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Random Access N.Y.

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vol.36:USでは、企業がインディを応援する

沢井陽子 Jul 24,2012 UP

 「ハウス・オブ・ヴァンズ」というイヴェント・スペースがグリーンポイントにある。
去る7月21日、ウィリアムスバーグの、いちばん川側のフランクリン通りを北に歩いて行くとグリーンポイントになるのだが、そこに近づくにつれて、音が大きくなってくる。ヴァイタミン・ウォーターのトラックが停まっていたり、人が群がっていたり、一目瞭然。セキュリティを軽々通り抜けると、広い場所が目の前に広がる。手前にテーブルが並び、Tシャツやカスタム・ヴァンズが置いている。「これ売ってるの?」と尋ねると、すべてフリー。サイズを聞かれ、ハイ、とTシャツとヴァンズを手渡される。Tシャツは、今回のイヴェント「クラシック&ブルックリン」のロゴ入りで、ヴァンズはヤーヤーヤーズの衣装でもお馴染みのクリスチャン・ジョイのカスタムデザインだ。

隣のブースには女の子たちが群がっている。ヴァンズ・クラシックのデザインのネール・シート(ミンクス提供)がフリーで配られていて、女の子はせっせとネイルシートをつけている。4種類あって、同じ柄のオリジナルのヴァンズがガラス・ケースのなかに仰々しく飾られている。
その日の出演者、ウィドウスピークはすでに終わっていて、ダム・ダム・ガールズを見ようとステージに近づくと、後方には写真撮影場所があり、スケートボードが出来るエリアがある。もっと奥にいくと、アウトサイドエリアまである。そこにはフリー・ドリンク(ヴァイタミン・ウォーター他アルコールも)やフード・トラック(フィルズ・ステーキ、コム・シ・コム・サ)などがあり、小学校の運動場みたいに、ゆうに1000人は収容出できるスペースだった。
実は行くまでは、どうせぎゅうぎゅうに混んでいて、ライヴもろくに見れないんだろうと思っていたが、大きな間違いだった。さすが老舗のパーティ・ブランド!

 個人的な印象では、こういうイヴェントは、人が来すぎてドリンクも気軽に買えないし、ライヴも人が多くて、見れないことが多い。が、このイヴェントの良いところは、人が集中しないように、さまざまなアトラクションをスペースのあちらこちらに設置し、人がばらけるように仕向けているところ。もちろんこの広さが大きなポイントだが、ライヴ中でも、ネイルに夢中な女の子がたくさんいたし(たぶんボーイフレンドについてきて、バンドには興味がない)、外でハング・アウトしたり、スケー・ボード・エリアで気持ち良さそうに寝転んで、上からライヴを見ている輩もいて、それぞれの楽しみ方ができる、空間の作りがいいのだろう。そう言えば、コンヴァースはウィリアムスバーグに音楽スタジオを作り、ブルックリンの若手ミュージシャン、バンドのレコーディングをフリーで開放している。コンヴァースといえば大企業で、大企業といえば、たいていは人気スターや有名人のサポートを好むものだが、このようなかたちでまだ若い才能をサポートしていることは、正直、感心させられる。

 さて、久しぶりのダム・ダム・ガールズだったが、ディディが金髪になっていて、他の3人のメンバーも相変わらずブリブリに健在。みんな黒のコスチュームなのでディディの金髪がより際立っていた。新曲、古い曲をミックスしたセットで、MCは少ないが、ところどころで「今日は来ていないのだけど、これは私の旦那について書いた曲です」など、はっとするプライヴェートな言及があり(聞いたことがなかったので新曲?)、相変わらずの客に媚びないパフォーマンスであった。

 イヴェントは、ロスアンジェルスのアイ・アム・サウンドがプレゼンターで、ロスアンジェルス、ブルックリン、ポートランドで開かれている。ブルックリンでは、6月20日にはラプチャー、タンラインのショーも行われた。ブルックリンのラインナップは以下の通り。7/26:キングカーン&シャリンズ、エブリマン 8/2:ワッシュド・アウト、チェアリフト、レモネード 8/16:カーシヴ、ティタス・アンドリニカス、ラブ・アズ・ラフター 8/29:ターボネグロ、バロネス、ドゥーム・ライダー、ナイトバード。ココを参照→
企業がサポートしているフリー・イヴェントも千差万別だが、今回は感じの良いものだった。是非、日本の企業も見習っていただきたい(笑)。

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Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

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