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スーパーボールとUS音楽界

Random Access N.Y.

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Vol.81:Random access NY

Superbowl 50 -Coldplay, Beyonce, Bruno Mars
スーパーボールとUS音楽界

Feb 17,2016 UP

 今年もまたこの時期がやってきた。あー、アメリカにいるなー、と思える瞬間。スーパーボウルである。アメリカのプロフットボール「NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)」の優勝決定戦。アメリカで感謝祭の次に多くの食料が消費される日。

 アメリカでは、プロ・アメリカンフットボールが国民的にいちばん人気のあるスポーツ(33%)で、次が野球(15%)、その次が大学アメリカンフットボール(10%)である(ハリス・インタラクティブ2015年12月調べ)。プロと大学を合計した場合は43%で、2人に1人のアメリカ人はアメリカン・フットボール好き、というほど人気ぶり。アメリカの国技になっている。

 筆者は去年まで、スーパーボウルにも、ハーフタイム・ショーにもまったく興味はなかったが、たまたま去年、スーパーボウル時にいたバーで、ゲームを大きな画面で上映していた。周りはやんややんやの大盛り上がりで、ルールのわからない私には、まったく「???」だったのだが、そこまでアメリカ人を惹き付けるスーパーボウルとは何ぞや、と興味を持った。ルールは、実際きちんとは把握できていないのだが、4回の攻撃権で10ヤード進むと得点を入れることができる。まわりの友だちが、「いまのは……」とプレイごとに説明してくれるのだが、すぐに次のプレイに進み、「お~、ぎゃ~、ダメ~!!」など大声で野次を飛ばすので、ルールはいつまでも理解できないまま。詳しくはこのリンクを参照(http://www.nfljapan.com/guide/rule/)。

 観るほうも、自分の人生をかけるように真剣で、私はまわりの人の反応を見るほうがおもしろかった。

 ゲームの前に、真っ赤なパンツ・スーツと真っ赤なアイシャドウのレディ・ガガがナショナル・アンセム(国家)を独唱。グランドピアノ一台とガガのみで、後ろには、巨大なアメリカ国旗が広げられ、選手、オーディエンス、会場が一つになり、皆が胸に手を当て敬意を払う。その前では手話で国歌を通訳している女性がいたり、中継で海軍が敬礼している様子が写されたり、あらためて国家的行事なんだなと。ガガは堂々と落ち着き払い、その様子はオペラ歌手のようにもみえる。そしてお決まりの飛行機が飛ばされ、ゲームはスタート。

 ゲーム内容は割愛するが、スーパーボウルはCMの祭典といわれるほど、流されるCMにも気合が入っている。バドワイザー、T Mobile、アマゾン、コルゲートなど、ここで流すCMは500万円を超えるとか。私が好きだったのは、ケチャップのヘインズ。

 ホットドッグになったダックスフンドがヘインズ・ソース・ファミリーに向かって、パタパタ走っている。「かわいいー」と周りの反応も○。緊張感あるゲームの間、ひととき癒される。スーパーボウルのCMはどれも気合が入っているので見る価値ありだが、オーディエンスのダイレクトな反応もわかりやすい。いけてるユーモアを入れると反応するが、さじ加減がちがうと×なのだ。受けると思って作るとだめらしい。

 ハーフタイムショーには、今年はコールドプレイ、ビヨンセ、ブルーノ・マーズが出演。演奏者、ダンサー、チアリーダー、エキストラ、たくさんの人を巻き込み、豪華絢爛に会場を一つにする。

 コールドプレイがメインアクトなのだが、まずフィールドで歌うクリス・マーティンの後ろをたくさんのファンが走り抜ける。ステージは虹色に飾り付けられ、マーチング・バンドや応援団が登場、虹色の花傘を振りまわし、フィールドがお花畑のようになる。彼らが3曲歌った後にブルーノ・マーズが登場。そこで雰囲気ががらりと変わり、その後のビヨンセで、観客の心をガツーンと鷲づかみにした感がある。ビヨンセはこの一日前にニュー・シングル“Formation”をリリースしたばかりで、その曲を披露。ブラックパンサー党を彷彿させる、黒人女性ダンサーを何十人も従え、娯楽の場に政治的意味を盛り込み、ハーフタイムショーの主役を軽く持って行った。その後にコールドプレイが“Clocks”を演奏しはじめると、いままでのハーフタイムショーの映像が映し出され(ポール・マッカートニー、マイケル・ジャクソン、U2など)、3人がいっしょに登場し、“Fix You”、“Up&Up”と続く。最後は、観客席が「BELIEVE IN LOVE」と文字になって映し出され、まわりがすべて虹色に染まる。

 このショーだけでジーンと来るし元気を100倍ぐらいもらった気がする。これだけアメリカが一つになる日ってあるのでしょうか。 今年は、大統領選もあり、すでにドナルド・トランプとヒラリー・クリントン、バーニー・サンダースあたりの話題で持ちきりだが、皆アメリカにプライドを持っているし熱い! いろんな暗い話もあるが、これを観ると万事OK。スーパーボウルへの情熱は、アメリカを象徴している気がする。この国から生まれる音楽がタフなわけである。

Setlist:

Coldplay“Viva La Vida”
Coldplay“Paradise”
Coldplay“Adventure of a Lifetime”
Mark Ronson and Bruno Mars“Uptown Funk”
Beyonce“Formation”
Coldplay“Clocks”“Fix You”“Up&Up”

(参考リンク)
http://pitchfork.com/news/63378-beyonce-mark-ronson-bruno-mars-join-coldplay-for-super-bowl-halftime-show/

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Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

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