど悪夢のようなバッド・トリップのイメージの連続。でも、そこにこそサンタクロースはやって来るんです! エイリアンですが。
今年も僕はサンタクロースを待つことにします。良いクリスマスを!

●宍戸麻美(Qetic)

戸川純 - 降誕節(84年Yenレーベルコンピ「We Wish You A Merry Christmas」より)
クリスマス・ソングというテーマに意外と苦戦......ということでカバーーソングで考えてみました。正直、John Zorn クリスマスコンピにあるマイク・パットンが唄う"The Christmas Song"と迷ったのですが、やはりここは女性脳で考えて戸川純さんの"降誕節"かなと! クリスマス賛美歌の"荒野の果てに"をカバーしているのですが、イノセントワールド全開な戸川さんの少女声(ボーカル)と途中にはいってくる打ち込みのリズムが単なる賛美歌カバーとは思えない。病みつきになる1曲です!

●金沢俊吾

Vaughn Monroe - Let it snow
ロマンチックで甘く切ないクリスマスのイメージが築かれるのに、クリスマスソングは大きな役割を果たして来た。その中でも、元祖のひとつであり数多くのヴァージョンが存在する"Let it snow"だが、リリックに直接「クリスマス」といったワードは出てくることはない。描かれているのは、雪の降る夜に暖炉を挟んだ男女の甘い駆け引き、それのみだ。
だが、これは僕に取ってクリスマスソング以外の何ものでもない。なぜなら、そのメロディとブラス、そして軽やかと物鬱げの境界線に立ったボーカルが、「ロマンチックで、甘く切ない」クリスマスのイメージを、そっくりそのまま映しているからだ。映画『ダイ・ハード』でパーティーのシーンにこの曲が使われるのも、季節がクリスマスなのだと誰もが一瞬で感じ取ることが出来るからに他ならない。「クリスマス」というリリックや、ベルサウンドなんか無くても、この曲はどんなクリスマスソングよりも強く、僕の脳内にクリスマスのイメージを流し込んでくる。

●野中モモ(Lilmag)

Sparks - Thank God It's Not Christmas
Pet Shop Boys - It doesn't often snow at Christmas


「ポピュラーな日、ポピュラーなやりかた
それは選ばれし者のためのもの
僕や君のためじゃない あきらかにね」(Thank God It's Not Christmas)
35年以上前の曲ですが現在も古びずロマンティックですね!

「クリスマスのメッセージなんてとっくの昔に消え去った
いまじゃショッピングと何がいくらするかの話ばかり
善意もあるけど作り物のお楽しみ、
クリスマス・ナンバーワンがどの曲か
クリスマスに雪なんて滅多に降りゃしない
本来そうあるべきなのに
でも僕はクリスマスに胸が熱くなるのさ
だって君といっしょだから」(It doesn't often snow at Christmas)
イギリスではクリスマスの週のヒット・チャートが、言ってみれば日本における紅白歌合戦のように大きな注目を集めます。賭けの対象になったりして。2000年代半ばからテレビのオーディション番組の優勝者がクリスマス・ナンバーワンを攫う年が続きました。これを阻止すべくレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがSNSを利用したキャンペーンを張り、2009年に見事"Killing in the Name"をナンバーワンに送り込んだのを記憶しているかたもいらっしゃるのでは。あの年、ペット・ショップ・ボーイズもクリスマスEPをリリースしていたのでした。失われたクリスマスの意義、失われたブリティッシュ・ポップの輝き、でもほらこうして生きているじゃない。残念ながら40位という結果に終わってしまいましたが、俗で安っぽくて貴くて私は大好きです。

●橋元優歩

ベンジャミン・ブリテン作曲『キャロルの祭典』より"ゼア・イズ・ノー・ローズ(There is no rose)"

名演をユーチューブで見つけることができませんでしたが、この曲については少年少女による演奏が好ましいというのが私見です。声変わりする前に歌いたかったクリスマス・ソング。けれどTranseamus/Alleluia/Resmiranda/Pares forma/Gaudeamus/Transeamusというラストのくだりなどは、もし今やるならジェイムス・ブレイク以上に似つかわしいアーティストはいないでしょう! ぜひこの曲にビートを入れてほしいです。

●渡辺健吾

鈴木さえ子 - I Wish It Could Be Christmas Everyday
キリストより1日早く生まれたけど、まぁガキの頃からそのおかげでクリスマスなんてめんどくせぇ! とかしか思えなかった。だから、クリスマス・ソングなんてものも、煩いだけであった。唯一好きで繰り返し聴いたのは、鈴木さえ子のデビュー盤『毎日がクリスマスだったら...』(83)のタイトル曲、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」。デビュー当時の鈴木さえ子は素人っぽいキュートな声と宝石箱のなかで遊んでるようなキラキラしたサウンド(当時の夫、鈴木慶一との共作)の融合がとってもフレッシュでファンタスティックだった。アルバム全体を通して偏執的な凝った音作りとポップさのバランスがすばらしいんだけど、少し強迫的なリズムで次々表情変えながらもリリカルさを失わないこの曲は、特にサイコーなんである。去年のクリスマスに、ご本人が「クリスマスの日には世界の戦争も休止するのです。私なりの反戦歌なのです」とツイッターでつぶやいていて、かつて子供なりにこの不思議な歌詞の世界には何が隠されてるんだろうなんて思ってたわけだけど、そういう背景だったのかとかなりびっくり。同時に、リリースからこんなに時間がたってるのに、アーティスト本人からこんな裏話を聞けるなんてインターネットすげぇ! なんて無邪気に喜んでしまいました。

●SUMMIT

山下達郎 - クリスマス・イブ
メロディが好きですね。
色々考えましたがこれが一番です。

●Lil MERCY (PAYBACK BOYS / Los Primos)

CRACKS BROTHERS - BAD SANTA (cracks christmas)
今年の冬はこの曲をもらってから、ずっと聴いてました。あとは知らないってこと。CRACKS "MF" メリークリスマス SHIT。

●安孫子真哉(銀杏BOYZ)
 
浜田雅功と槇原敬之 - チキンライス
しんしんと雪が降り積もる東北のクリスマス。古い木造の一軒家。
不似合いなクリスマスケーキに照り焼きチキン。ブラウン管からドリフ大爆笑。
家族と静かに過ごす。サンタさんに欲しいおもちゃなんか書いた手紙に十円玉をのせて布団に入る。
翌朝、目が覚めるとそこにはおもちゃは無く、赤と白の靴下の形をした箱にお菓子が入ってる。
子供の頃のクリスマスは大体いつもそんな感じ。
相変わらず大人になってもクリスマスは出来るだけ街の喧騒には入らず家で静かに過ごしたい。
そんな時頭の中でふと再生されるBGM。

●チン中村(銀杏BOYZ)
 
the ピーズ - クリスマス
最初に浮かんだのがこの曲でした。
「終電 線路にヒトが落ちる」からはじまるこの曲が僕にとっては
東京のクリスマスにしっくりきます。
なんかギリギリで、やさしいです。

●ハヤカワ(KIRIHITO、高品格、Jajouka)

ARB - ブラッククリスマス
高円寺のレンタルビデオ屋で"さらば相棒"借りて観ようかな...。

●DJ END(B-Lines Delight/Dutty Dub Rockz)
 
RSD - SNOWMAN
クリスマス・ソングを意識する粋な習慣は全くなく悩んだあげく、Bass的にコレを(ソングじゃなくてすいません)。昨年冬にRSD師がおすそ分けしてくれたクリスマス・スペシャル・ダブ! 今年はプレイ出来そうにないですが、いつかこんなトラックをカッコよくプレイしてみたいもんです。

●山田蓉子
 
Zooey Deschanel and Leon Redbone - Baby It's Cold Outside
大好きなおバカ・クリスマス・ムービー「エルフ-サンタの国からやってきた」の中でズーイー・デシャネルがシャワー・ルームで歌っているところに、歌につられて侵入してきたウィル・フェレルが歌をかぶせてきてズーイーちゃんに「出て行けスケベ!」と怒られるシーンで使われてました。ウィル・フェレル作品にしては心温まるヌルいラストは別にして、なかなか笑えるし、ズーイーはかわいいし、「サウンド・オブ・ミュージック」と対極をなす私のお気に入りのクリスマス・ムービーです。サントラではレオン・レッドボーンとの渋さ倍増デュエットで収録されてます。

●Alex from Tokyo (Tokyo Black Star, NYC)
 
Coati Mundi - No more X'mas blues (Rong music)
NYCの伝説バンドKid Creole and the CoconutsのCoati Mundiによる「今年こそはサンタを捕まえていいX'masを迎えるぞう!」的なお笑いクリスマス・ディスコ・ソングです!  2009年のX'masにリリースされてから毎年プレイしている大好きなヒューモラスなパーティX'mas ディスコです。

●Eccy(Slye Records / Milk It)

Jun Kawabata - Equinox
友達が5年前くらいにユニオンでなんとなく買ったこのCD、アーティストの情報も全く分からないし、音も激悪いんですが、個人的な思い出がつまってる曲です。

●YOHEY

Mark Mothersbaugh - Joyeux Mutato
毎年必ず聴いている1枚です。大好きなクリスマス・ソングは他にもたくさんありますが、音色に関してはこのアルバムが一番理想のクリスマス!

Chart by JET SET 2011.12.05 - ele-king

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1

FRISCO

FRISCO VIRTUAL INSANITY »COMMENT GET MUSIC
各方面から絶賛されている5thアルバムから、注目の7"シングルが登場!Alton Ellis定番曲のオケに絶大な人気を誇るRickie-Gのヴォーカルという、鉄板の組み合わせによる傑作カヴァー。エレガントな一時を演出してくれる カップリングの"Ska Devil"共に必聴です!

2

WHO KNOWS?

WHO KNOWS? SAY GOODBYE TO THE JOBS EP »COMMENT GET MUSIC
前2作も恐るべしカルト・ヒットを記録、DJ Harvey, Idjut BoysらトップDJのへヴィ・プレイも話題となった"Crue-L"ボス瀧見憲司氏手掛けるリエディット・シリーズ"Who Knows?"から待望の新作Vol.3が新着。

3

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN SWEET POWER / SUMMER MADNESS »COMMENT GET MUSIC
ビッグ・ヒットを記録したセルフ・レーベル最新作Vol.5からの勢いをそのままに、原曲の陶酔感を最大限に引き出しながらフロア・アップデートを果たした特大傑作リエディット2作品をカップリング。

4

TERRENCE PARKER

TERRENCE PARKER LOST TREASURES VOL 1: LOVE'S GOT ME HIGH »COMMENT GET MUSIC
京都発"TR Kyoto"からの12"リリースも記憶に新しいデトロイトの重鎮Terrence Parkerによる'95年作品"Love's Got Me High"を、現行シーンの要人2方がリミックス。両サイド共にお勧めです。

5

MASAMATIX

MASAMATIX MOVIN' EP »COMMENT GET MUSIC
2011年6月に長い沈黙を破りついにリリースされたソロ・アルバムからDJユースな楽曲2曲に加え、Boof名義で放ったEPのヒットが記憶に新しいMaurice Fultonによるリミックスを収録!

6

MURO

MURO SUPER CHRISTMAS BREAKS -REMASTER EDITION- »COMMENT GET MUSIC
Diggin Ice~Diggin Heatシリーズ各種のCD化がすべて特大ヒットを記録している「King of Diggin'」=Muro氏の名作復刻シリーズ。番外編として本作「Super Christmas Breaks」がCD化です!!

7

SOUNDSTREAM / SOUNDHACK / T.S.O.S.

SOUNDSTREAM / SOUNDHACK / T.S.O.S. SOUND SAMPLER VOL.1 »COMMENT GET MUSIC
相棒ErrorsmithとのデュオSmith N Hackも既に伝説化している解体/再構築ディスコ天才SoundstreamことSoundhack。謎の新鋭T.S.O.S.も交えた超強力コンピ12"がこちら!!

8

FORD & LOPATIN

FORD & LOPATIN SNAKES / FLYING DREAM »COMMENT GET MUSIC
もはや説明不要のUSインディ・シンセ最高峰デュオ、Ford & Lopatin!!アルバム"Channel Pressure"未収録の2曲をカップリングした完全限定クリア・ヴァイナル!!

9

MAIN STEM

MAIN STEM ELECTRIC CHURCH »COMMENT GET MUSIC
Prins Thomas主宰"Internasjonal"から昨年デビューを果たし、Chicken Lipsの"Lip service"からのシングル作品やリミックス・ワークで頭角を現した、Ben Shenton, Robert Johnston & Tim Silverを中心とした新生ディスコ・ユニットThe Main Stemによる待望のデビュー・アルバムです。

10

ONRA

ONRA CHINOISERIES PT 2 »COMMENT GET MUSIC
前回と同様に、今回もベトナム他東南アジア産の60's/70's音源縛りによるサンプリング・ビート集。前作のアウトテイクを煮詰めた結果、それを遥かに凌ぐ仕上がりになりました!

Chart by UNION 2011.12.05 - ele-king

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1

PINCH & SHACKLETON

PINCH & SHACKLETON Pinch & Shackleton HONEST JONS / UK »COMMENT GET MUSIC
2011年下半期最大級の問題作!! TECTONICの首領・PINCHとダブステップ・シーンの異端児SHACKLETONとのコラボレーション!!!2011年前半にリリースがアナウンスされ大きな反響を巻き起こしていたPINCHとSHACKLETONのコラボレーション・アルバムが遂に、遂に登場!! ブリストルにて自身のレーベル・TECTONICを運営しつつ、PLANET MUやPUNCH DRUNK、DEEP MEDIなど主要レーベルからも精力的にシングルを切る実力者PINCHと、拡張を続けるシーンにおいてなお孤高の存在であり続ける奇才SHACKLETONが創出した異次元の音響空間がここに!! 生々しいパーカッションと不穏なドローンが覚醒感たっぷりのM-2、重々しいベースライン上で女性のヴォイス・サンプルが奇妙にに変調していくM-5など、どこを切っても濃厚すぎるトラックばかり!!まさにこれこそがダブステップの正当なる進化を体現した真にアンダーグラウンドな作品、シーンの歴史に鋭利な爪跡を残す怪作の誕生です!!

2

VAKULA

VAKULA Leleka001 LELEKA / UK »COMMENT GET MUSIC
限定500枚プレス、ハンドスタンプ仕様の180グラム重量盤!!デトロイト/シカゴのアイデンティティーを昇華/消化した初期衝動的な6トラックを収録した注目の1枚!!別名義VEDOMIR、3RD STRIKEからリリースされた"Saturday"のリミックス12"を控えるシーンの中でも突出した実力者VAKULAがセルフレーベルLELEKAのファーストリリースに登場!!

3

NO BOUNDARIES

NO BOUNDARIES Modular Pursuits (Daphni Remixes) PLANET E / US »COMMENT GET MUSIC
DAPHNI (CARIBOU/MANITOBA)リミックス!!! 昨年突如リリース、モジュラー・シンセの発信音のみで収録&構成されたアルバムが話題となったCARL CRAIGのプロジェクト・NO BOUNDARIESのトラックを、LEAF~DOMINO等でお馴染みの鬼才・CARIBOU/MANITOBAの別プロジェクト・DAPHNIが2バージョン・リミックス!!! 軽くバウンスするボトムに細かく刻むハット、そこへ発信音やヒプノなシンセ、ヴォイス&ボーカル・サンプル、時にヘビー&ヒステリックに打ち付けるパーカッション等、様々な音の欠片が時に過度なボリュームの強弱をつけ次から次へと飛び交っては変容、ズブズブに引き込んでいく圧巻の2ミックス。

4

TOFU PRODUCTIONS

TOFU PRODUCTIONS Trabalhador SUNDANCE / GER »COMMENT GET MUSIC
THOMAS MELCHIOR & FUMIYA TANAKAによるニュー・プロジェクト・TOFU PRODUCTIONSリリース第一弾!! これまでもRICARDO VILLALOBOSやJOHN THOMAS等、ミニマル・シーン注目のコラボレートでも話題を集めてきたFUMIYA TANAKAが、主宰SUNDANCEレーベルよりPERLONやSMALLVILLE、LUCIANOの共作等で知られるTHOMAS MELCHIORとの新プロジェクト・TOFU PRODUCTIONSのデビュー・シングルをドロップ。少ない音数の隙間から生み出される絶妙なグルーヴとブラック&ジャズ・フィーリング溢れるサンプル使いがたまらなくファンキーな仕上がりです!!

5

FLOATING POINTS

FLOATING POINTS Shadows EGLO / UK »COMMENT GET MUSIC
セルフレーベルEGLOからFLOATING POINTSによる2枚組12"がリリース!!リリースの度に即売れが続くUK発EGLOの22番は主宰者FLOATING POINTSの新作12"!!デトロイト・マナーなシンセトラックから、ダブステップ、エレクトロニカ的な音響など、これまでにも増してそのレンジの広い才能を発揮した5トラック収録の2枚組!!

6

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN Sweet Power/Summer Madness GAMM / SWE »COMMENT GET MUSIC
ホワイトでリリースされた「Onur Engin Edits Vol. 5」収録の山下達郎"Love Talkin' (Honey It's You)"のリエディットが注目される中、ONUR ENGINがスウェーデンのGAMMレーベルから再登場!!A-サイドにはJAMES MASON"Sweet Power"を、KOOL & GANG"Summer Madness"をビートダウン仕様にエディット/アレンジしたB-サイドと2トラックを収録した1枚。

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MIKE HUCKABY

MIKE HUCKABY Tresor Records 20th Anniversary (国内仕様盤) TRESOR / JPN »COMMENT GET MUSIC
SURGEON!JOEY BELTRAM!DREXCIYA!クラシック満載!!!!!ベルリンで20年以上の歴史を誇り、数々の傑作を残すドイツはベルリンの老舗レーベル・TRESORの20周年を記念した超強力オフィシャル・ミックスCD。本CDのミックスではなんとデトロイト・ミュージック・シーンに於いて欠かせない存在として長きにわたり活躍してきたベテランDJ/プロデューサー、MIKE HUCKABYをフィーチャー。これまで幾度もクラブTRESORに出演してきた彼ですが、TRESORレーベルからのリリースは本作が初。全22曲でまとめられたそのトラック・リストは冒頭のSURGEONからROBERT HOOD、BAM BAM、JEFF MILLS、BELTRAM、DREXCIYAまでお馴染みのトレゾア・ファミリーの名作/代表作に加え、"The Tresor Track"と題されたMIKEによる未発表トラックも。

8

RROSE

RROSE Merchant Of Salt SANDWELL DISTRICT / UK »COMMENT GET MUSIC
UKインダストリアル~アンダーグラウンド・ミニマルの最深部・SANDWELL DISTRICT新作に16番でも変態度満点のドープ・テクノ・チューンを鳴らし大きなインパクトを残したあのRROSEが2度目の登場 !!!! 唸りをあげてドライブするビッキビキのマッシヴ・テクノ・ビートが兎に角ヤバい圧倒的な内容でドープ&ドラッギー全搭載といった様相の超強力な1枚です。マスト!!!!!

9

NINA KRAVIZ

NINA KRAVIZ Ghetto Kraviz REKIDS / UK »COMMENT GET MUSIC
ジャケットからしてTRAXイズム丸出しのRADIO SLAVE主宰・REKIDS新作。そのジャケが指し示す通りオールド・スクール・シカゴ/ゲットーテイストなトラックを搭載していますが、これを手がけるのはこのREKIDSは勿論、DJ JUS-EDのUQやEFDEMINのNAIF等、毎度強烈なレーベルからリリースを重ねているロシア出身の才女・NINA KRAVIZ。スッカスカのトラックの隙間をグルーヴさせますが、けだるげな女性ヴォイスで構成されたループは往年のシカゴ・ルーツものよりグッとクールな印象でそこがまた独自の世界を作り出しています。

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TROPICS OF CANCER

TROPICS OF CANCER End Of All Things DOWNWARDS / UK »COMMENT GET MUSIC
REGIS主宰・UKアンダーグラウンド・レーベルDOWNWARDSを拠点にBLACKEST EVER BLACK等からのリリースでもその異色のノイジー&アヴァンギャルド/ダブなサウンドで圧倒的な存在感を示すSANDWELL DISTRICT一派・SILENT SERVANT=JOHN MENDEZがパートナーCAMELLA LOBOと組む漆黒のゴシック~ノイズ/ダブ・オルタナ・デュオ、TROPIC OF CANCERが遂にリリースした7曲入りデビュー・アルバム。

Chart by Underground Gallery 2011.12.01 - ele-king

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GERALD MITCHELL

GERALD MITCHELL Family Property (GMI Productions / CD) »COMMENT GET MUSIC
ジェラルド・ミッチェル、待望の1st・ソロ・アルバム完成!! UG 限定特典ミックスCD付き![Soul City]、[Metroplex]、[Underground Resistance]、そしてLOS HERMANOSと、彼 が歩んできた輝かしい音楽活動の本質が、すべてここに凝縮されている。あの 「Knight Of Jaguar」のリフレインを弾き出したテクノ・マスターから届いた、美し くも雄々しい、そして温かく響き渡る、珠玉の14篇。20年以上に渡るキャリアのター ニング・ポイントとなる、初のソロ・アルバムが遂に完成!"G2G"の初代主要メンバーならではのスペーシーでエモーショナルなメロディー、 LOS HERMANOSで魅せるドライブ感ある黒いグルーヴ、彼のエッセンスすべてを 凝縮したファンクネスに満ちたハウシーな空気感、まさにGERALD MITCHELLの 集大成と呼べる全14曲!

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PSYCHEMAGIK

PSYCHEMAGIK Heelin' Feelin' (Psychemagik / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
自身主宰レーベルや[History Clock]などから注目リリースが続く PSYCHEMAGIK新作が、これまた自身が新たに立ち上げた新レーベル[Heelin' Feelin']より登場。THE WALKER BRTOHERSが78年にリリースしたアルバム「Nite Flights」に収録されていた「Disciples Of Death」をネタにした、ブルージーなミッド・ブギー・ファンク「Welcome To The Boogie Drome」のA面、ネタが分からなかったのですが、イタロ系のヴォコーダー・ヴォイスや、アルぺジオ・シンセが印象的なディスコ・ロック「Diamond Star」のB面の2トラックス。特にA面は、 HARVEYや IDJUT BOYS辺りがプレイしそうな雰囲気もあり、大きな話題を集めそうです。

3

V.A

V.A Sound Sampler Vol. 1 (Soundsampler / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
KILLER!ベルリン・アンダーグラウンド・ディスコ・ヒーロー、SOUNDSTREAM & SOUNDHACK収録のコンピ12インチ! ベルリンHARDWAXが贈る、人気ディスコ・レーベルSOUNDSTREAM & SOUNDHACKのサンプラー12インチがリリース!得意のワンループ・ディスコ・スタイルで、グイグイとファンクさせるSOUNDSTREAM、極端のカットアップされたディスコ・サンプルがグルグルとリフレインするSOUNDHACK、[Ostgut Ton]からリリースされたPROSUMERのミックスCD 「Panorama Bar 03」に収録されていたT.S.O.S.「Over And Over」など、全4曲を収録!

4

LATECOMER

LATECOMER Cosmic Cart (Mcde / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
2011年を代表するミックスCDの一つ、MOTOR CITY DRUM ENSEMBLE「DJ Kicks」に先行収録され大きな話題となっていた LATECOMER「Cosmic Cart」が遂に12インチ化!まず Side-Aに収録された そのオリジナルは、躍動感のあるウッドベースが◎なハウスグルーブに、可憐でムーディーなピアノメロ、ド渋な男性ヴォーカルを絡ませた、これからの時期にピッタリなモダン・ジャズ・ハウス。コレだけでも十分に満足できちゃう1枚なのですが、さらにカップリングには、[Philpot Records]オーナー SOULPHICTIONによるリミックスが収録され、こちらは THEO PARRISHワークっぽいLo-Fiさに、クラシカルなアシッドテイストを加えた、デトロイト・スタイルのディープ・ハウス・リミックスを披露。

5

DVS1

DVS1 Evolve (Hush / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ミネアポリスのベテラン・ミニマリストZAK KHUTORETSKYことDVS1、HARDWAX流通の新レーベル(自身のレーベル?)からの新作12インチ! BEN KLOCK主宰の[Klockworks]、DERRICK MAYの[Transmat]などからのリリース、そして、オリジナルなグルーヴを生み出すDJプレイの評判もあり、現在世界中のパーティー・ピープルから、大きな注目を集めている、ミネアポリスのベテラン・ミニマリストZAK KHUTORETSKYことDVS1の新作HARDWAX流通の新レーベル(自身のレーベル?)からリリース! 往年の[M-Plant]作品を思わせるようなメカニカルなシンセ・フレーズをリフレインさせたA面、雲のもこもこした手触りのシンセ・リフを浮かばせたデトロイティシュなB面の2トラックを収録。

6

HEAVY DISCO / DARKSTARR

HEAVY DISCO / DARKSTARR I Ain'T Hiding / Smiling Faces (Modern Artifacts / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
NORMAN WHITFIELD Prod. THE TEMPTATIONの73年産 サイケ・ファンク・クラシック「Smiling Faces」のASHLEY & DJ COSMO Edit Side-Bが◎!! 過去に PHIL COLLINS、KATE BUSHらのリエディット作品で話題を集めた ASHELY BEEDLEによる人気リエディットレーベル[Modern Artifacts]新作は、自身と [Disco Devience]オーナー BARRYによるプロジェクト HEAVY DISCOと、DJ COSMOとの DARKSATARR名義による 2リエディット作品を収録した1枚。オススメは DARKSTARRによる、THE TEMPTATIONSの73年リリースのサイケ・ファンク・クラシック「Smiling Faces (Sometimes)」を仕様した Side-Bで、原曲の土着的なムードを残しながらも、パワフルなリズムやサイケ感の増したロッキン・ファンクな鍵盤、ギタープレイが◎な、ナイス・フロアーユーズ・リエディット。コレは DJ HARVEY辺りのプレイも間違いないのでは!?また Side-Aには、HEAVY DISCOが 2009年にリリースされた THE BLACK CROWES 通産8枚目のアルバム「Before The Frost...」より、HORSE MEAT DISCOクルーもフェーヴァリットに上げる、80年代風のエレクトロ・ロックナンバー「I Ain't Hiding」を、原曲に忠実にディスコ・リエディット。

7

FLOATING POINTS

FLOATING POINTS Shadows (Eglo Records / 2x12inch) »COMMENT GET MUSIC
先日リリースされた新作7インチも、速攻でソールドアウトとなった、ロンドン育ちの若き才能、FLOATING POINTSが、12インチ2枚組にて新作をリリース! 今作も、彼の幅広い音楽性と、その才能を遺憾なく発揮した、捨て曲無しの、全5曲を収録。エレクトロニカ的なシンセワークを多用した繊細さ、ジャズ的な生楽器演奏、ダブステップ以降のビート感覚、ビートダウンとも通じるグルーヴ、現在のシーンの大事な所が全て凝縮されたかのような、完璧な2枚組!

8

NINA KRAVIZ

NINA KRAVIZ Ghetto Kraviz (Rekids / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
絶好調なリリースが続いている[Reklids]新作はまたしてもキラー!! STEVE REICH「Come Out」バリのヴォイスループが◎な B1が一押し。 JUS-EDの[Underground Quality]や[Bpitch Control]などからのリリースで話題を集める、ロシアの美女アーティスト NINA KRAVIZ新作が、RADIO SLAVE主宰の人気レーベル[Reklids]より再び登場。 今回は、ヴォイスサンプルを執拗にループさせた覚醒度の強いキラー・ミニマル・トラックを 3作収録した1枚なのですが、中でも、シンプルながらも音圧のあるパワフルでバウンシーなトラックに、STEVE REICH「Come Out」っぽい雰囲気の声ネタがグルグルと連呼された B1「Show Me Your Time」が強烈! 是非チェックしてみて下さい。

9

A MADE UP SOUND

A MADE UP SOUND Take The Plunge (A Made Up Sound/ 12inch) »COMMENT GET MUSIC
2562名義の作品も高い人気を誇る、ダブステップ×テクノ・ハイブリッドの先駆 者DAVE HUISMANS aka A MADE UP SOUNDが自身のレーベルから新作をリリース! ベースの効いたバウンシーなハイブリッド・グルーヴに、AUTECHERのように不規則な グリッジーなカットアップ電子音が立体的に飛び交う、A MADE UP SOUNDの新境地とい える、実験的なミニマル・テクノを披露した「Take The Plunge」が凄まじくヤバイ! 個人的に、ここ最近、90年代後半のエレクトロニカやグリッジ・テクノが、新鮮に感 じていたところなので、こういうアプローチは大歓迎!面白いです!!

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V.A.

V.A. Hortoug Edits (Wah Dubplate / 7inch) »COMMENT GET MUSIC
DUSTY SPRINGFIELDによる大名作「Son of a Preacher Man」をスローモー・ハウス化。 詳細不明のデンマーク人アーティスト HOLTOUGが、ファンク/ソウルの名曲2作をダンスフロア仕様にリミックスした要注目の1枚。 オススメは、NANCY WILSON、TINA TURNERらによるカヴァーでも知られる DUSTY SPRINGFIELD 68年作「Son Of A Preacher Man」を使ったA面!心地の良いテンションで響くギター、カリンバなど、原曲のユラユラとした気持ちの良い空気感を、そのままスローモーなハウスグルーヴに絡ませた、シンプルで飽きの来ない好作品! 意外とこの曲をネタにした、こういう仕上がりのリミックスって今までリリースされていなかっただけに、これは希少ですよー!さらに Side-Bには、レアグルーブ古典としても人気の CHARLES WRIGHT & THE WATTS 103rd STREET RHYTHM BANDの 70年作「Express Yourself」をネタにした、ファンキー・ディスコ・リミックスを収録。

interview with Hiroshi Higo - ele-king


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 1981年に高校生だった人間にとってライヴハウスは受験の帰りにひとりで立ち寄るようなくらい身近で、そして刺激的な場所だった。チャンス・オペレーションもそういうなかで見ている。
 セックス・ピストルズの解散とPILの登場は本当にいろいろなものを変えた。ポスト・パンクとは、パンクというロマンに対するアンチ・ロマンでもあったから、ロックの定説はことごとく裏切られ、反復を基調とした冷淡なグルーヴは瞬く間に広まった。UK、US、ドイツ、そしてここ日本にも。チャンス・オペレーションもそういうバンドのひとつだった。

 このサイトを読んでいる多くの人にとってのヒゴヒロシとは、DJとしてのヒゴさんだろう。実際の話ヒゴヒロシとは、この20年ものあいだアンダーグラウンドな活動を続けているDJのひとり、幅広い尊敬を集めているDJのひとりである。が、彼が東京のパンク前夜からそこで演奏していた人物であるという歴史が忘れられているわけでもない。ディスコやハウスのDJだって、彼がパンクの人だったことを知っている。チャンス・オペレーションは、ポスト・パンクの時代においてミラーズ解散後のヒゴヒロシが結成したバンドだ。その再発を祝しておこなわれたこのインタヴューは、主にその時代に焦点を当てている。取材には、ヒゴさんに興味津々のDJのメタル君も駆けつけてくれました。

ベースのフレーズを反復して、そしてそれをもとに曲を作ったんですね。だからたしかにベースの反復がもとになっている。それから、必要のない音はどんどん削ぎ落としていくってことも意識してましたね。

僕にとって今日は、1992年以来の2回目の取材なんですよね。

ヒゴ:ああ、じゃあホントに、いわゆるレイヴ直後?

そうです。新宿の喫茶店で話したのを覚えてませんか?

ヒゴ:どこだっけ?

新宿の駅のビルじゃなかったでしたっけ。ちょうどヒゴさんがDJやられた頃で、僕のなかでヒゴさんといえば、ミラーズやチャンス・オペレーション、あるいはスターリンのヒゴさんだったんで、そうとう緊張して取材を申し込んだんですよね。

ヒゴ:えー、そうだったの(笑)。

いまでこそヒゴさんはDJとして名が通ってますけど、当時はまだ衝撃でしたよね。そこは距離があると勝手に思ってましたし。

ヒゴ:はははは。

あのときはヒゴさんが〈代々木チョコレートシティ〉で「Water」というパーティをはじめた頃でした。

ヒゴ:そうですね。土曜の夜にね。オールナイトでね。

日本では最初のジャングルのパーティでしたね。

ヒゴ:結局行ったのが......。

1991年。

ヒゴ:そう、レイヴの真っ只なかに行ってしまったんでね。最初に現場で聴いたのが当時はハードコア・ハウスと呼ばれたもので。

そう、ハードコア・ハウスと呼んでましたね。

ヒゴ:だからデトロイト・テクノなんかもその取材のときに野田くんから聴いて「あ、そうなんだ」って思ったぐらいで、当時は僕もまだかじりだてというか、当時はハードコア・ハウス一色だった時代だったから。そのあとになっていろいろ聴きはじめて、デトロイト・テクノなんかも知ったんだよね。

しかもヒゴさんにレイヴ・カルチャーを教えたのが水玉消防団のカムラさんだったという話をそのとき聞いて。

ヒゴ:そうそう(笑)。

けっこう上がりましたよ(笑)。で、ヒゴさんのやっていた「Water」に行くと、入口では何かカプセルを配っていたんですよね(笑)。

ヒゴ:あれはちょっとした冗談だったね。ビタミン剤かなんかで。

「雰囲気だけでも」って入口のひとに言われたんですよ(笑)。

ヒゴ:はははは。

あれは可笑しかったですよ(笑)。で、まあ今回は、チャンス・オペレーションの再発ということでその音楽と作品が生まれた時代の空気、あるいは2011年におけるチャンス・オペレーションの再評価などについて訊きたいと思います。最初は手の写真の12インチ「チャンス・オペレーション」ですよね。

ヒゴ:そうです。

僕もあのアートワークがレコード店の棚に入って、雑誌に載ったときのことをよく覚えていますね。まずは今回、チャンス・オペレーションが再発にいたった経緯を教えてください。

ヒゴ:去年の春前かな......ディスクユニオンで〈テレグラフ〉の再発をやりたいという話があって、〈テレグラフ〉だけではなく〈ゴジラ〉もやりたいと。〈ゴジラ〉はじつはこれまでも何回も再発されているんで、まあ、再発のフォーマットみたいなものもできていて、わりとスムーズに〈ゴジラ〉は出せたんです。〈テレグラフ〉のほうは作品数も多いし、毎月のように再発されていって、「それではチャンス・オペレーションも出しましょう」ってなったんですね。チャンス・オペレーションも以前、徳間ジャパンで再発されているんですけど、そのときは最初の12インチと「スペア・ビューティー」という7インチ2枚組の編集盤として出したんですね。

それって何年ですか?

ヒゴ:うーん、90年代の初頭だったかな? (注:タイトルは『デュアル・ページ』として1990年にリリース)で、まあそのとき徳間から出したCDは、とくにボーナス・トラックもあるわけじゃないし、『プレース・キック』のほうもいちどCD化されているんですけど、そのときもただCD化されただけなんです。だからチャンス・オペレーションに関してちゃんと再発したのは今回が初めてとも言えるんですよね。

ユニオンはここ数年、ずっと熱心に日本のポスト・パンクの再発をやってますもんね。EP-4であったり、最近ではタコであったり。

ヒゴ:そうですね。僕のほうもずいぶん時間が経っていることですし、未発表の音源なんかも聴きあさってみて、それでたとえば初期の音源なんかも加えるのもいいかなと思ったり。それでマスタリングまではうまく話が進んでいたんですが、デザインの件でユニオンと話が合わなくなったり、スケジュールが迫ったりで、「どうしようかな」と。自分としてはデザインもふくめて余裕をもって出したかったというのがあって、それで結局、Pヴァインから出すってことに落ち着いたんですよね。

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反体制が当たり前の時代でしたからね。僕は高校生のときにすでにバンドに夢中になって、集会も身近にあったんですけど積極的に行くようなタイプではなかったですね。ただ、そういう時代のエネルギーはもちろん感じていましたよ。


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そういえばフリクションが再発されたのって......、もう7年前ですか。ゼロ年代以降のこうした日本のポスト・パンクの再発に関してはどういう風に受け止めてますか?

ヒゴ:チャンス・オペレーションって92年までやってたんですよね。

やってたんですね。

ヒゴ:じつはやってたんです(笑)。91年にレイヴに衝撃受けて、日本に帰ってDJやってレイヴをオーガナイズしはじめた頃にはまだチャンス・オペレーションをやっているんですけど、しかし、半年後ぐらいには、もう自分のなかではDJやパーティのほうにどんどん興味がいってしまっているんですね(笑)。それでまあ自然消滅ってわけじゃないけど、チャンス・オペレーションはなくなっていくんです。バンド活動そのものは止めてはいないんですけど、とにかく90年代は、チャンス・オペレーションみたいな自分の過去の表現に対しては、それほど特別な感情もなかったのが正直なところなんです。止めてまだ時間も経ってないですからね。だけど、2000年過ぎてから聴いたときには、けっこう自分でも気づくことがあったんですね。

再発見があったということですね。それは?

ヒゴ:僕はミラーズの2年間だけドラムを叩いていたんだけど、もともとはベースなんですね。3/3のときもそうだったんですけど、チャンス・オペレーションになってまたベースに戻ったんですよね。ベーシストとしての自分が過去を振り返ったときに、いまの自分の原点がチャンス・オペレーションにはあるのかなと思ったんです。当時はそんなことまったく思ってなかったですけど、今回聴き込んで、自分で気がついたっていうかね。なんていうか発見があったんですね。

古くなってないと。

ヒゴ:古くなってないというよりも、音楽に向かう姿勢、バンドのスタンスみたいなものがこのときにできている......というか、できつつあった。チャンス・オペレーションはメンバーの入れ替わりの激しいバンドだったんですけど、自分のやりたいことがある程度わかっていたっていうか。

さっきも言ったように僕はチャンス・オペレーションが出てきた頃をよく覚えていて、『Doll』を読んでいるような高校生だったんで、ヒゴさんのインタヴューを読んでジョン・ケイジのチャンス・オペレーションを知ったくらいなんですよね(笑)。

ヒゴ:はははは。

今回のアルバムのジャケットに使われた写真もよく覚えているんです。当時のヒゴさんのコンセプトは何だったんですか?

ヒゴ:ミラーズ解散後はやっぱドラムでヴォーカルをやりたかったんですね。それでいろんな人たちとスタジオに入るんですが、どうにもしっくりこなかったんですね。

チャンス・オペレーションは、まず音楽的に3/3やミラーズとは違いますよね。ワンコードで、反復性が高く、感情を抑制して、ストイックな演奏しているじゃないですか。音の変化が確実にありました。

ヒゴ:基本的にはリズム楽器が好きなんですね。ドラムというのは野球でいうキャッチャーみたいなもので、後ろからみんなを見渡せるんですけど、動きに制約がある。ミラーズは自分でギターで曲を作って自分でドラム叩いて自分で歌っていたので、ドラムをステージの前面に出したこともありましたけど、演奏中に動くことはできないわけです。

それでベースに戻ったんですね?

ヒゴ:いまでもドラムは好きですけどね。でもそのときベースに戻った。ベースラインで曲を作って、そのままステージに立つことができるんですよ。

チャンス・オペレーションの結成は1980年で、最初のシングルが1981年ですが、ギャング・オブ・フォーやデルタ5といったUKのポスト・パンクからの影響はありましたか?

ヒゴ:直接的にはなかったですね。

カンやノイは?

ヒゴ:音は聴いていたけど、そこも直接的な影響はなかったですね。

とはいえ、共通性があると思うんですよ。コード展開がなく、ミニマルで、いわゆるアンチ・ドラマ、アンチ・ロマンで......アメリカにグリール・マーカスという有名な評論家がいますが、彼は当時ギャング・オブ・フォーやデルタ5を「圧倒的なまでの冷静さ、ロマンティシズムに酔いしれない醒めた姿勢」って評しているのですね。それた似たものをチャンス・オペレーションにも感じるんです。INUの『メシ食うな』にも、フリクションにもスターリンにも、そうしたアンチ・ロマンはあったと思うんですね。

ヒゴ:たしかにそうですね。

ああしたポスト・パンクのアンチ・ロマンな姿勢は、自分が中高生のとき、に夢中になっていた音、70年代末から80年代初頭にあった音だったという印象があるんですよね。

ヒゴ:そうですね。

あの反復性はまったく古くなっていないのはたしかで、むしろいま、そういうミニマリズムのほうがよりカジュアルになってきているじゃないですか。だからチャンス・オペレーションや『スキン・ディープ』は、いま聴いても説得力があるっていうか。ドラマチックな音楽って、たとえばJ-ROCKなんかがそうですけど、2つぐらいのヴァースがあって、サビがあってって、そうした曲作りとは対極の発想というか。

ヒゴ:やっているほうとしてはそこまで明確に意識的だったわけじゃないですけどね。

僕は当時すごくびっくりしたんですけどね。やっぱ時代の空気がああいう音を生んだってことですか?

ヒゴ:僕はそっちのほうが大きいと思いますよ。たとえば僕はミラーズの頃はレゲエばっか聴いているんですね。もちろん聴く音楽と演奏する音楽は違うんですが......僕はチャンス・オペレーションのときは、ベースのフレーズを反復して、そしてそれをもとに曲を作ったんですね。だからたしかにベースの反復がもとになっている。それから、必要のない音はどんどん削ぎ落としていくってことも意識してましたね。

ヒゴさんにとってのモチヴェーションってどこにあるんですか?

ヒゴ:ひとつのスタイルをずっと続けいくことは性に合わないんですよ。だから何か新しいことにトライすることっていうのかな。

音の追求心みたいなことですか?

ヒゴ:新鮮さばかりを追っているのもどうかと思うんですけど、どうしても新鮮なものに惹かれるんですね(笑)。自分のなかでなにかしらの新鮮さを見つけていかないとつまらないんです。でないと次にいけないし、同じ曲を繰り返し演奏することがなかなかできない。チャンス・オペレーションのときはそれが自覚的でしたね。同じ曲でも演奏のたびにどこか変えてみたりとかしてましたから。

ロックに対するアンチ・テーゼはありましたか?

ヒゴ:とくに初期の頃はジャズっぽいと言われましたけど、ジャズをやっていたわけではないし、自分としてはずっとロックをやっていたつもりだったんですけどね。だからロックに対するアンチでもないんです。ロックが基本で、でもジャズの好きなところは取り入れたいみたいなことはありましたね。

チャンス・オペレーションにもフリクションにも、スターリンやINUにも、大きな言葉でいうと、ニヒリズムがあったと思うんですね。無意味さ、虚無を生きるといいますか。どうなんでしょう? "LIMITER SHUFFLE"の歌詞には、「通り過ぎてそのまま 放り投げてグッバイ 揺れて飛びちる 底ナシの季節」という言葉が出てきますが、これなんかも当時の虚無感をよく表しているんじゃないでしょうか?

ヒゴ:はい(笑)。

歌詞はヒゴさんが書かれているんでしょ?

ヒゴ:そうですね。

ヒゴさんがどれほどのニヒリストだったか教えてください!

ヒゴ:いやいや、ニヒリストというかね(笑)、僕、もともと電車好きなんですね。電車から音楽にいったんです。鉄道オタクじゃないんですけど、小学校は下北のそばに住んでいて、身近な電車が井の頭線だったんですね。当時の古い車両はいろんな車種があるんです。そうしう車種が好きで、中学校になって中野に超して、そうすると通学で念願の電車通学ができて、小田急にも乗れるようになるんです。小田急もまた車種が多いんです。僕は鉄道車両の設計技師になりたかったほどなんです。そういう機械と科学がすごく好きでね、じつは曲の題材はそういうところから持ってくることが多いんです。

へー(笑)。電車好きですか! そんな少年がやがて日本のプレ・パンクの3/3でベースを弾くというのも面白い話ですね。ちなみに3/3はおいくつのときでしたか?

ヒゴ:22ですね。

○△□のことは知っていたんですか?

ヒゴ:高円寺にロック喫茶ができてね、何回か行ったことはあるんだけど、直接はまだ知り合えていなかった。3/3は僕の前に何回かベースが交代していて、僕がバンドで最後のベーシストになったわけですけど。

3/3は、たとえるならストゥージズへのリアクションみたいなサウンドで、早すぎた日本のパンクだったと思うんですけど、ヒゴさんのなかにもそうしたパンク的な感性はあったわけでしょう?

ヒゴ:それはもちろん。自分で考えて自分でやれってことですよね。3/3の頃から甘っちょろい感じにはなじめませんでしたね。

その「甘っちょろさ」って何ですか?

ヒゴ:なんかね、自分の人生がこうなったらいいなみたいな気持ちを歌することはできませんでしたね。

希望や夢は歌にできないってことですか(笑)?

ヒゴ:そうですね(笑)。

ヒゴさんは世代的には、学生運動が下火になった世代ですよね。

ヒゴ:僕よりも2つくらい前は大きかったですよね。当時、2年違うだけでもぜんぜん違ったんですけど。

みんなでデモや集会に行くような感じにはなじめなかったってことですか?

ヒゴ:というか反体制が当たり前の時代でしたからね。社会と自分がどう関わるのか、それを問われてすぐに答えることができるようでないとやっていけないような時代でした。僕は高校生のときにすでにバンドに夢中になって、集会も身近にあったんですけど自分はそこに積極的に行くようなタイプではなかったですね。そういう反体制の動きみたいなのが下火になりつつあったとはいえ、ただ、そういう時代のエネルギーはもちろん感じていましたよ。だから音楽は手段だと思ってました。どう生きていくかが重要で、あくまでも音楽はその手段であると。

ニュー・ミュージックに表象される夢や希望が嫌いだという話ですが、ではヒゴさんにとっての夢や希望とは何でしたか?

ヒゴ:混沌......、宇宙もそうじゃないですか。もとは混沌であって、僕はそのことを納得できるんです。最近ニュースで、宇宙の5%ぐらいがわかったという話を見たんですけど、「いや、それはそうでしょ」っていう(笑)。「宇宙なんか解明できるわけない」って。言ってみれば、混沌を生きるってことですね。

初期のレイヴはまさに混沌そのものでしたよね。ヒゴさんは、都合よく整理されたものが好きじゃないんですね?

ヒゴ:必要以上に整理されたものは好きじゃないですね。

デビュー曲が"カスパー・ハウザー・ナウ"ですが、"カスパー・ハウザー"を取り上げたのは?

ヒゴ:それはヘルツォークの『カスパー・ハウザーの謎』を観て。

素晴らしい映画ですよね。

ヒゴ:本当に素晴らしい映画ですね。あれです。あの、人間の親に普通に育てられなくても、それが幸せ不幸せじゃなくても、それでも人は生きていけるっていうのがね。

"TOUCH & GO"も音と同時に言葉も入ってくる曲ですが、この曲の主題は? 「くやしいことの始まり......何かを試せる......夜更けていくとき......きわどいことなど......するどいことなど」ということなど、暗示的な言葉だと思うのですが。

ヒゴ:すれすれの状態のことですね。

それは自分のこと? それとも社会のことですか?

ヒゴ:両方でしょうね。

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ハードコア・ハウスはブレイクビーツ、つまりサンプリング音楽なんだけど、構成の仕方がそれまでの音楽感覚とはまったく違うんです。あの無節操さ、「なんで前半でこうなのに、後半はこうなっちゃうの」みたいな、とうてい理解できない(笑)。


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ファースト・フル・アルバム『プレース・キック』が1985年ですが、結成からずいぶん時間が経って、そして音楽的にはよりダンサブルになっていると言いますか、疾走感、躍動感のようなものがありますよね。こうした音楽面での変化についてお話いただけますか?

ヒゴ:変化というか、とにかくメンバー・チェンジが激しかったんですよね。だからメンバーによって演奏も違ってくるわけだし、とくに初期や中期では、手探り状態をそのまま続けていくって感じだったから。

ヒゴさんは、80年代の当時いろんなバンドに出入りしてましたが、やっぱシーンにはある種の共同体的なところがあったんですか?

ヒゴ:東京ロッカーズのときははっきりとそれがありましたね。ミラーズのときですね。「いまここではじめなければ」という意識が高い時期だったし、それを複数のバンドが共有してたからね。でも、ニューウェイヴの時期になるとその集まり方も変わってくるんです。音楽性も多様になりましたが、バンドとバンドとのつながり方も変わっていったんですよね。

もっとドライなった?

ヒゴ:というか、ひとつのバンド単位で物事を考えていくようになった。

共同体意識が薄れていくんですね?

ヒゴ:そうですね。

しかも『プレース・キック』が出る1985年にはインディ・ブームがはじまってますからね。

ヒゴ:そうですね。

チャンス・オペレーションやフリクションがアンチ・ロマンだとしたら、ブルー・ハーツに代表されるようなわかりやすいロマン主義がいっきにライヴハウスを席捲するでしょ。ああいうものに自分たちがどんどん隅っこに追いやられていくって感覚はなかったですか?

ヒゴ:追いやられていくって......。

あんま気にしなかったですか?

ヒゴ:ぜんぜん気にしなかったわけじゃなかったけど、それまで自分たちがやってきたことを守ればいいって気持ちもなかった。僕は3/3のときにそのライヴハウスの黎明期から知っているんだけど、あのときはものすごい数でライヴハウスとバンドの数が増えていったよね。

オーディエンスが自分たちから離れていくってことは感じてましたか? ある意味では、多くのリスナーからはチャンス・オペレーションよりもビート・パンクのほうが求められていたじゃないですか。

ヒゴ:媚びたくないっていうのがすごくあって。

たしかに媚びてませんでしたよね。チャンス・オペレーションのライヴも当時、観ているんですが、本当に無愛想で(笑)。

ヒゴ:たしかにそうですね(笑)。

メタル:踊ってました?

いや、まだそんなダンスって感じじゃなかったですよね。

ヒゴ:そうですね。

『プレース・キック』はそれでもダンサブルですよね。"FEEL ROCKER "なんかは代表曲のひとつじゃないですか?

ヒゴ:え、そうかな(笑)。

僕が勝手に思ってるだけというか、チャンス・オペレーションのなかではキャッチーな曲じゃないですか。

ヒゴ:まあ、そうですね。『プレース・キック』はドラムがイヌイジュン(元スターリン)で、そのことがけっこう大きかったですね。彼は最初にコンセプトを持ってくるタイプで、コンセプトがはっきりしていないとやらないんです。1曲1曲、最初にコンセプトを絵コンテみたいに書いて確認しあってやってましたから。

8ビートの曲も多いですもんね。

ヒゴ:たとえば"RAZOR BLAZE"なんかは彼のアイデアでね、ちょっと変拍子も入っていたりね。曲の作りも構造的になっているんですよね。

イヌイさんはいまでも音楽をやられているんですか?

ヒゴ:いや、彼は一級建築士で、大阪で建築の事務所をやっていると思います。僕もずいぶんと会っていないんです。

どうして『プレース・キック』というタイトルにしたんですか? サッカーからきているんですか?

ヒゴ:「キック」という言葉が好きなのと、あとサッカーというよりも蹴球ですね。もっとプリミティヴな感じ。

プリミティヴですか。ヒゴさんはこれだけ長年音楽活動しているくらいだから、すごく強い気持ちを持っていると思うんですけど、あんま音楽には出ないですよね。あるいはじつは出しているんだけど、あまり気づかれないだけだとか?

ヒゴ:いや、これはもう性格なんでしょうね。たぶん、みんなが思っているほどストイックではないと思いますよ。

だいたいハードコア・ハウスですからね(笑)。メタルから見て、ヒゴさんってストイックに思える?

メタル:人間的にはゆるいっすよね。

快楽主義者だもんね。

ヒゴ:はははは。結局、60年代や70年代にあった強いものが、80年代になって、そうじゃなくてもいいんだみたいな空気がどんどん増えていって、それはホントに違和感を感じてましたけどね。

時代の変化は、具体的にはどんなところに感じましたか?

ヒゴ:若い世代と話していくなかで、そうしたものは感じましたね。

長いものには巻かれろ的な?

ヒゴ:もうちょっとやわらかな対応で生きていったほうがいいじゃんみたいな(笑)。

メタル:チャンス・オペレーションはヒゴさんにとってベースの実験ってありましたか?

ヒゴ:そこはあんまないですよ。

なぜチャンス・オペレーションって名前にしたんですか?

ヒゴ:大それた名前にしちゃったんだけど、要するに音楽の解釈をもっと広げたかったんですよね。

そこはやっぱアンチ・ロックというか、ロックの文法に飽きたからですよね?

ヒゴ:はははは、まあ......。僕がパンクに走ったときに、昔から知っているヒッピー連中とは決裂してしまうんですね。それがレイヴでまた再会するんですけど、ただ、チャンス・オペレーションの頃はロックの古い考えに関しては異を唱えてましたね。そういったことはたしかにありましたね。

いまでこそパンクを否定する人ってあんまいないけど、77年当時はパンクにはどちらかといえば批判的な意見が多かったですよね。まともに演奏できないクセにみたいな。

ヒゴ:はははは。そういうのってあったよね(笑)。

メタルはヒゴさんとけっこういっしょにDJやってるの?

メタル:あ、いちどだけですけど、ヒゴさんはやっぱ面白いですよね。

そういえばヒゴさんは、ダモ鈴木さんともやられてますよね。

ヒゴ:ダモさんとは、国立の地球屋でやるときにはいつもいっしょにやっていて、もう7~8回やってますよね。

メタル:チャンス・オペレーションのときはダンス・ミュージックということを意識していたんですか?

ヒゴ:そんなに意識してなかったですね。

でもファンクのビートは取り入れてますよね。そのあたりはいまの耳でも聴けるんですよね。

メタル:そうなんですよ。ディスコ・パンクという言い方は違うかもしれないけど。

でもその青写真だよね。

ヒゴ:そうかもね。

メタル:当時、ディスコに行ってたんですか?

ヒゴ:行ってないですね。好きか嫌いかと言えば、違うものって感じでした。

僕も10代の頃はディスコが嫌いでした。当時はライヴハウスとディスコとのあいだにはまだ距離がありましたよね。

ヒゴ:完全に分かれてましたね。

メタル:チャンス・オペレーションでは、ドラムがいないときにはリズムボックスを使ってたということですが、そういうのって、パレ・シャンブルグ的というか。

あー、なるほど。リズムボックスの使い方とか、やっぱワンコードで引っ張っていくような感じでね。

ヒゴ:当時、僕が聴いてホントに格好いいなと思ったのは、ディス・ヒートでしたね。あれはもう、すごく格好いいと思った。

メタル:それがどうしてハウスやテクノに向かっていくんですか?

ヒゴ:ロックを聴かなくなったのは、80年代なかばぐらいだったんですよね。ハウスも名前は知ってたけど、そんな聴いていたわけじゃなかった。それで、1991年にレイヴの現場のすごいところに放り込まれちゃって(笑)。もうDJがブースのなかで何をやってるのかもわからない。そこでかかっている音楽がいったいどうやって生まれたのかわからない。ただもう、パーティ・ピープルのエネルギーに圧倒されてね......。イギリスのブレイクビーツってホントにすごいんですよ。ブレイクビーツってものに対するイギリス人の感覚っていうか、作り方っていうか、あれはもうね、ホントにすごい。すごい発明だと思うんですね。デトロイト・テクノはマシンでいかにグルーヴを出すのかってことを考えているけど、イギリスのブレイクビーツはそれとは違う発想なんです。ハードコア・ハウスはブレイクビーツ、つまりサンプリング音楽なんだけど、構成の仕方がそれまでの音楽感覚とはまったく違うんです。あの無節操さ、「なんで前半でこうなのに、後半はこうなっちゃうの」みたいな、とうてい理解できない(笑)。

はははは、いまのベース・ミュージックにもその伝統は生きてますね。でもたしかにあのブレイクビートの無節操さは、リズム楽器の観点から見ても驚きなんでしょうね。

ヒゴ:すごいんですよ。絶対に生のドラムでは再現できないニュアンスなんです。それを確立させて、それをベースに曲を作ってしまっているから、もう太刀打ちできない。独自の世界なんです。

じゃあ、最後にヒゴさんの近況を教えてください。

ヒゴ:今年がレイヴ体験まるまる20年でね、それでちょっとアンビエント、チルアウトっていうんじゃないけど、いままでとは違った視点でパーティをオーガナイズしようかなと思ったんですよね。それで「1968」っていうパーティをはじめました。これはまあ、サイケデリックをテーマにしてやっています。ジャンルとか時代も関係なく、サイケデリックを感じさせるもの。

それは楽しみですね。じゃあ、今日はどうもありがとうございました。

ヒゴ:まだ話していいですか(笑)?

どうぞどうぞ(笑)。

ヒゴ:あとね、1997年から「DIP AURA」というダンスのパーティやっていて、もう90回近くやっています。来年の1月21日に中野のヘビーシックでやるんですけど、ゲストで、ダブ・スクワッドのライヴが入ります。

じゃ、まさに「Water」の。

ヒゴ:そう、ダブ・スクワッドは「Water」に遊びに来ていた連中なんですよね。ダブ・スクワッドは彼らがそれをやる前から知っているんです。

わかりました。じゃあ、そんな感じで、今日はありがとうございました。

ヒゴ:いや、まだ告知があるんですけど、12月17日の土曜日なんですけど、新宿の〈BE-WAVE〉というところで、「HARDCORE MESSENGER」といって、じつはこれはハードコア・ハウスをメインにかけるパーティなんです。ああいう音って、あの頃にしか作られていないんですね。「Water」ってパーティをいっしょにやっていたDJ フォースも出るんです。

へー、それは楽しみですね。1991年ぐらいのレコードっていまでも中古で高いじゃないですか。ゾンビーって人が数年前に1991年当時の機材のみを使ってハードコア・ハウスの作品を出しましたけどね。

ヒゴ:へー、そうなんですか。

いま、あの時代の音がまた脚光を浴びているんです。そういう意味では「HARDCORE MESSENGER」は良いタイミングですね。

 今回リリースされる『Resolve』は2枚組で、「カスパー・ハウザー・ナウ」「チャンス・オペレーション」「スペア・ビューティー」の収録曲に、ライヴ音源が14曲、スタジオ未発表が1曲入っている。『Place Kick+1984』には、オリジナル・アルバムにライヴ音源1曲とカセット作品から1曲を加えている。PILが再結成するようないま聴くと、なるほど、この音は2011年に響く音だと納得する。

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