Home > Regulars > Random Access N.Y. > vol.125 NYシャットダウン#3
QUARANTINED=毎日やることもなく、家に閉じこもっていなくてはならない。朝起きて、まずニュースに目を通し、今日もコロナヴィラスの話題だらけだなと思いながら朝ごはんを食べる。ニューヨーカーの40〜80%は感染するや、この状況は夏まで続くやら、何人が死んで何人感染したか、など明るいニュースはないので、やれやれ、といった感じだ。
もののみごとに人影もないブッシュウィックの風景。
シャットダウンしてからオースティンやアップステイト、プロヴィデンスなどに避難し、NYにいなかったので、戻ってきたいま、どうしてよいかわからない。普段は仕事をして、ショーに行って、イヴェントを企画して……それがすべてなくなってしまった。
さて、他のミュージシャンはどうしているのだろう、と気にかかった。プレスの人に訊くとリリースは延期もあれば、そのままリリースもある。リリース・パーティなどはできないが、この時期みんな時間だけはあるので、聞いてもらう良いチャンスかもしれない。ショーはできるときにしようということだが、いつになるやら。
音楽会場のオーナーやオーガナイザーは従業員を救おうとファンドレーザーを立ち上げたりしている。従業員に仕事がなくなったので、寄付してくれということなのだが、仕事がなくなったのは、彼らだけではなくみんななので、逆に寄付してほしいくらいと思っている人がほとんどだろう。
レストランやバーはテイクアウトとデリバリーをはじめた。レストランはわかるが、さすがにアルコールのテイクアウトは難しい。バーに行くのはそこで飲みたいからで、家で飲むなら、その辺のボデガで買っても同じだからだ、そしてそちらの方が断然安い。誰が家で凝ったカクテルなどを飲みたいか。ただ、ボトルのミードや酒などはわかる。なかなかボデガでは買えないからだ。という感じで、スモール・ビジネスは奮闘しながらも営業を続けている。購入するときもカードのみで、ピックアップは外に置いてあり、勝手に取るシステムがほとんど。買いに来ても誰とも顔を合わせないのだ。
人に会えないので、オンライン飲み会がまわりで流行っている。何人かでFaceTimeで顔を見ながら飲み会するというやつだ。うちらバンドも週に2回くらいはヴィデオチャットで近況(と言ってもそんなに変わりはないが)報告する。インスタライヴなどでオンラインショーなどを企画したり、ライヴのオルタナティヴ。ヴァージョンをレコーディングしようとしているが、なんだかなー、という感じである。
私のまわりのニューヨーカーは故郷に帰った人もいるが、だいたいは残っている。逆に故郷に帰って年老いた両親に迷惑かけたくない、ということもあるようだ。まったく症状が出ない人もいるわけだから、みんな動きたくても動けない。例えばロードアイランド州に行くと、ニューヨークナンバーはチェックされるし、バスもほとんど止まってしまった。ニューヨークにいるしかないのである。この状況でどこまでいけるか、もう何も通常ではないので怖いものもないと思える自分がいる。
いまトレンドなハードセルツァー、そしてコロナブランド。