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vol. 119:玄人インディ・ロック界の王子たち

Deerhunter and Dirty Projectors @webster hall

沢井陽子 Sep 17,2019 UP

 ディアハンターとダーティ・プロジェクターズ、ブラッドフォード・コックスとデイヴ・ロングストレス、どちらも20年弱の経歴を誇る玄人インディ・ロック界の王子である。メンバーチャンジや音楽変化を経て、去年の夏、ダーティ・プロジェクターズは『Lamp Lit Prose』、この夏ディアハンターは、『Why Hasn’t Everything Already Disappeared?』をリリースした。どちらもよりマイルド路線だが、ストラグルしている不安定な「いま」を感じさせる作品だった。
 その2組が、7/17のロスアンジェルスから9/13のボストンまで(8月はお休み)、北アメリカ・ダブル・ヘッドラインツアーをしている。NYは9/10の1日から9/11が加わって2日間になった。1日目はディアハンターがオープン、2日目はダーティー・プロジェクターズがオープン。2018年からメンバーが一新したダーティ・プロジェクターズには、アヴァルナのフェリシアがバックコーラスで参加している。

 ダーティ・プロジェクターズは見逃してしまったが、ニュー・アルバムからの曲と、 “Impregnable Question”や“Socialites”などの定番曲を披露したということで、新曲では3人の女性ヴォーカルが際立っていたという。バルコニーで、フェリシアに会ったが、彼女はアロハシャツをタックインし、ビビッドなオレンジタータンチェックのパンツというアウトフィット。長身の彼女にとても似合っていた。「スタイリストに返さないとダメなのよね」と言っていた。

 ディアハンターは、安定の6ピース。真っ赤な革靴と黒のウインドブレーカー、バンダナ、シャツのブラッドフォード。“Cover me (slowly)”でスタート。最新アルバムからの曲と“Desire lines (Lockett!)”、“Revival”、“Take Care”などの古い定番曲をミックスした王道セット。会場のウェブスターホールにブラッドフォードはとても思い入れがあるらしかった。今夜ニューヨーカーにとって大きな意味のある9/11にプレイするのも何かの縁で、その日ブラッドフォードはとにかくダウンタウンを歩き回ったそうだ。

 今回は、ステージ・マネジャーとして、エミリオという男性がいた。とても働き者で、ブラッドフォードのマイクコードやマイクスタンドを直したり、ベースの音が出なかったらすぐにケーブルの繋ぎを確認したり、ギターのチューニングをしたり、ギターやベースを渡したり、最後はヴィオラで数曲参加していた。そんな彼は、ダーティ・プロジェクターズのマネージャーの旦那さんでもあった。

 NYは2日ともソールドアウトで、バルコニーから見ているとシンガロングがよく見える。あらためて、の2組の人気の強さを感じた。

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Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

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